催眠ポケモンメガカラマネロとの理想的なカラマれ方 作:あいいろ ののめ
―――…そう、確かに覚えている。
私はZAロワイヤルを終え、朝食として選んだカフェスラロームでは名物のチョコタルトが食べられなかった。
お店の人から話を聞くとチョコタルトに使うあまいミツが駅から届かないという話で、偶然近くに居たタウニーと呼ばれた少女と一緒に駅に向かった。
駅はどくばちポケモンのスピアーの群れによって混乱しており、私はスピアーをどうにかした…それで……。
「列車の荷物が無事か確かめようとした時、天井からスピアーの進化前のビードルが顔に降って…それで驚いて気を失っちゃったんだ」
「外傷は無いようだが、念のためもう暫くそこで安静にすると良い」
そう言っておじいさんは椅子に座ったままその長い手を伸ばすと、テーブルの上に置いてあったポットを取る。そしてもう片方の手に持っていた茶器を差し出して、こう言った。
「あまいミツ入りのウブ茶だ。甘くて暖かい、そして気分が落ち着く」
足長おじさんの手渡してきた茶器を受け取った私はその香りを楽しんでから、質問を投げ掛けた。
「あの…『足長おじさん』で合っていますか?」
「はて…」
「私が野生のピジョットに襲われて怪我で入院したとき、入院費を丸々寄付していったっていう、足長おじさん。病院の人がとても脚の長いおじいさんだったって、噂してた人です」
「…人の口に戸は立てられんか」
「じゃあ…!」
「私の名前はAZ、このホテルのオーナーだ。…前に会ったときも思ったが、君はいいポケモントレーナーだな」
「?」
足長おじさんが窓の方を見やるのを追って視線を動かすと、そこにはボールから出ていたカラマネロの窓の外を見ている姿が。
「君が眠っている間、ずっとカラマネロは傍から離れようとしなかった。君の身を案じて居たのだろう」
「…部屋に入るよAZさん…あ、起きたんだし?」
ホテルの一室らしい部屋のドアの方から、桃色のグラデーション掛かったブロンドヘア、ホットパンツにへそ出しセーター、その上から長袖のジャケットを羽織っている独特なスタイルの女の子……成り行きで共闘した少女タウニーが現れる。
タウニーはベッドから起き上がった私を見ると、その顔にどこか意地の悪い笑顔を浮かべて口を開いた。
「ルミヤって言ったっけ?…あなた結構無愛想な割に可愛い悲鳴だったね?」
「……………。」
「タウニー」
隣で話を聞いていた足長おじさんがタウニーを窘めると、こっちを先ほどまでよりも真面目な眼差しで見つめる。
「ルミヤ。君には、何か運命のようなものを感じるよ」
「運命…」
「ああ、私が君のことを知ったのは…暴走メガシンカした野生のピジョットを鎮めてくれた事だった」
「え、ルミヤってAZさんの知り合いだったの?」
「ううん、会うのは初めて。でも昔から会える機会があればいつかお礼が言いたいと、そう思ってた」
足長おじさんは目元を緩ませてにっこりと笑みを浮かべる、そしてこんな事を言ったのだ。
「お礼を言うのはむしろ私の方だ。君があのピジョットを鎮めてくれたお陰で、色んな人やポケモンが救われたのだから」
「暴走メガシンカを鎮めた!?…ルミヤってそんなに強いポケモントレーナーなの? だったらMZ団のメンバーとしても大歓迎なんだし!」
「MZ…?」
私が耳慣れない言葉を聞き返すと、タウニーは笑顔でこう言った。
「メガシンカのMとホテルZのZでMZ団!」
「…なるほど?」
「AZさんとMZ団はミアレの未来を守る為に最強のメガシンカ使いを探してるの!だからルミヤにもMZ団に入って欲しいんだ!」
正直よく分からないというか、なんでという気持ちは拭えないけども。足長おじさんには個人的な恩があるのも確かだった。
「あしながおじさ…AZさんが何か困ってるって言うタウニーの話は本当?」
「なんで信じてくれないの」
「ミアレの未来のため、最強のメガシンカ使いを探しているというのは、本当のことだ」
「うーん…最強のメガシンカ使い、かあ…」
さすがに今の私が最強のメガシンカ使いとは言えないけど…。
「MZ団とかいうのはよく分からないけど、AZさんが最強のメガシンカ使いを探してるのなら私もその手伝いをするよっ!
最強のメガシンカ使いを探してるなら、私自身もZAロワイヤルでAランクを目指してるからね!」
あの時はムクちゃんやポケモンを助ける為だったとは言え、パパやママには心配かけたし、そのパパやママが驚くような金額をAZさんが寄付してくれたのを覚えている。
足長おじさんには恩がある、私がZAロワイヤルの頂点に登り詰める事で恩返しもできるというのなら、私はもっとZAロワイヤルを頑張る理由ができたことになる。
「AZさんの言う最強のメガシンカ使いって言うのがどういう人物なのかはピンと来ないけど…私、ルミヤに任せて?」
「ああ…、心強い新メンバーだな。
…そうだタウニー、買い出しをお願いしてもいいかな。さっき思い出したのだが、ほっこりポテトを買い足すのを忘れてしまってね」
「AZさん、忘れちゃったの? でもその方向ならちょうど用事もあるから、すぐに買ってくるんだし!」
忙しなくタウニーが部屋から出ていくのを見送ったAZさんは、こちらを見て真剣そうな顔で喋り始めた。
「君は若くも才覚に溢れたトレーナーだ。私も長生きして様々な形のトレーナーを目にしてたが、君のようなトレーナーは初めて見るかもしれない。
そんな君がMZ団の一員になってくれることを歓迎し、心強く思うと同時に、ひとつだけ聞いて欲しい。…なに、老婆心から来るお節介だと思ってくれていい」
「……?」
私はまだAZさんのことをよく知ってるわけでは無いけども、彼の話の切り出し方はどこか回りくどさを感じた。
「君は優れたトレーナーであると同時に、相棒のポケモンたちの良きパートナーだ。ポケモンは人生を共にする家族のようなものであり、時に苦難を共に乗り越えてくれる存在でもある。
だからこそ忘れないで欲しい。これからの君の周りにはポケモンだけでなく、君を助けてくれるMZ団もいるということを…そしてもちろん、私もね」
「…有難うございます、AZさん」
解りづらいけども、多分激励のようなものだと私は受け取り、感謝の言葉を返す。
MZ団、たぶんさっきのタウニーって人以外にも居るんだよね。どんな人たちなんだろう…―――
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