鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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修学旅行始まります!
申し訳ありませんが投稿頻度が隔日に戻ります


第260話 9/7(水) 絆固める修学旅行:出発編

 

 

 

〜〜

〜〜

 

 

※三人称視点

 

 

二学期も始まり、夏休みで生活習慣が乱れた者もだんだんと持ち直してきた頃。

 

修学旅行がついに始まり、秀尽高校二年生達(+α)は空港へと集まっていた。

入口近くの広場に集まって、鴨志田卓が号令をかけている。

 

 

鴨志田卓

「…そして、一般の方も乗る飛行機だ。はしゃぎたい気持ちは分かるが、ハワイに着いてから存分に楽しむ為に温存すると思って大人しくするように。」

「それじゃ、まだ時間はある。機内に入る時は各自しおりに載ってる場所から、近くの引率に声を掛けて入るようにな。解散!」

 

 

その声を合図に、みんながぞろぞろと空港内に入っていく。

国際線の為に、とても余裕のある集合時刻。

売店を見るなり、ハワイに行って何をするかを調べるなり…思い思いのそわそわした時間を過ごす。

 

鴨志田は体育教師として、まだ来ていないアホ達に電話を掛けまくる仕事に向かった。

原作通りにちゃんと集合してくれているメンバーに安心しながらも、原作にて描写の無かった遅刻魔達と戦っていく…

 

 

 

…。

 

 

 

大あくびをしている坂本竜司が、なんとか手続きを済ませてターミナル内に入った。

 

それを見つけ、近寄る人影が2人。

 

 

明智吾郎

「や。」

 

佐倉双葉

「我が名はアシダカグモ!一般の方だ!」

 

坂本竜司

「はよ〜っす…」

「眠ぃ…」

 

明智吾郎

「飛行機で寝ればいいさ。探偵王子からの電話はお気に召したかい?」

 

坂本竜司

「召さねーよ!なんで15分置きなんだよ遅刻しようがねーわ!」

 

 

惣治郎の愛がたっぷりどっさりめいっぱいこれでもかと込められたキャリーケースを転がす佐倉双葉に、髪型を変え黒いマスクと眼鏡を装備した明智吾郎。

空港にそぐわない覆面とならないギリギリを狙った変装だった。

 

学校を思いっきりサボって行う旅行。以前の自分なら絶対にしなかった大胆な遊び。

控えめに言って、明智の心は高鳴っていた。

 

誰よりも早起きした明智は、遅刻防止のモーニングコールだと言って坂本へ何度も電話を掛けており。

お陰で、坂本は原作と違い余裕を持って到着している。

 

 

坂本竜司

「はぁ…てか、よく近い便取れたよな。うちの女子、お前見つけたら卒倒するんじゃね?」

 

明智吾郎

「一応顔は隠してあるし、列の端に陣取ったけど…ハワイに着くまでは名前で呼ぶなよ?今拡散でもされたら誤魔化しきれない。」

 

坂本竜司

「当然だろ、俺が__」

 

呼びかける声

「竜司ー!」

 

遠くから坂本に声が掛かる。

それは陸上部の面々。手を振り、こちらに来るよう呼びかける仕草には…以前のような険悪さは感じられない。

 

 

坂本竜司

「おーう!」

「悪い、行ってくる。」

 

 

そう言って坂本が足をその一団に向ける顔には少し緊張があった。

探偵の眼は、それを見逃さない。

 

 

明智吾郎

「ああ。」

「無理するなよ?竜司。」

 

坂本竜司

「…おうよ。」

 

 

明智が一瞬マスクをずらして不敵な笑みを見せてやれば、同調するように坂本の表情もほぐれる。

 

 

坂本竜司

「じゃ、またハワイでな!」

 

佐倉双葉

「あ、待って。目ヤニついてる。」

 

坂本竜司

「ん…マジだ。あんがとな!」

 

双葉の指差しに一瞬立ち止まり。

坂本は身だしなみを整え、小走りでその場を立ち去った。

 

 

 

 

佐倉双葉

「ふむ…異性としての魅力をまるで感じない。」

 

明智吾郎

「言ってやるな。並大抵の男子高校生はあんなものだよ。」

「そろそろ、冴さんも到着してるはずだ。早めに合流しておこう。」

 

佐倉双葉

「うむ。案内してくれたまへ。」

 

 

目を閉じて、左手をキャリーケースに置き…右手を差し出す佐倉双葉。

容姿が良い為にギリギリ絵になっている。

 

 

明智吾郎

「…得意分野だろ?頼り切りにせず少しは自分でやった方が練習になるんじゃないかな?」

 

佐倉双葉

「私は今、人混みの中正気を保つので忙しい。良きにはからえ。」

 

明智吾郎

「…。」

 

 

