Aクラスに入って数日が経った。けど、ホッとしていられない。ヴァンガード甲子園に出場できるのはAクラスの上位5人まで。今の僕はAクラスの中で30人中27位、まだ下の方だ。ならどうやって順位を上げるか。それは月末に行われるクラス内ファイトによって変わる。このクラス内ファイトはクラスメイト全員とファイトをしてその勝率で順位が変化する。そして甲子園エントリー開始まであと3カ月ちょっと。つまり3カ月内に最低でも5位に入らなければならない。けどそれはかなり険しい道だ。だって20人近くの人に勝たなきゃいけないんだから。けどやるしかない!あの子に会うためには!
「雄二、またファイトに付き合って!」
「いいだろう。ちょっくら揉んでやるか」
僕は近くの机を合わせて即席のファイトテーブルを作り、準備を終えた。それにつられてみんなも周りに集まってきた。
「いくよ、雄二!」
「来い!明久!」
「「スタンドアップ!ヴァンガ・・」」
「頼もう!」
僕たちの声を遮って誰かが入ってきた。一体誰だ、邪魔をしたのは!?
「お前は根本か」
雄二が入ってきた生徒の名前を言った。根本くんって言えば確かBクラスの代表じゃなかったけ?あ、代表ッて言うのはクラスの序列1位のことだよ。
「そうだ坂本。久しいな」
「オメェの顔も見たかねぇよ」
「ふん、まぁいい。俺がここに来た理由もわかってんだろ」
「ああ、クラス交換を賭けたファイトだろ」
クラス交換ファイト、それはこの文月学園にある校則の1つ。別々のクラスのファイターが己の在籍するクラスを賭けたファイト。
「それで誰を御所望なんだ?」
「ふん、そんなの決まっている。お前だ、坂本雄二!」
根本君がビシっと雄二に突き付けた。って雄二なの!?雄二の序列は30人中20位、交換ファイトはクラスの最下位に申し込むのが普通だ。そっちのほうが勝率は高いし、Aクラスの最下位ならBクラス1位と実力もそこまで変わらないはず。20位の雄二ならAクラスの中でもそれなりの実力を持つ。正直に言って勝てる見込みは少ない。
「ほう、大きく出たな根本」
「お前は1年のころから気にいらねぇんだよ。だからここでお前をたたき落としてやるよ」
「はっ!やってみな!」
こうして、雄二と根本君のクラス在籍を賭けたファイトが決まった。
クラス交換ファイトはまず、担任の先生に報告し、それから学園長の承認をもらってようやく始められる。もちろん場所もそれなりのところが用意されている。場所は体育館だが文月学園の体育館は一味違う。そう、ここにはモーションフィギュアシステムが搭載されたファイトテーブルがあるのだ。モーションフィギュアシステムとは、ヴァンガードファイトのイメージを体感映像化するために利用する視覚装置で、これは公式大会でも使用されている。普段は使用することはできないがクラス交換ファイトのときは使用が認められている。だから僕たちは雄二たちのファイトを観戦しようと来た。
「根本君ってどんなデッキを使うんだろう」
「しかし、あ奴はいい噂を聞かんがのぅ」
「でも侮れないわ、じゃなきゃBクラスの1位にはなれないもの」
そして雄二と根本君がファイトグローブをつけてテーブルに着いた。
「覚悟はいいか、坂本」
「オメェの愚かさを教えてやるよ」
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」
・雄二FV ≪進化転生 ミライオー≫
・根本FV ≪メガコロニー戦闘員C≫
「根本はメガコロニーじゃな」
「・・・奴らしい」
「面倒なことになりそうね」
「・・雄二」
「俺のターン、ドロー。≪ファントム・ブラック≫にライド!」
・G0 → G1 ≪ファントム・ブラック≫
「≪メガコロニー戦闘員C≫は先駆のスキルで後ろに移動。ターンエンド」
現在の根本の状況
手札:5
ダメージ:0
ソウル:0
CB:0
フィールド
【-】【◎】【-】
【-】【○】【-】
「オレのターン、ドロー。≪ライザーカスタム≫にライド!」
・G0 → G1 ≪ライザーカスタム≫
「≪進化転生 ミライオー≫はスキルで後ろに移動。さらに≪タフ・ボーイ≫を右前列にコール!これでバトルだ!タフ・ボーイでファントム・ブラックにアタック!」
「ノーガード。ダメージチェックだ」
8k → 8k =アタックヒット
・ダメージチェック ≪マシニング・モスキート≫
「次にミライオーのブースト、ライザーカスタムでアタック!」
「≪シェルタービートル≫でガードだ」
