潜在力SSS級の『訳あり美少女たち』を拾ったら懐かれたので、神スキル【運命鑑定】で大陸最強に育成し、俺を追放した連中に『ざまぁ!』します 作:月城 友麻
やがて、光が収まっていく――。
シールドが、消えた。
そこには、焼け焦げたシアンがかろうじて立っている。
「僕が……こんな……人間ごときに……」
シルバーのボディスーツは焼け焦げ、青い髪は乱れ、全身から煙が上がっている。
宇宙最強の
「ゴ、ゴホォ……」
口から煙を吐き、シアンの体がぐらりと揺れ――。
そして、そのまま湖へと沈んでいった。
青い光が、水中で揺らめきながら消えていく。
ゆっくりと、静かに、深い湖の底へ。
まるで、夜空に沈む流れ星のように。
美しくも儚い、神の退場だった。
静寂が、訪れる。
誰も、何も言えなかった。
ただ、湖面に広がる波紋だけが、今起きたことの証だった。
◇
沈黙の後――。
会場が、爆発した。
「うおおおおおお!!」「やったぁぁぁ!!」「勝ったぁぁぁ!!」
数十万人の歓声が、夜空に響き渡る。
誰もが泣き、誰もが笑っていた。誰もが、隣の人と抱き合っていた。
神に連なる者に、勝ったのだ。
それは、人間の力だけでは不可能だったこと、王妃たちの力だけでも不可能だったことだ。
しかし、みんなの力を合わせれば――。
全国民の想いを一つにすれば――。
奇跡は、起きるのだ。
湖面では、四人の王妃たちがボロボロの体で立ち上がろうとしていた。
エリナがまず立ち上がり、ルナに手を差し伸べた。ルナはその手を取り、シエルを引き起こす。シエルはミーシャを助け起こし、四人は互いに支え合いながら、観客席に向かって手を振った。
「やったぁ!」「ザマミロ!」
ルナとミーシャが痛みをこらえながらこぶしを突き上げ、勝利に酔いしれていた。シエルは「やったね!」と隣のエリナとハイタッチを交わし、会場からは割れんばかりの歓声が響き続けている。
しかし――。
レオンだけは渋い顔をしながら、泡立つ湖面を見つめ続けていた。
これで終わるはずがない――。
この世界を創った神を倒す――それは本来、不可能なはずだ。そもそも、
もちろん、みんなの戦いは素晴らしかったし、それ以外道はなかっただろう。
しかし――。
あの程度でシアンが死ぬなんてことは考えられない。この後、いったいどんな展開が待ち受けているのか。
レオンは想像することもできず、背筋にぞくりと冷たいものが走るのを感じた。
直後――。
ズーーン! と、湖面が大きく吹き飛んだ。
まるで海底火山が噴火したかのように、数百メートルの水柱が天高く噴き上がる。その衝撃波で、湖面にいた王妃たちは人形のように吹き飛ばされた。
「キャァッ!」「ひぃっ!」
悲鳴を上げながら湖面を転がる四人。観客席にも凄まじい風が吹き荒れ、人々は必死に何かにしがみついた。
そして、湖面から――激しい青い光の柱が立ち上った。
それは天を貫くほどの輝きで、まるで神が降り立ったかのようである。
「な、なんだこれは……?」
レオンは目を向けることすらできなかった。その輝きは、直視すれば目が焼けてしまうほどに眩しい。
光の中から、声が響いた。
「ふー、ざー、けー、んー、なー」
地響きを伴う超重低音が、王国全体に響き渡る。
「おー、まー、えー、らー」
その声には、純粋な怒りが込められていた。遊びの要素など一切ない、本気の殺意。
やがて輝きが収まり始め、その全貌が明らかになっていく。
そこには、巨大な何かがあった。
最初に見えたのは、二本の柱だった。太さ一キロはあろうかという、途方もない巨大な柱が、湖面から天に向かって立ち上がっている。
「……へ?」
レオンは首を傾げた。あれは何だ? 建造物か? いや、違う。あれは――。
見上げた。
さらに見上げた。
首が痛くなるほど見上げて、ようやく理解した。
それは脚だったのだ。シアンの、脚――。
「……は?」
レオンの思考が、完全に停止した。
見上げた先には、
顔は雲より高く、もはや霞んでるほどだ。その体は大気圏を突き破り、宇宙の領域にまで達している。
十五年前、シアンが降臨した時でさえ、これほどのインパクトはなかった。そして今、シアンは本気を出してしまったのだろう。
その事実が、レオンの全身から血の気を引かせた。
「邪ー魔ーだぁー!」
シアンの咆哮が、世界を震わせた。