朝の光が薄いカーテンを透かし、六畳一間の部屋に射し込んでいた。
和音は目を開けると、天井をしばらくぼんやりと見つめていた。昨夜の出来事が夢だったのか現実だったのか、まだ判別がつかない。ヒップホップノイズの咆哮。自分の耳に響いたシンフォニクスの声。そして、仮面ライダーとして戦った自分。
「……いや、そんなはず……」
頭を振って現実に引き戻そうとしたその時、ベッド脇のスマホが振動した。無意識に手を伸ばし、画面を開いた瞬間、和音の目は大きく見開かれる。
SNSのタイムラインが、仮面ライダーソニックで埋め尽くされていたのだ。
『昨日の大学でヤバい怪人が暴れてたんだけど!?』
『そこに仮面ライダーっぽいの出現!まじで本物!?』
『しかも流れてた音楽……これ、KAZUNE:OXっぽくない?』
スクロールするたびに、粗い映像や写真が流れてくる。破壊された校舎の前で戦うソニック。
そしてその背後に流れていたのは、間違いなく和音自身が作った曲のフレーズに酷似していた。
「……っ!」
思わず息を呑む。
完成させてもいない未公開の曲が、なぜ。
いや、あのとき、ソニックに変身した瞬間に自然と流れ出した旋律……。
それを誰かが録音し、ネットに拡散したというのか。
『KAZUNE:OX=仮面ライダー説』
そんなタグまで生まれているのを見て、和音は額を押さえた。
「バカバカしい……俺が仮面ライダー?そんなわけ……」
否定の言葉を吐き出し、無理やりスマホをポケットに突っ込んだ。
気持ちを振り切るように服を整え、大学へ向かおうと玄関を出る。
通学路を歩いていると、交差点の角に不自然に停まる黒塗りの高級車が視界に入った。
艶やかな車体は朝の光を反射し、ただそこにあるだけで異様な存在感を放っている。
和音が足を止めると、運転席から降りてきたのは背広に身を包んだ長身の男だった。切れ長の目に冷静な表情。まるで音を立てずに歩くような滑らかさで近づいてくる。
「……失礼、音乃瀬和音さんでいらっしゃいますね」
「え……あ、はい。そうですけど……」
答えるより早く、後部座席のドアが開き、今度は一人の女性が姿を現した。長い黒髪をまとめ、漆黒のスーツに身を包んだ麗人。その姿はただそこに立っているだけで、周囲の空気を支配してしまうほどの圧を持っていた。
「初めまして。私は
オーデックス株式会社の代表取締をしております」
「オーデックス……?オーデックスって超大手レーベルの!?」
和音は耳を疑った。
誰もが知る巨大音楽レーベル。その名前を彼女自身が名乗ったのだ。
「こちらは私の秘書、
「海瀬です。以後お見知りおきを」
男――弦二は深々と頭を下げ、冷静な声で挨拶した。
和音はますます混乱する。なぜ超大手レーベルの人間が自分の名前を知っているのか。
「……あの、俺に何の用ですか」
恐る恐る問うと、鳴子は迷いなく言い放った。
「単刀直入に言うわ。――君がSNSで話題の仮面ライダーね?」
和音の心臓が一気に跳ね上がった。
否定の言葉を出そうとしたが、喉が詰まり、何も出てこない。鳴子の視線は氷のように冷たく、それでいて炎のような情熱を秘めていた。
「な、何を言って……俺は……」
「誤魔化す必要はないわ。昨夜の戦い、そして流れた音楽。あれはあなたの音でしょう?」
図星を突かれ、和音は言葉を失う。
そんな彼を見据えながら、鳴子は小さく息を吐き、続けた。
「ソニックドライバーとライダーディスク……それらは“聖音”と呼ばれる力に由来している。そして、その力を扱える者を導く存在――シンフォニクス。あなたは選ばれたのよ」
弦二が静かに補足する。
「ノイズ……人の心を歪め、怪人へと変貌させる異常音の存在。
それに対抗できるのは、聖音を宿す者だけです。あなたの力は人類にとって必要不可欠なもの」
和音は息を呑んだ。
夢だと思っていた出来事が、こうして目の前で現実として語られている。
