今日は初めての任務同行の日!
しかも今回私達が着いていくのはあのツルギ委員長!
正義実現委員会に入部してから初めてその姿を見たけど、やっぱり他の先輩達とは違ったオーラを感じるなぁ...
細く伸びた羽に何かの痕がついた服...そして常に何かを見据える様な目つき...その圧倒的な迫力に私を含めて他の子達も緊張した様子で先輩の後ろをついて歩く事しか出来ない。
それから目的地に辿り着くと、そこには暴れているスケバンの集団が遠目に見えた。
先輩は私達に『危ない時はすぐに隠れろ』と言ってから両手に銃をぶら下げ始める。
つ、ついに先輩の戦う姿を観察できるんだ!
正義実現委員会の委員長の実力をこの目で見れる、そんなどこかワクワクとした気持ちで建物の影から顔を覗かせる私達。
ツルギ先輩は今回の通報対象だったスケバン達を見て....
....あれ、何か先輩凄い笑い声上げてる...え、もしかしてあれが普通なの?
わっ!銃弾が顔に当たっ....たけど怪我してない、むしろそのままあの人達に突撃してる...。
あぁ...スケバンの一人が壁に叩きつけられて....
..........
その後数分もしない内に暴れてたスケバン達が制圧されて、ツルギ先輩は何事もなかったかの様に私達の所に戻ってきた。
....うん、これから絶対に悪いことはしない様にしよう。
言葉を交わさずとも、そう決意した私達は目だけで頷き合っていた。
...でも二丁持ちって格好いいなぁ、今度練習してみようかな。
――――――――――――――――――――
午前の訓練が終わった後の休憩時間、いそいそと買ってきたお昼ご飯を手にベンチに向かっていると、遠くの方から狙撃音が聞こえてきた。
まだ訓練してる子がいるのかな?
そう思った私は音がする方に向かってみると、そこにいたのは狙撃用の塔に登っている一人の少女。
休憩時間だよと下から話しかけてみたけれど、距離があって聞こえていないみたい。
私は急いで塔に登って後ろから声をかけると、巨大なライフルを構えていた黒髪の少女はそこでようやく気づいてくれた。
そんな彼女を見ながら普段から休憩時間もこうして訓練しているのかと尋ねてみると、彼女は『正義の体現者を目指しています、だからこそ誰よりも努力しなければならないんです』と答えてくれた。
正義の体現者かぁ....私には難しくてわからないけど、何だか格好いいね。
私は素直に思った事を口にしただけだったけど、それが彼女の何かを刺激したみたいで、少し興奮した様子で私に顔を近づけて”正義”について勢いよく話し始めた。
.....それから三十分以上も彼女の話を聞いていたみたいで、気づいた時には既に休憩時間が終わりを迎えていたのだった。
――――――――――――――――――――
ある日の事、射撃訓練場に向かっていた私はその中でコハルちゃんを見かけた。
彼女はスナイパーライフルを構えて遠くの的を狙っている様で、少しの間見守っていたけれど中々的へ当てられずに苦戦しているみたい。
私が隙を見てコハルちゃんに声をかけると、彼女は一瞬驚き飛び跳ねてから慌てて私の方に振り返り、顔を背けながら今行っていた訓練の結果について語り始めた。
彼女曰く『今日は調子が悪いだけ!』だそうだけど....その顔はミスを見られたからか僅かに赤くなっているのがわかる。
私はそんな可愛らしい態度に笑いながらコハルちゃんが持っていた銃を貸してもらい、表面を確かめたりアイアンサイトを覗いたりしながら徐に的へ狙いを定めて引き金を引くと、弾は中心から少しズレたあたりに命中した。
驚いているコハルちゃんに銃を返した私はそのまま彼女の背中越しに腕を回し手を重ね、構え方や狙う場所などをレクチャーしていく。
やっぱりこうして直接教えた方がわかりやすいよねと思っていた私だったけど、何故かそれから少しもしない内にコハルちゃんが全く動かなくなってしまった。
かと思えば今度はプルプルと震え始め、流石に気になった私がすぐ真横にある彼女の顔に視線を向けると、そこには真っ赤にさせたコハルちゃんの顔が.....
それを見て心配した私が声をかけようとした瞬間、彼女はバッと私の腕を抜け出し、『や、やっぱりエッチなのは駄目!!!』と叫んでこの場から走り出してしまった。
そんなコハルちゃんの後ろ姿を、私はポカンとしながら見送る事しか出来なかった。