鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~ 作:DreamFrog
『そろそろ、刻限になる。』
『やっぱ実行するのやめとくってなら伸びるぜ?』
『…最後に、一つ問おう。』
『貴様の名を…我に明かしてはくれないか。』
『えぇ…最高なこの世界に泥塗るようで恥ずかしいっていうかなんというか…鴨志田卓のコーチでいいじゃん。こう、〇〇君のママ的な。』
『名とは、その者の歩んだ軌跡に刻まれる。』
『貴様が来訪した後の変化は、その名と共に記録されるべきだろう。』
『う〜ん、俺の体のままなら何もできなかっただろうし、本当に鴨志田卓で良いんだけど…』
『それに…あくまでこれは
『イゴールが知っていて、我が知らぬというのは不公平ではないか?』
『…。』
『そういう理由なら、良いか。』
『笑うなよ?俺の名前は…』
『ククッ。よく似合うな、コーチ。』
『笑うな言ったじゃん!オラさっさと試合行ってこい!!』
完全に透明になり、自身の視界が消えたと思ったのもつかの間…俺はベルベットルームに立っていた。
(主人公の場合、囚人として投獄されていたらしいが…ベルベットルームの構造は変わらないようで安心した。)
(存分に…抵抗できるって訳だ。)
一切衰えを見せない反逆の意思を確かめ、前を向く。
そこに居るのは、イゴールの皮を被ったヤルダバオト。
笑いながら少し浮いており、傍らに蝶の入った鳥籠を浮かべている。
ヤルダバオト
「これは…貴様らの『勝ちの目』だ。これがなければ、二人を組み合わせたとてラヴェンツァは完成しない。」
そう言うと鳥籠はひとりでに動き…体育館となっているベルベットルームの、控室の奥へと消えていく。
ヤルダバオト
「コーチを剥がした残りに用はない。大衆らしく、何も知らずに死ねばいい。」
入れ替わるように、ジュスティーヌとカロリーヌがこちらにやってくる。
その目は、明らかに正気では無い。
ヤルダバオト
「命令だ。そのふざけた格好を辞めて…奴を殺せ。」
双子の看守
「「はい、主様。」」
双子の姿が、赤いエフェクトと共に変わっていく。
(コーチなら、原作同様の格好に心が踊るんだろうな。)
不在の友の事を考えながら、ハイライトの消えた目でこちらを見る、ヤルダバオトに従順な双子の看守と相対した。
…悪いが、俺には緊張感しか沸かなそうだ。
ヤルダバオト
「抗いたければ、その者らを殺すと良い。できるものなら、な。ククク…」
勧誘も取引も行わない一方的な通告をして、ヤルダバオトは消えていく。怪盗団の排除に集中でもするのだろう。
つくづく、俺自身には興味がないらしい。
ジュスティーヌ
「…刑を、執行します。」
カロリーヌ
「構えろ。…
バインダーを構える者、警棒を突きつける者。
2人の共通点は服装と、その身体が少し震えていること。
鴨志田卓
「やるしかない、か…」
ヤルダバオトは蝶を何処かに運んでしまった。
どうにか2人を気絶でもさせた後、合体させる設備と合わせて探せばいい。
ベルベットルームの出口はメメントス最深部に繋がっている。事が済めば、すぐ皆と合流できる。
なんにせよ、まずは勝つ必要があった。
…。
『
次に対峙するのは『
原作では双子のHPはそれぞれ8000あり、2人の合計は16000。
鴨志田卓…元バレーボール金メダリストであり、元P5最弱のパレスボスは。
目の前の試練に満ちた道を、獰猛に笑って突き進む。
鴨志田卓
「中学生以下は守備範囲外だ!」
「手加減しねぇぞ、幼女共!!」
アスモデウスに、燃料を焚べる。
…。
幼児を相手に叫ぶ大男。あまりにも犯罪臭のするマッチアップだが…
コーチから共有されていた2人の戦闘能力を鑑みるに挑戦者は俺だ。
王冠を掲げ、
背後に自分がもう一人居るような操作感には未だ慣れないが…試練は、成長や万全な準備を待ってはくれないものだ。
(まずは、人数不利を無くす!)