「……俺に、どうしろっていうんですか」
声は震えていた。
鳴子は微笑を浮かべ、真っ直ぐ告げた。
「Audexに来なさい。専属クリエイターとして、そしてノイズ対策機関の一員として。
――あなたの音で、この世界を守るのよ」
和音は呆然と彼女を見返すしかなかった。
車は静かにドアを開け、和音を待っている。
その先に待つのは、音楽の世界の頂点か、それとも戦いの日々か。
彼の胸の奥で、昨日聞いたはずの声が再び囁いた。
―― お前の音を信じよ
和音は無意識に、一歩を踏み出していた。
*
高層ビルの上層階。磨き上げられたガラス張りの会議室からは、東京の街並みが一望できた。和音は長机の端に座らされ、未だ落ち着かない呼吸を整えようと必死だった。その正面には社長・風間鳴子。そして傍らに控える秘書・海瀬弦二。
鳴子は優雅に組んだ足を崩さず、和音を射抜くような眼差しで見つめていた。
「さて――音乃瀬君。残るは選択だけ」
「……選択?」
「Audexに所属するか否か。それだけよ」
まるで日常会話のように淡々と告げる。だがその声には、抗いがたい重みがあった。
和音は唇を噛む。
「そんな……簡単に言わないでください。俺はただ……」
「ただの大学生、かしら?」
鳴子がすぐに言葉を重ねた。
「だが現実は違う。
あなたはもう“力を持つ者”として世に知られてしまった。SNSの騒ぎを見たでしょう」
返す言葉を失ったその瞬間、会議室のドアが開いた。
「……え?」
連れられて入ってきたのは、ひとりの少女――美羽だった。
明るい笑顔を浮かべようとしながらも、どこか不安そうな瞳で和音を見つめている。
「み、美羽……!どうして……」
「ごめん、和音。気づいたらここに……」
弦二が静かに説明する。
「彼女はあなたと深い関わりを持つ人物。Audexとしても無関係ではいられません」
「……っ!」
鳴子は薄く微笑み、冷たく告げた。
「音乃瀬君。条件を出すわ。
――Audexに所属すれば、彼女をAudexの看板としてデビューさせましょう。
いま彼女が活躍するVtuberとして、トップの舞台に」
和音の目が大きく開かれる。
「なっ……」
「だが、もし拒めば……彼女の活動は潰させて頂きます。社会的に、徹底的にね」
会議室に重苦しい沈黙が落ちた。
美羽の瞳が揺れる。恐怖と怒り、そして和音を気遣う想いが入り混じっていた。
「そ、そんな……!」
和音は机を叩き立ち上がる。
「ふざけんなっ!!人を脅してデビューさせるなんて……間違ってる!
それに俺は好きで仮面ライダーになったワケじゃない!!」
だが鳴子は表情ひとつ変えない。
「世の中は理想だけで動くものではないの。力ある者が、力を行使する。それが現実よ」
和音の拳が震える。怒りか、恐怖か、もしくはその両方か。
美羽が一歩前に出た。
「和音、もういいよ」
その声は驚くほど穏やかで、しかし強かった。
「実はね……昨日からなんとなく気づいてた。あの仮面ライダーが、和音なんじゃないかって」
「……っ」
「でもさ……私、そんなに驚いてないんだ。
だって、和音はずっと自分の音楽で誰かの心を癒せたらって言ってたじゃない。
だから……無理してAudexなんかに入らないで」
彼女の真っ直ぐな瞳に射抜かれ、和音は言葉を失う。
自分がずっと抱えてきたトラウマ――偉大な音楽家の父を持ちながら、自分の音楽に自信を持てなかった過去。少年の頃に自分の未熟さで親や周りを失望させてしまった過去。
その影が胸に蘇る。
「俺は……音楽家の息子で……ずっと比較されて……」
声が震える。
「結局、自分の音なんて……誰も求めてないって……思ってた」
美羽は首を振る。
「違うよ。
昨日、和音の音が私を救ったんだよ。
あの旋律、私だけじゃなく、みんなの心に届いてた」
和音は拳を握りしめる。
――自分の音が、人を救う?
