鴨志田転生~ペルソナ5一番の嫌われ役に憑依転生してしまったが、原作知識の力で雨宮蓮に代わって怪盗になり破滅フラグをへし折ってみせる!~   作:DreamFrog

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第91話 5/4(水) 次に外面を説得し完了

◎◎◎

 

〜〜

〜〜

 

 

 

 

パレスを出ると、すっかり夜。

 

暗くなって更に犯罪者居そう感が増したビル並び。隙間から見える大通りには、仕事終わりなサラリーマン等もちらほら歩いているのが見える

 

鴨志田卓

「よし、金城に会いに行こう…ん?」

 

休日に渋谷に遊びに行くファッションをしていた鴨志田卓が、2人の姿を見る

 

片や白い服に鼻血をぶちまけて乾いた黒い線が走っており

 

片やめちゃくちゃパパ活女子の格好をしており、鴨志田卓と一緒にいるとこ写真に撮られるだけで一撃で鴨志田卓を殺せるような状態になっている

 

なんなら鴨志田卓も金ピカのアタッシュケース(金城のオタカラ)を持っている為くっそ怪しい。

 

 

鴨志田卓

「うぉあすごい格好してるな2人とも!?」

 

新島真

「こ、これはそういう変装で」

「痛っ!」

 

自己弁護しようと後ろに下がり手を前に出した新島真のスカートの中から、ブチッと何かがちぎれるような音を出しながらスマホが落ちてくる

 

(え、弱点でも突いた?)

 

 

 

『目的地が消去されました』

 

そのスマホからイセカイナビが鳴った

 

 

鴨志田卓

「変装か…しっかりイセカイナビも隠し持ってたみたいだし、感心だな。申し訳無い事にそれは俺を社会的に殺すこともできる。嫌かも知れないがこの上着を着ててくれ。」

 

羽織っていたジャケットを新島真に渡す

 

鴨志田卓

「…ん?あれ、今どこからスマホ出てきた?」

 

新島真

「気にしないで!」

「…気にしないで。」

 

三島由輝

「…あ、おい!お出ましだ!」

 

新島真の事情を知る三島が助け舟を出してくれる

その隙に新島真は素早く春物のジャケットを羽織った

 

 

ヨタヨタとした足取りで、金城がビルから出てくる

こちら一行を見つけると、近寄ってきた

 

金城潤矢

「おい。これは…お前らの仕業か?」

 

苦しそうに、脂ぎった頭を抱えてこちらを見てくる。

顔色は非常に悪く、青褪めていた

 

鴨志田卓

「そうだ。俺の仲間は優秀だろう?」

「お前の今の心理状態について、話がある。盗み聞きされない場所は?」

 

金城潤矢

「…。」

「そこにある、和食がいい。個室で、何も聞かれない…」

 

 

 

…。

 

 

 

そこはチェーン展開じゃない、しっかりとした高級店だった

 

変態教師薄着成人男性、ギラギラスーツ脂汗成人男性、パパ活服女子高生に血痕付き男子高生、更に鞄に猫を隠し持つ…というこれ以上ない怪しいパーティだったが入店できた所を見るに、ただの高級店ではなくちょっとアウトローな人も入るような所なのだろう

 

(もしかすると…一見さんお断りのお店なのかもな。金城が一見じゃないから入れるみたいな)

 

じわじわ色んなメニューが提供されるコースではなく高そうな盛り合わせが一度だけ来る形式も、密談に都合が良かった

 

(こりゃ、原作で縁がなかったのも納得の場所だなぁ…政治家やヤクザの溜まり場だろこれ。龍〇如くで見たぞ。)

 

でっかい蟹の各種料理に、そこそこの量の釜飯など、高級な料亭の和食といえば!な王道メニューが

窓がない和室の大きな机に並べられる。

これだけで平気で5〜10万は掛かっていそうだった。

 

三島由輝

「か、輝いてる…」

 

鴨志田卓

「カモフラージュにもなる。好きに食べて良いからな」

 

新島真

「ありがと。」

「…。」

「この格好で高級料理を食べるの、何だか…悪い事をしている感覚が濃いんだけど…」

 

反逆パパ活女子ファッションの新島真は、神話上のトリックスター『港区女子』に覚醒していた。

 

