獅子王レオンとオーバーロード   作:野生の生蛇

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第13話

 

 太陽が真上に上った昼中。平原の中で。

 

 レオンたち紅蓮の獅子一行は地平線の向こうにモンスターを見据えていた。

 といっても見ているのはレオンとハムスケだ。視力の問題でクレマンティーヌとブレインは視認出来ていない。

 

「この先にいるの?」

「ああ。よく見えるぞ」

 

 今回紅蓮の獅子が受けた依頼はギガント・バジリスクの討伐依頼だ。

 ギガント・バジリスクとはミスリルの様に硬い鱗に覆われた蜥蜴型モンスターだ。

 全長約四メートルとハムスケよりやや大きいぐらいであり。六つの手足を持つ。

 その目線は石化の魔眼という特殊技術(スキル)であり名の通り目の合った対象を石化という状態異常に出来る。

 更には猛毒の体液を持ち、常人ならば触れれば死ぬという。

 最低でもオリハルコン、出来ればアダマンタイト級が対応するのが望ましいこの世界では上位に数えられるモンスターだ。

 

 平原でレオンはギガント・バジリスクが走って来るのを待つ。

 

 そうして暫く待っているとブレインとクレマンティーヌの目にもギガント・バジリスクが目に映る。

 

「じゃあ作戦通りに!」

「おう!」

 

 レオンが駆け出すと同時にブレインとクレマンティーヌも走り出す。

 流石に速度に大きな差がある為レオンがギガント・バジリスクの眼前に辿り着く。

 ギガント・バジリスクはのこのこやって来た獲物に石化の魔眼を使うがレオンは持ち前の異常なまでの耐性で防ぐ。

 防がれた事をわかったギガント・バジリスクはならばとばかりに大口を開け襲い掛かる。

 レオンは拳を握り、そこそこの威力で殴打。

 

 めきゃっと、頭蓋骨に罅が入る音がした。

 

 ギガント・バジリスクは脳震盪を起こし、ふらふらと動きが止まる。

 急に止まった為手足が投げ出され、地に伏す。

 

 その隙をついてブレインが横から斬撃を放つ。

<能力向上><能力超向上>を使用し、更に<斬撃>の武技を使用した一撃だ。

 魔化された刀を用いてブレインはギガント・バジリスクの鱗事首を斬り裂く。

 すかさずクレマンティーヌがブレインの首根っこを掴み後ろに跳躍。距離をとる事でギガント・バジリスクの猛毒の体液を避ける。

 

「うし。依頼完了だな」

 

 レオンがそう言い、一同安堵する。

 ギガント・バジリスクは下手すればハムスケに匹敵しうるモンスターだ。といってもギガント・バジリスクは魔法行使能力を持たないし知性も低いため実際に戦えばハムスケが勝つだろうが。

 それでもレオン以外にとっては強敵に変わりない。

 

「レオンさーん、どうせなら首持って行かない? 証明部位は目玉だけど、ここはでっかくさ」

「いいな。名声は幾らあっても困らんからな」

 

 

 という訳でレオンがギガント・バジリスクの頭から血抜きをし、ハムスケに括り付ける事で持ち運び、エ・ランテルに帰還した。

 

 

 

 

 ■

 

 

「カッツェ平野の依頼?」

 

 レオンは再びエ・ランテルの冒険者組合の組合長室に呼ばれていた。

 仲間たちは居らず、居るのはレオンとアインザックだけだ。

 

「ああ。何でも最近カッツェ平野でアンデッドが通常より多発しているらしい。その為に原因調査と掃討の為に向かって欲しいとヴァディス自由都市の冒険者組合長から連絡があった」

「アンデッドね……」

 

 さてどうするか、とレオンは考える。

 アンデッドは寄り集まればより強大なアンデッドを生み出すのはこの世界の常識だ。

 その為常にアンデッドが多発するカッツェ平野は正にこの世の地獄と言っていい。

 公的な記録には残ってないが過去死の騎士(デス・ナイト)というレベル三十を超えるこの世界では小国をも滅ぼしうる怪物が発生したこともある場所だ。

 

