催眠ポケモンメガカラマネロとの理想的なカラマれ方 作:あいいろ ののめ
―――暴走するメガミミロップを追い詰めていると確かな手応えを感じていたその時、タウニーの驚く声に続いて私は口を開いた。
「…!?…毛玉が歩いている!!」
わたげポケモンのメリープのようなモコモコの毛玉。
それがメガミミロップの周囲に集まるような形で自ら動いていた。一瞬なんなのかを考え…次の瞬間こちらへと吹っ飛んできた毛玉にギョッとして硬った身体の前に、メガカラマネロの光の波打つような身体が割り込んだ。
「っカラマネロ!!」
「…ロッ!!」
「今のは…進化前のミミロルだ!コットンガードで護りを固めてるせいであんな毛玉みたいな…!」
メガミミロップの周囲には、四匹ぐらいの毛玉だらけのミミロル。どうやら不利を悟ったのか群れか手下を呼び寄せたみたい…、脅威度はそこまで高くないけど、とびはねる攻撃って偶に麻痺するからあんまり自由に動かれると面倒だよねぇ…。
そう考えをまとめた私はタウニーへと声をあげることにした。
「タウニー!メガシンカでさっさと倒してメガミミロップに集中した方がいいと思うの!」
「そうだね、戻ってチャオブー!行ってライボルト、メガシンカ!」
「っ!? さっきのミミロルが一匹突撃してくる!?…ライボルトのメガシンカを邪魔させないでカラマネロ、馬鹿力!」
「カララッ!!」
「ミミロ〜!?」
カラマネロの鋭くうなる鞭のような一撃がミミロルを打ち付け、無防備なライボルトから護る。
(でも、なんで…? 私とカラマネロを見てあのメガミミロップが危険だと思ったから…?)
タウニーが付けたメガリングとライボルトのスカーフについたメガストーンが輝き現れたのは、巨大な稲妻と見紛うメガシンカしたライボルト。
背中は鋭く尖ってその攻撃性の高さがひと目でわかると同時に、メガライボルトの瞬発力は落雷の速度に匹敵するという。
「メガライボルト、オーバーヒートでミミロルを一網打尽にするんだしっ!」
メガミミロップを凌駕する速度で肉薄するタウニーのメガライボルトの全身から火花が散り、メガミミロップを護るようにミミロルの一匹が飛び出し掛けたのを見て、私はすかさず声を張り上げた。
「タウニーライボルトを下げて!」
「えっ!!?」
メガライボルトのオーバーヒートが周囲を爆煙で包むと同時に、鈍い衝突音が響く。
私の嫌な予感が少しづつ現実になるように、煙の晴れた中から戦闘不能になったミミロルの倒れた姿が見え、
万全だったお陰で辛うじてまだライボルトは戦えそう、だけれど肝心のメガミミロップの姿はそこには無い!!
「ライボルト!?」
「っ!カラマネロ上!…サイコカッターで迎撃ッ!」
煙の中を注視していたのは明確な隙だった。空から急襲したメガミミロップの蹴りは重量加速を乗せてカラマネロの馬鹿力の上から土煙が巻き起こる。
「凄い衝撃!今のは何なんだし!?」
「たぶん…『かたきうち』だね」
「かたきうちって…」
私はカラマネロの限界が近いかもしれないと予想を付けつつも、頭の中で最良の手段を構築し直す。
(かたきうち…味方のポケモンが倒れた直後なら威力が倍増する、ノーマルタイプの技。
さっきのミミロルはライボルトの邪魔をしようとしたのもあるけど、もし倒されてもかたきうちの威力が上がってこちらを削れるからそんな事をしたのかなぁ…小賢しいね…?)