(生徒会長の逆位置すぎる)

 

 

モルガナ

「疲れてるだろ、良いもの食べて回復だ!ワガハイそのいくら乗ってるやつな!」

 

高校生+猫が高級料理を楽しみ始める中、

 

 

現実世界の金城潤矢との会話が始まる。

 

 

金城潤矢

「こうしてみりゃ、ただの高校生と教師だ。だからこそ、ワケがわかんねぇ。」

「オレを裁きに来た神か何かか?なんで今になって、こんなに俺は後悔しているんだ…?」

 

鴨志田卓

「ああ。全部、説明する準備はできてる。」

「人の精神に、バレずに干渉できる手段があるのは知ってるか?ほら、獅童がやってる奴」

 

金城潤矢

「知ってる。普通、人を潰すには結構手間がかかる。身内を狙ったり、何か弱みを探す所からだ」

「奴らは、それをせず邪魔者を消してる。勝手に、相手から破滅すんだ。マトは選んでるように見えたけどな。」

 

鴨志田卓

「実はその手段、もうひと手間掛ければ…精神を壊すんじゃなく、歪んだ部分だけ取り除く事ができる。それがお前にやったことだ」

 

金城潤矢

「!」

 

鴨志田卓

「摘出したらこうなった。返しとくよ」

 

金ピカのアタッシュケースをテーブルの上に置いた

 

 

黙々と蟹をほじくりながら、会話を聞く高校生たち

新島真は時折こちらに目を向けているが、三島は取りにくい部分の身を追い掛けており耳だけで聞いている

モルガナはイクラを一粒づつ食べていた

 

金城潤矢

「そうか…清々しいを通り越して、最悪の気分だよ。」

「はぁ……なんてこと、やっちまってたんだろうな……」

 

(テンション高く困惑したり裁きを求めるスタイルの人を多く見てきたけど、よく考えれば罪の後悔の仕方は人それぞれだもんな。そらダウナーな罪悪感の奴も居るか。)

 

 

鴨志田卓

「自分のこれまでの行いを、理解しているか?」

 

金城潤矢

「自分が、弱い時にされた事を…そのまま、他の弱者に対して行った。…自分が不幸にされた分、他人を不幸にさせちまったよ……」

 

鴨志田卓

「搾取されたんだ、そりゃ、搾取する時の手口は沢山知ってるよな。」

「…それしか、無かったんじゃないか?這い上がる為の手段や、選択肢がさ。」

「得意分野や、既知のノウハウを活かすことは良いことだ。だが…それが人様に迷惑を掛けることなら話は別だろうな。」

 

 

三島由輝

「新島さん、鼻。」

 

新島真

「え、あ…ありがとう。」

 

大人の会話を見ながら食べ過ぎていたため、鼻に蟹身の欠片が付いていることを指摘される新島真

指で取り、おしぼりで拭おうとして躊躇い

 

行儀の悪さともったいない精神をしばらく天秤にかけ、指にある蟹の値段を計算した後、その蟹の身を口に運んだ。

三島や鴨志田卓だったならば迷わず食べているので、十分行儀が良いと言える

 

 

金城潤矢

「……どうすれば、償える?裁きを受けられる?」

 

鴨志田卓

「お前は改心した。悪心が全て取り除かれて、綺麗さっぱりとした善人になった訳だ。」

「ただ、改心する前の自分自身が残した罪は取り除かれない。」

「過去の自分が残した物を、一緒に償っていこう。自分が今持っている手段と、選択肢を使ってさ。」

「弱者から強者になった時と同じだ。自分の長所を活かせばいい。」

 

 

金城潤矢

「…自首は、勧めないのか?」

 

鴨志田卓

「お前はもう悪人じゃない。自首する必要が何処にある?」

 

金城潤矢

「…そう断言されると、常識が疑われるというか…」

 

困惑する金城潤矢

手癖なのか、手を後ろに回し まるで横にいる女の肩を抱こうとするような素振りを見せ、空振り。

自分の無意識にやろうとしたことに嫌気でも刺したように、大きくため息を吐いて机に片肘をつき、頭を抱えた

 

