転スラヤンデレ短編集 作:ヤンデレは良い文明
人は眠りに落ちたとき夢を見るらしい。
私の場合は生まれてこの十数年の人生で、夢を見ることはなかった。
だからたまに、夢をみる人を羨ましく、思うときがある。
そのときの夢ではどんなことがあったのだろう?とか。夢の世界はどんな感覚なのだろう?とか。
何故その夢をみたのだろう?だとか。
私は人と話すことが苦手だから、その疑問を口に出すことはついぞなかったけれど。
でもつい最近になって、私は夢を見ることができるようになった。
その夢では不思議な人達がいた。
その人達と私はいろんなことした。
青い髪の綺麗な人と街を造ったり。
緑色の肌をした人達と一緒に遊んでみたり。
ツノの生えた人達に戦い方を教えてもらったり。
街にやってくる人達とお話をしたり。
たまに空から飛んでくる女の子と空を飛んでみたり。
いろんなことをして、いろんな人達に出会った。
現実の私では苦手だった人との会話も夢の中というのもあって自分から進んで話せた。
こんな風にずっと続けば良いのにと、心の底から思った。
だけど、夢は覚めるものずっとは続かない。
私はある時から夢を見なくなった。
それは何故か?
私は夢で
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ジリリリ!
目覚ましの音が喧しく鳴いている。まるで遅れてしまうぞと急かすように。
ガチャン!
目覚まし時計のボタンを半ば殴りつけるようにとめる。
「はぁ」
ため息をつく。
まだ惰眠を貪りたい欲求と格闘しながらベットから這い出る。
「うぅ……あ"〜…眠いよぉ」
やっとの思いでベットとの別れを告げた私は泣き言を零しながら、学校へ行く準備をした。
我ながら自分の将来に不安が募る。こんなんで社会に出ていけるのだろうか。
もはや習慣と化している少し遠い未来への不安を頭の中で巡らせる。
そうこうしているうちに家を出なければ不味い時間になっていることに気づいた私は、慌てて玄関へと向かう。
「いってきます」
応答は無し。いつもの事である。
反応を返してくれる人はまだ眠りの中だろう。
気にせず私は学校へと向かった。
「………みつけた」
何処からか視線を感じながら。
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無事に学校が終わり放課後。
部活に入っている生徒は部活動に精を出す時間。
そうでない生徒は家に帰るか、学友達と共に遊びに繰り出すだろう。
私は部活に所属していなければ、遊びに誘い誘われる友人もあまりいないので素直に帰ることにする。
………………寂しさを感じたのは心にしまっておく。
「ただいま」
「…」
返事は無し。これまたいつもの事である。おそらく仕事をしているのだろう。
集中している人の邪魔をするのは忍びないので洗濯物を出して、自室に戻ることとする。
「疲れた、デイリー消化しなきゃ……でも眠いしなぁ……」
ベットに転がり込み枕に顔を埋める。
しておきたいことはあるものの、体は一日の疲労を訴えている。却下すべきか否か。
「……無理。寝る」
思い悩むこと数秒。睡魔には勝てず、私の理性は白旗をあげた模様。
夕食の時間まで数時間はあるので大丈夫な筈、と頭の片隅で思考停止気味に考えながら瞼を閉じ、暗闇の中へ私は落ちていったのだった。
「…………」
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「……ん」
目を開ける。眠りから覚めた私は目を擦りながらカーテンの外の景色を見る。
星が出ていた。
見事な夏の大三角形。
今日も綺麗な光がこの星に届いている。
私には絶望が届いた。
どうやら返品はできないらしい。
私はとても悲しくなった。
「最悪、またやらかした。ご飯まだあるかな」
ぼやきながら私は居間へと向かった。
「あれ?」
途中、気がついた。
夕食の時間はとっくに過ぎているのはわかるのだが、こんな静かだろうか?
