潜在力SSS級の『訳あり美少女たち』を拾ったら懐かれたので、神スキル【運命鑑定】で大陸最強に育成し、俺を追放した連中に『ざまぁ!』します 作:月城 友麻
必死に攻撃を避け、弾くシアンだったが――。
「ぐはっ! 何すんのよ! ちょっとあんた達やめなさい!!」
さすがのシアンも、全ての攻撃をさばききれなくなっていた。
エアモンの大群に視界を完全に奪われ、四方から飛んでくる攻撃に翻弄されている。一つ一つは大したことない攻撃でも、これだけの数が同時に来れば、さすがの
「くっ……! うっとうしい!!」
シアンは苛立ちの声を上げ、両手を高く掲げた――。
「
シュォォォォ!という音とともに、シアンの周囲に薄青色のシールドが展開されていく。
それは半透明のドームだった。シアンを完全に包み込み、外部からのあらゆる攻撃を遮断する神の防衛システム。エアモンたちがぶつかっても、弾かれるだけ。矢も、炎も、拳も、すべてが虚しく跳ね返される。
宇宙最強の防御壁。
創造者だけが使える、絶対的な守り。
「あーっはっはっは!」
シアンは高笑いを上げた。
「もうお前らの攻撃なぞ食わないゾ! あっかんべー!」
そう言いながら、エリナたちに向かって舌を出して見せた。
「へ?」「はぁ?」「なんなの……?」
創造神の片腕ともいえる高貴な存在が、こんな下劣な挑発をすることにみんなウンザリとした表情を浮かべた。
エアモンたちの攻撃も、王妃たちの魔法も、そのシールドを超えることができなかった。
ついに、手詰まりに追い込まれたのだった。
◇
「今度こそ焼き払ってやる!」
シアンはニヤリと笑うと、シールドの中で両手を天に掲げた。
再び、あの真っ青な輝きが生まれてくる。
先ほどよりもさらに大きく、さらに激しく。シールドの中で、凄まじい量のエネルギーが渦巻いている。
あれが放たれたら、今度こそ終わりだ。
弾かれて、レヴィアに捕まえられるような愚はもう二度と起こさないだろう。
今度こそこの会場にいる全員が消し飛ぶ――。
あぁぁぁぁ……。
絶望が会場を支配する。
観客席で、誰かが泣き始めた。
誰かが、祈りを捧げ始めた。
誰かが、隣の人の手を握った。
最後の時が、近づいている。
しかし――。
「もしかして……?」
ミーシャが、不思議なほど冷静な声で呟いた。
首をひねりながら、シアンの足元を見つめている。
シールドは、シアンを完全に覆っている。上も、周りも。
しかし――足元は?
シールドは湖面の上に展開されている。つまり、シアンの足は湖面上にあるのだ。
ミーシャの目が、きらりと光った。
腹黒聖女の本領発揮だ。
両手を水面に向け、残る魔力を――いや、生命力すら削って、最後の魔法を放った。
「
金色の沼が、シアンの足元に広がっていく。
「へ?」
シアンが、怪訝な声を上げた。
その瞬間、足元の感触が変わった。今まで浮かんでいた湖面が、まるで底なし沼のように柔らかくなっていく。
ズブズブズブ……。
体が、沈み始めた。
「な、何よこれ!?」
シアンは慌てた。だが、両手で光球にエネルギーを充填している状態では、何もできない。
何とかしようとしたが、ミーシャの沼は容赦なくシアンの足を捕らえている。
右足を上げれば左足が沈む。慌てて左足を上げようとすればさらに一段沈んでいく。まさに底なし沼。ズブズブと沈んでいく――。膝まで。腰まで。
「あ、やばいやばい!」
バランスが、崩れる――。
そのはずみで、激光を放つ光球がポロリとこぼれ落ちた。
「危ないっ! ダメっ! あっ……」
シアンは慌てて受け止めようとした。
しかし、直接触ってしまうわけにもいかない。これほどのエネルギーを直接触れば、自分でさえダメージを受ける。何とか精密に制御しようと力を使ったが――沼に足を取られて体勢が崩れ、うまく制御できない。
「何なのよぉ!」
光球が、手の中で跳ねた。
二、三回お手玉をするように。
「ダメっ! ダメだって!! あぁぁぁ……」
足元に――こぼれ落ちた。
シールドの、内側に。
「あ」
シアンの顔が、凍りついた。
次の瞬間――。
先ほどよりも激しい閃光が、シールドの中で炸裂した。
ズン! 大地を揺るがす大震動。
吹き上がる湖水。
しかし、エネルギーのほとんどは神のシールドで遮蔽され、外にはほとんど漏れ出さなかった。
その代わり――シールドの内側にいるシアンだけが、その爆発を全身で受け止める。
自分の究極の攻撃を、自分で受ける。
しかも、逃げ場のない密閉空間で。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
シアンの絶叫が、湖畔に響き渡った。
青い光がシールドの中で暴れ狂い、シアンの体を焼き、叩き、引き裂いていく。
キャァァァ!
会場を埋め尽くす檄光に会場もパニック寸前だった。