明智がよく見てみれば、佐倉双葉の手は震えていることに気づく。

なんなら膝とか肘とか胴体も震えていた。

結構対人経験は積んできたものの、惣治郎が車で各所に送迎をしたり過保護に優しくしてくれているのもあってかまだ人に慣れきっていない佐倉双葉。

 

原作コープ10、友人ルートのような人混み単独行動はまだまだ練習中だった。

 

 

 

明智吾郎

「…はいはい。分かりましたよ、お姫様。」

 

佐倉双葉

「ファラオでいーぞ!」

 

 

負い目やら、危なっかしさやら。

そして、好感度が高くないのに距離が近く気安い…まるで親戚のような関わり方が存外居心地良く。

 

マスクの下となって見えないのをいいことに、明智吾郎の口角は上がっていた。

 

 

 

10m程先で、ヤバそうだったら助けようとサードアイ全開でガン見している雨宮と目を合わせて手を振ってから…明智は双葉の手を引いて歩くのだった。

 

髪の色味も相まって、その姿は大変に絵になるものだった。

 

 

 

…。

 

 

 

雨宮蓮

…。

当然のように気づかれていた…

 

 

そんな義妹想いの雨宮蓮に、背中から声を掛ける者が2人。

 

 

高巻杏

「アロハ〜!」

 

鈴井志帆

「あ、アロハ〜…。」

 

 

ノリノリの高巻杏に、恥ずかしげな鈴井志帆である。

明るくジェスチャーをする高巻に対して、恥ずかしそうに顔を赤くしながら身長差による上目遣いで挨拶する鈴井。

それぞれどちらもファンクラブが設立しそうな魅力を放っていた。

 

 

雨宮蓮

気が早くない?

おはよう

アローハ!

 

気が早くない?

おはよう

アローハ!←

 

 

高巻杏

「いぇ〜い!」 ♪♪

 

 

『陽』のコミュニケーションをしつつ、挨拶を済ませる三人。

 

 

高巻杏

「今の…もしかして、明智吾郎?」

 

 

高巻の疑問に、雨宮は頷いて肯定を返す。

 

 

高巻杏

「また、誰か唆そうとしてるんじゃ…」

 

鈴井志帆

「?」

 

高巻杏

「明智ね、夏休みのちょっと前に…鴨志田が悪巧みしてるって言ってたんだ。*1あれから何もなかったから忘れてたけど…」

「蓮って先生と仲いいよね?何か知らない?」

 

雨宮蓮

…。

ここはうまく、誤解を解いておくべきだろう…

 

 

杏に、無事に今は誤解も解けて仲良くやっていることを伝えた。

併せて、竜司と明智が仲良しな事を写真付きで教えてやった…

*2

 

 

鈴井志帆

「そうだったんだ…明智君って、獅童って議員を捕まえようとしてたんだよね?認知訶学の紹介動画に鴨志田先生っぽいのが居るって秀尽で噂になってるし…」

「廃人化事件の捜査か何かで怪しまれたんじゃない?私の所にも明智君来てたから。*3

 

高巻杏

「あ〜…確かに。」

「そうなの?」

 

 

当たらずとも遠からずな鈴井の推理に乗っかり、黙って頷く雨宮。

 

 

高巻杏

「また先生が何かしたの?」

 

雨宮蓮

そうだ

竜司達のお陰だ

明智が頑張った

 

そうだ

竜司達のお陰だ←

明智が頑張った

 

 

そのまま、竜司達の活躍を異世界の話は伏せて語る雨宮。

 

 

鈴井志帆

「ふ〜ん…良い影響を与えあったって感じ?」

「杏の友達にしてはグレ過ぎてるなって思ってたけど…結構やるんだね。」

 

高巻杏

「心配してたんだ。だいぶやつれてたから…」

「よし、もう元気そうならお菓子パーティでも開こっ!蓮も来れる?」

 

ノータイムで肯定を返す雨宮を見て満足そうに頷く高巻。

 

高巻杏

「よし、決まり!ハワイのお菓子の調達は任せて?蓮は竜司ん部屋の特定ね。」

「志帆も一緒行こ!」

 

鈴井志帆

「いいよ。」

「他は誰か呼ぶ?」

 

高巻杏

「んーん。私の友達だけで固める!」

 

高校2年生、最初で最後の泊まりイベントである修学旅行。

友達とお泊りする楽しい夜時間1回目の予定を早速決めた高巻は。

 

 

高巻杏

「(…志帆はもういいみたいだけど。竜司って今どう考えてるのかな…)」

 

 

そんな事を、ぼんやりと考えていた。

鴨志田卓を許すかどうか考える、材料の一つとするために。

 

 

 

 

 

 

 

…。

 

 

 

 

 

 

時間が経過し…飛び立つ寸前の機内。

2年生の搭乗が終わり、引率の面々も飛行機に乗り込んでいった。

 