私の家族は普段はいつも騒がしい。
その大半の原因は父なのだが。
さっき時計を見た限りでは、まだ父は起きている時間帯だった筈だ。
なにかがおかしい。
違和感を感じ居間の扉を開ける。
「え」
そこには。
血に染まった父と母の姿があった。
丁度夕食の準備をしていたのか、母はエプロン姿で。
父は仕事から帰ったばかりだったのか作業服のままで。
日常を残したまま生き絶えていた。
「う、あ」
言葉が、出ない。
現実を認めたくない。
「なんで」
けれど紛れもなく、これは現実で。
私の家族はもう居ないのだと。
部屋に充満する血の匂いが示していた。
「………救急車、呼ばなきゃ」
思い出したように動く。
そうだ、まだ諦めちゃいけない。
もしかしたら父と母は助かるかもしれない。
まだ、まだなんとかなるはず。
そうして、助けを呼ぼうと自室に置いたままの携帯を取りに戻るべく、
後ろを振り向いた。
「エリル」
不思議な模様が入った仮面を被ったとても懐かしいヒトがいた。
「………は?」
「は?だなんて酷いな。エリル。ずっとお前を探してたんだぞ。さあ俺と一緒に帰るぞ」
「なんで貴方がここに」
「だから言ったろ?ずっとお前を探してたって。お前が死んでから大変だったんだからな?アイツらも俺もお前を失ってから気が狂いそうだったんだ。もうお前には会えないって。でもまたこうしてお前を取り戻せたんだ。アイツらも喜ぶ。早く帰ろう、大丈夫これからは俺たちがずっと護ってやるからな?」
意味がわからない。
脳が理解するのを拒絶している。
あの世界は夢だったんじゃ。
いや、まさか。
あんな、あんなに優しいリムルさんがこんなことを?
「もし、かして私の家族を殺したのって」
「あぁ、これか?別にどうでもいいだろ?」
知らない知らない。
こんなヒトじゃない。
私の知ってるリムルさんはこんなことするヒトじゃあない。
たかが私の為に?
それにさっきどうでもいいって。
思考がまとまらない。
頭が痛みを訴えている。
「ッ!どうでもいいワケないじゃん!!意味わかんないよッ!さっきからリムルさんの言ってることがわかんないよ……ッ!」
「エリル……」
感情のままに私はリムルさんにぶちまけた。
怒りと憎しみ。そして信じられないという思いと悲しみを内混ぜにして。
「なんなんだよ……わかんないよ」
「落ち着けエリル。コイツらを気にする必要なんてないんだぞ。俺たちが家族になるんだからな」
「え」
もはや何を言っているのかすらわからない。
まるで宇宙人と話しているような錯覚すら覚える。
家族?家族って言ったのか?
リムルさんと?
私が?
「ふざけんな!」
思わず出し尽くしたと思った怒りや憎しみが、濁流のごとく溢れてくる。
感情のまま目の前の両親の仇に殴り掛かる。
「はぁ、あんまり乱暴なことはしたくないんだけどな」
「?!」
突き出した拳がいとも容易く掴まれ、抱きしめられる。
いつの間に外したのかその顔には仮面はなく。
代わりにリムルさん本来の綺麗な金色の瞳があって。
思わず見つめてしまった。
見なければよかったと私は思った。
何故なら目が合った瞬間金縛りにあったように、私は動けなくなったのだから。
そして抵抗することもできず、キスをされてしまった。
しかも唇と唇が触れ合うようものでなく、舌と舌を絡め合わせるようなディープなキスだった。
「んちゅ、ん……んむぅ…………ちゅ」
「!ん"〜〜〜……」
何か入ってくる。
これは……液体?
飲み込まないように抵抗することすらできず、嚥下していく。
「ぷはぁ!」
「………初めてだったけど良いなコレ」
「うぅ……ごほっ」
「ちゃんと全部飲み込んだみたいだな」
私が咳き込んでいると満足そうに私をみつめるリムルさん。
心なしかきぶんが良さそうである。
くそ。
それにしてもなんだかねむい。
おかしいさっきねたばかりのはず。
「……効いてきたみたいだな。さっき飲ませたのは睡眠薬みたいなもんだ」
「すいみんやく……」
「まぁ、効果はそれだけじゃないんだが」
なにをいってるのか、りかい、できな
だから、か、
まぶ、たがとじそう、になる
いや、だこんなの、く、そ
ぜったい、ゆるさない
……………
…………………
「………眠ったか?ふふ、思えば初めて見るなお前の寝顔。……もう絶対に逃がさないからな」
「ずっとずっと俺と一緒にいような」
好評だったら続く