むしゃくしゃしてやった、などとアルコールで思考を放棄した作者は供述しており───
はい、すみません。
めっちゃ怒られたら変えます。
「うめーなこれ」
「ほほう、端的でわかりやすい表現で実に素晴らしい!吾輩的にはもう少し情緒的かつ詩的な表現をしてくれても嬉しいんですがね?」
「俺国語嫌い。だから文豪も嫌い。どうせ作家ならアンデルセンとかさぁ…絵本作家のほうがよかったな」
「おおっと、これは手厳しい!」
んぐ、と十分に噛んでほぐした口の中の塊を飲み込むと俺はため息を一つつく。
「…結局お前フランスで一回も戦わなかったな。宝具だけ一回使ってたけど」
「ええ。吾輩戦闘では何の役にも立たぬサーヴァントですが、それが何か?」
「対空出来るサーヴァント欲しいなぁ…」
「対空なら聖剣があるではないですか」
「あれは対空って言わねーよ。俺がカッコつけて落ちてるだけだから。バズ・ライトイヤーなんだよあれは」
いけしゃあしゃあとニート宣言をする、サーヴァントの定義について問いただしたくなる彼の名はウィリアム・シェイクスピア。
俺の記念すべきファーストサーヴァントである。
おかしいな、ヘラクレスさんと絆結んでたと思うんだけどだめだった?
好感度足りない感じ?
フレンドのサーヴァント使ってイキっても虚しだけ、みたいな話だったりしたのだろうか。
あと、もう一人くらい心当たりあったんだけど。
…まぁ、別に。
気にしてないし。
ちょっと抑止力くんの顔面に聖剣叩き込みたくなったくらいで、別に全然キレてないっすよ。
俺をキレさせたら大したもんだよ。
ほんとに。
意識は途切れたけど。
───……………(白目)
───先輩?うわ…気絶してる…
───うーん、最初は触媒なしで一番相性のいいサーヴァントを読んでもらおうと思ったんだけど…裏目に出たかな?
───召喚前はあんなにヘラクレスさんとか宇宙人?とか、目をきらっきらさせてたのに…可哀想に…
「ハンカチはご入用ですかな?」
「…後輩のとこのにサンドバッグとしてでも進呈してやろうかお前」
「串刺し、斬首、滅多切り!あらゆる死を体験できそうですな!無学は神の呪いであり、知識は天にいたる翼である。何事も体験してみなくては!」
「…肉うまー」
「振っておいてこの仕打ち」
「だってお前反応するだけ無駄じゃん。喜ぶだけじゃん。疲れることはしたくねーな、せっかく俺は今お疲れ様会をしてんだから」
「ずいぶんと寂しいお疲れ様会ですなぁ!」
「うるせーやい」
俺は目の前でまた一つ焼き上がった肉の塊を箸で持ち上げる。
今頃後輩は新しいサーヴァントと召喚ルームで出会い、縁を紡いでいることだろう。
その補助のため、スタッフや彼女のサーヴァントたちはほぼ全員そちらに集まっており、普段はそれなりに賑わいを見せる食堂は伽藍堂としていた。
俺はこの目の前でおどけるちょび髭おじさんしか召喚できていないというのに、気軽にガチャのようにぽんぽん…とまでは言わないが、サーヴァントが比較的たくさん協力してくれる状況。
なんなんだろうかこの差は。
ただちょっとレイシフトする度に服が意味消失するせいで思春期女子の前で全裸になったり、昔憧れのヒーローに会えてテンション上がったからってセクハラしてただけなのに、普段の行いが悪いとでも言うのだろうか。
普通マスター一人に対してサーヴァントって一騎じゃねえのかよ、とかはもう知らない。
システムフェイトとか、マシュの盾とか、カルデアの技術が世界一ぃぃぃぃ!みたいな話なんだろう。
俺は賢い新米マスター。
あるがままを受け入れるだけである。
考察とかしない。
思い込みで何かを理解したつもりになって、なにか致命的に間違ってたら怖いし。
とはいえ、信用できないなぁという感想はやはり拭えない。
