Life_Explosion!~”俺の切り札よ光ってくれるな”   作:NEOフタツキ ◆UmPcG/ct66

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※作者と登場人物は全員TCG初心者(ビギナー)なのでガバプレイはご容赦ください


第1話 それが創ることなんだ

俺の名前は御家門 戸叩朗( お か も と た ろ う)、真面目に、常識的なのを取り柄で生きたい

何処にでもいるだろう男子中学生と自負している。

 

そんな俺が今、何をしてるのかと言うと…

 

「トタロ〜何ボケっとしとるんじゃ!ちゃんと集中して挑まぬか!」

「あのうシャチョー…今この状況でトタローさん何もできないです…」

 

対面で喚くブロンドの髪を結い活発に喚く、ちんまいボディの女子"シャチョー"

実際社長令嬢であって、威厳を出すためだと普段から呼ばされている。

 

その隣の一つ高い等身でシャチョーを宥めてる、眼鏡と黒髪ショートカットの"センムさん"

俺とシャチョーより少し年上で、シャチョーが付けた本人も受け入れてる。

 

二人とも小さいころの幼馴染で長い付き合い、ガキ大将のシャチョーが隙潰し相手として遊びに毎回付き合わせてる、そんな日常

 

今 俺たちがやってるのは、世界的カードゲーム"Liberalise Feature─通称”Life”

昨夜シャチョーからの急なメールでやる事を伝えられ、仕方なく一夜漬けでルールを頭に詰め込み

今朝からシャチョーの家で用意されたカードでデッキを組み、13年生きて初ファイト最中である。

 

それで今は……

 

──

巨建城兵(ビルドルーク)エンパイアー

コスト5/アーティファクト・クリーチャー/5/5

これは秘宝(アーティファクト)としても扱い、場に出た時、幻獣(クリーチャー)を2体破壊する

墓地に存在する資材蟻(マテリアント)を除外した数だけコストを増加できる

増加したコストをパワー/タフネスに+修正し、コスト10以上なら【速攻】と2回行動を得る

──

 

視界に大きく広がる、手の生えた巨大ビル相手にかなりピンチ

 

少し時間を戻そう、ファイトが始まり俺は不慣れながら展開を進め、最初からシャチョー相手に優位は取れていた。

一方のシャチョーは最低限対応はするもの、ちまちまマナ増やしながら資材蟻(マテリアント)という幻獣(クリーチャー)を墓地に送るような試合運び。

そして相手のライフを10まで削り俺の勝ちを確信、して出たのがこの

 

巨建城兵(ビルドルーク)エンパイアー

コスト10/アーティファクト・クリーチャー/10/10

 

効果により階が更に高くなった巨建城兵(ビルドルーク)エンパイアーである

 

俺が既に出した幻獣(クリーチャー)達は、アレが出て即粉砕されてもういない

今のフィールドには攻撃を遮れる壁もなく、ほぼ、もう9割詰んでる状況である

防御クリーチャーを掃けて、出すまで削れたライフも取り戻せるクソデカアホコンボ

そりゃ気持ちいいだろうなあオイ、あの短気なシャチョーが良く我慢できたもんだよ

 

「どうじゃ!これが昨日センムも泊まらせ一緒に考えたスーパーパワーコンボ!!」

「ごめんなさいトタロー君…シャチョーに懇願(おねがい)されたら断れなくて…」

 

でしょうね!こいつ昨日メール入れた時点でもう戦術組みあがってたなべらぼうめ(fucking)

ムカつくドヤ顔で一転攻勢に調子づいたシャチョー、ダメ押しだと更に進める

 

「ふっ、更にワシは手札から秘宝(アーティファクト)"付喪神の蜂起"を発動!」

「本来のコストは6じゃが今のライフは10以下でノーコスト使用可能!」

この追い詰め状況にまだ何かあるのか?

 

「これは秘宝(アーティファクト)用の秘宝(アーティファクト)じゃが…巨建城兵(ビルドルーク)は対象内」

「その効果は…選んだ秘宝に自分のライフをパワー・タフネスとして+に修正する!

 

「は?」

 

「これによりエンパイアーのタフネスはワシのライフとなる!」

 

「よって、残りライフ10全てをエンパイアーに捧げる!!」

「加減知らねえのか?」

 

巨建城兵(ビルドルーク)エンパイアー

コスト10/アーティファクト・クリーチャー/20/20

 

ふざけんな!!アホパワー以前に俺が破壊カードあったら終わってる全賭博打(フルベット)だぞ!!

「ナメるでない!貸したカード類にこれを打倒できるような代物なぞ入れとらん!」

あーもうバーカ!もうこのっバーカ!!

「ふはははは資本主義(わがぶたい)の前にひれ伏せい!!ハイ・タワー・フォール!!」

 

両腕を振り上げたエンパイアーが俺に拳を落としに来た死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!

