転スラヤンデレ短編集   作:ヤンデレは良い文明

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みなさんやっぱり好きなんすね、ヤンデレ。




寝て起きて約束した件

 

 

最初にエリルに出会ったのは、俺が転生して間もない頃だった。

 

その時の俺は異世界に来たばかりで、初めて会ったヴェルドラもアイツを閉じ込めていた無限牢獄から助け出すため、当時持っていたスキルを使い取り込んだ。

 

その後も初めて見る異世界の生物や転生したことで得たスキルを使い、最初の頃ははしゃいでいたのだが。

 

そのうち、俺は自分が独りぼっちであることに気づいた。

 

今でこそ自我が強くあるシエルさんもこの時はまだ自我が希薄で独りぼっちになった俺の心を埋めることは出来なかった。

 

次第に俺は寂寥感に苛まれるようになった。

 

寂しい、寂しいと俺の心が叫んでいた。

 

そんな時だった。

 

アイツに……エリルに、出会ったのは。

 

それからというもの俺とエリルは行動を共にした。

 

どんな時でも互いに協力して、仲を深めていった。

 

でもそれも長くは続かなかった。

 

あの日。

 

魔国に多くの人間達が攻めてきた。

 

決して少なくない犠牲者達をだしてしまった。

 

そしてその中にはエリルもいた。

 

……今、思い出しても腑が煮え繰り返る。

 

エリルはみんなを護ろうとして死んでしまった。

 

俺はその場にいなかった。

 

アイツを、エリルを死なせてしまった。

 

蘇生させようと試みたが、既に魂は無く。

 

体も結界を張られていたせいか、魔力で構成されていたエリルの体は塵が舞うようにして風にさらわれ消えてしまった。

 

今でもその時の無力感を覚えている。

 

そして月日が流れ今のような力を手に入れたときには、もう二度と会えないと思っていた。

 

だけど俺は見つけた。

 

たとえ、姿形が変わっていようとも。

 

魂までは変わっていなかった。

 

やるべきことはわかっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「…………ん」

 

 

意識が浮上する。

どうやら私は寝ていたらしい。

いったいいつ寝たのか記憶を探るが、眠りにつく前後の記憶があまりはっきりしない。

少しばかり違和感を感じる。

そもそも此処は……

 

 

 

「確か、リムルさんの………」

 

「エリル、起きたのか」

 

 

 

ふと、声が聞こえた。

 

 

 

「リムルさん!?」

 

「心配したんだぞ?お前、いつまで経っても目を覚まそうとしなかったからな」

 

「え……?」

 

「覚えてないのか?忌々しいあの人間共のせいでお前は殺されかけたんだぞ?」

 

 

 

殺されかけた?

私が?

同じ種族の人間に?

リムルさんの言っていることと、私の記憶では何か食い違いがあるみたいだ。

しかもあのリムルさんの忌々しいって言葉。

そんな言い方をするような人だっただろうか?

 

 

 

「あの、リムルさん」

 

「なんだ?エリル」

 

「私、本当に殺されそうになったんですか?しかも同じ人間に」

 

「まさか本当に覚えてないのか?あの日のこと」

 

「あの日?えっと、その……リムルさんの言ってることがよくわかんなくて」

 

「…………チッ。完全には上書き出来なかったか

 

「あの?」

 

「ん?ああごめんな、目が覚めたばかりなのに変なこと言って」

 

 

 

おかしい。

やっぱり何か変だ。

リムルさんが言った出来事を思い出せない。

他の記憶も靄がかかってるみたいだ。

落ち着け、私。

少しずつ思い出そう。

確か、私は……学校から帰ってきて。

少しだけ寝ようと思って、寝過ごして急いで飛び起きて居間に向かって?

 

 

 

「ダメだ。それ以上は思い出すな

 

「へ?」

 

 

 

いきなり頭を両手で掴まれ、強制的に顔が合う。

リムルさんの芸術品とも称されても過言ではない、綺麗な顔が視界いっぱいに映る。

金色の瞳と目が合った。

その瞬間。

 

 

 

「………あ」

 

 

 

何も考えられなくなった。

 

 

 

「そのまま俺の目を見てろよ?」

 

「うん……」

 

 

 

頭がぼーっとする。

さっきまで何をしようとしてたんだっけ。

大事なことだったような。

………………どうでもいっか、そんなこと。

 

 

 

「いい子だ、エリル。二つ……いや三つ確認だ。」

 

「かくにん……」

 