「ドライブチェックだ」
・ドライブチェック ≪ツイン・ブレーダー≫
6k+4k=10k → 8k+10k=18k =ガード
「まぁいい、これで終了だ」
現在の雄二の状況
手札:5
ダメージ:0
ソウル:0
CB:0
フィールド
【-】【◎】【○】
【-】【○】【-】
「残念だったな。俺のターン、ドロー!≪ブラッディ・ヘラクレス≫にライド!」
・G0 → G1 ≪ブラッディ・ヘラクレス≫
「さらに、≪鉄拳怪人 ロリーポリー≫、≪マシニング・モスキート≫を左ラインにコール!≪マシニング・モスキート≫のスキル発動!このユニットが登場した時、デッキの1番上のカードをソウルチャージする。≪パラライズ・マドンナ≫をソウルチャージ」
「完ガが勿体ねぇな」
「うるせぇ!俺はこれでバトル!戦闘員Cのブースト、ヘラクレスでライザーカスタムにアタック!」
「ここは受けるぜ!」
「ドライブチェック」
・ドライブチェック ≪引 レイダー・マンティス≫
10k+5k=15k → 6k =アタックヒット
「ドロートリガー!ロリーポリーにパワー+5000し、1枚ドロー」
「ちっ、ダメージチェック」
・ダメージチェック ≪Mr.インビンシブル≫
「ここで≪メガコロニー戦闘員C≫のスキル発動だ!ブーストしたユニットのアタックがヴァンガードにヒットした時、カウンターブラスト1を支払い、戦闘員Cをソウルへ。そして相手のリアガードを1枚選び、次の相手のスタンドフェイズ中、スタンドできなくする!俺はタフ・ボーイを選択する。まだまだ行くぜ!モスキートのブースト、ロリーポリーでライザーカスタムにアタック!」
「ここも受ける!ダメージチェックだ!」
・ダメージチェック ≪トランスライザー≫
8k+7k+5k=20k → 6k =アタックヒット
現在の根本の状況
手札:5
ダメージ:1
ソウル:3
CB:1
フィールド
【○】【◎】【-】
【○】【-】【-】
「雄二、押され始めてきたね」
「これがメガコロニーの特徴よ。相手の行動を妨害する能力、厄介ったらないわ。アタシとは相性最悪よ」
「スタンドを封じる能力は単純なアドバンテージにも繋がるからネ。ボクや代表なら焼き性能で対抗できるし坂本くんならノヴァグラップラ―得意のスタンド能力で補えるんじゃないの?」
「じゃから根本は早々に使用したのかもしれんのぅ」
「オメェらしいネチッこいスキルだぜ」
「はっ、なんとでも言え」
「次はオレのターンだ!スタンド&ドロー!≪ハイパワードライザーカスタム≫にライド!」
・G1 → G2 ≪ハイパワードライザーカスタム≫
「ここでオレは、≪進化転生 ミライオー≫のスキルを発動する!ミライオーをソウルに送りカウンターブラスト1を支払い、デッキトップ5枚を見て、G3のノヴァグラップラ―を手札に加える。≪Mr.インビンシブル≫を手札に加えるぜ。そしてタフ・ボーイを後ろに下げ、その前に≪マジシャンガール キララ≫をコール!これでバトルだ!ミライオーのブースト、ハイパワードライザーカスタムでヘラクレスをアタック」
「ここは・・ノーガードだ」
「防がないの?」
「・・・おそらくキララを警戒」
「そうじゃろうな。キララはアタックがヒットした時、カウンターブラスト2で1枚ドローするスキルじゃ。不用意に手札を減らしたくないのじゃろう」
「それに坂本くんのV裏にはユニットがいないし、チェックで捲れるのは1枚だけ。出る確率は低いし無理することないもの」
「ドライブチェックだ」
・ドライブチェック ≪醒 バトルライザー≫
8k+5k=13k → 10k =アタックヒット
「よし、スタンドトリガー発動!タフ・ボーイをスタンドし、ハイパワードににパワー+5000だ」
「ちぃ、運のいいやつだ。ダメージチェックだ」
・ダメージチェック ≪☆ シャープネル・スコルピオ≫
「どうやら俺もツイてるようだ。クリティカルトリガー!パワーはもちろんヘラクレス!」
「なら、タフ・ボーイのブースト、キララでロリーポリーにアタック!」
「やはりそう来るか。だが、そうないかないぜ!≪治療戦闘員 ランプリ≫でガードだ」
9k+8k=17k → 8k+10k =ガード
「予定調和だ、ターンエンド」
現在の雄二の状況
手札:6
ダメージ:2
ソウル:1
CB:0
フィールド
【-】【◎】【○】
【-】【-】【○】
「目論見が外れで残念だったな。俺のスタンド&ドロー!クレイに属する犯罪集団よ!唯蛾毒尊の限りを尽くせ!≪マスター・フロード≫にライド!」
