最近あまり書きまとめる時間が取れず普段よりも間隔が空いてしまいました。
もしかすると2月まで忙しくなる可能性があるので、それまでは投稿頻度が遅くなるかもしれません。
トリニティ総合学園、正義実現委員会本部。
「いやぁ、結構皆いい感じになってきましたね」
「そうですね、今年は皆さん優秀なようです」
その一室にて副委員長のハスミと、後輩のイチカが手元の用紙を見ながら話し合っている姿があった。
彼女達が見ているのは今年入部してきた1年生達のデータ、そこには入部初日から今に至るまでの様々な記録の推移が纏められていた。
主に筋力や射撃精度など日々の訓練によって培われてきたものだったり、自分たちの任務に動向した際の動きだったりと色んな項目が記載されている。
「これなら、そろそろ考えてもいい頃っすかね?」
イチカは読んでいた書類を机に置くと、ハスミに向き直ってそう尋ねた。
正義実現委員会に入ってくる依頼は多い、学内で起こった揉め事は勿論郊外の治安維持も仕事の1つとなっている。
日によってその活動頻度は変わるが、多い時で依頼に向かえる人数がギリギリになってしまう事もあった。
だが今年は多くの1年生が入ってきてくれた、彼女達が自分たちの補佐無しで動けるようになればその問題は解決できるだろう。
現に彼女達の成長は早いもので、中には自分達と同じくらい動けそうな子もいる。
「...頃合いですかね、あの子達には私の方から伝えておきます。イチカはいつも通り他の子の作業を手伝ってあげてください」
「了解っす」
ハスミはイチカにそう言葉を返すと、ゆっくりと立ち上がり部屋を出て行った。
場所は変わり正義実現委員会の訓練場。
そこには体操服に着替えて訓練を行う1年生達の姿があった。
「いち、に!いち、に!」
「か、身体が痛いぃぃ!!」
「休憩しよー」
トラックを走る者、柔軟体操をする者、丁度訓練を終え休む者と各々が自由に過ごしている。
(皆さん頑張っている様ですね)
そんな彼女達の様子を、ハスミは歩きながら見守っていた。
初めの頃に比べて確かに動きが良くなっているのがわかる、やはり記録は嘘では無かったようだ。
安心したように笑みを浮かべながら訓練場へ近づいていくと、やがてハスミに気がついた何名かの1年生が笑顔で駆け寄ってくる。
ベンチで休憩中だった子も慌てて立ち上がり、やがてハスミの前には何十人もの人だかりができていた。
「お疲れ様です、頑張っているようですね」
「は、はい!ありがとうございます!」
「先輩達のお役に立つ為ですから!」
「まだまだやれますよ!」
褒められたのが嬉しかったのか、口々にやる気を見せる少女達。
そんな微笑ましい姿に口元が緩むハスミだったが、ここに来た本来の目的を思い出し言葉を続ける。
「ところで、今日は貴方達にある話を伝えに来たんです」
「お話、ですか?」
「私達に出来ることなら喜んで!」
やる気満々な様子で彼女を見つめる1年生達。
ハスミは彼女達を見ながら改めて口を開いた。
「実は....そろそろ貴方達だけで本格的な任務にあたってもらおうと考えているんです」
「え、そ、それって...」
「はい、これまで私にイチカ、それにツルギや他の先輩達の元で任務に同行してきたと思います。ですがそこでの活躍、今日までの貴方達の成長を見た結果、私達がいなくても充分動けると判断しました」
ハスミの言葉にザワザワとし出す彼女達、何人かの顔にはは不安の色が浮かんでいる。
勿論いつまでも先輩達に頼り切りではいけない、けれども本当に自分達だけで大丈夫なのか、ちゃんと動けるのか...そんな思いが辺りを満たしていく。
「貴方達の気持ちはわかります...かくいう私も、1年生だった時は同じでしたから」
「ハスミ先輩が、ですか?」
「ええ、先輩の足を引っ張らないか、迷惑をかけないか....初めの頃はそんな事ばかり頭の中を回っていました。でも、同時に嬉しいとも思っていたんですよ」
「嬉しい?」
「自分達に任せてくれる、それはつまり実力を認めてくれている...信じてくれているというのと同じ事ですから。それからは任務をこなすうちに自然と不安は無くなっていったんです」
「「「......」」」
1年生達はそんな彼女の話を静かに聞いていた。
やがて互いに顔を見合わせると、頷き合いハスミに向き直って告げる。
「わかりました....先輩の期待に応えられる様、私達も頑張ります!」
「正義実現委員会の一員として、精一杯やります!」
それからは私も、私もの大合唱。
そんな彼女達の姿を見て、ハスミは嬉しそうに笑顔を浮かべたのだった。