鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
【ギャグにしたい作者VSシリアスにしたいAI】ってタイトルです
5000字くらいのコメディ企画モノですのでお暇な方は作者プロフィールから是非
※武見妙視点
彼らが成した改心祭りの余波は、町医者であるウチの武見内科医院にも直撃していた。
犯罪まで至らなかった、説得して現在の職務を続ける事になる者たちが胃薬やら睡眠薬やらを求めて押しかけたのである。
罪悪感との戦いはそれだけ辛いものなのだろう。
同じく改心した者である大山田はこれを全力でサポートする姿勢を見せた。
自身の医局の関連病院などで改心患者をデータ集積し、主に必要となる薬を先んじて全国からかき集めたり製造手配することによって患者に正しく薬が行き渡るようにしたのである。
私もそれを手伝い、改心でメンタルや内臓を拗らせかけている患者を片っ端から診ていた。
良心の呵責と戦う者達を何人も診察するなんて、想像だにしなかった経験だった…
〜〜
夜
〜〜
そして、夜。今日も診察を終え…夕食も風呂も、ナイトルーティーンが全て終わった頃。
ふと、物思いに耽っていた。
思い浮かぶのは、あの日のこと。
(…本人に聞くのが一番早いか。)
何気なくスマートフォンを手に取り、電話を起動。
電話帳から人物を選び…少しだけ、喋りだしの言葉を考えてから電話を掛けた。
Pr,
鴨志田卓
『はいもしもし。』
だって、1コールも掛からずに繋がるから。
武見妙
「私。今、忙しい?」
鴨志田卓
『なんとか落ち着いては来ましたけど、まだまだ忙しいですね。今日はもう寝るだけなので時間ありますよ。』
武見妙
「私もそんな感じ。話さない?」
鴨志田卓
『勿論です。20秒だけ下さい。』
武見妙
「ありがと。」
ミュートされていないであろうスマホから、ドタバタと。
何処かに移動するような音が微かに聞こえる。
鴨志田卓
『お待たせしました。』
武見妙
「突然ごめんね?」
鴨志田卓
『いえいえ、いつでも歓迎ですよ。』
『最近、こういう寝る前の時間しか自由時間が無いことも多いですから。』
武見妙
「うん。改心祭り…凄い盛り上がりしてるよね。」
鴨志田卓
『それだけ、獅童が手広くやってたってワケです。保身に走られる前に一網打尽にできて良かった。目に見えて、世界が良くなってるって感覚がある。』
武見妙
「これが、君のやりたかったことなんだ?」
冷蔵庫から、牛乳を注いでレンジの中へ。
冷房で冷えた内臓を温めるためのホットミルクを作る。
鴨志田卓
『そんな感じです。世界に、凄いことだ!って認めさせて…公認の研究にするんです。予算や守りを万全にして。』
『握り潰して停滞してた分も取り返すように研究していかないと…また別の悪用者が出た時に、その都度対処していたら埒があきませんからね。』
武見妙
「あー…思ったより切実なんだ?」
鴨志田卓
『そうなんですよ。なので、今のうちにガンガン進めてて。』
武見妙
「お疲れ様。そんな時に、悪いんだけど…」
鴨志田卓
『お、何でしょう?追加の検証とかです?』
武見妙
「それは大丈夫。美羽ちゃん、無事に治っていってるそうだから。」
鴨志田卓
『あ、良かった!当病平癒に行った甲斐がありましたね!』
武見妙
「うん、そうなんだけど…ごめんね、本題。」
鴨志田卓
『ああ、すみません。どうぞ。』
夜の常夜灯の中、レンジ内でターンテーブルを回るマグカップ。
武見妙
「自宅療養で家に行ったとき、帰りに『カワカミ』って人と会ったんだけど、どんな関係?」
鴨志田卓
『…。』
チーン。と。
無言の中、寂しくレンジが鳴る。
鴨志田卓
『あーっっっと…こ〜れもしかして明るい話題な電話じゃなかった感じ…っすね?』
武見妙
「そうっすね。」
鴨志田卓
『…。』
武見妙
「…。」
徹底的に、相手の発言を待つ構え。
角砂糖を1つ放り込んで、スプーンで混ぜる音が妙に大きく聞こえる沈黙。
鴨志田卓
『言葉を選んでました、いきます。』
武見妙
「どうぞ?」
完成したホットミルクを口にしながら、容疑者の話を聞くことにした。
鴨志田卓
『まず、川上さんは同僚で。国語の教師やってるんです。三島や雨宮のいるクラスの担任ですね。』
『で、俺…結構色んな事知ってたじゃないですか。武見さんが大山田省一に困っていたこととか。それと同じ様に、川上さんの事も教わってて。』
『彼女、いわゆる毒親って言われる手合いに脅迫されてたんですよ。』
『すごい額の金を毎月要求されていたので、大山田さんにやったのと同じように…改心させました。』
『酷いですよ?自分の管理不行き届きを教師のせいにして、慰謝料払わなきゃ教育委員会に言うって。それで副業までして体調崩しながら全力で金を稼ごうとするのが…放っておけなくって。』
『今は無事に持ち直して、元気に働いてくれてます。』
武見妙
「ふぅん…」
素性、関係、その理由に結果。言葉を選んでいたという表現に違わぬ、順序立てた説明。
以前、命を救ってあげた時の取り乱し様とは大違いだった。
(誰かに相談した素振りも見せなかったな…)
武見妙
「…ねぇ。私に会って取引を持ち掛けたのは薬の為って言ってたけど、他にどんな理由があったの?」
他に理由があるのは当然とし、その中身を問う質問。
鴨志田卓はまた少し口籠ってから。
鴨志田卓
『所謂、困ってる人達の情報は、面識のある・ない問わずに片っ端から教えられた話なので…有用な薬を作って頂ける武見さんのストー…話を聞いて、そ、その…一度、生で見れたら嬉しいな〜なんて、思っちゃいました。』
武見妙
「…フフ。」
「そこで恥ずかしがるんだ。」
…
安心。気分が上を向く。
武見妙
「煮え切らない態度とか取ってるの?お見舞いに来てくれる同僚なんて滅多に居ないのに。」
鴨志田卓
『川上さんとは改心をしてもらう前からの付き合いなんです。だから…今の俺が、突き放すのも受け入れるのも…何をしても不適切なように思えてしまって。』
武見妙
「…そっか。」
薄っすらと、感じていた違和感。
複数枚のそれが集まり、重なって…ぼんやりとしたシルエットが見えてきた。
…。
武見妙
「教えてくれてありがとう。安心した。」
『良かったです、その…』
武見妙
「大丈夫。沢山言わなくても、
「君の改心と、私の方も一段落ついたら…何処か連れて行って?」
『…。』
『ええ、勿論です!』
武見妙
「ありがと、じゃあね。」
電話を切る。
マグカップ片手に、ベランダに出る。
都心では無いものの…東京故か、十分に電灯が照らす夜の街。
見下ろしながら…甘いホットミルクを飲む。
武見妙
「
確認できたこと。
私に好意を抱く者が…電話口に居たこと。
そして、電話口の者は恐らく…同僚の教師との関わりがまだ短いこと。
改心前後と言っては居たが…ならなぜ、今の自身には不誠実になるか。
…改心前の要素が、好意を持たれる決め手になったと考えている?
武見妙
「ん〜…。目下、取り急いで研究する物は無いし。」
調べてみることにしようか。
そう、私は考えていた。
今、電話口に居た
本当に、鴨志田卓だったのだろうか?