「もう一度ジバコイルにエレキネットを撒いて貰ってもいいけど……ううん、どうしようかなあ…」
「ルミヤ!?…なにか方法があるなら早くして!」
「ええー?…タウニー、後から文句とか言わないでよねッ!……カラマネロ!!!」
私の声でカラマネロが飛び出し、まるでストンピングのように地面を叩きつけるメガミミロップを追い掛ける。けれどそれだけではあの動きには追い付けない。
「双腕で狙い撃って、サイコカッター!」
「カラマネッ!!」
「そこっ!勢いの落ちたメガミミロップを捕らえて!」
メガカラマネロの長く伸びた触腕がミミロップの耳に鋭く絡まり、その細身な身体を縛り付ける。
ミミロップの身体能力の高さはそのバネのように働く脚の反動!…ならソレを止めてしまうのが一番の手段だよね!
「ええルミヤ…それが作戦?…凄く悪者っぽいんだけど」
「だから文句言わないでって、先に言ったのに…あ、ジバコイルはエレキネットでミミロルを倒さずに捕縛して!
カラマネロはサイコカッターを纏わせて、捕まえたメガミミロップにはその方が向いてるでしょ?」
カラマネロの巻き付いた両腕がサイケデリックなピンクに輝き、文字通り手も足も出ないメガミミロップの表情が青ざめてゆく。
「ミミっ…ロ…ロっ……」
「カッカッカッ…!」
「逃がさないよ?…暴走メガシンカが強力と言っても馬鹿力を積んだカラマネロの力には敵わないでしょ?フフフ…―――
―――…久しぶりの暴走メガシンカだから大丈夫か不安だったけど、カラマネロのお陰で何とか出来たね」
「不安にしてはルミヤ、最後のほうはむしろ楽しそうだったんだし」
「それよりタウニー、要件はこれで終わりだよね?」
「え?…どこか行くの?」
「そう、元々ZAロワイヤルに参加するつもりだったから」
「まだ戦うつもり?」
「当然!AZさんが言う最強のメガシンカ使いになるにはバトルゾーンが一番近道だろうからね!」
私はタウニーに軽く手を振って別れてから、ホロキャストロトムで今夜のZAロワイヤルのエリアを確認した。
(今日のバトルエリアは…ローズ地区。家の近くだし一度仮眠してから向かおうかな、回復用のキズぐすりの準備もしたいところだもんね?)
「カラマネロ、疲れてない?」
「ロロロマネ」
手持ちはカラマネロ以外に目立った被害は無い、バトルゾーンの負担を他の子達の比重を増やせば大丈夫かな。
私は今日のメンバーの調子を考えつつ、一旦の帰路についた。
―――…んん、くぁああ…」
私が目を覚ますと辺りはすっかり暗くなっていた。風にそよぐカーテンの隙間から差し込む僅かな光によって、室内はカーテンが光とともに押しては返す波のように揺れ、暗がりは深海のような色合いをしている。
「時間は…問題ない。カラマネロ達を使えばバトルゾーンは一時間もあれば充分だからな」
気にするべきは私よりカラマネロの方だろう。ZAバトルロイヤルで暴走メガシンカ程の強敵が現れることは殆どの場合存在しないが、連戦すればそれなりの疲労を蓄積する結果となる。
(とは言え、ランクを鑑みればそろそろ本当の意味での切り札を隠し通すのも難しくなってくる頃合いか…)
私はもの静かな室内でバトルゾーンで使うポケモン用の医療道具を整理しつつ、今後の展望を纏めながら玄関のドアに手を掛けた。
―――…今日向かうローズ地区のバトルゾーンは、高低差のある建物が主軸の場所。
「……とは言え、
私はバトルゾーン付近の路地で後ろを振り返り、そこに立っている男に疑問を投げ掛ける。
振り向いた先に立っていたのは、体格の良いスーツを几帳面に着こなした強面の男性。目元はサングラスを掛けている以上人相は不明だが、茶髪を頭上でお団子に結んでいるヘアゴムのデザインが妙に愛らしい。
スリや強盗の類とは思えないが…明らかにこちらの動きに注意を払っていた。
バトルゾーンを目の前にした、不意の刺客。
私はそのただならぬ雰囲気を纏う相手を静かに見定めようと視線を向けた―――
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