催眠ポケモンメガカラマネロとの理想的なカラマれ方 作:あいいろ ののめ
MZ団、AZさんの恩返しがしたくて成り行きで入っちゃったけど…、さっそくタウニーに呼ばれた私はホテルのロビーのソファに座って話を聞くことにした。
「確認だけど、ルミヤは暴走メガシンカと戦った経験があるってことで良い?」
「えっと…その時の記憶はちょっと曖昧だからAZさんに聴いた方がちゃんとした情報が貰えると思うけど、うん。」
「あたし達MZ団の活動は、その暴走メガシンカしたポケモンを鎮めること!
でも今日紹介したほかの三人はまだ暴走メガシンカポケモンを相手するには早いから、しばらくは経験のあるルミヤに手伝って貰うんだし」
「手伝うのは良いけど、まだ暴走メガシンカの相手が早いって思ってる三人を今後のアテにして大丈夫なの?」
「MZ団のメンバーは全員頼りになるから大丈夫だし!」
「ふ〜ん、そういうもの?」
根拠のない自信というやつなのかな、それとも裏付けされた信頼ってやつ?
「目指すは6番ワイルドゾーンにあるビルの屋上!頼りになるメンバーで宜しくっ!」
(…行っちゃった。勧誘のときにも思ったけど、結構勝手だよね)
6番ワイルドゾーンといえば…ヘルガーを捕まえた場所だね、きのみ屋さんがある場所。ホテルZからは少し距離がある場所だけど、ほかに用事がありそうなら暴走メガシンカを鎮めた後にでも済ませよう―――
―――…実は6番ワイルドゾーンってミアレステーションのすぐ前にあるんだよね。ステーションって言っても、ミアレ駅とは違って高速で走る鉄道の駅なんだけど…。
(いまはそんな事よりタウニーを探さなきゃね。ビルの上って言ってたけど……よしっ)
「ヤミカラス、ジバコイル、出てきてくれる?」
「カラっ!」「ジババッ」
「この辺りの屋上で大きいポケモンとタウニーを探して教えて欲しいの、危険だから見つけたらこのカフェに戻ってきてね?」
空は飛べるポケモンたちにお願いしつつ、私は足で捜索。しかし頭に巡るのは最近増えつつあるこの現象に対する考えだった。
(暴走メガシンカ、考えるほど不思議な現象に思える。
本来、メガシンカは特定の種類のポケモンがメガストーンを持ち、トレーナーのキーストーンと共鳴する事で発生する現象。…タウニーが言うには暴走メガシンカは最近増えてきた現象らしいけど…偶然でそんなことが何回も起きるものなのかな?)
だって…暴走メガシンカするには『偶然』野生ポケモンが『偶然』自分に合ったメガストーンを拾って、その上で『偶然』暴走メガシンカする訳でしょ?
野生ポケモンが偶然自分用のメガストーンを拾うなんて事、そう何度も起きるとは思えないんだけどなあ…?
「ん…ヤミカラスだ、もしかして見つけてくれたの?」
「ヤミっ!」
「オッケー、向こうのカフェのあるビルの屋上だね。ジバコイルが戻ってきたら一緒に行こう。それまでは…」
私はヤミカラスと一緒にカフェへと向かい、ちょっとしたティータイムを挟むことにする。
「おいで、ヤミカラス」
「カァ?」
私が呼び掛けるとヤミカラスは向かいの席の背もたれを鉤爪で掴んだ器用な体勢から、ぱっと小さく黒い翼を拡げて机の上に降り立つ。
机からこちらを見上げるヤミカラスの眠たそうな半目の赤い瞳にクスリと笑いを溢しながらも、開いた手のひらを見せてからゆっくりとヤミカラスに近付けていく。
「カ…ァア…」
ヤミカラスのくちばしの下へと指を伸ばし、その首元を擽る。ヤミカラスもリラックスしてるのか、翼を軽く動かしては意味があるのかも曖昧な鳴き声をこぼしていた。
「探しもの手伝ってくれてありがとうね、この辺りは触りづらいだろうから私が撫でてあげる」
「お客様、ご注文です」
「ありがとうございます!それじゃあヤミカラス、お店の人が皿を置くまで腕の上で待ってて?」
「アァ!」
分かったとでも言いたげに翼を広げてひと鳴きしたヤミカラスは器用に飛び跳ねて腕に掴まる。
腕の上でヤミカラスはお店の人が気になるのかなにか話しかけるような鳴き声を繰り返していたけど、店員さんが皿を置いて居なくなると再びテーブルの上に降り立った。
「ヤミカラスにはポフレの用意があるけど、食べる?」
私が手のひらの上に乗せたのは、アラザンやロイヤルアイシングで飾ったポケモン用のケーキ。
ヤミカラスはテーブル上でちょこまかと小刻みに跳ねてカフェの皿とポフレを見比べると、ちょいとクチバシでポフレをついばんだ。
「…美味しい?」
「アー!」