・G2 → G3 ≪マスター・フロード≫
「≪テイル・ジョー≫、≪トキシック・トルーパー≫、≪ステルス・ミリピード≫をコール!これでバトルだ!まずはテイル・ジョーでキララを攻撃!スキルでパワー+3000!」
「ここは・・ノーガードだ」
8k+3k+=11k → 9k =アタックヒット
「次だ、ステルス・ミリピードのブースト、マスター・フロードでアタック!どちらのスキルも発動!≪ステルス・ミリピード≫はヴァンガードを【ブースト】した時、相手の、ヴァンガードとリアガードがすべてレストしているなら、バトル中パワー+4000、≪マスター・フロード≫はメガコロニーにブーストされたら、パワー+3000!」
「合計23000だと!これを防ぐには重いっ、ノーガードだ」
「ドライブチェックだ」
・ドライブチェック ≪武神怪人 マスタービートル≫
≪☆ シェルタービートル≫
10k+6k+4k+3k=23k → 8k =アタックヒット
「クリティカルトリガー!クリティカルはマスター・フロード、パワーはトキシック・トルーパー!」
「くそっここでクリティカルか!ダメージチェックだ!」
・ダメージチェック ≪バーストライザー≫
≪パーフェクトライザー≫
「くっそ!イテェのが落ちたか!」
「ここで≪マスター・フロード≫のスキル!アタックがヒットした時、ソウルブラスト3枚で1枚ドローする。まだ攻撃は続いてるぜ!モスキートのブースト、トキシックでヴァンガードへアタック!」
「無理はしねぇ。ノーガード。ダメージチェックだ」
・ダメージチェック ≪治 ウォールボーイ≫
「ゲット、ヒールトリガー!ハイパワードにパワーを、そして1枚回復」
「まあいい、2ダメージは与えたんだからな。ターンエンド」
現在の根本の状況
手札:4
ダメージ:2
ソウル:1
CB:1
フィールド
【○】【◎】【○】
【○】【○】【-】
「危なかったのぅ。運よくヒールを引いたのじゃ」
「・・でも追い詰められてる」
「ここからの勝ち目は薄いわね」
「オレのスタンド&ドロー!銀河の果てよりきたれ!自らの正義に従うヒーロー!≪Mr.インビンシブル≫にライド!」
・G2 → G3 ≪Mr.インビンシブル≫
「≪Mr.インビンシブル≫のスキル、ソウルチャージしダメージゾーンの1枚を表にする。≪ターボライザー≫をソウルチャージ。よし、もう少しだ。さらにオレは≪トランスライザー≫を右前列にコール。スキル発動!このユニットが登場した時、山札の上を公開する。そのカードがグレード1かグレード2の、《ノヴァグラップラー》なら、そのカードをコールし、違うなら、その山札へ戻す。オレは・・よし!≪ライザーカスタム≫を中央後列にコール!」
「素材が出ちまったか」
「さらに、≪バトルライザー≫、≪ストリート・バウンサー≫を左ラインにコール!≪ストリート・バウンサー≫の登場時スキル発動!ストリート・バウンサーと後列に居るバトルライザーをレストし1枚ドロー。これで準備は整ったぜ、バトルだ!インビンシブル、ライザー・カスタムのブーストでヴァンガードにアタック!」
「まだ余裕はある。ノーガードだ」
「ドライブチェックだ」
・ドライブチェック ≪Mr.インビンシブル≫
≪☆ ミニマムライザー≫
10k+6k=16k → 10k =アタックヒット
「クリティカルトリガー!インビンシブルにクリティカル、トランスライザーにパワーを与える」
「ここでクリティカルか。ダメージチェック」
・ダメージチェック ≪テイル・ジョー≫
≪ファントム・ブラック≫
「よし、ダメトリなしだ。タフ・ボーイのブーストでトランスライザーがヴァンガードをアタック!」
「ここまで来たらガードはなしだ。ダメージチェック」
7k+8k+5k=20k → 10k =アタックヒット
・ダメージチェック ≪引 レイダー・マンティス≫
「よっし、ドロートリガーだ。パワーを≪マスター・フロード≫に与え、1枚ドロー」
「1枚引かれたか。だが追い詰めたぜ。ターンエンド」
現在の雄二の状況
手札:6
ダメージ:4
ソウル:4
CB:0
フィールド
【○】【◎】【○】
【○】【○】【○】
「追い詰めたか。果たしてそうかな、俺のスタンド&ドロー!このままバトルだ!テイル・ジョーでトランスライザーを攻撃!スキルでパワー+3000!」
「ストリート・バウンサーでインターセプトだ!」
「防がれたか。だが、防御力は減った、ステルス・ミリピードのブースト、マスター・フロードでアタック!どちらのスキルも発動し、合計23000だ!」
