Re:ゼロから始めるワールドトリガー   作:はみゃ

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ゼロから始まるSF生活

悠一の後をついて行けば、医務室と書かれた蛍光の看板が目に入る

修を診察すると言っていたので予想通りだ

 

「失礼しまーす」

 

そう軽い言葉を投げかけることから、中にいる人は悠一の知り合いなのだろうと推測する

 

「「失礼します」」

 

修とハモリながらくぐった扉の先には、医務室と言うにはやけに仰々しい厳つい機械が並んでいた

やはり公には出せないような恐ろしい実験しているのでは、と疑念が湧き上がるが、そんな背景とは裏腹に「あいよ〜」と軽い返事が返ってくる

声色からして中年の男性だろうと思い足を進めれば想像通り、おじさんが座ってパソコンを弄っていた

 

「冬島さんどうも」

 

「よう、来るの早かったな」

 

悠一が話しかけると、回る椅子を回転させながらこちらへ体を向けた

茶髪の髪を後ろでまとめており、オールバックな髪型はおじさんにしては清潔感を出している

首に付けているネックレスは小洒落感を出しており、腰に上着を巻き付けているので、第1印象は工場勤務の大将だ

どう見ても医者には見えないが、医者には変人が多いとよく聞くしこういう人もいるのだろう

 

「お前らが迅が言ってたヤツか。

俺は冬島、ちゃんとした診察は出来ないがエンジニアだから勘弁してな」

 

「医者じゃねぇのかよ!?」

 

「あー、今夜中だからな

ヤバかったらちゃんとした奴呼ぶから大丈夫大丈夫」

 

「悠一さんこの人大丈夫?」

 

「まあ大丈夫大丈夫」

 

「ああ、大丈夫大丈夫」

 

「ホントかよ…俺は菜月昴です」

 

「…三雲修です、よろしくお願いします」

 

大丈夫なのかよく分からないものの、任せるしか無いので、冷や汗が増える修は冬島に指示された場所へ行き、機械での検査を受ける事となった

 

レジのスキャナーのような感覚で発光している筒状のライトを修にかざしていけば、正常です!とでも言いたげな軽活な機械音が響いた

 

「…異常無しだな、てかする必要あったか?」

 

「名目上いるからね、マフラーくんの方もよろしく」

 

「あいよ〜」

 

異常なしだった為外傷は打撲のみのようだ

特に痛みのある場所も無いので自分もする必要はないのではと思うが、こんな建物に入って何もせずに出ていくのもそれはそれでヤバい気がするので、悠一の言う通り名目上いるものなのだろうと納得する

 

「あ、マフラーくんはこっちね」

 

修と同じ機械を使うと思い向かおうと思ったが、悠一が指さしたのはレントゲンを撮るかのような設備であった

 

「え?俺なにも痛くないけど」

 

「いやー、なんかこっちの方がいいらしいんだよね」

 

「迅が言うならそうなんだろ。

ほら、ここ立ってな」

 

そう言われるがままに足のマークがあるシートの上に立てばパシャリという音と共に淡いフラッシュが焚かれた

仮にレントゲンなら小部屋のような場所で撮影するだろうし、何を撮ったのかと映し出されたモニターを覗く

 

「…は?」

 

そう驚愕の声を出したのは冬島だった

モニターには菜月昴の影とその心臓部に黒いモヤがかかった画像が映し出されていた

 

「なんだこれ、イカれたのか?」

 

「うーーん?」

 

「うわ…」

 

三者それぞれの反応を見せるが、エンジニアであるらしい冬島の反応的にこれは異常なのだろう

 

「ええ、俺もしかして呪われてんの?魔法はなくても呪いとかあんの?」

 

「物語でもないのにある訳ない筈だが…」

 

「じゃあ何これ」

 

「…分からない」

 

ファンタジーではないのは薄々分かっていたが、この世界はどうやらSF寄りの世界観のようだ

冬島と悠一がうんうん言いながら機械を弄っているが、なんだかチート展開のようで心臓が密かに高鳴る

 

「もしかして、俺ってすごい能力でも持ってんのかな?」

 

「あの画像からだとあまり良い能力ではなさそうだかな…」

 

「こういうのは期待してなんぼなの!フラグ立てない!」

 

男子たるもの、一度は最強になって無双しまくる妄想をした事はあるだろう

ましてや、こんな変な状況下で身体検査に異常が出るなど定番中の定番の流れだ

 

「俺はあんまりSF見てないけど、チート能力ってなんだ?超再生とかか?それともなんか異常な身体能力とかか?

