続きまして後編になります
幼女は魔道士の新兵3名を引き連れて小隊長として前線に赴いた
そして幼女は悪魔と呼ばれるようになる
それではどうぞ!
第五話 幼女はラインの悪魔
ターニャはライン戦線にて三人の新兵を指揮し徹底して遅滞戦闘に務めていた
(こんな最前線に送られてしまうとは…しかもこんな士官学校を卒業仕立ての兵士を指揮せよ…か しばらく後方には帰れまい 私の唯一の楽しみはウド印のコーヒーだけだな)
そう一人思いながらも砲撃術式によって敵歩兵部隊に攻撃を加え続けた
そんな最中セレブリャコーフ伍長が通信をつなげる
「て…敵魔導小隊を確認しました!」
「なに!ただちに迎撃する!諸君らは引き続き敵歩兵部隊に対して攻撃を続行せよ!全くサラリーマンも楽じゃない…」
「サラリー?まん?」
何のことだか分からない伍長らを置いて一人の魔道士に向かって突撃していく
今日戦場で初めて飛んだ新兵に迎撃は出来るはずもない
「たった一騎でやろうってのか!」
やってきた敵の魔道士は幼女に照準をさだめてあざ笑う
だが
ターニャは一人で新型宝珠プロトトゥーの出力を上げて上昇し敵の魔道士へと急降下を仕掛ける
敵の魔道士は太陽に遮られてこちらを直視出来ない
「くそ!どこにいやがる!帝国の犬め!」
「太陽の中にいまっ!」
タゥ!タゥ!
その時銃声が鳴り響き小隊のうち二人が撃墜される
「なに!」
そして更に敵とすれ違い仰向けになった幼女は下から貫通術式を用いて発砲する
タゥ!
更に一騎を撃墜する
それから何を思ったか下がっていく
(折角だ 伍長らに撃墜するという感覚を教えてやろう)
伍長らに無線で伝える
「諸君 現状の行動を止め私の後方にいる魔道士を狙撃せよ 諸君らで協力し撃墜して見せてくれ なに簡単な事だ 私を誤射しないように注意したまえ」
「「「りょ 了解!」」
伍長らは互いに連絡を取り合い射線をそろえる
そんなことを知らない一人残った魔道士は怒りをあらわにして襲いかかっていく!
「おのれ!皆の仇!」
だが撃っても避けられ当たった弾も防殻術式によって防がれてしまう
「くそ!くそ!」
悪態をついても無駄だというにその兵士は追い続けた
タウ!タウ!タウ!タウ!
そして伍長らに半自動小銃で滅多撃ちされ爆散する
「やりました!小隊長どの!」
「よくやった諸君 君達にとって初めての共同撃墜戦果だ」
初めての撃墜に色めき立つ伍長ら
「だが次はない 次からは諸君らの力で落としてくれたまえ」
「「「了解!」」」
(三騎を苦もなくあっという間に撃墜するとは…白銀と呼ばれるだけあってすごいお方だ)
ひとまず上手くいきそうだと笑み浮かべる幼女の姿は傍らからみれば悪魔の微笑みだった…
~
作戦を終え作戦結果を報告する
「ターニャデクレチャフ航空魔導少尉他3名計4名ただいま帰還致しました」
「ご苦労 結果を報告したまえ」
「敵歩兵部隊への砲撃術式による攻撃を実行しこれを撤退させました また敵魔導小隊と交戦し全騎を撃墜 内の三騎を小官が撃墜し残りの一騎を伍長ら3名による共同撃墜致しましたことを申告致します」
「うむ さすがは銀翼突撃賞をお待ちの白銀殿だな 初日にもかかわらず見事な戦果だ これからも期待させてもらおう」
(恐るべし戦果だ 銀翼突撃賞を授与されただけのことはある」
「過分な評価に感謝致します それでは小官らはこれにて」
敬礼し退出していく
各々の天幕へと入る
二人一組の小さなテントでは同性であるターニャとセレブリャコーフ伍長が同室となっていた
「どうだったかね伍長 戦場に初めて出た気分は」
幼女は部下である彼女にそんな問いをかけながらコーヒーを飲むために湯の準備をしていた
「はい! 小官としましては暫くは肉料理の類いは食いたくなくなりましたね…銀翼突撃賞の方が少隊長としていらっしゃるとのことでしたのでどんな方かと心配しておりましたが少尉殿で安心しました」
「なんだと」
「し 失礼しました!」
そう言って敬礼する伍長
はぁと呆れる幼女
「伍長 コーヒーは飲めるかね」
「大好物です!」
「ならば1杯ご馳走しよう」
「ありがとうございます!あ ぜひ私に煎れさせて下さい!」
こういうとき率先してやると上官に受けが良いとエーリャに聞いていたセレブリャコーフ伍長は実践にうつした
「ほぅ 貴官がか ならば任せよう 期待してよいのだろう?」
「はい!お任せ下さい!」
気合いを入れてコーヒー豆の缶を受け取りコーヒーを作り始める
その間ターニャはコーヒー煎れの全てを任せ一人本を読み始める題名は「共和国の言語とその歴史」である
捕虜になろうとしているものや降伏を呼びかけるときなどに用いるために学ぶのである