鴨志田卓

「お前は今、社会に対してマイナスの貢献をしてる。お前のせいで社会は悪くなっている。」

「お前が居なくなれば、その影響はゼロになる。ただ、虫歯を抜いて空いた穴には、他の雑菌が入り込んで繁殖してしまう余地がある。口内環境が悪いなら尚更な。」

 

金城潤矢

「…俺は俺のまま、社会にプラスの貢献をしろと?」

 

鴨志田卓

「おお、話が早いじゃないか。」

 

ニッコリと鴨志田卓が笑って見せれば、金城潤矢がわなわな震えだす

 

金城潤矢

「オイ、それが…正義の味方が言うセリフかよ。」

 

鴨志田卓

「社会を、なるべくたくさん幸せにしたいだけだよ。より良い未来の為だ。」

「その為に、お前の力を借りたい。」

 

金城潤矢

「政治家クセェ。」

「犯罪者が…何の社会貢献をできる?居るだけ、社会にはガンだろうが」

 

鴨志田卓

「別に、犯罪者を続けるかは好きにしてくれていい。ただ、今のお前なら、渋谷の犯罪者はほぼ全員情報が掴めるだろ?」

「今の居場所を裏切ることにはなるが…コイツらを浄化するとか。」

 

(原作でも、金城が改心した後って残ってる犯罪者はどうすんのって話だったんだよな。怪盗団のグループチャットで言及したくらいだったけど、結局は学生だ。心配しただけで終わる。)

(折角なんだから、ちゃんと適切に手を加えた方が良いに決まってる。)

 

金城潤矢

「…なるほどねぇ。」

「計画は組める。だが、お前らにメリットが無ぇ。」

「こんな大層な事をできるんだ、金なり、何か目的があるんだろ?」

「競合を潰して、事業利益の独占でもすんの?」

 

 

鴨志田卓

「…。」

「この世界が…より良い未来を歩めるようにしたい。その結果…幸せになった人達に、称賛されたい。礼を言われたい。」

「なりふり構わず搾り取った金で食う飯は、そりゃ高級なんだからそれなりに美味いだろうが」

「人を笑顔にして食う飯は、それはもう格別に美味いぞ?」

 

 

どこか、恍惚とした表情で

人を笑わせる道化のような事を語る。

 

ゲームプレイヤーならば、当然の言葉だ。世直しの為に取り組むこと自体が楽しむべきコンテンツであり、目的なのだろう

しかし、世界の住民からすれば…あまりに狂気に満ちている。

 

 

 

 

金城潤矢

「…。」

その狂気に、今、また1人の男が焼かれた。

 

 

 

金城潤矢

「…わぁったよ。この、胸にある罪悪感は…どうにか我慢して、上手いことやってやる。」

「既に1回…やった事、だからな。」

 

苦い顔で、過去を思い出すように目線を数秒そらした後

 

金城潤矢

「見とけよ?渋谷がとびっきり平和になるまでをよ。」

 

薄く笑い、熱意ある目で。鴨志田卓を見据える

 

(…そうか、最初は搾取される側の弱者から、人を搾り取る側に行ったんだ。罪悪感に耐える事は…慣れてるのかもな。)

 

 

金城潤矢

「そうだな…お前、そういう腹なら獅童正義とは敵対してんだろ?」

「偉そうな物言いが…気に食わなかったんだ。一泡吹かせてやる。」

 

鴨志田卓

「楽しみだ。」

 

 

 

人数分提供されていた、お茶を持ち上げ

 

鴨志田卓

「ノンアルコールで失礼するが…」

「取引成立を祝って。」

 

金城潤矢

「おう。」

 

2人でお茶を啜る マッチしなさすぎて一周回って面白い気分になった

 

金城潤矢

「…この機会に、辞めるかぁ。」

 

金城潤矢は、暫く湯呑みを眺めていた…

 

 

 

数十秒ほど経って、金城潤矢が口を開く

 

金城潤矢

「そこのおん…お嬢ちゃん、検察官の妹だろ?」

 

突然話を振られ、食べている高級料理を飲み込んでしまう新島真

 

新島真

「んく、もう調べてたんだ。」

 

金城潤矢

「情報網にゃ自信があんだよ。」

「最近の出勤日教えろ。予定合わせてやる」

 

