全裸偽イリヤ先輩。   作:ひつまぶし太郎

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こいつらずっと肉焼きながらスプラッタとちんちんの話ししてたってマジ?


第十二話。焼肉の終わり。

 

 

「うーん思い出してもきつい戦闘だった。やっぱお前じゃなくて別の英雄に来てほしかったな俺」

「残念ながらクーリングオフはできないようで。それこそ、マスターがその令呪で吾輩を自害させるでもない限り」

「するかバカ!…くっそー、ゴミ溜めの人生で最初に読んだ本がお前じゃなきゃなぁ…別の本読んでたら…アキレウスとか…カルナとか…」

「マスターはすぐ高望みしますな。その強欲さは嫌いじゃありませんぞ」

「いいだろ高望み。野望はいくらあってもいい」

 

酒と金、あと女!みたいな。

そう考えると海賊系サーヴァントとかも来て良さそうなんだけどな。

 

「でもぶっちゃけ戦場での一時的な共闘ならまだしも、マスターとうまくやれる英雄っていないのでは?」

「…そ、そんなことないし…」

「毒をもって毒を制すを地で行く、外道な手段をためらわない悪に苛烈な悪。性に緩く、下品な下ネタを好む。戦場ではすぐ敵にキレて特攻するいつ爆発するかわからないかんしゃく玉。善ならばその混沌さを前に疲弊し、混沌同士は自我のぶつかり合いで相容れず、秩序はもう語るまでもなく、悪には殊更容赦がない…俺がルールで気に食わないやつは自分のためにぶっ飛ばす。そんな厄介な混沌・悪」

「言い過ぎ言い過ぎ」

「なにより、子どもをマスターにしたがるサーヴァントはいないでしょう。特に人類の存亡をかけた戦いにおいては」

 

それはそうなのだろう。

なら後輩はいいのかといえばまぁ、良くはない。

だが、あいつは人類最後のマスターだからなぁ。

人類判定じゃない俺よりはマシなのだ、たぶん。

 

「ついでに言えば聖杯にかける願いが強ければ強いほど、マスターという存在は毒になるでしょうな。精神性的にはアウトローな英雄とも合いそうですが、やはりマスター自身が聖杯であるというのは些か不安があると言えましょう…雑魚サーヴァントな上に中立で中庸!さらにはマスターの強化までできるお得な吾輩でよかったですな?」

「くっそー!活かされない設定なうえにむしろ足を引っ張るのかよ聖杯って!」

「ですが、今回マスターが単独でサーヴァントを倒せると証明したことで多少は抑止の縛りつけも緩むのでは?」

「ほんとかよ」

「たぶん、ですな!」

 

男同士。

そもそも食にそこまでこだわりのない二人によるお疲れ様焼肉会は、もしかすると他人の哀愁を誘う何かがあったのかもしれない。

 

「………ふぅ、その顔でひもじいことをされると見てられんな。ほら、ワイバーンの肉で作ったハンバーグだ。それと付け合わせのサラダもな。…まったく、少しはバランスも考えたまえ」

「おかんいつもありがとう」

 

ことり、と鉄板の横に何やら美味しそうな料理が差し出される。

顔を上げれば、やたらと俺の世話を焼きたがる赤マントのアーチャーがいた。

 

「おかんはやめてほしいんだがね…?」

「マスターが成長するまで宝具は封印するとか言ってた過保護が何言ってんだ」

「お、なんだなんだ。寂しそうな集まりだなぁおい!酒は足りてるか?」

「槍の方の青タイツじゃん」

「おい俺の呼び方おかしいだろ」

「日常パートだと絵がないからツッコミしてなきゃお前誰だかわかんねーのよ」

「酷え言いようだなおい!」

「肉と聞いて」

「あんたは帰ってくんねえかなぁ。飯が一瞬でなくなるから」

「ふん、そちらの事情など知るものか」

「おいこの黒い王様ゴーイングマイウェイすぎてしんどいんだけど。ちょっと赤マント!この人の餌付け係あんただろ!押し付けるなってああー!俺の育てた肉が一瞬で全滅した!!ハンバーグも!?掃除機かてめえは!おいシェイクスピア、バフかけろバフ!こいつぶっ飛ばすから!!」

 

わらわらと人が集まりだしたということは、おそらく召喚が終わって後輩が食堂に向かっているのだろう。

後輩あるところにサーヴァントありってか。

 

あっという間にカルデアの食堂が賑やかになっていくあたり、後輩の人徳ってすげーわまじで。

 

「そこで嫉妬しないのがマスターのいいところですな」

「いい男だろ」

「ほどほどには」

「ほどほどかよ」

 

そして案の定というかなんというか。

場のにぎやかさを上回る喧しい集団が到着する。

後輩に隠れるように白髪で黒い鎧の元ボスがいて、その隣に痴女スタイルではなく制服で身を包んだマシュがついてきている。

 

「───あー!先輩だけ楽しそうなことしてる!!」

「ちょ、マスター。いいですか?あのちょび髭男は私に近づけないように!いいですね!?」

「ジャンヌさん、そこまで怖がらなくても…」

「うるさいわよマシュ!私があいつに何されたかわかってるわけ!?」

「ふうむ、嫌われたものですな」

「そりゃ誰だって嫌だろあんな宝具使われたら」

 

───我が宝具の題名は『開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を(ファースト・フォリオ)』!開演!

