青春ブタ野郎はパラレルスプリングの夢を見ない   作:もドえラん

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2.無音のステージで、君の影を見つける

 

 十一月二日

 

 夜の大船駅前は、連休最終日らしい賑わいに包まれていた。

 

 特設ステージのまわりには柵が立てられ、観客エリアにはちらほら空席が見える。

 

 「蓮真さん!」

 

 振り向くと、花楓ちゃんと鹿野さんが、手に紙袋を下げて駆けてきた。

 

 二人とも顔を上気させていて、すでにライブモードだった。

 

 「よかった、間に合いましたね」

 

 「ああ。ちょうど入場始まったところだった」

 

 チケットを見せて入場ゲートを通る。

 

 整理券が必要なほど混んではいないが、ステージ前方の席にはすでにファンらしい人たちが集まっていた。

 

 ペンライトの色はそれぞれ違うが、中心の金色だけはひときわ目立つ。

 

 「今日の卯月さんのパフォーマンス、ずっと楽しみにしてたんです!」

 

 花楓ちゃんが小さく囁くように言う。

 

 「づっきー、推しだもんな」

 

 「えへへ……」

 

 花楓ちゃんは耳まで赤くして笑った。

 

 「やっぱり“リーダー”って感じで、見てると安心するんです」

 

 鹿野さんも頷いた。

 

 「のどかさんも出るって聞いて、すごく楽しみで……」

 

 ステージが暗くなる。MCの声がスピーカーから響いた。

 

 「それではお待たせしました、スイートバレットです!」

 

 照明が点く。

 

 五人のメンバーが横一列に並び、観客の拍手が一気に広がった。

 

 センターに立つのは、明るい色のショートカットの子。

 

 今日は彼女がメインを務めるらしい。

 

 右には豊浜、左にはづっきー

 

 背後では、短めのポニーテールの子と、柔らかいロングヘアーの子が位置についていた。

 

 メンバーが観客席に手を振る。

 

 その瞬間、花楓ちゃんが小さく叫んだ。

 

 「卯月さん、かわいい……!のどかさんも……!」

 

 「どっち応援するか迷ってるな」

 

 「だって両方すきなんです!」

 

 音楽が始まった。

 

 最初の曲は「オトメノート」

 

 軽快なリズムが夜気を震わせる。

 

 >誰にもきっと負けない一歩踏み出した たとえ合図にでも

 

 センターのショートカットの子が歌い出した。

 

 少し高めで、よく通る声。

 

 ステージの端で、豊浜とづっきーが互いに目を合わせ、笑顔でハーモニーを重ねる。

 

 客席では、花楓ちゃんがペンライトを振りながらリズムを取っていた。

 

 「卯月さーん!」

 

 「のどかさーん!」

 

 鹿野さんは両手で拍手を送り、微笑んでいる。

 

 そのまま曲が中盤に入った、その時だった。

 

 突如、スピーカーの音が途切れた。ベースも、ドラムも、そしてマイクの音も。

 

 会場がざわめく。

 

 「え……音止まった?」

 

 「機材トラブル?」

 

 豊浜が一瞬だけ目を見開いたが、すぐに落ち着いた表情でステージ中央を見る。

 

 ショートカットの子が深呼吸を一つして、マイクを下ろした。

 

 そして、そのまま、生声で歌い出した。

 

 >全部 one two three もっと 増やしたいオトメノート

  

 >私の宝物 ドキドキドキ

 

 マイクもスピーカーもないのに、その声は驚くほどよく通った。風が音を運び、会場の空気が一瞬で静まり返る。

 

 豊浜が少し遅れて口を開き、づっきーもコーラスを合わせた。

 

 互いに目を合わせ、笑顔でハーモニーを重ねる。

 

 その笑みの奥で、ほんの一瞬だけ、豊浜のまぶたが伏せられた。

 

 ライトが揺れたせいかと思った。けれど、そこに映ったのはほんのわずかな寂しさ。

 

 その刹那の表情が、妙に印象に残った。

 

