鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第290話 10/9(日) その後、天竺へ。

 

 

~~

午前

~~

 

 

とある競技場にて、高校生たちが走っている。

短距離に長距離、リレー… 3年生たちが引退していく中、新しい時代を築く1,2年生たちがメイン層となる陸上競技の大会。

 

残暑がまだまだ残る秋。晴天の下で走る選手。

それを応援するマネージャーや保護者達。

その中に混ざり、他に負けないような青春の輝きを見せるのは…秀尽学園陸上部。

 

 

坂本竜司

「ナイスラン!テーピング緩んでねぇか?」

 

武石

「おう!」

「っ…」

 

坂本竜司

「おら、やせ我慢だろ!巻きなおすからベンチ!」

 

 

坂本竜司は部活動に復帰しており、この大会にも出席していた。

長距離を走り終えた武石を座らせ、ドリンクを飲ませているうちに足にテキパキとテーピングを施していく。

その服装は、ユニフォームではなくジャージ姿。

 

そう。

選手としてではなく…マネージャーとしての参加である。

 

 

武石

「いて、痛ぇって!乱暴なのちっとも変わってねーじゃん!」

 

坂本竜司

「悪かったな、乱暴な男で!オラッ!」

 

武石

「あだだだっ!!」

 

坂本竜司

「ほら次行ってこい!見てんぜ!」

 

武石

「…おう。」

「任せとけ、バレーボール部の五倍は偉業を成し遂げてやるからな!」

 

 

テーピングを強引に施し、出場する友人を激励する。

その背中を見る顔は…少しの寂しさと、それ以上の晴れやかな笑顔があった。

 

 

 

 

あの日から、およそ3週間が経っている。

 

 

 

 

…。

 

 

 

 

◎◎◎

 

 

 

メメントスが、消え去る前のこと。

 

モナが空に浮き、ヤルダバオトやコーチと共に行くために別れを告げようとした矢先…

ラヴェンツァはその手を掴み、地上へと引き戻していた。

 

 

モルガナ

「えっ」

 

ラヴェンツァ

「貴方の居場所はこちらです。」

 

新島真

「それって…」

 

ラヴェンツァ

「ええ。モルガナを…これからもよろしくお願いします。」

 

佐倉双葉

「にゃんこ!!」

 

奥村春

「モナちゃん!!」

 

モルガナ

「みんな…ありがふぎゅっっっっっ!!!」

 

 

半透明になっていた体が戻った矢先、左右から美少女二人にプレスされるモナ。

しみじみと喜ぶ暇もなく、2人にもみもみくっちゃくちゃにされてしまう…!

 

 

佐倉双葉

「ほ〜れ観念しろ人外にゃんこ!猫らしく揉まれるが良い!」

 

モルガナ

「にゃ、にゃぁ〜!」

 

ラヴェンツァ

「い、一応大衆の希望の産物なので…ある意味人間とは言えるかもしれませんよ?」

 

奥村春

「モナちゃんはモナちゃんだから。ね?」

 

佐倉双葉

「んね!」

 

モルガナ

「わ、ワガハイどうなっちゃうんだ…?」

 

 

クイーンも空いていたモナの頭を控えめに撫で、いつ再会できるかわからない別れがキャンセルされたことを皆で素直に喜んでいた。

 

 

ラヴェンツァ

「コホン。」

「お察しの通り…私はイゴール側、主に仕える存在です。名をラヴェンツァと申します。」

 

三島由輝

「俺の仮面になって手伝ってくれてた人だよ。ルール違反スレスレ攻めてたんだって。」

 

明智吾郎

「つまり、あの鳥籠の…」

 

ラヴェンツァ

「ええ。…見苦しい姿でしたが。」

 

奥村春

「女の子だったんだ…」

 

 

もみくちゃになる同胞を暖かい目で見た後、幼い姿の彼女は一度空気を整える。

あと2秒遅ければモナの耳を咥えていただろうノワールも意識をそちらに向けた。

 

向き直る先は…坂本竜司(スカル)。

 

 

ラヴェンツァ

「時間が無いので…手短に。」

「坂本竜司。貴方に1つ提案があります。」

 