胸の奥で、微かな希望が響いた。
だが、その瞬間。会議室の外から轟音が響いた。ビル全体が揺れるほどの衝撃。
「何だ……!?」
弦二がすぐさま端末を確認する。
「……報告!外にノイズ反応!Audex本社前で暴れているとのこと!」
窓の外を覗けば、街路にクラシックの旋律を歪ませたような異様な怪人――クラシックノイズが暴れ回っていた。周囲にはAudexの武装部隊が必死に立ち向かっているが、次々と倒されていく。
鳴子が小さく息を吐き、和音を見据えた。
「さて……どうするのかしら。音乃瀬君?」
和音は視線を外に移し、怪人を見据えた。
心臓が激しく鼓動する。
このまま逃げれば、美羽も、街も、そして自分の音も失われる。
彼の心に再び、昨日の声が蘇る。
――お前の音を信じろ
和音は美羽を守るように前へ立ち、鳴子を見返した。
「……わかりました。ただし、条件があります」
「……条件?」
鳴子が眉を上げる。
「美羽を……必ずAudexからデビューさせてください。
そしてその楽曲全てを
それを約束するなら――俺はアンタの道具として戦う」
その言葉に、鳴子の唇がゆるやかに弧を描いた。
「交渉成立ね」
和音の決意は固まった。そして、踵を返し、会議室を後にした。
*
Audex本社前の騒乱の中心――荘厳な旋律を歪め、重低音を轟かせるクラシックノイズが街路を蹂躙していた。逃げ惑う人々の悲鳴。粉々に砕け散るガラス。音楽ホールのオーケストラが狂ったかのような暴威に、武装部隊すら次々と倒れていく。
「……やめろっ!!」
声を張り上げ、和音は怪人の前に立った。
緊張で喉が張りつき、足は震えている。それでも後ろにはあとを追いかけてきた美羽がいて、無数の人々がいて――もう逃げられない。
クラシックノイズの赤い眼が、和音に向けられる。
次の瞬間、それまで無差別に暴れていた動きがぴたりと止まり、音の刃が和音ひとりに狙いを定めた。
「結局、俺かよ……」
喉の奥で乾いた笑いが零れる。だが、その眼差しは確かに自分を標的にしていた。
胸の奥がざわめく。――昨日と同じだ。狙われているのは自分だ。
ノイズが振りかざした指揮棒の一撃が、空気を震わせながら迫る。
和音は歯を食いしばり、腹の底から声を吐き出した。
「こんな攻撃力高めなアンチはゴメンだっつうの!!」
その瞬間、和音のバッグが取り出されたソニックドライバーを腰に装着し、ブレイブロックディスクが閃光を放つ。カチリとディスクをスライド。音声が鳴り響く。
《
《
ディスクをソニックドライバーのスロットへ装填する。
「変身ッ!」
《
逆手で振りぬき、スクラッチが走る。
轟くロックサウンドが街路を包み込み、音の波が鎧となって和音の身体を覆った。
眩い光と爆発音。ソニックに変身した和音はゆっくりとヘッドセットに手を添える。
「さあ…制作開始だッ!」
クラシックノイズの指揮棒が振り下ろされるたびに、衝撃波が五線譜のように路面を走り抜ける。ソニックはロックのリズムに身体を委ね、左右にステップを刻んで回避。だが、その余波だけでも全身を打ち据えるような圧力が襲ってきた。
「ぐっ……! こいつ、パワーが桁違いだ……!」
《
ソニックはソニックミキサーを操作し、ギターリフをハードに変調。拳にビートを乗せて連打を叩き込むが、クラシックノイズは低音の盾を張り巡らせ、それを弾き返した。
「ロックのリズムだけじゃ……押し切れねぇか!」
「和音!これを使って!」
その時、戦場の端から美羽の声が飛んだ。
彼女の手から投げられたのは、一枚の黒いディスク。ソニックがキャッチすると、それは禍々しいノイズの刻印を残していた――だがすぐに光が走り、邪音が削ぎ落とされていく。
「これは……ヒップホップノイズの……」
ソニックが呟くと同時に、ディスクの色が変化する。黒から青と黄色へ。ストリートのグラフィティを思わせる鮮烈なデザインが刻まれ、中心部で針が跳ねるように輝いていた。
「なるほど……こいつで!」
ソニックは深く息を吸い込み、変身のプロセスを再び踏む。
ディスクをスライドし、起動音が轟く。
《
ソニックドライバーに装填。腰に手を添え、逆手で振りぬき叫ぶ。
「ディスクチェンジ!」
《
スクラッチ!