 ロングヘアーの子が手拍子を入れ、八重歯のポニーテールの子が観客を煽る。

 

 五人が声だけで繋がっていた。

 

 花楓ちゃんが呟く。

 

 「……すごい。ほんとに生歌でやってる……」

 

 鹿野さんは目を輝かせていた。

 

 「みなさん、止まらないですね」

 

 >ずっと one two three 止まない オリジナルワタシの音

 

 曲の終わりと同時に、音響が戻った。けれどもう、誰も気にしていなかった。

 

 観客の拍手が、ステージを包み込んでいた。

 

 ショートカットの子が息を弾ませながら笑う。隣で豊浜が肩をぽんと叩き、づっきーがマイク越しに短く叫んだ。

 

 「ありがとう!最後まで聞いてくれて!」

 

 歓声が再び湧き上がる。ライトが落ちていく中、豊浜は手を胸に当て、ふっと微笑んだ。

 

 その笑顔の奥で、ほんの一瞬だけ影が揺れた気がした。

 

 ステージが終わったあと、俺は花楓ちゃんと鹿野さんに連れられて、スイートバレットの控え室へと向かった。

 

 緊張しつつドアを開けると、明るい笑い声とメイク落としの甘い香りが混ざった空気が広がる。

 

 「どかちゃん、おつかれ!」

 

 「づっきー、ちゃんと水分とって!」

 

 メンバーたちが口々に声を掛ける中、メンバー三人がこちらを振り向いた。

 

 ——そうか。辞める予定の残りのメンバー二人は、今回のライブにはもう出ていないのか。

そう察した瞬間、舞台のきらびやかさの裏にぽっかりと空いた空席が見えた気がした。

 

 「おー、この人が!」

 

 短めのポニーテールを揺らした子が、にっと八重歯を見せて笑う。

 

 「岸和田蓮真くんでしょ?づっきーから聞いてるよ」

 

 ショートカットの子が落ち着いた口調でいう。

 

 「どかちゃんもよく名前出すし」

 

 マイペースそうなロングヘアの子が続けた。

 

 豊浜が紹介してくれる。

 

 「この三人はあたしの仲間!安濃八重と、中郷蘭子、それと岡崎ほたる」

 

 ショートカットの安濃さんがにこっと笑う。

 

 「私のことは“やんやん”って呼んでね。グループでもそう呼ばれてるから」

 

 「そうなのか?」と思わず声が漏れると、隣でづっきーが「やんやんは自分から言わないと誰も呼んでくれないんだよ〜」と茶化す。

 

 「ちょっとづっきー!」と安濃さんが眉を寄せるが、どこか照れているようでもあった。

 

 続いて、ふんわりしたロングヘアの中郷さんが、マイペースに口を開く。

 

 「わたしは“らんらん”って呼んでいいよ〜。なんかその方が、楽しくない?」

 

 そののんびりした調子に、思わず返事をするタイミングを逃してしまう。

 

 最後に、ポニーテールの岡崎さんが元気よく手を挙げた。

 

 「私は“ほたるん”!そう呼んでくれたらすぐ仲良くなれるから!」

 

 安濃さん、中郷さん、岡崎さんがそれぞれが明るく笑う中、づっきーがぽんと俺の肩を叩いた。

 

 「ねぇねぇ、きっしーもニックネームで呼んでよ!」

 

 「は?」

 

 「だってほら、みんなそうしてるし。ほら、“やんやん”“らんらん”“ほたるん”、あと“どかちゃん”“づっきー”。」

 

 彼女は指を折りながら数える。

 

 「だから、きっしーも呼びやすくしてもらお!みんなきっしーくんって呼べばいいよ!」

 

 「お、おう……」

 

 どう返せばいいのか分からず、曖昧な声が出る。

 

 メンバーたちは「いいじゃん!」と盛り上がり、なんとなく俺のあだ名がそのまま定着してしまった。

 

 その空気を破ったのは、花楓ちゃんと鹿野さんだった。

 

 二人が紙袋を胸の前に持ち、少し緊張した声で言う。

 