なんでもいい!最強な能力手に入れて無双してみてぇ!!」

 

「…」

 

なんだか修に呆れられてるような気がしなくもないが、そんなことでへこたれる菜月昴ではない

すると、いつの間にか奥の方で機械を弄りながら話していたらしい冬島と悠一がこちらへと歩いてくる

 

「お!なんかわかったのか?」

 

「いやあ〜、こんなの初めて見たぞ」

 

「まさかこう来るとはな…」

 

そう言ってこちらに見せてきたのは先程の画像であった

さっきも見たと思いつつよく見てみれば、黒いモヤの中に薄く正方形の何かが見える

 

「なんかモヤの中に人体にあってはならない形状の影が見えるんですけどこれは…」

 

「ああ、それはトリオン器官だから誰にでもあるよ」

 

「え?レントゲンとかでこんなの見た事ないんだけど」

 

「専用の機械じゃないと普通は見えないからな、まあ今は関係ない

問題はこの黒いモヤなんだが…

なんかこれトリオン絶縁体と似た感じっぽいんだよな〜」

 

「「絶縁体?」」

 

「つまり菜月…だっけ?おまえはこのモヤのせいでトリオンが使えないかもしれないってことだ」

 

「え?」

 

「何か起きるのは見えてたんだけど、まさかこう来るなんてな」

 

「え?」

 

トリオン、恐らくこの世界での魔力的なものなのだろう

それが使えないということはつまり…

 

「俺って修と一緒で才能ないってことか?」

 

「そうなるけど、マフラーくんの方が深刻だな

メガネくんは使える量が少ないだけだけど、キミはそもそも使えない、つまり0ってことだ」

 

「嘘だろ…」

 

最強チート能力を期待していたばかりに肩透かしをくらい、それだけならまだしもデバフを食らうとは

現実はやはり甘くなかった、この世界はご都合主義ではないらしい

 

「まだ試してないから本当に使えないかは分からねえけどな〜〜〜

これどうすんだよ、研究しがいはありそうだけど」

 

「…うちのボスに連絡いれるかな、冬島さん今度ラーメン奢るよ」

 

「んな事しなくても黙っとくわ。

ほら、片付けといてやるから先行け」

 

そう言ってパソコンを弄り出した冬島に悠一は表情を緩め、「…ありがとうございます」と言うと医務室の扉へと体を向けた

冬島は理想のデキる上司を体現したような振る舞いで、正に尊敬に値する人だ

 

「なんだか大事になりそうだな…」

 

「俺が居なくてもなってそうだったけどな」

 

「ぐ…」

 

水に流れそうだが、修は立派に不法侵入しているので恐らく遅かれ早かれ大事になっていただろう

生真面目そうな見た目に反してアウトローな修はギャップの塊である

その後、修と共に冬島に礼を言い、「あんま騒ぐなよ〜」と返した冬島は軽く手を振っていた

そして悠一を追って医務室を後にしたのだった

 

 

 

 

 

 

 

そのまま人気のない裏口を通っていき、再び外へ出た

先程入ってきた場所とは違うものの、住宅街であるのには変わりないので、雰囲気は似通っている

 

「さっきうちの支部のボスに連絡入れといたから、そろそろ迎えが来る

そしたら、うちの支部に行って色々見てもらうんだけど、

時間が結構かかりそうなんだよね

おれは2人の意見を尊重するから、遠慮なく拒否してもいいよ」

 

「いや、ここで下手に断って帰るのは死亡フラグだからやめておく

髪の毛先から足の爪まで調べ尽くしてくれてモーマンタイ!

というかこんだけしてもお釣り返ってくるくらいのこと悠一さんはしてくれてるし、気にする必要は無いッスよ」

 

「僕も、母には連絡を入れたので大丈夫です」

 

「そうか、ありがとな」

 

検査などいくらされても減るもの無しなので問題はない

なんなら、悠一に助けてもらわなければこんなことすら出来なかった可能性は全然あるので、お釣りどころか多分利子すら払えてない無い

デバフが入った体と判明したのはやはり悲しいが、悠一の助けになれるのなら、今自分が出来る唯一のお返しだ

 

「てか修は来なくてもいいんじゃないか?

