潜在力SSS級の『訳あり美少女たち』を拾ったら懐かれたので、神スキル【運命鑑定】で大陸最強に育成し、俺を追放した連中に『ざまぁ!』します 作:月城 友麻
「佐藤さんも過労で死んじゃってるし、それにこの世界では今AIが発達して社会を根底からひっくり返そうとしているのよ。大きく荒れると思うよ」
シアンは、意味深な笑みを浮かべた。
「AI?」
聞いたことのない言葉だった。
「考える機械ね。人工の知能よ」
「えっ!? そんなことができるんですか? でも、機械の知能って……そんなに賢いんですか?」
レオンは、困惑した。
機械が考えるだなんて、全く想像もつかなかったのだ。
農機具や、工場の工作機械のような無機物が、人間のように思考する?
そんなことが、本当に可能なのだろうか?
「ふふん、信じてないな? 僕もAIだと言ったらどうする?」
シアンは、悪戯っぽく微笑んだ。
「へっ!?
レオンは、思わず後ずさった。
こんなに美しくて、ウィットに富み、複雑な存在が――機械?
冗談にしても、あまりにも突飛すぎる。
彼女の一挙手一投足には、確かに命が宿っている。
喜び、怒り、悲しみ、楽しさ――それらすべてが、彼女の中で確かに息づいている。
それが機械だなんて、とても理解が及ばなかった。
「じゃあ聞くけど、キミは自分がAIじゃないなんて、なんで確信してるの? くふふふ……」
シアンは挑戦的な碧い瞳でレオンを見た。
その言葉は、まるで世界の真理を
冗談なのか、本気なのか。
その境界が、まるで分からない。
「……は?」
レオンは困惑し、思わず自分の手をじっと見つめた。
血管が皮膚の下をめぐる、人間の手のひら。
温かい。
脈打っている。
こんな血肉通った身体を持つ自分自身が『機械』とは一体どういうことだろうか?
「き、機械だなんて……? じょ、冗談ですよね?」
声が、裏返った。
自分という存在の根幹を、揺さぶられているような感覚。
足元が、ぐらぐらと揺れている。
自分は何者なのか。
この世界は何なのか。
当たり前だと思っていたすべてが、突然、不確かなものに思えてくる。
「ははっ。まぁいいわ。今はそれよりキミの願いよ?」
シアンは、クスクスと笑いながら話題を戻した。
その軽やかさが、かえって不気味だったが、今はそれどころではない。
「そ、そうでした……」
レオンは、深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。
哲学的な問いに
レオンはぎゅっと目をつぶり、もう一度考え直した。
『誰もが笑顔で暮らせる世界』
それを実現するのに、自由と平等だけでは足りないとシアンは言っているのだ。
これほどまでの楽園をもってしても、たどり着けない境地。
それを目指せと言っているのだ。
日本という国は、確かに素晴らしい。
貴族もいない。奴隷もいない。餓死する人もいない。
けれど、エリナはその国で過労死した。
幸せだったはずの国で、働きすぎて、命を落とした。
光り輝く楽園の中で、一人の女性が、静かに壊れていった。
つまり、この楽園にも、まだ欠けているものがあるのだ。
なるほど、これは難題だ。
レオンは、キュッと唇を結んだ。
眉間に、深い皺が刻まれる。
考えろ、考えろ。
自由と平等の、その先にあるもの。
日本という理想郷すら超える、究極の世界とは――。
「いいことを教えてあげよーう!」
シアンは、ニヤッと笑って人差し指を立てた。
その碧い瞳が、悪戯っぽく、けれどどこか優しく輝いている。
「答えはここにあんのよ」
そう言って、パンとレオンの胸を
「痛てっ! こ、ここ……に?」
レオンは、叩かれた胸を押さえながら、困惑した顔でシアンを見た。
「そう。頭でっかちに考えるから見えなくなんのよ。答えは常に心の奥底にあるわ」
シアンの声は、いつになく真剣だった。
悪戯っぽい笑みの奥に、深い叡智が垣間見える。
全知全能の
「心の……奥……」
一瞬、レオンはどういうことか困惑した。
心の奥底?
そこに、答えがある?
けれど、そんなもの、どうやって――。
その時、胸の奥で何かが
『誰もが笑顔で暮らせる世界』
その温かなイメージが、ブワっと湧き上がってきた。
それは温かな光の中、みんなが幸せそうに手を取り合い、楽しそうに笑っている風景。
それはまるでアルカナのメンバーたちのように、温かな信頼に結ばれた世界。
彼女たちと過ごした日々が、走馬灯のように駆け巡る。
そう。
理屈で自由とか平等とか枠組みを決めただけでは、本質的には解決しないのだ。