 「今日は素敵なライブでした。これ、私たちからです」

 

 「手作りのクッキーなんです。よかったらみなさんで……」

 

 づっきーが「えっ、これ手作り!?」と大きな声を上げると、花楓ちゃんが小さく頷く。

 

 「こみちゃんと一緒に焼いたんです」

 

 「うわ〜!ありがとう〜〜!!」

 

 づっきーは勢いのままくるりと一回転して、そのままバランスを崩してすってんと尻もちをついた。

 

 「いったぁ……!」

 

 安濃さんとが中郷さんが同時に駆け寄る。

 

 「づっきー、なにしてんの!」

 

 「床ツルツルなんだから気をつけなよ〜」

 

 その様子を見ながら、俺は思わず笑ってしまった。

 

 (づっきー、相変わらずだな……)

 

 豊浜が小さく吹き出す。

 

 「ほら、づっきー」

 

 そう言って、手を差し出す。づっきーはその手を掴み、「ありがと、どかちゃん!」と笑顔で立ち上がった。

 

 その姿に、控え室の空気が一気に明るくなる。

 

 すると、づっきーがこちらを振り向いた。

 

 「えへへ、そういえばさ、きっしー。秋の勉強会いつやる?」

 

 「……またやるのかよ」

 

 俺は思わず眉をひそめる。

 

 「だってさ〜、前のときめっちゃ集中できたし!ね、どかちゃん!」

 

 豊浜が笑って頷いた。

 

 「まぁ確かにね。英語以外じゃ、あたしでも敵わないもんね、きっしーは」

 

 「……褒めすぎだろ」

 

 「ほんとだよ?」

 

 づっきーは悪びれもなく言い切る。

 

 「私、きっしーのおかげでこの間の模試B判定だったもん」

 

 「……それ、今の時期に胸張ることじゃないからな」

 

 控え室の奥で、安濃さんが目を丸くした。

 

 「え、きっしーくんって勉強できるんだ?」

 

 中郷さんも頷く。

 

 「意外〜。なんか文化系っぽいけど、そういうタイプなんだ」

 

 「へぇ〜、すごい!」と岡崎さんが素直に感嘆の声を上げる。

 

 「ま、まあ……人並みには」

 

 そんな中、花楓ちゃんが控えめに言葉を添えた。

 

 「蓮真さん、勉強教えるの上手いですもんね。私も前にちょっと教えてもらいました」

 

 「おおっ!やっぱそうだよね〜!」

 

 づっきーが勢いよく頷く。

 

 「じゃあ秋の勉強会、決まりだね!今度は紅葉が綺麗なとこがいいなぁ……」

 

 「……決まってねぇけど」

 

 そう言いながらも、俺の頭にはすでに場所の候補が浮かんでいた。

 

 「やるなら……広尾にしよう。東京都中央図書館、知ってるか?」

 

 「へぇ静かそうでいいじゃん!」

 

 「そこに、有栖川宮記念公園っていう広い公園がある。図書館の食堂から紅葉も見えるし、休憩にもいい」

 

 「へぇ〜、よく知ってるね」

 

 「……まぁ、昔ちょっとな」

 

 そう言いながら、視線を落とす。

 

 中学受験のときに合格し、通っていた学校が近くにあった。

 

 居心地が悪くて転校したけれど、あの公園だけは不思議と好きだった。

 

 理由を話す気にはならなかった。それは今も、自分の中だけの小さな秘密だ。

 

 づっきーが嬉しそうに手を叩いた。

 

 「じゃあ決まり!お菓子担当は私とどかちゃんね!」

 

 豊浜が笑って頷く。

 

 「はいはい。勉強会っていうよりピクニックになる予感しかしないけどね」

 

 控え室の中に笑い声が広がる。

 

 ステージの熱気をそのまま持ち込んだような、柔らかい時間だった。

 

 けれどその中心で、豊浜がタオルを膝の上に置いたまま、一瞬だけ遠くを見るような目をした。

 

 その横顔を見て、胸の奥にかすかなざらつきが残った。

 

