鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

266 / 266
息抜きに短編小説を書きました!
【ギャグにしたい作者VSシリアスにしたいAI】ってタイトルです
5000字くらいのコメディ企画モノですのでお暇な方は作者プロフィールから是非








第255話 8/29(月) COOP:死神⑧

 

 

※武見妙視点

 

 

 

彼らが成した改心祭りの余波は、町医者であるウチの武見内科医院にも直撃していた。

犯罪まで至らなかった、説得して現在の職務を続ける事になる者たちが胃薬やら睡眠薬やらを求めて押しかけたのである。

 

罪悪感との戦いはそれだけ辛いものなのだろう。

同じく改心した者である大山田はこれを全力でサポートする姿勢を見せた。

自身の医局の関連病院などで改心患者をデータ集積し、主に必要となる薬を先んじて全国からかき集めたり製造手配することによって患者に正しく薬が行き渡るようにしたのである。

 

私もそれを手伝い、改心でメンタルや内臓を拗らせかけている患者を片っ端から診ていた。

良心の呵責と戦う者達を何人も診察するなんて、想像だにしなかった経験だった…

 

 

 

〜〜

〜〜

 

 

そして、夜。今日も診察を終え…夕食も風呂も、ナイトルーティーンが全て終わった頃。

 

ふと、物思いに耽っていた。

思い浮かぶのは、あの日のこと。

 

(…本人に聞くのが一番早いか。)

 

何気なくスマートフォンを手に取り、電話を起動。

電話帳から人物を選び…少しだけ、喋りだしの言葉を考えてから電話を掛けた。

 

Pr,

 

鴨志田卓

『はいもしもし。』

 

 

だって、1コールも掛からずに繋がるから。

 

 

武見妙

「私。今、忙しい?」

 

鴨志田卓

『なんとか落ち着いては来ましたけど、まだまだ忙しいですね。今日はもう寝るだけなので時間ありますよ。』

 

武見妙

「私もそんな感じ。話さない?」

 

鴨志田卓

『勿論です。20秒だけ下さい。』

 

武見妙

「ありがと。」

 

 

ミュートされていないであろうスマホから、ドタバタと。

何処かに移動するような音が微かに聞こえる。

 

 

鴨志田卓

『お待たせしました。』

 

武見妙

「突然ごめんね?」

 

鴨志田卓

『いえいえ、いつでも歓迎ですよ。』

『最近、こういう寝る前の時間しか自由時間が無いことも多いですから。』

 

武見妙

「うん。改心祭り…凄い盛り上がりしてるよね。」

 

鴨志田卓

『それだけ、獅童が手広くやってたってワケです。保身に走られる前に一網打尽にできて良かった。目に見えて、世界が良くなってるって感覚がある。』

 

武見妙

「これが、君のやりたかったことなんだ?」

 

 

冷蔵庫から、牛乳を注いでレンジの中へ。

冷房で冷えた内臓を温めるためのホットミルクを作る。

 

 

鴨志田卓

『そんな感じです。世界に、凄いことだ!って認めさせて…公認の研究にするんです。予算や守りを万全にして。』

『握り潰して停滞してた分も取り返すように研究していかないと…また別の悪用者が出た時に、その都度対処していたら埒があきませんからね。』

 

武見妙

「あー…思ったより切実なんだ?」

 

鴨志田卓

『そうなんですよ。なので、今のうちにガンガン進めてて。』

 

武見妙

「お疲れ様。そんな時に、悪いんだけど…」

 

鴨志田卓

『お、何でしょう?追加の検証とかです?』

 

武見妙

「それは大丈夫。美羽ちゃん、無事に治っていってるそうだから。」

 

鴨志田卓

『あ、良かった!当病平癒に行った甲斐がありましたね!』

 

武見妙

「うん、そうなんだけど…ごめんね、本題。」

 

鴨志田卓

『ああ、すみません。どうぞ。』

 

 

夜の常夜灯の中、レンジ内でターンテーブルを回るマグカップ。

 

 

武見妙

「自宅療養で家に行ったとき、帰りに『カワカミ』って人と会ったんだけど、どんな関係?」

 

鴨志田卓

『…。』

 

 

チーン。と。

無言の中、寂しくレンジが鳴る。

 

 

鴨志田卓

『あーっっっと…こ〜れもしかして明るい話題な電話じゃなかった感じ…っすね?』

 

武見妙

「そうっすね。」

 

鴨志田卓

『…。』

 

武見妙

「…。」

 

 

徹底的に、相手の発言を待つ構え。

角砂糖を1つ放り込んで、スプーンで混ぜる音が妙に大きく聞こえる沈黙。

 

 

鴨志田卓

『言葉を選んでました、いきます。』

 

武見妙

「どうぞ?」

 

 

完成したホットミルクを口にしながら、容疑者の話を聞くことにした。

 

 

鴨志田卓

『まず、川上さんは同僚で。国語の教師やってるんです。三島や雨宮のいるクラスの担任ですね。』

 

『で、俺…結構色んな事知ってたじゃないですか。武見さんが大山田省一に困っていたこととか。それと同じ様に、川上さんの事も教わってて。』

 

『彼女、いわゆる毒親って言われる手合いに脅迫されてたんですよ。』

『すごい額の金を毎月要求されていたので、大山田さんにやったのと同じように…改心させました。』

 

『酷いですよ?自分の管理不行き届きを教師のせいにして、慰謝料払わなきゃ教育委員会に言うって。それで副業までして体調崩しながら全力で金を稼ごうとするのが…放っておけなくって。』