「≪ツイン・ブレーダー≫で完全ガード!」
「そういえば持っていたな。ドライブチェックだ」
・ドライブチェック ≪治 治療戦闘員 ランプリ≫
「ヒールトリガー発動!パワーはトキシック・トルーパーに、そして1枚回復。セカンドチェックだ!」
・ドライブチェック ≪トキシック・トルーパー≫
「クリティカルが欲しいところなんだがな」
「こっちとしては助かるぜ」
10k+6k+3k+4k=23k → 完ガ =ガード
「モスキートのブースト、トキシック・トルーパーでアタック。トシキックのスキル。このユニットがアタックした時、相手はインターセプトはできない」
「もともとするつもりねぇよ。ダメージチェックだ」
9k+7k+5k=21k → 10k =アタックヒット
・ダメージチェック ≪ストリート・バウンサー≫
「これで4対5、逆転だな。次でお前の最後だ、ターンエンド!」
現在の根本の状況
手札:6
ダメージ:4
ソウル:1
CB:1
フィールド
【○】【◎】【○】
【○】【○】【-】
「このままじゃ雄二負けちゃうよ!」
「雄二の手札は4枚、場は前列が1つ欠けておる。それに対し根本の手札は6枚にインターセプトが2体。このターンで決めるのはキツイじゃろう」
「でも坂本くんを見て」
「・・・雄二が笑ってる?」
「次で最後だぁ?お前に次はねぇ!オレのスタンド&ドロー!いいタイミングで来たな。ライザーシリーズ最強にして最高のアルティメットマシン、ここに爆誕!≪パーフェクトライザー≫にライド!」
・G3 → G3 ≪パーフェクトライザー≫
「≪パーフェクトライザー≫のスキル発動!≪バトルライザー≫、≪トランスライザー≫、≪ライザーカスタム≫をソウルへ!そしてソウルにライザーユニットが6枚あるからパワー+18000、クリティカル+1だ!」
「相変わらずライザーのパワーアップはエグいな」
「まだいくぜ!右ラインに≪Mr.インビンシブル≫、≪ミニマムライザー≫、さらに左前列に≪ハイパワードライザーカスタム≫をコール!」
「トリガーまで出したってことはのこり1枚のそれはブースト要員じゃないってことだな」
「お前を潰すには十分だ。いくぜ!パーフェクトライザーでマスター・フロードにアタックだ!」
「パワーは23000、しかもクリティカルは2。それを受けたら俺の負けだが、甘いぜ!≪パラライズ・マドンナ≫で完全ガード!≪武神怪人 マスタービートル≫をドロップ!」
「完全ガード・・やっぱり持ってたか。ドライブチェック!」
・ドライブチェック ≪トランスライザー≫
≪☆ ミニマムライザー≫
11k+18k=29k → 完ガ =ガード
「クリティカルトリガー!効果は全てハイパワードへ!そのハイパワード、ブーストを付けてアタック!」
「≪シェルタービートル≫、≪レイダー・マンティス≫でガードだ!」
8k+8k+5k=21k → 10k+10k+5k=25k =ガード
「まだだ、ミニマムのブースト、インビンシブルでアタック!」
「ノーガードだ。ダメージチェック」
・ダメージチェック ≪鉄拳怪人 ロリーポリー≫
「トリガーなしか、だがこれでお前の攻撃は終わった。次で俺の勝ちだ!」
「ホントにそう思うか?」
「あぁ?何言ってんだ、お前の攻撃はもう終了したじゃねぇか」
「あはははっ、だからお前はBクラスなんだよ!」
「なんだと!」
「≪Mr.インビンシブル≫のスキル発動!」
「「「何!?」」」
「メガブラスト!ソウルブラスト8とカウンターブラスト5でオレのユニット全てをスタンド!これがインビンシブルのヘルスタンドだ!」
「な、なんだと・・・つまり攻撃はまだ・・」
「そうだ。っうわけで、もう一度インビンシブルでアタックだ!」
「ここでヒールが出ればまだ勝機はある!ノーガードだ!頼む、俺に勝利を!・・ダメージチェック!
・ダメージチェック ≪引 レイダー・マンティス≫
「ど、ドロートリガー・・・ち、ちぃっくしょぉぉぉ!!」
「雄二の勝ちだ!」
「あの状況から逆転って、坂本くんもやるわね」
「・・さすが私の夫(ぽっ)」
ファイトは雄二が勝った。つまりクラスの交換は行われない。さらに根本くんっというかBクラスにペナルティが課せられた。クラス代表が負けたらそのクラスは3カ月クラス交換ファイトを挑むことはできない。
雄二もまた強くなったね。僕も負けてられない!甲子園まであと3カ月、もっと頑張らないと!!