 やっぱり、あの笑顔の奥に、まだ何か隠している。

 

 笑い声が少しずつ落ち着き、控え室の空気にもゆるやかな静けさが戻ってきた。

 

 メンバーたちはそれぞれ荷物をまとめ始め、スタッフが出入りしている。

 

 ステージ衣装のきらめきが、蛍光灯の下でわずかに光っていた。

 

 「じゃあ、きっしー。またね!勉強会、楽しみにしてるね!」

 

 づっきーが大きく手を振り、安濃さんや中郷さんたちも笑顔で続く。

 

 「今日は来てくれてありがとね」

 

 「またライブ、観に来て!」

 

 「うん。いいステージだったよ」

 

 そう答えると、豊浜がこちらを見て微笑んだ。

 

 「……今日はありがと、また来てね」

 

 その笑みはどこか照れくさそうで、でもほんの少しだけ影を帯びていた。その影が何なのか、言葉にはできなかった。

 

 「ああ。また来るよ」

 

 「うん。……ありがと」

 

 控え室の空気に一瞬の沈黙が落ちる。

 

 それを破るように、づっきーが明るい声で言った。

 

 「きっしー、今度はパンケーキ奢ってねー!」

 

 「はいはい」

 

 そう返すと、みんなが笑った。

 

 その笑いに見送られるように、俺は深呼吸をして扉に手をかけた。

 

 廊下に出ると、ライブ後の熱気がまだ残っていた。けれど、照明はすでに少し落とされていて、空気はひんやりとしている。

 

 遠くから機材を片づけるスタッフの声が聞こえた。

 

 「じゃあ、私たちは先に帰りますね」

 

 花楓ちゃんが微笑む。

 

 「渡せてよかった。みなさんほんとに嬉しそうでした」

 

 「二人が作ったお菓子、あいつら絶対全部食べきるぞ」

 

 「そうなったら嬉しいですね」

 

 鹿野さんが控えめに笑う。

 

 花楓ちゃんは、少し迷ったあとで言った。

 

 「……蓮真さん」

 

 「ん?」

 

 「今日、のどかさんが歌ってる時……一瞬だけ、顔が寂しそうに見えました」

 

 その言葉に、心臓が小さく鳴る。あの瞬間の、ほんの一呼吸分の空白が脳裏によみがえる。

 

 「……気のせいかもしれないけど」

 

 「いや、俺もそう見えた」

 

 花楓ちゃんが目を瞬かせ、少しだけうなずく。

 

 「のどかさん、頑張りすぎちゃうところありますもんね。私に勉強教えてくれた時も、空いてる時間にはいっつも付き合ってもらって……」

 

 「そうかもな。なら少し休んでもらわないとな……」

 

 「はい。……じゃあ、またライブで」

 

 二人は並んで出口の方へ向かっていった。

 

 街のネオンに照らされながら、二人の影がゆっくりと遠ざかっていく。

 

 その後ろ姿を見送りながら、俺はポケットの中でチケットの半券を指先でなぞった。

 

 ——音の余韻が、まだ心の奥で鳴っている。

 

 俺はチケットの半券をポケットにしまいながら、出口へと歩き出した。

 

 そのとき、角を曲がったところで、ひとりの女性とすれ違った。

 

 四十代くらいだろうか。落ち着いたグレージュのコートに、パールのイヤリング。

 

 姿勢がまっすぐで、品のある雰囲気をまとっている。

 

 「すみません」と軽く会釈すると、彼女も柔らかく微笑み、小さく頭を下げた。

 

 すれ違いざま、ほのかな香水の匂いがした。

 

 その香りと目元に、なぜか覚えがあった。

 

 (……どこかで、見たことがある)

 

 思い出す。

 

 豊浜のライブのたび、観客席の少し後ろの方で、静かに拍手を送っていた人。

 

 最前列で声を張るファンたちの後ろで、まるで影のように、けれど確かに見守っていた姿。

 

 まさか……と思いながらも、すぐには結びつかなかった。

 