轟音とともに、ビートは一気に跳ね上がった。
瞬間、ソニックの装甲が青と黄色の鮮烈なラインで塗り替えられていく。肩にはスプレーアートのようなグラフィティ模様、腕にはチェーンブレスレットを思わせる装飾。足元にはストリートスニーカー風のブースターが装着され、全身から野性的なビートが迸った。
クラシックノイズが唸りを上げる。
だが次の瞬間、ソニックは地面を踏み鳴らした。
タタタッ
――ヒップホップのステップを刻みながら、リズムに乗せた拳と蹴りが矢継ぎ早に放たれる。
「リズムで押し切れるッ!!」
クラシックノイズは重厚な音で対抗するが、軽快かつ獰猛なビートに押され、徐々に体勢を崩していく。
「これなら……!」
ソニックの瞳が青く輝いた。
ロックとヒップホップ――二つの音が混ざり合い
新たな力が確かに彼を突き動かしていた。
ソニックの体は新たなリズムに導かれ、軽やかで獰猛なステップを止められない。ロックの疾走感にヒップホップの野性味が混ざり合い、かつてない高揚感が彼を包み込んでいた。
だがクラシックノイズも負けじと吠える。
「ォォオオオオ――!」
荘厳な旋律が空気を震わせ、巨大な五線譜の衝撃波が連続で迫る。
「ちっ……まだ音圧がデカすぎる!」
「音乃瀬さん!こちらを使って下さい!」
振り返れば、海瀬弦が両腕で抱えるようにして運んでくる武装があった。
ターンテーブルとミキサーが融合された剣状の武器――ウェーブレイカー。刃が展開されるたびに低音のうねりが走り、空気が波打つ。ソニックはその柄を受け取り、掌に馴染む感触に息を呑んだ。
「なるほど、これも腰にあるヤツと同様にアレンジが出来そうだ」
クラシックノイズが迫る。指揮棒の一閃が、まるで交響曲のクライマックスのように襲いかかる。ソニックはウェーブレイカーを振り抜いた。
「はああああッ!」
刃から放たれた波動が、ノイズの旋律を切り裂き、空気を爆ぜさせる。クラシックノイズの動きが鈍り、隙が生まれる。ソニックの手に渡されたのは、ただの剣ではなかった。刃の中央には小型のターンテーブルが埋め込まれ、柄にはミキサーを思わせるフェーダーやダイヤルが配置されている。
「……なるほど、こっちはボリュームか」
ソニックはフェーダーを押し上げる。
《
瞬間、斬撃が増幅され、周囲の空気が震えるほどの衝撃波を放った。クラシックノイズの音符の壁が粉々に砕け散る。続け様にソニックミキサーのつまみを一気に回転させる。
《
テンポが跳ね上がり、ソニックの動きが急加速。残像を引きながら縦横無尽に斬り刻む。リズムに合わせて斬撃が連打され、クラシックノイズの体を弦楽器のように震わせた。
「いくらクラシックでも単調過ぎると聞き手も飽きるからなッ!」
怒り狂ったクラシックノイズが重厚な和音の衝撃波を放つ。だがソニックは逆にフェーダーを下げた。
《
音が一瞬、静寂に飲まれる。まるで舞台の照明が落ちるように、クラシックノイズの攻撃が空を切る。
「フェードは一気に上げるのも盛り上げの一つだぜ」
ボリュームを再度上げ、スライダーを叩き込む。
ウェーブレイカーの刃が青と黄色のビートラインを走らせ、クラシックノイズの胸を深く斬り裂く。
ノイズが悲鳴を上げ、指揮棒を取り落とす。
観客のいない街に、ソニックのDJプレイにも似た戦いぶりだけが響き渡っていた。