 

新島真

「酔い止めは飲んだ?」

 

奥村春

「うん。最近なんだか強くなった気がするから…大丈夫だと思う。」

*4

 

 

教師の代わりに引率として駆り出された三年生達も、その例に漏れない。

大きな飛行機の中央列、4人が横一列に座る席。

右側の2席に奥村春と新島真は隣り合って座っていた。

 

右端に新島真、その左に奥村春である。

 

 

奥村春

「こうやって…話せる友達がいるフライトって初めてなの。」

 

周囲にわくわくした雰囲気を振りまく春。

ゆるくてふわふわのオーラが舞っていた。

 

新島真

「ふふ。私達でよかったら、幾らでも。」

 

奥村春

「…達?」

 

真の視線を追いかけて、春が左を向けば…

 

 

鈴井志帆

「ご無沙汰してます。」

 

奥村春

「あ。」

 

列の残る2席に座っていたのは、鈴井志帆と高巻杏の2人。

 

6月に屋上の菜園であった一件*5以来、他の友人と一緒に時々菜園に来てはモルガナを揉むついでに手入れを手伝ってくれていた者達だ。

 

社長令嬢なことを知らずに関わり始め、知ってからも態度を変えずに接してくれた下級生として…原作とはまた違った形で仲良くなっている。

 

*6

 

 

高巻杏

「生徒が引率なんて可哀想って思ってたけど、春が居るのすっごい嬉しい!自由時間ある?思い出作ろ?」

 

奥村春

「…!」

「ええ。5日間宜しくね、杏ちゃん。」

 

高巻杏

「うん!」

「新島先輩…真先輩って呼んでもいいですか?」

 

春としっかり目を合わせてから、視線を横にスライドして真の方を向く。

真のアンテナが察知したのは、自身の友人、高尾栄子にも感じたような急接近の気配…!

 

新島真

「え、い、構わないけど…」

 

高巻杏

「やった!真先輩もよろしくです!」

「その…応援してますから。ファッションの事とか、何でも聞いてくださいね?」

 

新島真

「??」

 

 

春との雑談で、2人との仲は知っていた真。

しかし、そのうち高巻杏がああも親しげな態度である理由は知らなかった。

 

…。

夏休み、改心祭りがあった上

受験生として自由時間を勉強にオールインしていた為に…

高尾栄子と高巻杏に関わりがあり、栄子が持つクソデカ誤解情報の『真は三島由輝を狙っている』をたっぷり聞かされていることを知らなかったのである…!!!

 

 

高巻杏

「メイク道具持ってきました?無かったら私の貸しますよ!」

 

新島真

「いや、不要な物は持ち込み禁止で…」

 

高巻杏

「絶対必要!女の子の武器だから!」

 

新島真

「そ、そう?」

 

高巻杏

「春もそう思うよね?狙ってる子居るなら尚更!」

 

奥村春

「うん、日焼け止めくらいは良いんじゃないかな。」

「…マコちゃん、恋愛してたの?」

 

 

ライバル(ミカ)から見て盗んだ懐潜り込みテクニックを全力で振るう高巻。

一度高尾栄子という者を懐に通した経験のある真は、その嵐を止めることができずに流されてしまう。

 

 

新島真

「え、ええっと…」

 

 

移ろった話題へと反論するため、

いやしかし部外者にバレないように、

けど彼女は素養を持っているのだと聞くしもう今なら多少明かしても問題ないのでは?

でも横に完全な部外者も居るからここでは…などなど。

 

慣れない分野の話にタジタジになる真。

 

 

奥村春

「メイク…良かったら私にも教えてくれない?」

「必要な時はスタイリストさんに任せっきりにしちゃってて…」

 

高巻杏

「ええ!?勿体ない!」

「春すっごく可愛いからミカにどやされちゃう!」

 

奥村春

「ミカ?」

 

高巻杏

「私の友達のモデルなんだけど、春先くらいに…」

 

 

普段の園芸のお世話ではあまり無かった話題。

春が行う園芸関連の話を主にしていた時と打って変わって、美容やモデル関連の話を楽しそうに会話する。

 

 

そうして、奥村春にとって普段と座り心地もサービスも数段下な筈のフライトは…

空が全く見えない中央席にも関わらず、これまでのどのフライトよりもあっという間に感じる時間になった。

 

 

 

 

この思い出を春から聞いた奥村邦和が、嬉しさ半分対抗心半分の複雑な感情になってバカンスを企画するのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

*1
第189話

*2
第250話の写真を三島から貰っている

*3
第129話

*4
改心祭りで異世界に潜入しまくった為

*5
第110話

*6
整理すると、

高巻杏→鈴井志帆→奥村春→新島真

の順番で中央列に座っている

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