試験を終えライン戦線に幼女が投入されます
ついにあのキャラ達が本格参戦!
さてさてお楽しみの時間はこれからも続きますよ!
それではどうぞ!
第五話 幼女はラインの悪魔
幼女が順調に後方勤務をこなして暫くののち
ライン方面に動きあり!
そんな報が参謀本部に届けられる
中央主力をノルデンに差し向けていた帝国軍の動きを読んでの全面攻勢であった
主力というのはいかんせん数が多い
「せめて…限定動員にとどめておけば!」
ルーデンドルフ准将が苛立つのも道理であった
プラン315は完全に機能不全に陥り
完全に後手後手に回ったのである
鉄道 空路 陸路 海路
ありとあらゆる輸送手段
いかに内線戦略に特化した帝国でも直ぐに主力を前線に投入するのは不可能であった
ライン戦線の西方方面軍は遅滞戦闘を徹底しその速度を緩和
そこに中央主力を持って叩くはずが今は時間がかかる
よって今ある中央の戦力すらも余力のあるところからは根こそぎ動員するはめになった
そして実験が一段落終わった幼女の元にラインの最前線へ急行せよと命が言い渡される
~
「素晴らしい実験結果だ!!!!少尉!!!君のおかげで私とアルベルトシュタイン博士の名は歴史に残るようになるだろう!!
そして学会においても発表が決まった!!!題名は〈演算宝珠の効率化に関する新たな公式とその実験結果〉だ!!!参謀本部と君には頭が上がらん!!!!!」
そう言って狂喜乱舞し今にも「ビンゴ!」して飛び立ちそうなシューゲルの姿を見ながら
「お褒めにあずかり光栄です ドクトル」
(最初プロトワンの前身である九十五式の試験をさせられたが安全装置のない欠陥品で魔力消費量も馬鹿にならず動作も不安定な代物を作った男とは思えんな アルベルトシュタイン博士と組むとこうも劇的に変わるとは…)
そう考えながら新たに受領した試作量産型プロトトゥーに目をやる
これからはこの生産性 汎用性も高めたプロトトゥーの試験という訳である
とんでもない速さで改良型を作っていくドクトルとアルベルトシュタインに畏敬の念すらも抱くのだった
そしてこれは試験魔道士であるターニャには非常に都合が良かったのである
(二人の博士がどんどん性能の良い新型を作ればそれだけ試験する必要が生まれる それでいて最初の九十五式以外の改良型は全て好調 大抵は午前中で試験は終わり帝都に行ってしばらく滞在した後帰ってくる時間もしっかりある それでいて休日は確定しているとかこんなに良い仕事もなかなかあるまい!!!)
キーク特務中尉がアルベルトシュタイン博士を引っ張って来たことなど知らない幼女は内心笑いが止まらなかった
そしてこの後
ライン戦線に連れて行かれることも知らない
世の中知っている事が全てではないのだ
伝令の兵士が技術部門の事務所へと駆け込んできた
「参謀本部より緊急電文です ターニャデグレチャフ航空魔導少尉はただちに現在の任務を中断しライン戦線に赴かれたし とのことです」
「何!ライン戦線だと!まさか共和国め!」
(主力が協商連合に対して攻勢を強めたこの時にか!主力が留守のうちに全ての前線を押し上げるつもりだな!)
「了解した!参謀本部宛にターニャデグレチャフ航空魔導少尉は現時刻を持って現任務を中断しライン戦線に赴くと伝えてくれ!」
「了解であります!」
慌ただしく伝令の兵士は帰って行く
「と言う訳でドクトル 申し訳ありませんが私はライン戦線に行く事になりました」
そうマッドに伝えると意外と素直に返答する
むしろ
「実践で試す良い機会だ!少尉!!プロトトゥーを持ちだすのを許可する!!!!その性能を存分に活かし我等帝国の技術の結集体を奴らに見せつけてやるのだ!!!!」
はよ行け はよ行け とばかりにまくし立てるのだった
(えぇ やっぱマッドはマッドだわ)
それから支度を整えてターニャは輸送機で最前線へと赴く事となるのであった
~一方その頃
砲声轟くライン戦線では
ズダーン!!!!
ダガガ!!
「敵の戦車部隊だ!来るぞ!」
「88はどうだ!使えるか!」
「だめです!今の砲撃で破壊されました!」
共和国軍に押されつつある西方方面軍の中にある男がいた
黒い長髪の青年
階級は伍長
新兵の中では最も優秀な内の一人に数えられ塹壕に迫り来る戦車部隊に対して果敢に立ち向かって行っていた
「あるのは対BT用のライフルのみです!」
「貸してくれ!」
そう言って真っ先にライフルを手にし塹壕の中から狙撃する
対BT(バトルタンク)部隊の一員として戦線に参加しているこの男の名は…
メロウリンクアリティ
である
前世では惑星ミオイテの戦いにおいて強制的に懲罰部隊同様の装備で殿をさせられた挙げ句
ヂヂリウムの窃盗の濡れ衣を着せられたシュエップス小隊の一員として自分達を貶めた者達へ復讐するために
戦い続けたのであった
だが
ヂヂリウムのスキャンダルを知るものを抹殺すべく動いていたキークをパイルバンカーで串刺しにし
追って来る敵がいなくなったとき長い付き合いの対ATライフルは大地に十字架のごとく立っていた
生き残ったルルシーとメロウリンクは静かな水辺の村にてシロー村長とその妻アイナや村の人たちに向かい入れられ復讐者ではない自分の人生を生きたのだった
そんな二人にも終わりの時は来た
長い時は過ぎその体が老いたとき
二人は眠るような死の中で来世でもまた会いたいと願ったのだ
そしてその願いは成就する事になる
再び生受けたメロウリンクは愛するルルシーを守るために再び銃を手に取るのだった
ボゥ!!