「うおおおおお!?その攻撃前に俺は手札から瞬間呪文"調和の黄金律"を使う!!!」

「なぬぅ!?」

 

──

調和の黄金律

コスト5/瞬間呪文

自分のライフを1枚除去し、場にある全てのカードに【律】カウンターを1個置く

【律】カウンターは(プレイヤーに攻撃できず、攻撃で破壊されない)を付与し

効果使用2ターン後、全ての【律】カウンターは取り除かれる

──

 

輝く(ルーン)がエンパイアーに付き、寸前でその巨塊が止められた

た、助かった…コスト残してなかったら終わってた…

振り下ろせる対象がなきゃデカい拳も力を発揮できない

 

「おのれセンムめ、厄介なカードなんぞ用意しおってぇ!」

「えぇ~!?でもあのカードって使いどころ限られてるので…」

 

初心者(ビギナー)相手でワンパンやろうとしてどの面だお前は

あとセンムさんも大概酷いな、助かってるから許しますけど

 

「ぐぬぬ…しかしこの後何もできんのは同じじゃ、ターンエンド!」

 

そりゃそうだ…あのデカブツに現状打開できるカードは今、もう手札には無い

どうしようもない絶望で俺にターンが回り、開始ルーチンからドロー札を確認する

 

幻我現人アートマン

 

このカードは確か…昨日の家の蔵を掃除中、古い土器に何故か入ってたカードだ

異質なイラストが特徴的だったから良く覚えてる おい待てよ

 

 

 

そもそも俺、こんなのデッキに入れてないぞ

 

いや此処にすら、持ってきてないカードなんだぞ?

 

 

 

「どーしたー?いいのが引けたか?さあエンパイアー相手でどう立ち回るかのー?」

 

 

……シャチョーの声で、非常識過ぎる状況から現実に戻る

 

謎すぎるカード、だけどこの効果…もしかしたら、イケるかもしれない

 

「どーしたトタロー、いくら時間稼ぎしても次でドバーンじゃぞ〜?」

156センチの小柄な体で最近成長が著しい、胸部を反って煽るシャチョー

 

オーケー腹は括れた、舐めた態度も今だけだ

 

「メインフェイズに入る、相手にコスト5以上のクリーチャーがいるので」

 

「コストを3に軽減した、このカードを召喚する!」

 

瞬間、フィールドに黄色く灼熱い光が疾走り、思わず目を塞ぐ

 

「ぬわーっ!!!」「うおっ眩し!?」「なんの光!」

 

光が収まっていき…それが見えた時俺は 太陽 のようだと思った

 

まるで樹木── いや、枯れ木のように、スラリと細長く折れそうな体躯

銀灰色の肌をした体表には、木の根のように捻れた紋様が絡み脈動している

そのあまりに異様過ぎたモノの頂点、陽の光を放射状に広げる金環の頭は

まるで、見る者の意識を奮わせ融かすように、狂おしき火の波動を輝かせていた

 

 

「「「…なんだこれは!?」」」

 

 

"『なんだこれは』"

"そう、アレこそがまぼろしでエゴでうつつの人"

"幻我現人(げんがげんじん)、アートマンである"

 

──

幻我現人(げんがげんじん)アートマン

コスト5/クリーチャー/4/4

相手の場にコスト5以上のクリーチャーが存在する時、コストを2減らす

このカードは、あらゆる効果および攻撃で破壊できず、ブレイヤーに攻撃できない

──

 

「………誰!?いまのナレーション何!?誰なの!?」

「?…なにか聞こえたかセンム…???」

「いえワタシには何も…」

 

二人には聞こえてない……? コイツの仕業かと訝しむ

俺は、変なポーズしたまま微動だにしないアートマン…でいいのか?

さっきの光、デッキに混ざってた時といい、非常識続きで思考が落ち着かない

でも こいつを出せたなら 俺の勝利は決まった

落ち着きなく蠢いてるでたらめ(アートマン)を無視し、ファイトへ切り替える

 

「ふん、ちょーーーーっと驚いたが…なんじゃあその幻獣(クリーチャー)は?」

「みょうちきりんなだけで、そのパワーじゃエンパイアーに勝てんじゃないか!」

 

確かに、パワーとタフネスはどっちも4、さらに直接攻撃もできない枷もあるが

 

「幻我現人アートマンの効果発動!このカードは───

 

──

このカードは、場にある「破壊されない」を持つ全ての存在を破壊する

この効果を使用したターン終了時、ダイスを振り以下効果を適用する、これは妨害できない

1-2: このカードをメインデッキに戻し、デッキを切り直す

3-4: 自分のライフデッキから、1枚カードを除去し、このカードを手札に戻す

5-6:このカードはフィールドに残る

──

 

「 ”「破壊されない」を持つ全ての存在を破壊する”ぅ?」

「………………あっ」

 

 

「センムさんは気付いたようだな、エンパイアーは今【律】カウンター…」

 

「"破壊されない"の効果を付与された対象内だ」

 