検査するのって俺だけだろ」

 

「いやあ、メガネくんも来てくれる方が嬉しいから願ったり叶ったりだ」

 

「はぁ…そうですか」

 

「…なんか悠一さんって何が起きるのか分かってるみたいだな」

 

悠一はまるで未来が見えているかのような行動をこの短い間で何度もしている

修は魔法や呪いなどないと言っていたが、もしかしたら修が知らないだけで何か隠された能力があるのでは、と想像が膨らむのは仕方ないだろう

気になってつい言ってしまったが、これこそまさしく触れない方がいい闇なのではと言った後に気付く

 

「あ!嘘です嘘です俺は何も知りません分かりません命だけは!」

 

「…」

 

修に何を考えているのか分からない眼を向けられるが、ここは異世界なので何が常識かわかったものではない

迂闊なことをして命がおじゃんになっては元も子もないのである、プライドは知らない

 

「いやいや、そんな機密情報じゃないから大丈夫だって

おれは未来視のサイドエフェクトをもってるんだ」

 

「「サイドエフェクト?」」

 

本日N度目のハモリである、修とはいいハーモニーが奏でられそうだ

 

「ああ、トリオン量が多い人に限ってたまーに持ってる特殊能力みたいなものだよ

大体は身体能力の強化から来るものなんだけど、おれのこれはかなり特殊なものなんだ」

 

「はあ!?チートすぎるだろ!じゃあ俺が今から喋る言葉も分かんのか?」

 

「エルフ」

 

「マジモンだ…」

 

「…つまり、今から迅さんの支部に向かうのも何か見えてるからって事ですか?」

 

「そうだな

…お、もう来るぞ」

 

トリオンの多い者にのみ現れるなど弱者に救いはないのかと言いたくなる設定だが、郷に入っては郷に従わなければいけない

初っ端からとんでもない人と知り合ったんだと感じながら、悠一が目を向けた道の先を見ればライトを灯したジープが走ってきた

目の前で丁寧に停車すれば、窓から見える運転者はガッチリとした体型の軍人のような人であった

左ハンドルなので外国人なのだろうかと推測すると、ガチャリと車の鍵が開けられる音がした

 

「こんな夜中にありがとう、レイジさん」

 

「礼はいい、暗いから早く乗れ」

 

車の扉を開けながら軽く話し、レイジと呼ばれたマッチョはこちらへ乗車を促す

その言葉に甘え、迅は助手席、修と自分は後部座席へと乗り込んだ

 

「お願いします」

「…お願いします」

 

「おまえ達が迅が言ってたヤツか、俺は木崎レイジだ」

 

「俺は菜月昴です!よろしくお願いします!」

「僕は三雲修です」

 

ボスとやらはおそらくこの人なのだろう、外国人なのに日本語が流暢なあたり、育ちは日本なのだろうか

見た目的にもボスだし、いかにも強そうである

物語だとどう見ても細い女の子が最強だったりするが、現実だとやはり体積の分だけ強くなるのが摂理である

つまり、筋肉とは最強!この人も最強である

 

「10分ぐらいしたら着く、大人しくしておけよ」

 

「はい!」「分かりました」

 

そして男4人の花のない車は元気よく市街地を駆け出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…そういやここって危険区域じゃなかったっけ…?」

 




サブタイのゼロはトリオンのことです

こんな施設があるか、日中交代で医者が務めてないのか、絶縁体なんてものがあるのか、全部妄想ですが勘弁してください


雷蔵に来てもらっても良かったのですが、麻雀をしていていかにも暇だったらしい冬島さんを迅さんは呼んだようです、もしからしたらこれから修か菜月昴が冬島さんと関わる展開が来ることを見越しているのかもしれませんね


ボーダーにはカメラがあってモロバレだ?
流石に医務室には付いてないと思いたいですが、道中には付いていると思うので、多分スーパー凄腕の宇佐美ちゃんにでも頼んでデータ削除して貰ってるんじゃないんですか?
それに、この時期は色々事件が起きて上は忙しくしているので、普段よりはボーダー内部のことを見ていないと思います
なので途中で文句言いに来た諏訪さんと、野生の勘で通りすがった太刀川、そして麻雀する予定だった東さん以外には知られずに済んだと思います、多分
まあ仮に知られても、三輪とか上層部組じゃない限りは迅さんがいるので黙っててくれると思います


誤字脱字あったらコメントで教えてください!
もし、キャラの呼び方が違ったり、口調が変だと感じたらご指摘お願いしたいです!
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