潜在力SSS級の『訳あり美少女たち』を拾ったら懐かれたので、神スキル【運命鑑定】で大陸最強に育成し、俺を追放した連中に『ざまぁ!』します 作:月城 友麻
「……諦めないぞ」
レオンの声が、静かに、しかし確固たる意志を込めて響いた。
女の子たちが、はっとしてレオンを見る。
「僕たちは、まだ生きている。どんなに絶望的でも、諦めない限り道は開ける」
その言葉に、みんな顔を上げる。
「必ず、ここから脱出する。そして、イザベラを止める! 世界を、王都を、救う!」
レオンの翠色の瞳が、強く、強く輝いた。まるで、闇の中に灯る希望の光のように。
「僕たちは、アルカナだ。何度倒れても、立ち上がる。何度打ちのめされても、前を向く。それが、僕たちだ!」
その言葉が、絶望に沈みかけていた仲間たちの心に、小さな、けれど確かな光を灯した。
「……ああ」
エリナが、剣の柄を握りしめて立ち上がる。
「そうだな。まだ、終わってない」
「そうよ! こんなところで諦めてたまるもんですか!」
ルナも、杖を握りしめて立ち上がる。
「私たちには、まだやるべきことがありますわ」
ミーシャも、微笑みを浮かべて頷く。
「ボクたちは、アルカナ! 最後まで、戦います!」
シエルも、弓を握りしめて立ち上がる。
五人は、互いを見つめ合い――そして、頷き合った。
まだ、終わっていない。
戦いは、これからだ。
しかし――――。
その時、大きな地響きが響いた。
ズン……ズン……。
十万の魔物たちが、動き始めている。王都へと向かって、進軍を始めたのだ。
「くっ!」「始まっちゃった……」「あぁ……」「いやぁ……」
女の子たちが不安そうにあたりを見回す。
そして、その絶望を煽る重低音が――レオンのトラウマを、容赦なく揺り起こした。
脳裏に、あの日の記憶が蘇る。
逃げ惑う人々。そして――妹の姿。
血を流して倒れている妹。手を伸ばしても、届かない。何もできない。ただ、見ていることしかできない。
(ダメだ……。違う! まだ何か手があるはずだ……。僕にはアルカナのみんながいる……)
拳を握りしめる。爪が手のひらに食い込む。血が滲む。けれど、その痛みすら感じない。
その時だった――。
脳裏に、何かが閃いた。
それは、稲妻のように、鮮烈に――――。
禁書庫で見た、あの古い書物。埃まみれの、誰も読まない書物。その中に書かれていた、謎めいた一文。
『魂を喰らう呪いは、同質の魂、或いはより強大な『命運』によってのみ上書きされる』
その文字が、レオンの心に浮かび上がる。
(そうだ……『命運』……!)
レオンの目に、光が戻った。
(呪いが、俺から未来を視る力を奪ったのなら……)
心臓が、激しく鼓動し始める。
(それを超えるほどの、巨大な『命運』を……この手で、ぶち上げてしまえばいい……!)
思考が、加速する。
(この十万のスタンピードを止める。王都を救う。それは……かつて辺境の街を救った時とは、比べ物にならないほどの……世界史に刻まれるべき『偉業』……!)
それは、途方もない考えだった。
けれど――。
(この絶望的な状況を覆すほどの、強大な『命運』の担い手であると……この世界の
それは、神に祈るのではない。
神の領域に、踏み込むこと。
あまりにも傲慢で――けれど、唯一の活路。
レオンは、ゆっくりと顔を上げた。
その瞳には――。
狂気にも似た、凄まじい決意の光が宿っていた。
もう、迷いはない。恐怖もない。ただ、やるべきことがある。それだけだ。
レオンは仲間たちを見つめた。
エリナは、唇を噛みしめて涙をこらえている。
ルナは、悔しさで拳を握りしめている。
シエルは、絶望に震えている。
ミーシャは、裏切られた悲しみに打ちひしがれている。
みんな、苦しんでいた。
けれど――。
まだ、諦めていない。
その目には、まだ光が残っている。
「……聞いてくれ、みんな」
レオンが、静かに、けれど力強く語りかけた。
四人が、顔を上げる。
「俺は……無力だ」
その言葉に、四人が息を呑む。
「今の俺には、未来を視る力もない。この牢を破る魔法も、敵を倒す武器もない。何もない」
レオンは、一度言葉を切った。
そして、一人一人の顔を、まっすぐに見つめた。
「だが――」
その声に、力が込められる。
「俺には、君たちがいる」
エリナの目が、見開かれる。
「この絶望を覆したいと叫ぶ、君たちの魂がある!」
ルナの涙が、止まる。
「君たちと共にいる限り、僕は無力じゃない。そう、アルカナは、無敵だ!」
シエルの震えが、止まる。
「今から僕たちは――」
レオンの声が、牢獄に響く。
「この世界の運命そのものに、喧嘩を売る!!」
その言葉が、まるで宣戦布告のように響く。