「良かった、意外とキミはおませさんなのかな?…ポロックじゃなくてポフレが好きだなんて…もしかして光ってるから好きって言ってる訳じゃ無いよね?」
「カー!!」
(どっちの返事かな…これ。)
ヤミカラスの食事の邪魔にならないように背中から翼にかけて撫でていると、ポンと不思議な音がなる。
不思議に思って顔をあげると、そこには懐のボールから飛び出したカラマネロが立っていた。
「カラマネロ、どうしたの?」
「…ネロ」
カラマネロの腕がヤミカラスを撫でていた私の腕に絡まり、そのまま引っ張られる。
―――…ぴとり。
私の手の甲に伝わる、冷たくてすべすべした不思議な感触。
私の手はカラマネロに触れていて、呆気に取られているとカラマネロの腕がこちらの手を揺さぶるように動く。
「あ…もしかしてカラマネロも撫でて欲しいの?」
「……ネっ」
「もう、カラマネロは甘えん坊なんだから。仕方がないなぁ…」
私がヤミカラスを撫でていたのは、探し物のお礼も兼ねていたんだけど…まあいいか。
こうやってカラマネロが妬いているときにあんまり意識を逸らしていると怒るので、触りかたにも注意を払いながらヤミカラスとカラマネロが不機嫌にならない程度に構い続ける。
そうやってカフェで寛いでいると近付いてくる影が視界の端に見えたので、私は予め用意しておいた声をかけることにした。
「ご苦労さま、カラマネロが満足したら撫でてあげるね?」
「…あ、あたしは…いい。そんな子どもじゃないから」
「あれ、ムクちゃん?」
カラマネロから視線を外して、影の方を見る。
そこに立っていたのはジト目でこちらを眺める小柄な黒髪の女の子、ムクちゃん。
「ルミヤ、相手が誰かも解らずに声を掛けたの」
「いや、そろそろジバコイルが戻ってくるはずだと思って…ねっ?」
「…そう。」
「それにしても、久しぶりだねムクちゃん」
「最後に会ったの、つい二日前だが」
「…そっかあ」
私はムクちゃんに言い訳をしつつ、向かいの座席についた彼女が私の手元を凝視してるのを見て声をかけた。
「ムクちゃんもチュロス食べる? こうやってチュロスをチョコラテに浸すと甘くて美味しいよ?」
「…ルミヤはあたしが見かけるといつも甘いものばかり食べてる。きっと早死にする」
「失敬な、このチョコチュロスはルミヤさんの故郷の味なんだからっ」
ムクちゃんの言葉に怯まず、私は次のチュロスを手に取ってチョコラテへと沈める。ホットチョコレート特有の口の中で風味が一気に拡がる味わいが…美味しいんだよねぇ……。
「ところでルミヤ…」
「ん?…ふぉうあひあ?」
「最近またなにかヘンなことしてない?」
「……」
ムクちゃんの鋭い言葉に、私は言葉を失う…いや、単にチュロスを食べていたから答えようが無かっただけなのだけど。
「んんー…んぐんぐぐ…」
「食べながら喋らないで、お行儀が悪いから」
(実は考えごとの時間が欲しくて適当言ってただけだけど…)
「んぐっ」
ヘンなことと言えば『暴走メガシンカ』…とかかなぁ。ムクちゃんは心配しがちだし、ミアレのあちこちで暴走メガシンカが起きてるなんて不安にさせるような事をわざわざ言うのも、ねぇ…?
私はジェスチャーでムクちゃんに待って貰い、考えを纏めてからチュロスを飲み込み口を開いた。
「ヘンなことなんてしてないよ。ZAロワイヤルもムクちゃんが心配するから、この時間になっても準備しないでこうやってカフェで休んでいるところ。
今日はちょっと探しものを手伝っていたから、それでこのカフェの近くまで来ていたの」
「そう、探し物だったらあたしのシャンデラが得意だけど…」
「ううん大丈夫、じつは探しものはもうヤミカラスが見つけてくれていて、いまはジバコイルが戻ってくるのを待っていた所なの」
「ジババン」
「あっおかえりジバコイル、お疲れさま!」
いつの間にか近くまで戻ってきていたジバコイルを撫でつつ、ムクちゃんとの会話を続ける。
「ムクちゃん、探しもののお願いの事もあるから私はこれで行くね!また今度遊ぼ!」
私は席を立ち、訝しげなムクちゃんに手を振ってその場を後にする。
なーんかムクちゃんに怪しまれてそうだし、一応この辺りをぐるりと回ってからタウニーの居るところに向かおうかな。
(ルミヤの態度、なーんか怪しい…)
雑然と街を歩き回るのも嫌いじゃないけど、せっかく近場に来たんだしきのみ屋さんにも寄って行こうかな―――
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