新島真

「…それって」

 

金城潤矢

「大出世すんじゃね?楽しみだな。」

 

カラカラと 酒に焼けた喉の中で転がすように笑う

ヤケにでもなったようだが、その目が彼の本気を物語っていた。

 

 

…。

 

 

鴨志田卓

「あっもう蟹ない。」

 

新島真

「ごめんね、止まらなくて…」

 

三島由輝

「くっ、ここの身ってどうやるのが正解なんだ…?」

 

モルガナ

「マコトすごいんだぜ、もうミシマの3倍ほじくってるんだ!」

 

(自炊経験値の差かぁ)

 

鴨志田卓

「ほら、金城も食えばいい。釜飯のおこげ以外を進呈しよう」

 

金城潤矢

「おこげも含めてくれよ…」

 

 

 

ワイワイと食事を囲む。金城潤矢は誰にも聞かれない声量で

 

金城潤矢

「いい、居場所だなぁ。」

「…。」

「さっさと済ますか」

 

毒気の抜けた、柔らかい笑顔を浮かべた後

キリッとした表情で、お茶片手に考え事をしていた。

 

 

 

 

 

…。

 

 

 

 

鴨志田卓

「この手の店、支払いってどうやるんだ?」

 

金城潤矢

「ん、知らねぇの?堂々としてたし、こんな仕事だ。よく入るんだろ?」

 

鴨志田卓

「初見です…ただの体育教師ですし…」

 

金城潤矢

「…。」

「何の集まりかと思ったら、教え子かよ…」

 

鴨志田卓

「教え子でもあるが」

「心の怪盗団、大切なメンバー達だよ。」

 

新島真

「私が参謀。」

 

新島真が誇らしげに話す

 

三島由輝

「俺は…なんだろう?セッター?」

 

モルガナ

「追々決めていけばいいさ。」

 

 

金は払ったが、お会計は金城にやってもらって退店。

ユ〇クロで、血のついた三島の服を着替えさせてから解散した。

 

新島真の服を着替えさせるのも考えたが、朝来たパパ活女子服と違う服で家に帰ってくるとか絶対にクロとしか思われないので止めておいた。

賢明な判断である

 

 

最後、家の位置関係の都合で車内に鴨志田卓モルガナ新島真の3名になった時。

横断歩道の隙に鞄に手を突っ込み、新島真にプレゼントを渡す

 

鴨志田卓

「そうだ、これ。」

 

新島真

「?」

 

鴨志田卓

「今日渡すつもりだったんだ。」

 

それはディスティニーランドのペアチケット。

 

モルガナが、ああそれねって顔をして

助手席と運転席の間のペット用ベッドにて、頭上の受け渡しを眺めている

 

新島真

「これ…ディスティニーランド?」

 

鴨志田卓

「ああ。明日、バレーボールの試合があるんだが…帰りに部員全員を連れて行くんだ。」

「俺と三島だけだと、ウチの参謀ハブるようで申し訳ないからな。良かったらお姉さんと来たら良い。」

 

 

新島真

「先生…」

「…お姉ちゃん、来てくれるかな。」

 

 

鴨志田卓

「福引に当たったとか、行けなくなったとか…適当に言ってくれ。もし来れなかったとしても、1人で来てくれたら偶然を装って拾うからさ。」

 

 

新島真

「お姉ちゃん、最近家に帰れる日が多いの。最終日なら、残業無く帰るくらいはできるんじゃないかしら。」

「聞いてみるね。…ありがと。」

 

 

新島真は嬉しそうに、ディスティニーランドのチケットを眺めていた

 

 

 

 

 

アスモデウス

『うーん、この格好の未成年に高額のプレゼント貰って喜ばせていると 俺とやってる事変わらないんじゃないか?』

 

(言うな、ちょっと思ってるから。この場合本人が嫌がってないし良いだろ?お前は嫌がらせるだけだし。)

 

アスモデウス

『くく、眼福眼福。』

 

パレス内でのお名前表記をコードネームにするかどうかを迷っております。演出的に好みな/見やすい方を教えてください

  • 原作と同じ本名表記
  • わかりやすいコードネーム表記
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