共和国軍のBTは弱点を狙い撃ちにされエンジンから出火する
慌てて飛び出した兵士を一般兵が仕留めていく
だがBTの数はまだ減らない
敵の砲撃に晒されてまた一人仲間が倒れてゆく
それでもメロウリンクは撃つのを止めない
槓桿をひき空薬莢が塹壕の湿った土の上に転がる
装甲の硬い戦車でも履帯を破壊し動けなくなったところへすかさず対BT手榴弾によって確実にトドメを刺す
すでに3両は撃破しただろうか
機関銃射撃手が叫ぶ
「誰か弾を寄越せ!速く!」
「Eフィールドが食い破られるぞ!」
「増援を!我が小隊すでに戦力なし!」
だが敵は戦車だけではない
敵の歩兵部隊の一部が弾幕の薄れた塹壕に殺到してくる
「「「突撃いい!!!!」」」
瞬く間に敵は塹壕の兵達を銃剣で滅多斬りにしていく
そして戦車部隊に注力していた対BT部隊にも魔の手が迫る
それを見ていた兵士が声を上げる
「まずいぞ!横の塹壕の奴らがやられた!こっちに向かって来るぞ!」
「何!」
敵はすぐ目の前だった
(こちらはBTの相手で手が離せない!)
眼前にも敵のBTが迫る!
「伏せろ!」
そんな大声と共にMG26重機関銃の音が響きわたる
ガゥゥゥー!!!!
辺りに飛び散る空薬莢
目も眩むような閃光
そこにたたずむ地獄の番犬ケルベロス
眼前の敵は跡形もなく消し去られていた
兵士達は重装甲な装備そしてその赤いレンズのマスクを被り人間の肋骨のような服を見る
やや青い装飾の施されている
それから首元のそれを見て確信する
友軍の魔道士であると!
「まさか…噂のPS部隊…!」
ある士官は思い出す
軍内部で噂されていた三人組の魔道士実験部隊がある事を…
アーマードトルーパーの名の如く重装備に身を包んだ
その見た目は正に地獄の底から這い出たような禍々しさをはらんでいた
唖然と見つめる彼等にその男は言う
「呆けている暇があったら一発でも多く弾を撃ち込むんだな」
そう言って兵士は敵兵の中へと重機関銃の音を響かせて突撃していく
更に二人の魔道士がそれに続く
「歩兵の相手は俺達に任せるが良いBTは貴殿等に任せた」
この二人はブラウンとシルバーの装飾である
瞬く間に敵部隊の兵士達は高速で地上スレスレを滑空する魔導達に手も足も出ずに重機関銃の餌食となる
メロウはすぐさま更に迫り来る戦車に対して二十㎜の弾丸を食らわせる
だがその射撃はいなされ更に接近してくる
「足搔け!足搔け!地獄の底までつれてってやる!」
共和国軍のBT部隊長タッグマンはあざ笑いながら塹壕への突入を命令する
砲撃が放たれ土砂と轟音で塹壕の兵士は揺さぶられる
飛び散る石のかけらの内のひとつがメロウの頬に傷を付ける
頬からは血が流れ出て行く
前世からの儀式である左手でその血を顔に模様を付ける
デデレン! テーレ…デデレン!
今が好機と塹壕に乗り入れたとき戦車は擱座した!
「なせだ!何故動かん!」
履帯と導輪の隙間にそこらにあった壊れたライフルが差し込まれたのだった
すぐさま装甲の薄い砲塔横にパイルバンカーを打ち込む
「思い知れぇ!」
「うぁぁ!!!」
「でやあぁぁ!!!!」
バウ!!ドギャン!!!
この世界でも製作されていたパイルバンカーでとどめの一撃が炸裂し砲塔の隙間からは血が滴り落ちるのであった
「はぁはぁはぁ…」
仲間も対BTライフルで敵戦車を狙い撃ちにしていく
「部隊長がやられた!」
「くそ!一次後退し部隊の再編成を行う!」
部隊長を失った部隊は撤退する事に決めたようだ
後方へと後退していく
それを見た共和国軍兵もすぐさま撤退を開始した
だがそう経たないうちに再び押し寄せて来るだろう
奴らはこの国を侵そうとしているのだから…
「また随分こっぴどくやられたな」
そう言いながら手持ちの医療品を対BT部隊の連中に渡しながら男は言う
「あんた達は…」
メロウは問う
「帝国軍実験魔導PS小隊所属キリコキュービー 階級は少尉だ」
「同じくイプシロン 階級は少尉を拝命している」
「同じくフィアナ 階級は少尉よ」
「自分は西方方面軍第6対BT小隊所属 メロウリンクアリティ伍長であります」
そうしてかつて異能生存体であった男と不死身のごとき男とが邂逅を果たしたのだった
後編に続く…
ご覧頂きありがとございます
と言う訳でキリコ メロウリンク フィアナ イプシロンが参戦しました
怒濤の四人連続での登場となりましたがきりが良いので続きは後編で…
次は幼女が大暴れ
しばらくお待ち下さいませ…
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