正実モブの奮闘記録。   作:Mrふんどし

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奮闘記録2

今日は私を含む新入生全員で体力作りの為の走り込みを行った。

 

毎朝のランニングのおかげか体力には結構自信があったけど、同じ所を何周も回り続けるとなると流石にキツくなってくる...でも先輩達も任務に行くには体力が大切だって言ってたし、頑張らないと!

 

そのまま息を切らしながら走る事暫く、やっとの思いで指定された分の走り込みを終えた私はベンチに座り安堵の溜息をついていた。

 

ふぅ....このままだと先輩達に迷惑かけちゃうし、もっと体力つけないとなぁ...あれ?

そんな事を思いながらぼーっとまだ走っている子達を見ていると、不意に何人かがフラフラと倒れ込む瞬間が私の視界に映った。

 

私は慌ててベンチから立ち上がりその子達の元へ駆け寄るが、二人はすっかり目を回してダウンしてしまっているみたいだった。

私は急いでその子達を抱えて木陰に移動させ、自販機で購入した水をゆっくり飲ませていく。

 

その後起き上がった彼女達から話を聞くと、どうやら前に追いつこうと無理をして走っていたそうだ。

 

もう今日の分の訓練は終わってるし、二人の様子をこのまま見守ろう、そう考えた私は追加の水を買いに自販機まで走って行った。

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

午前の訓練を終えた私はベンチに座りながら用意したお昼ご飯を袋から取り出していた。

....まあ用意したと言っても、私は料理が下手だから買ってきたサンドイッチだけど...

 

早く食べちゃおうとサンドイッチを頬張ろうとした瞬間、後ろから声をかけられ振り返ると、そこには先日走り込みの時に介抱した二人が立っていた。

 

どうやら改めてこの前のお礼を言いにきたみたい、え?一緒にお昼?勿論!

私がそう言うと、二人は嬉しそうに隣に座ってお弁当箱を開き食べ始めた。

 

わぁ、凄くちゃんとしたお弁当だ....それに比べるとただ買っただけの自分が何だか恥ずかしくなってきちゃった...

私がそんな事を気にしながらもそもそとサンドイッチを食べていると、何と二人はおかずを分けてくれると言ってきた。

 

いいの...?じゃ、じゃあありがたく....っ!美味しい!

そうして彼女達のお弁当を味わっていた私だったが、不意にどこからか誰かの視線を感じた。

 

不思議に思って辺りを見渡すと、奥に生えている木の影に隠れながらこちらを覗いているピンク色の髪の子を見つけた。

あれ、あの子は顔合わせの時の....コハルちゃんだよね?

 

だが私が彼女に気づくと同時に、彼女も自分が見られていることに気づいたのか慌ててその場から立ち去ってしまった。

 

.....何かの用事だったのかな?

 

 

――――――――――――――――――――、

 

 

それからまた数日が経ったある日の事。

私が広場を歩いていると、丁度前の方にコハルちゃんの姿を見つけた。

 

実を言うと昨日も射撃訓練の最中にまた視線を感じて、振り返った時に彼女が立っていた、なんて事があった。

その時も声をかける前に走って行っちゃったけど、今度こそ話を聞かなくちゃ。

 

私は慎重に近づいていくと、コハルちゃんの肩を軽く掴んで彼女に声をかけた。

コハルちゃんはいきなり現れた私に驚いた声を上げていたけれど、すぐに何かを言いたげな表情を浮かべ顔を伏せる。

 

私がじっと話すのを待っていると、やがて彼女は頭を下げて謝り始めた。

話を聞いてみるとどうやら初日の顔合わせの際、声をかけてくれた私に酷い事を言った時の事をずっと謝ろうとしてくれていたとの事。

 

あー...あの『死刑!』って言われた時かぁ、確かに驚きはしたけど、別にそこまで気にしてなかったから大丈夫だよ。

むしろ私が何かしちゃったかと思ってたから、何も無かったみたいでよかった!

 

私が素直に答えると、コハルちゃんはようやく安心した様な顔を見せてくれた。

...そうだ、じゃあ初日出来なかった分を改めて.....これからよろしくね?コハルちゃん。

 

そう言ってあの時の様に彼女に手を差し出す。

一瞬ポカンとしていたコハルちゃんだったけど、その意味を理解した彼女はどこかツンツンとした態度をとりながら、私と握手を交わしたのだった。

 

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