───あなたはすべてが憎いという。しかし!ああしかし!その憎悪のなんと薄っぺらいことか!

───あなたは藁の寝心地を知らず、あなたは進軍を知らず、あなたは先達も信仰も知らない。殺した誰かの顔は?自分が死へと追いやった誰かの顔は?忘れてしまった?おお、なんと薄情な!彼らにだって人生も家族もあったと言うのに!!

───業火に焼かれたのはあなたではない。だとするのなら、いったい何を憎むというのでしょう。あなたこそが憎まれるべき魔女だと言うのに!とは言え、人を死に追い立てるという意味では聖女と同じようなものですが。

───ほおら、後ろをご覧なさいな。あなたがこの特異点で潰して、殺して、地獄へ落とした声なき誰かの怨嗟が聞こえてきますよ?その空虚さを憎しみの炎で満たすしかないというのなら…

───おや、キャスター殿。どうされました?現代には授業参観なるものがあるらしいですが、親が子の晴れ舞台に来るのはいささか無粋というものでは。それとも、あなたの押しつけた彼女の罪を、自分自身の醜さをようやく自覚したのでしょうか。はは!絵心はあっても、人の心はなかったようですな!もはや手遅れ!もはや彼女は人生初のちんぽじが決まらないという恥辱にまみれて、死んでいくのです!

 

もうちょっとこう、手心とか。

人の心とかないのか?みたいな。 

いやセクハラみたいな呪いをかけた俺が言うのもなんだけどさ。

罪を突きつけられて放心したラスボス2人が、聖女にぶっ飛ばされる様は、余計なノイズでしか無かった。

炎上しそう。

 

「というかお疲れ様会って、一人だけ余裕の表情ですねサボ郎先輩!」

「そりゃ、お前と違ってもうレポート終わらせてるし。サーヴァント一騎しかいないから、書かなきゃならないプロフィールもすくねぇし」

 

サーヴァントのプロフィール…というか評価というか、マテリアル的なやつは各マスターの手書きである。

つまり必然的にサーヴァントがいっぱいいる後輩の書かなきゃいけないプロフィールもたくさんあるということだ。

 

「反省文もありませんでしたか?」

「3行くらい書いて提出しといた」

 

反省文。

シェイクスピアの国王一座をつかってワイバーンを演出、それを俺がぶっ飛ばすことで信頼を得てついでに食料を得るというマッチ売りならぬマッチポンプ売りの少女作戦はなぜかすぐにばれて、怒られたのだ。

 

───なんということでしょう!今にも崩れそうな砦!膝を屈した兵士たち!彼らを睥睨するのは空の覇者ワイバーン!!ああ!勇者は何処に!世界を救うその人はいないというのか!

───いるさ、ここに一人な!

───おお!あれなるは世界を救う虹の輝き!!!なんと美しい!人々は希望見出し、彼の後に続くのはもはや必至と言えるでしょう!!

 

リヨンの街を守ってやったというのに、この仕打ちはなんだろうかと憤慨しなかった俺を誰か褒めてほしい。

『むしゃむしゃしてやった。

すまなくてすまない。

でもレイシフトする度に服が意味消失して裸にしてくるカルデアさんサイドにも問題があると思います。』

という反省文を提出したのでもう許されているだろう。

 

え、特攻?

あれはまぁ…うん。

反省文とかいう次元じゃないレベルで説教されたからもういいってことになった。

そもそも逸れたのが事故だし。

 

以上がフランスの思い出である。

 

他の思い出?

ちょっとだけ宇宙で因縁のあったドラ娘と小競り合いした程度かなぁ。

だいたいちんぽじの呪い振りまいてたから、味方からは距離取られてたし。

 

「肉うめー」

 

あと焼き肉が美味かった。

これが一番大きいな。

 

 




抑止力くん「有害サーヴァントは出禁!」
どっかのヒロイン「!?」

というわけ、だけではないのですが。
一応のなぜシェイクスピアだったのかという話でした。
この全裸、既に満たされた聖杯なんすよ。
つまりはこいつの召喚に応じたら、聖杯戦争に勝たなくても聖杯が手に入るわけですね。
やばくね?
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