単に撃墜するだけよりも敵を降伏させ捕虜として連れてきた方がよっぽど難しいのだ
「少尉殿!煎れ終わりました!どうぞ!」
そういってコーヒーをターニャの前のテーブルの上に置く
読んでいた本にしおりを挟み一言
「それでは頂こう」
そう言ってコーヒーカップを手に取り匂いを堪能しそれから一口味わう
苦みと豆の風味が程よく合わさりいつも自分で煎れるのとはまた違った味わいだ
(なかなか良い煎れ具合だな 随分慣れているのだろうか)
そんなことを考えているターニャの姿を伍長はお盆を抱え心配そうに問う
「その~ お口に合いませんでしたでしょうか」
コーヒーカップを持ったまま伍長の方を向き
「心配は無用だ セレブリャコーフ伍長 このコーヒーはなかなか美味だな 貴官も座って飲みたまえ」
「はい!ありがとうございます!」
花が咲くような笑顔でそう答え伍長も一口飲む
「んっ!美味しいですね!このコーヒー豆」
「そうだろうとも何せウド印のコーヒーだ 苦みとは強くとも味わいは何とも表現しがたいものだ」
そうして二人は少しの間語り合い眠りにつくのだった
~
変わって参謀本部
ある部屋の中では参謀らの会合が開かれていた
「ライン戦線の戦況はどうだ!」
「はい 現在何とか現状の状態で維持出来ているとのことですがやはり本体が合流しないことには…」
資料を確認しつつレルゲン中佐が応える
「ふむ… ところで例のPS部隊の様子はどうかね?」
「はっ! それに関しまして自分から申告致します」
末席にいるキークが起立し話し始める
「先日一日でのPS部隊の3名により突撃してきた敵歩兵部隊二個中隊を殲滅致しました PS部隊はその戦闘機動力を十分に発揮していると認識しております PS部隊は機動力と防御力にのみ特化した試作宝珠を使用しておりそれにより一撃での破壊力では低いものの機動力により戦線を駆け回っています 又その分消費するMG26重機関銃の弾薬や部品の消費が増加するため輸送の強化が必要になります」
「なるほど圧倒的な戦果だ PSと言うだけのことはある」
ルーデンドルフ准将が顎に手をやりながら応える
「それでどうだね 君の推す白銀殿の戦果は」
「はい 新兵3名を率い敵魔導小隊と接敵し3名を撃墜 1名を部下らに撃墜させております 新兵に損害はない模様です」
「銀翼突撃賞を授与され更には指揮官としての素質もありか」
「はい 自分と致しましてはPS部隊の隊長として差し支えなしと愚考致します」
PS部隊をより計画的に戦術的に運用出来る能力を兼ね備えた人物はターニャデクレチャフしかいないと判断されたのだった
~
ライン戦線の上空で空戦を繰り広げる者がいる
「ひとつ!」
爆煙を抜けて過ぎ去る金髪の幼女は次々に敵を屠っていく
「ば 化け物だ!」
「私が化け物だと?」
そう言って銃剣でそういった者をたたっ切る
「ふたつ!」
誰がが叫ぶ
「悪魔め!よくも仲間を!」
誰がが激高して迫り来る
「悪魔か… そうか私は悪魔か!」
そして更に返り討ちに合う兵士
「みっつ!」
その姿をみて敵の中隊長は撤退の指示を出す
「撤退だ!総員撤退!」
(にげるんだぁ 勝てるわけがないよ…)
魔道士達はただちに撤退行動に移る
だが
「何処へ行くんだぁ?我等の領土を侵さんと欲する共和国の屑共め!爆裂術式用意!」
「「「はい!小隊長殿!」」」
狙いが彼等に向けられ
「はなてぇ!」
ダウ!
「ふおぉぉ!」
ダム!!ドガァアァ!!
空中に爆煙が巻き起こる
「ひいふうみいよぉ…ふむざっと12騎か」
落ちていく敵の魔道士を見ながら幼女は数える
この頃からである
彼女が
ラインの悪魔
と呼ばれるのは
~
暫くののち膠着状態に陥った両軍のあいだで新たなネームドと呼ばれるエース達の名が広がった
「地獄の番犬ケルベロス」
と
「死神猟兵」
そして
「ラインの悪魔」
彼等は友軍にとって神々の使い
彼等は敵軍にとって地獄の使い
かくしてライン戦線は地獄と呼ばれる
~
テレ~♪
次回予告 語り キーク
地獄の番犬ケルベロス
死神猟兵 ラインの悪魔
血に飢えた化け物達が闊歩する
地獄の狭間
幼女はついに後方へと返り咲く
さて次の仕事を始めるとしようか
次回「大学と大隊」
お前さんの仕事はまだまだこれからさ 少尉殿
いつもお読み頂いてありがとうございますですじゃ
※この小説にはブロリーなMAD要素が多少盛り込まれてます
※マイペース投稿です
ご承知おきください
さて次は少し過去のお話
箸休め回を挟みます
イプシロンがなぜキリコと対立していないかについてお話させてもらいます
それではまた
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