名前が名前だけにコーチは使いづらそうにしていたが、背に腹は代えられない。
呼び出した人形は…奥村邦和。
心のなかにある、記憶が呼び起こされる。
三島に鈴井、高巻…そして、その他大勢の被害者達。
それぞれ、彼らの信用を初めて裏切った時の記憶。
彼らの感情や、期待が反転する瞬間の表情。
憑依転生者たるコーチ側の記憶がなくたって、わかる。
…アイツが何かと理由をつけてこの能力の使用を渋って
鴨志田卓
「誓う。」
「もう二度と…お前らを裏切ったりしない!!!」
宣誓。
現れたSFチックな管には、手書きの字が載せられている。
『ありがとうを世界中に』。
役員ロボ・Type専務
「召喚*2ニ応ジ、馳セ参ジマシタ。」
「
鴨志田卓
「己の生存を第一に、適切に援護を!」
役員ロボ・Type専務
「喜ンデ。」
黒光りする、重役のボディ。赤く光る眼光、天を貫くアンテナ。
オクムラパレスの実質的なパレスボスとして名を馳せる(とコーチが言っていた)実力を持つ存在。
役員ロボ Type専務を召喚*3した。
Type専務と共に、真っ直ぐ双子へと走り寄る。
双子はそれぞれ分かれて大きく下がり、息の合ったペルソナ行使で【ジオダイン】と【ワンショットキル】が発生。
互いのスキルは干渉し、超電磁力を纏った弾丸としてType専務の胴体に風穴を開けようと放たれるが…
鴨志田卓
「アスモデウスッ!」
己が欲望の化身が顕現し割り込み、巨大なナイフを2本の手で構え受け止める。
凄まじい回転数によってナイフを弾くも威力の下がった弾丸を残る2本の手でレシーブ。上方へとはじき飛ばし、役目を終えたアスモデウスは消える。
…その大きな背に隠されていたType専務がまさしく戦車のように飛び出し、【役員パンチ】。
背の小さなジュスティーヌを掬い上げるような回転パンチで殴り飛ばし、3mほど打ち上げる。
乱雑に上がったトスを拾えないでいては、金メダルなど取れるわけがない。
摩擦で炎の軌跡が残るようなステップ。
球の位置に合わせて、アドリブでフォームを組む。
リベロの守りを抜く為のコントロールを、逆に当てる為に使う。
空中で姿勢を整えバインダーを盾のように構えるジュスティーヌをカロリーヌに向けて
ドッパァァァァンッッッ!!!
発射と着弾のタイムラグはほぼ無く、寸分違わずカロリーヌの座標に向けてかっ飛び…
鴨志田卓
「…当たっちゃくれないか。」
カロリーヌ
「動けるな。」
ジュスティーヌ
「えぇ、支障ありません。」
肩のホコリを払うような仕草をしながら、立ち上がったジュスティーヌがカロリーヌと並ぶ。
完全にフリーになっており、回避に専念できたカロリーヌは紙一重でその人間(人間?)砲弾を避けていた。
バインダーでも掠ったのか、頬にできた一筋の切り傷を親指で拭う。
俺の傷は、もう治っている。
鴨志田卓
「チャレンジ!!」
役員ロボ・Type専務
「喜ンデ。」
Type専務が注文に対応し、【ビックバン・オーダー】を開始。コンセントレイトと同効果の巨大な溜めを開始。
ベルベットルームの住民として過去にそれを
その速度は、今まで見たどの生物の動きよりも速かった。
バレーボールは、速くないと戦えない。
靴がコートに擦れる音が悲鳴のように響き、横をすり抜けようとするカロリーヌの
そしてジュスティーヌの前に棒立ちのアスモデウスを顕現させ衝突。進路を強引に塞いで妨害しているうちに、
遠心力をつけて全力でカロリーヌを床に叩きつける!!