 だが、紅蓮の獅子の面々には少々辛いように思える。

 何せ仲間の内全員がアンデッドとの相性が悪い。

 アンデッドのスケルトン系は斬撃や刺突に対し耐性を持つことが多い。クレマンティーヌは刺突武器、ブレインは斬撃武器である。

 ハムスケも基本は爪による斬撃や尻尾による刺突の為相性が悪い。

 

「一応仲間と相談していいか? うちはアンデッドとの相性が悪いからな」

「ああ。決まったら連絡してくれ」

 

 

 

 

 ■

 

 

 レオンが仲間達に相談すると割といい返事が来た。

 クレマンティーヌあたりがごねるのでは、と思っていたが特にごねる事は無く、「モーニングスター新調しないとねー」と軽く返すだけだった。

 

 という訳で、彼らはヴァディス自由都市にやって来た。

 

「意外と広いな」

 

 レオンは街並みを見てそう呟く。

 ヴァディス自由都市はエ・ランテル程とは言わないが、村などよりは余程大きい街だ。

 アンデッド退治の為の神殿や武具屋が建ち並ぶ街である。飲食店も少ないがある。

 ヴァディスはギリギリカッツェ平野の霧の範囲から逃れており、街の向こう側が霧に覆われているだけにすんでいる。

 

 レオンたち一行は街中を練り歩く。

 ハムスケも連れている為周囲から注目を浴びっぱなしである。

 レオンは(なんでハムスターが偉大な獣扱いされるんだ……?)と疑問を抱きながらヴァディスの冒険者組合に向かう。

 左程時間をかけず辿り着き、外にハムスケを置いて一行は中に入る。

 

(そこそこ人いるな)

 

 冒険者組合の作りはエ・ランテルと左程変わらない。違うのはサイズと、中の人員だ。

 冒険者たちは最低でもランクが銀級の者達であり、銅級の者は居ない。

 これは依頼を受ける先がカッツェ平野しかなく、対アンデッド戦という死と隣り合わせの依頼しかないからだろう。

 

 レオンたちは当然注目を浴びる。

 レオンは一目見て強者だとわかるし、胸に掲げるのはアダマンタイトのプレートだ。

 更には一様美人も連れている。となれば注目を浴びない訳がない。

 

 クレマンティーヌが颯爽と受付に行き、受付のおっさんに話しかける。

 

「エ・ランテルから来た紅蓮の獅子でーす。ここの組合長と話したいんだけどいいかなー?」

「わ、わかった。二階へどうぞ」

 

 受付に案内され一行は二階にあがり、組合長室に通される。

 ドアをノックすれば返事が来て、一行は中に入った。

 

 ヴァディス自由都市の組合長はエ・ランテルと変わらずおっさんだ。正しこちらは禿げている。

 名をパトリック・イングラム。元ミスリル級冒険者だ。

 

「君たちが新星アダマンタイト級冒険者チームの紅蓮の獅子か。話はよく聞いているよ」

 

 イングラムはレオンの力を感じ取り、期待以上だと内心震える。

 これならばこの異常事態を何とか出来るだろうと思える力がレオンにはあった。

 

「まずはかけてくれ」

 

 イングラムに言われ一行は取り合えずソファに座る。

 

「早速本題だが、この二週間で異常な程アンデッドが出現している。骸の竜(スケリトル・ドラゴン)二体に死者の魔法使い(エルダーリッチ)三体が立て続けに出現しているのだ」

 

 レオンは上げられたアンデッドに雑魚じゃないか、と思うが顔には出さない。

 クレマンティーヌとブレインは上げられたアンデッドに脅威を感じる。

 

「その為それらを発生させている強力なアンデッドがカッツェ平野の中にいるものだと思われる。紅蓮の獅子にはそれを討伐して貰いたい」

「わかった。まぁ探索は苦手だがどうにかするわ」

 

 嘘ではない。レオンは生者の探知能力である気の操作能力はモンクとして持っているが、死者に気なんてものはないので探知しようがない。

 一応探知にはハムスケが優れているのでチームとして出来ない訳ではない。といってもハムスケも青の薔薇の忍者姉妹などには劣るが。

 

「よろしく頼む!」

 

 という訳で、紅蓮の獅子のアンデッド討伐依頼が始まった。

 

 




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