坂本竜司

「…提案?」

「クロウとかクラウンに言わねーでいいのかよ?」

 

ラヴェンツァ

「道化師(クラウン)とは既に話を終えてあります。明智吾郎についても、詳細は後ほど。」

「提案というのは、この世界が閉じる前に行う必要がある話です。」

 

 

一呼吸おいて。

 

 

ラヴェンツァ

「貴方の足を…今なら、現実でも十全に動くように図らえます。此度の報酬として…受け取ってくれませんか?」

 

 

鴨志田卓が、自身の命を投げうってでもトリックスターを務める条件に盛り込んでいた『報酬』を提示した。

河内幸一の救済と合わせてもう一つ。

坂本竜司の魂(あし)の救済である。

 

 

鴨志田卓

「ラヴェンツァさん、それは…」

 

ラヴェンツァ

「事態は、完全に好転しました。貴方(トリックスター)に求めていた働きは全て満たしています。約定通りの見返りはあって然るべきです。」

 

「どうでしょうか、坂本竜司。」

 

坂本竜司

「…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

坂本竜司

「悪ぃけど、やめとく。」

 

 

スカルが口に出した返事は、拒否。

 

 

明智吾郎

「…いいのか?」

 

 

まず最初に口を出したのは、クロウ。

自身やフォックスの根幹にある、母の死。それと同じような、受けた一番の被害を元通りにできる申し出だったのだから。

 

 

坂本竜司

「俺とか、特に吾郎は…この世界っつうか、力?に振り回されてばっかだ。」

「そんで、俺の居場所は俺でもう作ってんだ。」

「これ以上…急に貰ったモンでアタフタしたくねぇっつうか…」

 

 

上手く言えないことに苛立って、ガラでもない話をする羞恥に汗ばみ頭を掻きながら。

 

 

坂本竜司

「今(・)の(・)鴨志田の、どうにかしてやりてーって考えは分かったからよ。その上で…」

「俺のことは、俺に任せてくんねぇか?」

 

鴨志田卓

「…。」

「わかった。」

 

 

一人の男の、自分の足で歩くという宣言を。

逃げずにまっすぐ向き合って見つめる視線を、クラウンは正面から受け止めた。

 

 

鴨志田卓

「ラヴェンツァさん、せっかく用意してもらったのにすみませんが…」

 

ラヴェンツァ

「では、現状を伝えるだけは。」

 

坂本竜司

「?」

 

 

ラヴェンツァは、事も無げに。

 

 

ラヴェンツァ

「今の貴方の膝は、少しだけ良くなっているようです。」

 

 

喜ばしい事実を、スカルへと告知する。

【聖杯無尽光】でぐちゃぐちゃにされた骨で強引に立ち、回復魔法でそれを急速に治癒したことによって…

過去に現実で壊れ、歪な形で治癒していた部分が破壊と再生を経たのだと。

 

 

ラヴェンツァ

「以前に獅童正義のパレスにて膝を撃ち抜かれた傷を癒した時も、良き方向に働いていたのでしょう。」

「あれから、妙に歩みが軽い感覚はありませんでしたか?」

 

 

過去の、スカルの積み重ねを告げる。

 

*1

 

ラヴェンツァ

「残念ながら、直ぐの運動競技への出場は難しいでしょうが…」

「幾ばくかのリハビリに努めれば、我らの干渉が無くとも回復の見込みがあるかと思われます。」

「これは間違いなく…貴方が勝ち取った勲章です。」

 

坂本竜司

「!」

「…ありがとよ。」

 

ラヴェンツァ

「私はただ、事実を伝えただけですから。」

 

「かのヤルダバオトやコウチは、我らが必ず保護します。」

 

「どうか、これから齎される平穏を享受して下さい。」

 

「本当に…ありがとう_____

 

 

 

そんな話をしたことを、今でも色濃く覚えている。

 

 

◎◎◎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

父親やばい組、グループメッセージ

 

 

 

坂本竜司

『おーす』

 

明智吾郎

『どうだった?』

 

坂本竜司

『上々』

『3年なったら十分優勝できそうだ』

 

