催眠ポケモンメガカラマネロとの理想的なカラマれ方 作:あいいろ ののめ
―――…どこか不安げな表情のタウニーと出会ったのは、ミアレシティの中心にそびえ立つプリズムタワーがよく見えるキッチンカーのヌーヴォカフェでのことだった。
私はタウニーと同じMZ団のピュールくんと、ジャスティスの会と呼ばれる格闘道場を開くシローさんとムクちゃんの四人で居たところに偶然、彼女が現れたのだ。
「ピュールにルミヤ、こんなところで会うなんて珍しいんだし」
「その流れはついさっきもやりました…」
そんな軽口の応酬もそこそこに、タウニーはどこか気分の高揚した様子でこんな事を言ってきた。
「そうだ二人とも、最高のニュースがあるよ!」
「……タウニーが言う最高のニュースと言う言葉は信用するべきじゃありません」
「ええ…?」
「後でちゃんと話すけど、MZ団の活動がそろそろ本格的になるから!」
「えむぜっと団…?」
それはタウニーの方を見ていた私たちの背後から聴こえたムクちゃんの訝しげな声だった。私はさっと後ろを振り向くと作り笑いを浮かべて後ろに居るピュールやタウニーを見えないように立って誤魔化すように口を開いた。
「気にしないでムクちゃんっ、今のは…えーっと…ノワゼット!!」
「ノワゼット?」
「そう!ヘーゼルナッツののことだよ!…バターを溶かしたソースをブールノワゼットなんて呼んだりもするけど、ヘーゼルナッツはお菓子に入ってるとまた別のアクセントになって良いんだよね?」
「…、ルミヤらしいね。その新しいお菓子が出来たら食べに行っていい?」
「ん…? もちろんっ、今度の出来も楽しみにしてて?」
私は内心でホッと息をつき、座席から離れてから話に戻ることにすると、タウニーは思い出したように口を開いた。
「そうだピュール、ヌーヴォカフェに居たって言うならちょうど見掛けたりしてない?…ルミヤも」
「見掛けたって、何の話?」
それを聞き返すとタウニーは明らかにバツの悪そうな表情を見せてから、私の服を引っ張って耳打ちした。
「暴走メガシンカポケモンのこと、ついこの一時間くらいの間にこの辺りに現れたって情報が…」
一時間。それだと私がカフェでムクちゃんやシローさんとポケモンバトルしていた時か、それよりも前になりそうかな。それを聞いた私はひとつの妙案を掲げてみることにした。
「少なくともカフェに居た私やピュールくんは見てないと思うけど。もしその一時間の間っていう情報が本当なら、ヌーヴォカフェの店員に聞くのが手っ取り早いんじゃないかな?」
私たちが来る前にもこの辺りに居たと確信できるのはカフェの店員だけだと思うから。
という事で私はピュールくんとタウニーと一緒にヌーヴォカフェの店員に同じような質問をしてみたのだけど…。
「つまり暴れ回ってる野生のポケモンが居なかったかって話か。いや…居ないな、カフェでそんな事する奴が居たら間違いなく許さない」
「許さないって…」
「暴れるポケモンは危険ですからもし見つけても逃げてください…」
「とはいえ、ヌーヴォカフェの店員さんが見ていないってなると、この大通りからは見えない路地の方に居るのかなあ?」
捜索は振り出し。
情報が無いのでとりあえずで探すことになると、私はもう一度現場を確認して見ることにする。
「ヌーヴォカフェがあるのはミアレの中心に位置するメディオプラザとベール大通りの間。
ミアレシティの中心にプリズムタワーがあること以外はとても見晴らしの良い景観なんだよね…強いて言うなら街路樹がある事ぐらい?…でも、手がかりになりそうな情報は無さそう…。
こういう時にするべきは、一度最初に立ち戻って捜索すること!」
そう言って二人と手分けして、今度はヌーヴォカフェに訪れていたお客さんに聞き込み調査を行ってみることに。
「うーん、カフェに来たのは少し前だから解らないな…」
「暴れ回る野生ポケモン? そんなポケモンが居てもクエーサーのホロ技術があれば大丈夫なんでしょ?」
お客さんも知らなさそうな人が殆どだったけど、私が声を掛けたご老人の方がコーヒーを飲みながらこんな話をしてくれた。
「儂は朝早くから散歩がてらこのカフェに来るのが日課でね」
「それで、暴れる野生ポケモンに心当たりがあるというのは本当ですか?」
「暴れているかは分からないが、ついそのぐらいの時間に空が曇ったように感じてね」
「雲?」
「いいや、それが大きな鳥ポケモンの影だったんだよ」
「鳥!? それはどの方向に向かったんですか!?」
「たしか…ヌーヴォカフェのキッチンカーの後ろのビルの上に向かって行ったから、ブルー地区の方面じゃあないかな?」
「っよし、有難う御座いますっ!」
得られた情報を二人に共有すると、空を飛んでいたという情報からミアレのビルの上を探してみることに。
「って言ってもミアレのビルなんて幾らでもあるし。いっそ暴れ回っていればすぐに見つかるんだけどなー」
「タウニー、冗談でも言っていいことがあります。そもそも暴走メガシンカの被害が出る前に何とかするのが最善のはずです」
「…まって、そこに何かある」
私はすかさず駆け寄ってソレを拾い上げてみると、それはただのキズぐすりだった。
「キズぐすりでは何の参考にもなりませんね、幾ら暴走メガシンカでも自分でキズぐすりを使ったりすることは有り得ません」
「そんな簡単に言い切って良いものなの?それにビルの屋上のど真ん中にキズぐすりが落ちてるなんてことある?」
「はあ……そんな事気にしてても仕方ありませんよ。僕たちが探しているのは暴走メガシンカです」
脱線しかけた話をピュールくんが引き戻すと、私は別の情報源が無いかを二人に聞いてみることにした。
「うーん、情報が少ないとあるものでも見つけようが無いよね…タウニーが言っていた暴走メガシンカの情報にはなにか他の手掛かりになりそうなものは無いのかな?」
「うーん、あれからはうんともすんとも。まだ完全に特定出来る代物じゃないって言ってたし、誤情報だったのかも」
「……タウニーの情報も今となってはずいぶん前ですし、もうこの辺りには居ないんじゃないでしょうか。被害らしい被害もありませんし」
…誤情報、もう居ないかもしれない……?
……。
…見晴らしの良い景観…暴れる野生ポケモン…大きな影…一時間…ノワゼット…ムクちゃん…被害はない…ビルの屋上…キズぐすり……
「そういう事か…!」
「え?…なにか分かったのルミヤ?」
「うん!まずはヌーヴォカフェ1号店に戻るよ!」
私は二人の返事を待つよりも先に、事件の発端となったカフェに向かって駆け出した。
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