 ただ、その背中が控え室の方へと消えていくのを、しばらく見送っていた。

 

 駅へ向かう外の空気は、少し冷たかった。

 

 胸の奥に、言葉にならない違和感が残る。

 

 誰かに、似ていた。

 

 その“誰か”を、まだ思い出せないまま。

 

 十一月七日

 

 土曜の午後、藤沢の図書館には、受験前らしい緊張と静けさが漂っていた。

 

 「よし……これで英語は完璧」

 

 大津がノートを閉じながら、大きく伸びをした。

 

 「浜松さんも順調そうだな」

 

 「んー、文法はだいたい。でもリスニングは、まだ波があるかも」

 

 

 俺は二人の答案を見比べて、赤ペンでいくつかの箇所に丸をつける。

 

 「明日は“結果を出す日”じゃなくて、“積み重ねを出す日”だ。ちゃんと休んで、朝ごはん食べて行けば大丈夫だよ」

 

 「はーい、先生」

 

 大津が茶化すように言い、浜松さんがくすっと笑う。

 

 「でも、岸和田に教えてもらってなかったら、ここまで来れなかったかも」

 

 「私も。最初の頃なんて、単語帳すらまともに覚えられなかったし」

 

 「二人が頑張ったんだよ。俺はちょっと背中押しただけだ」

 

 そんな他愛もない会話のあと、三人で図書館を出る。秋風が冷たく、空はすっかり冬の入口の色をしていた。

 

 「じゃあ、明日。頑張って!」

 

 「うん、ありがとう!」

 

 「絶対結果出すから!」

 

 二人の笑顔を見送りながら、俺は軽く手を振った。

 

 夜の帳が落ちる頃には、どこか胸の奥にぽつりと灯がともっていた。

 

 帰宅して、机の上にノートを置いた頃。ポケットのスマホが震えた。

 

 画面を開くと、グループチャット《きっしー観察会》の通知が並んでいた。

 

 《きっしー、秋の勉強会、来週十四日とかどう?ライブお休みなんだって!》

 

 《あたしもちょうど予定空いてるよ。どうかな、きっしー?》

 

 (ほんと、このグループチャットの名前のセンスどうにかならないのか……)

 

 思わず苦笑しながら返信を打つ。

 

 《了解。十四日な》

 

 数秒もしないうちに既読がついた。

 

 すぐに、豊浜からスタンプが飛んでくる。大きなウサギが「やったー!」と両手を上げているやつだ。

 

 続けて、づっきーからも。

 

 《やった!楽しみにしてるね!》

 

 画面の光が、暗い部屋の中でやわらかく揺れた。

 

 この前のライブの“空白”が、頭のどこかにこびりついたままだ。

 

 花楓ちゃんの言葉も、まだ消えていない。

 

 (……もう少し、踏み込む時かもしれない)

 

 いつも観察してばかりの俺が、今度は確かめに行く番だ。

 

 机の上のノートを閉じ、深く息を吐く。

 

 その静けさの中で、何かが少しずつ軋み始めている気がした。

 




物語解説

今回の物語では、のどかの沈黙と蓮真の気づきが交差する瞬間を描きました。

その発端となるのは、大船でのスイートバレットのライブ。音響トラブルによって突如訪れた“無音”は、彼にとってただの事故ではなく、誰かの心が沈み込む音として響きます。

歓声も照明も消えた瞬間にだけ見える影。それが、のどかの笑顔の奥に潜む微かな揺らぎです。ステージの光の裏で、彼女が抱えるものは何なのか。

のどかの表情を読むだけで満足していた蓮真が、初めて確かめたいと思った。その小さな欲求が、次の扉を開くきっかけになります。

無音の夜は、やがて紅葉の季節へ、次に訪れるのは、広尾・有栖川宮記念公園での勉強会。

静寂の中で語られる言葉たちが、豊浜のどかという少女の影を、より鮮やかに浮かび上がらせていきます。

次回もぜひお楽しみください。

蓮真は最終的にどちらを選ぶと思いますか?

  • 豊浜のどか
  • 広川卯月
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