「クライマックスだ。ボルテージ一気に上げるぞッ!!」
《
ワイルドヒップホップディスクをソニックドライバーから外し、ウェーブレイカーの柄部分にあるホルダーにセットする。
剣全体が青と黄色のビートラインに覆われ、刃の縁からは電撃のような音の残響が走る。周囲の空気さえも低音の振動で揺れ、街路灯が共鳴して光を震わせた。
柄に備えられたトリガーに、ソニックの指がかかる。
心臓の鼓動と重なるように、必殺待機音声のロックビートが刻まれ始める。
一拍、二拍――テンションが高まり、最後のカウントで彼は強く引き絞った。
《
ウェーブレイカーのターンテーブルが激しく回転し、刃から放たれた斬撃は巨大なサウンドウェーブとなって宙を切り裂く。衝撃波は電子スペクトラムの稲妻を纏い、クラシックノイズを正面から貫いた。
「――らぁッ!」
刹那、ノイズの体が音符のように震え、やがて四散するように爆ぜた。
静寂を取り戻した街に、ソニックは剣を下ろし、短く息を吐く。
「……悪いけど、アンコールは無しな」
低く決めたその言葉は、瓦礫にこだまする。しかし、爆煙の向こうには意外な光景があった。――倒れ込む一人の女性。クラシックノイズに取り込まれていた被害者だ。
「生存者だ!」
即座にAudexの武装部隊員たちが駆け出し、女性を抱え起こす。救助の声と同時に、周囲に集まり始めた野次馬たちのざわめきが一気に膨れ上がった。
「また仮面ライダーだ!」
「今度は剣を持ってるぞ!」
「撮れ! 撮れ! 早く動画まわせ!」
気づけば、スマートフォンを掲げた群衆がソニックを取り囲んでいた。一斉に向けられる視線とレンズ。街角の無数の画面が、彼を「ヒーロー」として記録していく。
「……チッ」
ソニックはひとつ舌打ちをし、踵を返した。群衆の中へは入らず、煙と影の中を縫うように走り去る。その背に「待ってくれ!」と声が飛ぶが、応えることはなかった。
――だが、その姿はすでに充分に世界へ刻まれていた。
数時間後。
SNSのトレンドには「仮面ライダー」「剣」「爆発」などの言葉が乱立し、動画再生数は瞬く間に数百万を突破していた。興奮したコメントの嵐が、炎のようにタイムラインを燃やし尽くしていく。
一方その頃――。
高層ビルの最上階。Audex社長室。
鳴子はワインレッドの椅子に優雅に腰をかけ、壁一面に映し出されたSNSのフィードを静かに眺めていた。その隣には、無表情の秘書・海瀬が控えている。
「ふふ……見た? 海瀬。これが世界の熱狂よ」
鳴子は艶然と笑う。
仮面ライダーの戦闘、そしてその背後に潜む聖音の力――。
それらすべてが、もはや彼女の手の中にある。
「音乃瀬和音。あなたの才能と聖音の力……すべて、Audexの資産として利用させてもらうわ」
静かな声に宿るのは、ぞくりとするほどの確信と支配の意志だった。
窓の外には、夜景の光が果てなく広がっている。だがその輝きさえも、彼女にとっては「観客」に過ぎなかった。
どうも、山都撫子です。
ペースが速いと思いますが、溜まってた分を一気に使いました。
つまりここからゆっくりペースになります。
1週間に1話投稿出来れば嬉しいと思いながら
執筆したいと思いますので
少々お待ちください。
感想も気兼ねなく送ってくれると嬉しいです。
引き続きよろしくお願いいたします。