サイバネティクス・ラブ   作:スナエ

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サイバネティクス・アンビリカル

 集合住宅というか、住宅の巣という感じの混沌とした縦にも横にも広い建物群の一室が、キャラの家であった。

 

「どしたの?」

「いや、なんて言うか……」

「治安悪そう……」

「あははっ。悪いよっ!」

 

 キャラは、明るく笑う。

 

「悪いんだ」

「悪いのかよ」

 

 マックスとカートは、なんで笑っているのだろう? と思った。

 

「管理人が、よくキレてるからね。メーターボックスに砂糖を隠すなとか、窓から通行人にテーザーを撃つなとか。ボクはやってないよ?」

「キャラちゃん、武装する前よく無事だったね」

「ボク、可愛いからね~」

 

 愛嬌だけで乗り切ってきたらしい。

 

「じゃ、ボクん家に行こう!」

 

「うん」とうなずく、マックスとカート。

 

「ここだよ」

 

 ドアに、「セールスお断り」とステッカーが貼ってある部屋。

 

「たっだいま~!」

「お邪魔しまーす」

「……す」

 

 中は、全体的に紫色のインテリアで揃えられており、可愛い小物が散見される。

 

「どうぞ、座って」

 

 キャラは、ローテーブルの周りのハート型のクッションを指した。

 ふたりは、言われた通りにする。

 

「はい、これお菓子」

 

 吸引式のお菓子を詰めた盆を寄越すキャラ。

「ありがとう」と、ふたり。

 

「何する? お喋り? ゲーム?」

「お喋りしてから、ゲーム?」

「それで」

「オッケー、オッケー」

 

 3人は、軽く職場の愚痴を言ったり、最近ハマっているものの話をしたりする。その後、携帯ゲーム機を取り出して協力プレイをした。キャラのゲームの腕は、そこそこいい。

 

「いやぁ、遊んだねぇ。ちょっと休憩」

「うん」

 

 各々お菓子を手に取り、食べる。

 キャラは、キューブ状のものをだ。

 

「あのさ、ふたりとも」

「なに?」

「ん?」

 

「……する?」と、いつものキャラとは違う艶っぽい声が響く。

 LAN直結のことだとすぐに気付いた。

 

「キャラちゃん、有線で繋ぐやつ、したことないんだけど」

「俺も……」

「大丈夫。ボクに任せて。見られたくないものは、全部プロテクトかけてね」

「うん」

「…………」

 

 数分後。

 

「準備出来た?」

 

「出来た」と、ふたり。

 

「じゃあ、ボクがケーブル繋げるから、ふたりはリラックスしててね」

 

 マックスとカートの間に座り、首元からケーブルを2本伸ばして接続するキャラ。

 

「なんか、ぞくぞくする」

「…………」

「同期しまぁす」

 

 3人の意識の一部が混ざる。

 

「ひっ。これヤバいかも」

「あっ……あー………」

「物理的に繋がると気持ちいいよねぇ」

 

 キャラは、うっとりして言った。

 マックスとカートは、頭がくらくらとする。

 そんなふたりを、キャラが抱き締めた。

 

「大丈夫。大丈夫だからね。ボクがいるから、安心して全部任せて」

「うん……」

 

 ふたりは、意識が蕩けるような感覚を味わっている。

 長い間、3人はそのままでいた。

 

「うん。そろそろ外そうか」

 

 キャラが、ふたりからケーブルを抜く。

 

「お疲れ様。ふたりとも可愛いかったよ」

「キャラちゃんの、えっち」

「キャラ、やっぱ変態だわ」

「なんだよーっ! マックスくんもカートくんも気持ちよかったでしょ!」

 

 キャラが、プンプンと怒った。

 

「それは、まあ」

「そうだけど……」

「じゃあ、いいじゃん!」

「キャラちゃん、これ、どこで教わったの?」

「ひ・み・つ♡」

 

 キャラは、人差し指を唇に当てる。

「店じゃないの?」と、カートが訊いた。

 

「お店では、こんなことしませーん!」

 

 秘密が多いのは、お互い様か。と、カートは思う。

 それから。帰り支度をするふたりに、キャラが言った。

 

「お菓子、持って帰る? ボクは、吸引式のはいらないし」

「ここに置いといて」

「また来るから」

「うん!」

 

 キャラがあまりにも嬉しそうで、ふたりも釣られて笑う。

 

「またね、マックスくん、カートくん」

 

 ふたりの頬にキスをするキャラ。

 

「ズルい」

「不意打ち」

「えっ!? ダメだった?!」

「問題ないです」

「いいよ」

「よかったぁ」

 

 玄関先で手を振るキャラに見送られ、マックスとカートは帰った。

 

「キャラちゃんって、歳上だったんだ」

「な。ビックリした」

「あと、俺たちがLAN直結クセになったら、どうすんだろうね」

「キャラに責任取らせよう」

「だね」

 

 そんなことを話しながら、ふたりは帰路を進んだ。

 一方その頃。キャラは、クッションを抱えて、次のデートが楽しみでニヤニヤしていた。

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