「そう、確認だ。俺たちにとって大切なことのな。答えてくれるか?」 

 

「うん、わかった……」

 

「まず一つめ。エリル、お前はこの世界にくる前のことを覚えてるか?」

 

「まえのこと……?うん、覚えてるよ。私は高校に通ってて、家族もちゃんといた」

 

 

 

ちゃんと覚えている。

私には家族がいた────

 

 

 

「違うだろ?お前の家族は俺たちだ。お前は俺たちと出会って初めて家族ってものを知ったんだ。決してあの人間共じゃない」

 

「あ…あっ……あぁ……」

 

 

 

頭を掴む両手が強まる。

それと同時にリムルさんの金色の瞳が妖しく光って。

また何も考えられなくなった。

 

 

 

「うん……そうだった。私、リムルさんたちの家族だった。なんで忘れてたんだろう……」

 

「ちゃんと思い出したな?そうだ。エリル、お前は俺たちの家族だ。もう二度と忘れるなよ?」

 

「うん……忘れててごめんなさい。」

 

「分かれば良いんだ。それで?前の世界のことは?」

 

「ううん……なにも覚えてない………」

 

「そうか、じゃあ二つめ。エリル、もう俺たちの前からいなくならないでくれ」

 

「?それってどういう……」

 

「お前はあの日、みんなを護ろうとして死にかけた。俺は……俺たちはもう耐えられないんだ。お前を失うことが」

 

「……」

 

「だからさ、約束してくれるか?俺たちから離れないって」

 

「………わかった約束する。リムルたちから離れない」

 

「……ありがとう、約束してくれて安心した」

 

 

 

あの日のことは、正直思い出したくないけれど。

自分がしたことは間違いだったとしても、みんなを護れたなら良かったと思っていた。

だけど。

私はリムルさんたちをこんなに苦しませてしまった。

なら、私はその罪を贖わないといけない。

 

 

 

「よし、最後の確認だ。エリル」

 

「うん」

 

「エリル、お前のスキルはどういうものだ?」

 

「私のスキル……」

 

「ああ、お前のスキルがどういうものなのか把握していなかったからな。ちょうどいいと思ってな」

 

 

 

そういえば、私は最期まで誰にもスキルを教えていなかった気がする。

でもあまり教えられない。

私自身もスキルの能力があまり理解出来ていないからだ。

でもスキル名だけなら。

 

 

 

「私のスキルは、白痴之神だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり、エリルも究極能力(アルティメットスキル)を持ってたか」

 

 

 

エリルとの会話を終えて、再び眠りにつかせたあと。

一人、部屋の中でエリルの寝顔を眺めながら一人ごちる。

エリルをこちらの世界に移動させる時、前の世界のことなどに関する記憶を上書きした。

だがさっきの様子を見る限り、完全には記憶の上書きは出来ていないようだ。

ただの人間や魔物であれば抵抗(レジスト)など出来やしないだろうから、もしやと思っていたが。

 

 

 

「………スキルを封印するか?」

 

 

 

最悪なのは、エリルが完全に記憶を取り戻してしまうこと。

それだけは防がなくてならない。

そして恐らく。

記憶の完全な上書きを邪魔しているのはエリルの究極能力(アルティメットスキル)だろう。

一応さっきのように上書きをし直すことはできるが、それもいつまで通用するかわからない。

だがスキルを封印するにしろ、奪うにしろ、その影響によりでエリルの身に何かあったら元も子もない。

ならば。

 

 

 

「心も体も、グチャグチャになるまで蕩かして堕とせばいい」

 

 

 

そうしてしまえば、たとえ記憶を思い出しても俺たちから離れることも、逃げることも出来ないだろう。

ああ、我ながらなんて素敵なアイディアだと思う。

堕としきったあとのエリルを想像してみる。

 

 

 

『リムルっ♡大好きっ♡』

 

 

 

「………そそるな、コレは」

 

 

 

前の世界だったら、犯罪者予備軍と言われても過言ではないだろう。

だが俺は悪くない。

俺たちを、俺を置いていったアイツへの罰でもあり躾だ。

そしてこれはアイツ自身の為でもある。

俺たちしか見えないようにしなければ。

そうと決まればどうやるか考えを練らなければいけない。

あー待ち遠しい。

エリルをどんな風に堕とすか今から楽しみだ。

 

 

 

 




私の書くものはだいたいこれが通常運転です。
………………今更ながら書く場所を間違えたかもと思っています。
あと、オリ主のスキルについてはまたおいおいと、ね?
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