敵対した時のことを考えるのなら、なおさら先入観は不要だろう。
「あー!うめーなまじで!魔力全然回復しないけど!」
「なら吾輩とします?魔力供給」
「死ね」
魔力供給。
まぁどっかでどうにかしないといけない問題のような、そうでもないような。
まぁもったいつけるでもなく、バーサーカーさんにごっそり持ってかれた分とフランスで無茶した分を合わせて、魔力がまだ回復してないってだけなんだけど。
さすが知名度だけでも世界でも指折りなヘラクレス。
人が5人くらい簡単に干上がるレベルの魔力が減った所で、まぁ備蓄的には1%いかないくらいなので別にいいのだが、減った分を補充しないというのも気持ち悪い。
そんな話をカルデアの技術顧問に相談したら教えてもらったのが、魔力に変換しやすい食材だった。
『ふぅん、魔力不足ねぇ…。まぁ寝てれば治るんじゃない?なんて診断でもいいんだけど、君の体のデータは実に貴重だ。正直とてもいじくり回したい。あんなとこやこんなとこもね』
『そして、それを隠さずに見せてくれたことへの対価がないというのは頂けない。私の主義にも反する』
『───実はキャスタークラスなら、魔力供給を逆にできなくもないんだな、これが。我々キャスターは魔力の扱いに長けてるからね』
『どうかな、君が興味あるなら是非私が相手してあげるけど』
いや、他も教えてもらったけど泡を食ったように飛び込んできたロマンによって阻止されたのだ。
なんでだよ。
別にいいだろ魔力供給くらい。
中身も性格もさておき、見た目いい女とエロいことはしたいだろうが。
というかどっかで発散しとかないと後輩んとこのライダーさんの誘惑に負けそう。
向こうも性欲だけだし後腐れなさそうでいいよね(最低)。
「うまうま」
とりあえず、ワイバーンはうまい。
気持ち程度しか回復しないけど、味は大事だ。
モチベ的に。
胡椒は言わずもがな、塩だけというのも悪くない。
まさかワイバーンがここまで美味いとは。
これのためにまたフランスに行ってもいいと思えるレベル。
エッフェル塔とかも見たいし、頭のやりたいことリストにぶち込んでおこう。
「マスターマスター。世界が救われたあとは残念ながらフランスからワイバーンたちは居なくなりますぞ」
「ほんとじゃん。お前頭いいな」
「はっはっは!ではこの育った肉をいただいても?」
「うむ、苦しゅうない」
さて、そろそろ肉ばっか食ってないで語らねばなるまい。
フランスで何があったのか。
あれはそう。
初手の場所が、リヨンという街ですでに攻撃を受けて、人々が逃げ惑っていたところに遭遇したときのことだ。
呪いに侵された伝説の竜殺し…を連れての防衛戦。
邪悪な竜。
召喚され狂気に落とされたサーヴァントたち。
邪竜百年戦争。
悪意と憎悪は、終わりを求めて燃え上がる。
「しかし、確かに!これは旨いという他にありませんな!肉の焼ける音が彼らの断末魔に聞こえるのも実にエクセレント!」
「食欲を削ぐようなこと言うなよお前」
「こうも美味な肉を噛み締めていると、なんだか吾輩の生きていた時代にあった鹿肉パイなどが懐かしくなりますな」
「イギリスの昔の料理…?まずそう」
「ええ!おっしゃるとおり!塩が利きすぎて3日で飽きますぞ!」
「おいしれっと二切れ目に行くな。それは俺の肉だ」
あと焼き肉の炎も、燃え上がっていた。
今回も最後まで読んでくださってありがとうございました。
実際タイトルってどうなんですかね。
作者の作品一覧とか見るとあんまり違和感はないんですが、低評価はちょっと増えました。
とりあえず読者の皆様におかれましては、作者に餌として感想や評価を投げてもらえると酒カス具合が収まるかもしれません。
よろしくお願いします(土下座)。