はぁ、はぁ・・・まずい」
僕、吉井明久は文月学園に向かって疾走中である。なぜなら遅刻寸前だからだ。今日から2年だって言うのに遅刻なんて恥ずかしい。まったく、なんでこんな時に限って目覚ましが子わてるんだよ!
「遅いぞ吉井!」
「げぇ、鉄人!」
「西村先生と呼べ!」
鉄人から有難いお小言とげんこつをいただいた。まったく、いっつも手が出るんだから。
「ほれ、受け取れ吉井」
「あ、ありがとうございます」
僕は鉄人からクラス分けの結果が書かれた紙を受け取った。この文月学園はヴァンガードファイター育成校だからクラス分けの試験も変わっている。それはもちろん、ヴァンガードファイトだ。ランダムに選ばれた人とヴァンガードファイトを何回かやって、その勝率で決まる。
「しっかし、面倒なクラス発表ですね。掲示板に張り出せばいいのに」
「まったくその通りなのだが、ここは普通の学校とは一線を画すんでな。そうした眼ずらいい方法を取らざるを得ないんだよ」
「そういうもんですか」
僕はそっけなく返事をして結果の紙を開いた。そこに書かれていたのは。
[吉井明久 Aクラス]
「やったああぁあ!」
良かったよ。念願のAクラスだ。これで約束を果たせるよ!
「しかし吉井、一体どうやって入ったんだ。不正でもしたか」
「失礼な!それにちゃんと先生も見てたでしょう!?」
「そうだが、未だに信じられなくてな。1年の時は下から数えた方が早かったのにな」
「ええ、ずっと頑張ってましたから」
そうだ。確かに1年の時は僕は弱かった。でも雄二や秀吉、ムッツリーニや霧島さんと優子さんたちの力を借りて少しずつ強くなったんだ。いまでもみんなには感謝しきれないよ。
「まあ、俺の知らないところで努力はしていたんだろう。それは評価しよう。ただ、Aクラスと言ってもまだお前は下の方だ。このままでは甲子園にはでれんぞ」
「そうですか。でも諦めませんよ。絶対出て見せるんですから!」
「ふん、まぁ、それが吉井のいいところか。ならやってみろ」
鉄人は挑発的に誘っていた。いいだろう。僕の実力見せてやる!
僕はそう誓って全力でAクラスに向かった。
Aクラスの前に来た僕は目を疑った。だって設備が圧倒的におかしい。エアコンやノートパソコン、システムデスクに冷蔵庫完備だなんて。やっぱりこんなのおかしいよ!?
そんな思いを持ちクラスに入ると見知ってるやつがいた。
「おう、明久。よくAクラスに来れたな」
「そうじゃな。去年はボロボロじゃったのに」
「・・・驚愕」
やっぱりみんなもいたんだね。もしいなかったらさすがに僕も罪悪感があっただろうけど。
「みなさん、席について下さい」
先生も来たみたいだ。僕らはいったん解散して席に着いた。
「Aクラス担任の高橋洋子です。それではみなさん、配備された備品を確認してください。不備があればすぐに用意しますので何時でも言ってください」
いやいや、これだけ豪華なんだから不満なんてあるわけがないでしょ。
「では、そちらから自己紹介をお願いします」
窓際の席から自己紹介が始まった。秀吉、ムッツリーニ、雄二、優子さん、工藤さん、姫路さん、島田さんと続いた。姫路さんは知ってたけど島田さんがいたのは驚いたなっと僕の番か。
「吉井明久です。よろしくお願いします」
と、無難に済ませると周りが騒ぎ始めた。
『吉井ってそんなに強かったのか?』
『1年の頃はザコだったはずだが』
『もしかして不正でもしたの』
と、僕がここに居ることにみんな疑問のようだ。そりゃあ、1年の時の僕を知ってるならそうだよね。
「言われてんなザコ久」
「だまれ雄二」
近くの席の雄二と言い争っていたが、1人の発言でまわりが静かになった。
「静かに、みんな」
僕は声のする方へ顔を向けると、そこに居たのは久保君だった。
「吉井くん、キミがここに居るということは相当努力をしたんだろう。ぼくはキミを疑わないよ。けど、それでは周りは納得しないだろうからこうしよう。吉井くん、僕とファイトだ」
これにはみんなが驚いていた。何しろ学年次席がファイトを申し込んできたんだからね。確かに僕のファイトを見せる方が早いよね。それに久保君とは戦ったことが無かったからいい経験も積めるしね。
「いいよ、ファイトだ久保君」