 

『今は無事に持ち直して、元気に働いてくれてます。』

 

武見妙

「ふぅん…」

 

 

素性、関係、その理由に結果。言葉を選んでいたという表現に違わぬ、順序立てた説明。

 

以前、命を救ってあげた時の取り乱し様とは大違いだった。

 

(誰かに相談した素振りも見せなかったな…)

 

 

武見妙

「…ねぇ。私に会って取引を持ち掛けたのは薬の為って言ってたけど、他にどんな理由があったの?」

 

 

他に理由があるのは当然とし、その中身を問う質問。

鴨志田卓はまた少し口籠ってから。

 

 

鴨志田卓

『所謂、困ってる人達の情報は、面識のある・ない問わずに片っ端から教えられた話なので…有用な薬を作って頂ける武見さんのストー…話を聞いて、そ、その…一度、生で見れたら嬉しいな〜なんて、思っちゃいました。』

 

武見妙

「…フフ。」

「そこで恥ずかしがるんだ。」

 

 

()()()ができた。

安心。気分が上を向く。

 

 

武見妙

「煮え切らない態度とか取ってるの?お見舞いに来てくれる同僚なんて滅多に居ないのに。」

 

鴨志田卓

『川上さんとは改心をしてもらう前からの付き合いなんです。だから…今の俺が、突き放すのも受け入れるのも…何をしても不適切なように思えてしまって。』

 

武見妙

「…そっか。」

 

 

薄っすらと、感じていた違和感。

複数枚のそれが集まり、重なって…ぼんやりとしたシルエットが見えてきた。

 

 

…。

 

 

武見妙

「教えてくれてありがとう。安心した。」

 

()

『良かったです、その…』

 

武見妙

「大丈夫。沢山言わなくても、()()()()から。」

「君の改心と、私の方も一段落ついたら…何処か連れて行って?」

 

()

『…。』 

『ええ、勿論です!』

 

武見妙

「ありがと、じゃあね。」

 

 

電話を切る。

 

マグカップ片手に、ベランダに出る。

都心では無いものの…東京故か、十分に電灯が照らす夜の街。

見下ろしながら…甘いホットミルクを飲む。

 

 

武見妙

()の俺、ね…」

 

 

確認できたこと。

 

私に好意を抱く者が…電話口に居たこと。

そして、電話口の者は恐らく…同僚の教師との関わりがまだ短いこと。

改心前後と言っては居たが…ならなぜ、今の自身には不誠実になるか。

 

…改心前の要素が、好意を持たれる決め手になったと考えている?

 

 

武見妙

「ん〜…。目下、取り急いで研究する物は無いし。」

 

 

調べてみることにしようか。

そう、私は考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

今、電話口に居た()は。

 

本当に、鴨志田卓だったのだろうか?

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

Persona5 ーRevealedー(作者:TATAL)(原作:ペルソナ5)

突如人が変わったようになり、恐ろしい事件を引き起こす精神暴走事件が日夜ニュースを賑わわせている東京。▼そんな東京の私立高校、秀尽学園にある日一人の転入生が訪れる。▼それは精神暴走事件と並んで世間を賑わわせることになる『怪盗団』が人知れず産声をあげた瞬間だった。▼怪盗団が進める世直し、『更正』の先に見た偽りの神、優しい嘘で満たされた人<かみ>の世界…


総合評価:26874/評価:9.27/完結:125話/更新日時:2025年07月30日(水) 00:21 小説情報

幸せなバッドエンドを目指して(作者:ぽんしゅー)(原作:ペルソナ5)

──だってそっちの結末が素晴らしいと感じたから。▼※ペルソナ5Rの三学期のネタバレが含まれます。▼※芳澤早期加入。▼柴猫侍さんから挿絵を頂きました。ありがとうございます。▼↓▼【挿絵表示】▼ウルト兎さんから挿絵を頂きました。ありがとうございます。▼【挿絵表示】▼


総合評価:11412/評価:8.86/連載:87話/更新日時:2026年07月08日(水) 00:00 小説情報

異世界食堂 二軒目!(作者:電動ガン)(原作:異世界食堂)

7日に1度、世界に現れる洋食のねこやの扉・・・▼だが!世界にはまだあった!!!▼ねこやの扉が現れるドヨウの日とは別に、スイヨウの日に現れた扉▼その扉は定食屋ふたばの扉であった。


総合評価:4564/評価:8.37/連載:63話/更新日時:2026年07月28日(火) 12:16 小説情報

退学したくない憑依山内くん(作者:白黒パーカー)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

 山内に憑依してしまった主人公が、退学を阻止するために立ち回るお話。


総合評価:9501/評価:8.61/連載:11話/更新日時:2026年07月04日(土) 10:07 小説情報

0.1%の積み重ね(作者:仮面のカルメン)(原作:HUNTER×HUNTER)

HUNTER×HUNTERの世界に転生したフクリ。▼戦闘の才能は普通。努力もできればしたくない。▼そんな彼が作ったのは、念能力に使えるメモリが毎日0.1%ずつ増えていく能力「複利」。▼時間を味方につけ、増え続けるメモリで新たな能力を作りながら、少しずつ強くなっていく。▼これは、才能ではなく“積み重ね”で最強を目指す男の物語。▼※時系列、年齢がおかしくなってい…


総合評価:6686/評価:7.7/連載:46話/更新日時:2026年08月11日(火) 12:40 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>