そう俺がシャチョーへ言い放つと、アートマンは両手で顔を覆い隠し体を反らす

いないいないばあ(P e e k a b o o)のような状態で天を仰ぎ、金環頭に莫大で悍ましい奔流が溜まる

そして、覆った両手が解放され、でたらめなエネルギーが対象に放射された

モロに受けたエンパイアーは全身がひび割れ、黄色く熱いドロドロのナニカを漏らし

 

大きく爆散した

 

「ワシのビルがぁあああああああああ!!!!!」

「シャチョォォォォォ!!??」

 

瓦礫とナニカの飛沫を散らした摩天楼の余波でシャチョー達が何故か吹っ飛ぶ姿に

俺はこないだ、他所の街でデカい会社のビル倒壊があったニュースを思い出した

 

(えっ ボードってこんな機能無かったよな? やっぱおかしいよな?)

 

"不動のものが価値だというのは、自分を守りたい本能からくる錯覚に過ぎない"

"破壊こそ創造の母だ、そうオカモトタロウも言っていた"

 

「やっぱ幻聴じゃねえ!!俺そんな事言ってねえぞ!!」

 

………

 

「凄いカードではないかトタロー!あんな隠し球持ってくるとは大したヤツじゃ!!」

ファイトが終わり、埃まみれなも気にせず嬉しそうにシャチョーがひっついてきた

柔らかいのが当たる当たる常識的常識的常識的センムさん微笑ましそうに見てないで!

 

「あー…ラッキーみたいなもんだから…最後にアレ引けてないと終わってたし」

なお俺の後ろには、2メートル近い体躯の半透明なアレが首だけで倒立してる

いや本当になんなの!悪霊でいいのかコイツ!?常識的にありえんが!?

「そういえば…見たことないカードですね、効果も限定的で使い難い方ですし」

眼鏡を直しながらそう言うセンムさん、アレ二人には見えてないらしくスルーして

そうなのだ、調和の黄金律がたまたま合致し「破壊されない」が刺さったといえど

 

使用した後のダイス判定も含めてかなり面倒なんだよ、こいつの使いどころ

 

「いや、制約があるからこそ、自分のしたいことを貫くのが本当の行動になると思う!」

「適当に意味がわからん事言うなよ」「立派ですシャチョー」

 

ドヤ顔で良いこと言った風童女に、半透明でたらめも賛同ジェスチャーをする、うぜえ

「よしよし…これでワシらのエレシウス参加する一歩目が始まったのじゃ!!」

 

お前は何を言ってんだ

 

「エレシウス、ってあのLifeの全国大会か、それこないだ終わってないか?」

「えぇとですね…この前、春大会の動画を観て感動しまして…」

 

センムさんの説明に納得した、こいつが何かするのだいたい感動からの衝動なんだよ

 

「知っとるわ!じゃがワシらはもう中学生、条件満たせば参加できる!!」

「ワシらが持てる力すべてを出し切って、目の前のことに挑む!」

「そしてその瞬間瞬間を全力で生き抜く精神を、ぶつけるには最高の舞台!」

 

要はノリと勢いで決めたんだろうが、センムさん感動極まり色々漏らさないで

「…なぁ戸叩朗(・・・)、確かにこの先道なんてないようなもんじゃ…でもな」

 

そう言って──シャーレイはまっすぐ俺をみつめて

 

「みんなと一緒なら いつもみたいに何かやれそうと思っとるよ」

 

勝てる気もしない、負ける気も起こらない、輝く笑顔で言い切った

 

「はぁ…とりあえず、常識的に考え次開催までどうするか検索だな」

「それとデッキの調整やファイトの練習もしませんとね」

「ようし、じゃあその前におやつで休憩じゃ!」

 

 

 

俺の名前は御家門 戸叩朗( お か も と た ろ う)

 

真面目で、常識的なのを取り柄で生きたい

 

何処にでもいるだろう男子中学生と自負している けど

 

なんだかんだ、俺を振り回す幼馴染達との非常識

 

それを楽しいと思う、そんな自分を好きだと思う

 

 

"人間の生活は矛盾だらけだ"

"それに耐え、そのマイナス面をプラスの面に転化してゆくこと"

"それが創ることなんだ、そうオカモトタロウも言っていた"

 

 

「だからなんなんだよ!?この声とナレーションは!!!」

「あやつ疲れてるのかセンム…」

「何か今日は特におかしいですね…」

 

 

 

完全である、そう思った瞬間にこそ終わりが始まる

      調和の黄金律

 




次回予告!
エレシウス――全国の強豪が集う夢の舞台
その参加を目指し動き出した戸太郎とシャチョーとセンム
だが、彼らの通う勉楽望(ベラボウ)中学には「Life部」が存在しなかった
部設立を認めさせるには、足りない部員を集めなければならない…
奔走する彼らに現れるのは、新たな出会いか、それとも試練か――!?
第2話『いい意味での闘いをする相手、それが親友だ』

投稿未定!!!
※テキストと用語を訂正しました-09/22
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