カロリーヌ
「ぅぐっ!このッ!!」
人外のステータスを持つカロリーヌの戦意は一切失われず、自身が巻き込まれない最大打点である【サイコキネシス】を使用。
首が360°捩じ切られようと力が注がれ、脳みそが痙攣するかのような内部破壊により耳目鼻口全てから出血するのを無視しながら、攻撃を優先したカロリーヌの腹に震脚。
パレスの床を踏み砕くほどのソレがカロリーヌの内臓をぐちゃぐちゃにする寸前、
ジュスティーヌが【ビックバン・オーダー】への対処を捨てて俺に【万物流転】を放つ。疾風属性スキル最強の一撃が俺をズタズタに切り裂きながら、踏みつける場所からカロリーヌを吹き飛ばして逃がす。
双子それぞれと、俺。3者それぞれの位置が大きく離れた。
役員ロボ・Type専務
「オ待タセイタシマシタ。」
【ビックバン・チャレンジ】。
カロリーヌ
「うぷっ…!!こんなものっ!!」
対象はカロリーヌ。
怪盗団を当時、防御の上からでも立て直しを余儀なくさせた
その間にジュスティーヌが【真空波】をType専務に放ち吹き飛ばす。暴風に数秒耐える素振りを見せるも、ジュスティーヌの飛び蹴りによって選手出入り口へと叩き込まれる。
カロリーヌの荒々しい物とはまた違った鮮やかな一撃により、Type専務は扉を開けそのまま奥に転がっていった。
ジュスティーヌ
「しばらく持ち堪えていなさい、カロリーヌ。」
カロリーヌ
「ふん!囚人が死んでいても文句は言うなよ!」
ハイライトの消えた濁った瞳のままで軽口を交わし、ジュスティーヌはベルベットルームの奥へと駆けていく。
しん、と静けさがコートに満ちた。
俺の傷は、もう全部治っている。
カロリーヌ
「…潔く負けを認めれば、これ以上苦しめずに殺してやる。」
虚ろな瞳が震えている。
原作を知らないとワケの分からない状況だろう。
そもそも何も説明なく殴り掛かられているだけで意味不明だ。
だが、コーチの知識があるからわかる。攻撃が本意ではないのだと…彼女の心が叫んでいるのが聞こえる。
鴨志田卓
「ああ、苦しいよ。痛くて堪らない。」
カロリーヌ
「っ!なら、一撃で終わらせてやる!そこに…」
鴨志田卓
「
カロリーヌ
「っ」
こちらに近寄ろうとする優しいカロリーヌの前で、
人形を召喚。校長の人形をワイングラスの中に浮かべ、中に入った液体をアスモデウスがガバガバと飲んだ。
鴨志田卓
「教え子に嫌がる事を無理矢理やらせるコーチは…クズだ!!」
「
敵が減り、DPSが落ちるというのなら…防御を捨てても問題ない。
だからこそジュスティーヌは、持ちこたえていろと言ったのだ。
そこからは、まさしく鬼ごっこだった。
赤熱し蒸気を吹き出す俺が全力で追いかけ、接近戦では不利と理解しているカロリーヌが観客席を含めて全力で逃げる。
途中、一度逃げながらスライムを喚び出して金剛発破を放ってくることがあったが…
爆裂する金剛石の破片が全身に突き刺さったままにそのペルソナを握りしめ、突き立てるような拳をペルソナの顔面にぶち込んでやった。
スライムの物理耐性によって半減になった上から…カロリーヌに頭が割れるような激痛としてフィードバックされる。
堪らず切った、【ディアラハン】。
以降ジャックランタンを手に抱え、時折攻撃することこそあれど逃走を優先する。
敏捷性は身体の大きさからカロリーヌに軍配が上がるだろうが、カロリーヌにのみダメージが増えていった。