喜多川祐介

『自主トレをしていたんだろう?』

『あ(・)の(・)鴨志田に抗った証だな』

 

坂本竜司

『おうよ』

『あいつらは折れなかったんだ』

『ぜってー結果残させてやる』

 

 

明智吾郎

『この後どこかで集まるかい?』

 

坂本竜司

『ワリ、リハビリしてえ』

『受験生だろ、勉強しとけって!』

 

喜多川祐介

『竜司も勉強はしておけよ?』

『中間試験にはもう怪盗活動の言い訳は効かないぞ?』

 

坂本竜司

『う』

『ザンショします』

 

喜多川祐介

『善処しろ』

 

坂本竜司

『変換できねぇ』

 

喜多川祐介

『ゼンショだ』

 

(…。)

 

明智吾郎

『そういや、リハビリの調子は?』

 

坂本竜司

『始めたてにしちゃ良いんじゃね?』

(…。)

『多分スポーツ推薦取んのは無理だ』

『中岡とか武石と別の大学になったとしても、陸上は続けてえ』

『応援、頼むぜ?』

 

(…。)

 

明智吾郎

『なら尚更集まろう。』

 

坂本竜司

『???』

 

喜多川祐介

『なおさら だ』

 

坂本竜司

『いや漢字じゃなくて』

 

明智吾郎

『簡単な話だよ』

『スポーツ推薦で行かなくとも、大学は受験に受かると通えるじゃないか』

 

坂本竜司

『!?』

 

明智吾郎

『ウチ来いよ、リハビリがてら走ってさ』

『コーラ冷やしといてやるから』

 

喜多川祐介

『なら、俺も走っていくとしよう』

 

坂本竜司

『吾郎…祐介まで…』

 

喜多川祐介

『紅葉を眺めに公園に来たんだが』

『帰りの電車賃が無い』

 

明智吾郎

『そういうことだろうと思った』

 

坂本竜司

『台無しじゃねーか!』

 

ーーー

 

 

 

 

…。

 

 

 

~~

午後

~~

 

 

 

喜多川祐介

「はぁ、はぁ、くそっ…今は10月だぞ?なぜここまで暑い…っ!」

 

坂本竜司

「走ったからだろ?」

 

明智吾郎

「元気そうで何よりだよ。順調じゃないか。」

 

坂本竜司

「おう、スタミナの方はなんとかな。」

 

明智吾郎

「ほら、遠慮せず入れよ。」

 

喜多川祐介

「助かる。汗をかいた…風呂場は何処にある?」

 

明智吾郎

「お前は遠慮を覚えろ。」

「…右の突き当たり。」

 

 

 

 

 

…。

物語(ゲーム)が一つの終わりを迎えても、登場人物たちの命は、暮らしはまだ先がある。

 

これは、ただの蛇足に過ぎぬ『その後』の話。

 

使命から解き放たれ、真に大衆の観測手としてこの世に迎えられた我が。

 

ここに他愛もない日常を記していくとしよう。

 

 

 

 

 

 

*1:
第238話、第250話





ここから少しお休み頂き、完成するかいい具合まで形になりましたら投稿を再開いたします!




そして最後に1つ宣伝させてください!
なろう小説の定番となっているゲーム内転生もの、これには1つ弱点があります。
面白そうなゲームの本編を読者は遊べないって弱点です。
しかし!本作のゲーム『ペルソナ5』は誰でも遊ぶことができます!


なんと現在、P5RがSwitch版とPS版共々セール中で2303円で買えます!原作をどなたかの実況プレイで履修されたような未購入の方にはこれ以上ないチャンスです!!

更に!!P5Sは80%オフで1936円!!!!
P5S(スクランブル)未プレイの方に紹介しますと、『P5』の後日談の爽快アクションゲームとなっております!!
そう!P5RではなくP5の後日談です!!

P5Rをプレイ後に遊ぼうとしますとヴァイオレット(発音のさじ加減はお任せします)らが不在なことに寂しさを感じるとの声も多い本作、P5の二次創作を読了してP5について振り返った今!今がチャンスです!!

セールはSwitch版が11/3、PS版が11/4まで!!
是非この機会に遊んでみてください!!!ノワールが最強です!!!
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