正実モブの奮闘記録。   作:Mrふんどし

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重要なご連絡です。
私事で大変恐縮ですが、現在大切な時期を迎えておりここ最近小説の執筆時間を確保することが難しくなっています。
その為もしかすると今後の投稿が一時的にストップしてしまう可能性があります。
ご了承いただけると幸いです。


任務を終えて

「痛っ...!」

 

「やっぱり、捻挫してますね」

 

トリニティ学園内に存在する保健室、そこでは1人の少女が丸椅子に座っていた。

正面に座る少女に足首を軽く触られ小さく呻く、あのスケバン達との戦闘の後無事トリニティへと帰還したハツネだったが、帰るや否や問答無用に保健室へ連れてこられ今は絶賛怪我の確認が行われていた。

 

「よくこんな状態のまま3人も運んで歩けましたね....」

 

「あはは...あの時はもう夢中で、全然気づかなくて」

 

「肩や顔にも傷やアザはありますが...それだけ戦闘したにしてはまだ軽傷ですね、足首以外は数日すれば治るでしょう」

 

「本当ですか?良かったぁ」

 

思いの外軽く済んだことにハツネはホッと息をつく。

 

「でも怪我人には変わりありませんからね?絶対に無茶はしないでください。とりあえずテープを持ってきますから少し待っていてください」

 

そう言って救護騎士団の部員は部屋を出ていく、残されたハツネは何となくキョロキョロと周りの棚などを見渡していたが、その時不意に外の廊下から話し声が聞こえてきた。

 

「運ばれてきた正義実現委員会の子達、容態は?」

 

「さっき目が覚めたって報告があったらしいわ」

 

おそらく他の部屋の担当部員達だろう、そんな彼女達の話を耳にしたハツネはいてもたってもいられず机を支えに立ち上がり、部屋を出るとすぐさま廊下を進んでいく。

 

それからひとつひとつ部屋の中を確認すること数分、廊下の突き当たりの部屋に辿り着いたハツネが中を覗くと、そこには自分が運んだ3人の少女達がベッドで身体を起こして話している姿があった。

 

「みんな!起きたんだね!」

 

「あっ、は、ハツネちゃん...!」

 

ハツネは笑顔を浮かべながら部屋の中へ入り3人の元へとフラフラ歩いていき彼女達の近くにあった椅子に座る。

彼女達もハツネを見て頬を緩めながら口を開いた。

 

「気づいたらここのベッドで....ハツネちゃんが運んでくれたんだよね?さっき救急医学部の子が教えてくれたの」

 

「私は途中で気を失っちゃったからよくわからないんだけど...任務は無事終わったの?」

 

「うん、イチカ先輩達が来てくれてスケバン達をみーんな捕まえてくれたんだって!私ももう少しで危なったから本当に良かった....でもやっぱり凄いよね、先輩達みたいになるのはまだ先になりそう」

 

ハツネはあの時の光景を思い浮かべながら溜息をこぼす。

あの時は咄嗟の行動で何とか持ち堪えられたが、それでも最後は負けそうになってしまった。

それに駆けつけてくれた先輩達は自分達が苦戦していたスケバンをあっという間に制圧していたのだ、明確にある実力差....だが悔しいと同時にやる気もまた芽生えていた。

 

そんなことを1人思うハツネだったが、ふと先程まで話していた声が消えたことに気づき顔を上げる。

すると3人はどこか申し訳なさそうな表情を浮かべていた。

 

「...ごめんねハツネちゃん」

 

「え、ど、どうしたの急に?」

 

何故謝るのか、突然のことに困惑するハツネはそう聞き返す。

3人は顔を見合わせるとゆっくり言葉を紡ぎ始めた。

 

「先輩達が来るまでの間、最後まで手伝えなかったら...」

 

「折角の訓練の成果も気を失っちゃったら意味がないし....」

 

「そんなことないよ!みんな頑張ってたし、あの時は想定外の事が起きたから仕方ないって」

 

「それにハツネちゃん、その髪...」

 

「髪?....あっ」

 

その言葉にハツネは手を後ろ髪に回すと声を漏らす。

そうだった、あの時掴まれた手から脱出しようと無理矢理落ちていたガラス片で髪を切ったのだ。

当初は長かった髪は今では肩ほどまでに短くなり毛先もバラバラ、あまりの変わりように3人は何か酷いことでもあったのではと不安なようだった。

 

「....大丈夫!」

 

そんな3人の不安を悟ったハツネは笑顔を浮かべて答えた。

 

「実は戦ってる時に髪を掴まれちゃってさ、これは抜け出す為に切ったの。それにほら、元々長い髪だと戦闘に邪魔かなぁなんて考えてたから一石二鳥だし!」

 

「でも...」

 

「それに、あのまま先輩達が来る前にやられてたら私も含めてみんなもどうなってたかわからないでしょ?名誉の負傷ってやつ!....意味が合ってるかわからないけど。とにかく、私にとっては髪なんかよりみんなが大切なの、だから無事で良かった!」

 

まだ罪悪感を抱えている3人に、ハツネはそうハッキリと告げた。

彼女の本心が伝わったのか、3人は驚きながらも頬を赤くさせつつゆっくりと頷いたのだった。

 

「よし!じゃあ後は怪我を治すだけだね!」

 

そう言って手を叩きながら立ち上がるハツネ、そうして部屋を出ようと振り返ったところで。

 

「松果ハツネさん?」

 

「あっ....」

 

部屋の入り口に立ち、ニコニコと笑顔を浮かべる救護騎士団の子がハツネの視界に入った。

その手にはテープが握られている....そうだ、自分はまだ治療中であり先程待っていてと言われたのだ、それなのに無断で抜け出しこの足でここまで来たのだ。

 

「あ、えっと、これはその....ごめんなさい」

 

ハツネは冷や汗をかきながら何とか言い訳をしようと試みる。

だがあまりの笑顔の圧にハツネは素直に頭を下げるしかなかった。

 

 

 

 

「いいですか?怪我をしているので安静にしているように言いましたよね?それなのに部屋を抜け出して無理矢理動くのは....」

 

「はい、すみません...いたたたっ!?」

 

その後、流れるように連れ戻されたハツネはテープを足に巻かれながら、ありがたいお説教を10分近く聞かされたのだった。

 

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