俺の傷は、もう全部治っている。
…。
鴨志田卓
「どうして、お前を殴らなきゃならない!?あの偽神は、だからニセモノなんだ!」
カロリーヌ
「慈悲など掛けるな、囚人!!」
「離せば、このまま貴様を殺すぞ!その後は、貴様のお仲間だ!」
カロリーヌが【神の審判】を使い俺のHPを半分削り取ったところを、両手で。カロリーヌの胴体を掴んだ。
(このくらいの歳の子供は…なんとも思っちゃ居なかった。だからこそ…昔の歪んだ色眼鏡抜きに、教え子として見れた。)
(生意気な態度の幼児…そうだな、娘なんて出来たら、こんな事も起きるんだろうか。)
双子とは憑依転生者のスタンスもあってか、教師と生徒の関係にはならなかった。
振り回す二人に、従う大人。
双子の娘を持ったかのような…父性を、
鴨志田卓
「言っただろ、手加減はしない。」
「これだけで死ぬ程ヤワじゃないとは
カロリーヌ
「…。」
俺が話している最中。
一瞬、カロリーヌの虚ろな瞳の中に。
悲しさに似た感情が浮かぶ。
視線の先は、俺の背後。
開かれた扉。
カロリーヌ
「っ、覚悟するのはお前だ、囚人!!」
そこに立っていたのは、役員ロボ・Type専務の首を持ったジュスティーヌで。
手に持つ首がチリと化すのと同時に、ペルソナ行使の構えを取る。
カロリーヌ
「合わせろ!」
ジュスティーヌ
「ええ。」
2人同時に、ペルソナを喚ぶ。
それ自体はさっき見た事の繰り返しなのだが…相違点が1つだけ。
現れたペルソナは、1体のみ。
双子の看守
「「メギドラオンッ!!」」
節制アルカナの最高峰、アルダー。
ベルベットルームの住民が放つ最大打点を…カロリーヌもろとも受ける。
残るHPが全損し気を失うカロリーヌを、ジュスティーヌが【リカーム】によって蘇生した。
HP50%で立ち上がるカロリーヌに、立て続けに【ディアラハン】を使ってHPを全快させる。
カロリーヌ
「ジュスティーヌ!人遣いが荒い!」
ジュスティーヌ
「あの場面では、どうしても必要な事でした。」
「…主のッ、命を…果たすには…」
カロリーヌ
「くっ…そう、だな。」
…。
頭を抑えるジュスティーヌ。その苦痛はType専務とのものではなく、
…。
目の前にあるのは、人の形を辛うじて保っているピンク色の塊。
カロリーヌ
「…肉が残ったか。後処理は私がやる。主の、お言葉の通りに…」
「!!」
警棒を振り上げたカロリーヌの目が、苦痛とは違った感情によって見開かれた。
…。
万能属性の攻撃は、なんだか食らい心地が様々だ。ビックバンチャレンジとメギド系はまるで違うし、シドウパレスで大砲の暴発に巻き込まれた時も感覚が違う。
痛みは、熱さとしてよく感じられる。
突き刺さるメギドラは、脱毛器のレベルを最大まで上げたような感覚だった。
しかしコレは…ひたすらに冷たい。
氷結属性の攻撃のように、直接冷えるんじゃない。
血が沢山出てしまった時のような…体の芯から熱が抜けていくような、そんな感覚がある。
そんな事を感じながら、最後に思った事は…
(これは…コーチの言う
まだ戦える。
メギドラオンにつきましては原作で戦える2人は使わないのですが、
特別刑務で神田の教会に行った際に話題に出ていたり
P5Xにてアルダーを使って万能属性の攻撃を行っているため、扱えるものとして解釈しております