潜在力SSS級の『訳あり美少女たち』を拾ったら懐かれたので、神スキル【運命鑑定】で大陸最強に育成し、俺を追放した連中に『ざまぁ!』します 作:月城 友麻
宇宙から降り注ぐ黄金のスポットライトが、ステージを照らし出した。
それは、どんな照明装置よりも眩く、どんな魔法よりも美しかった。まるで天界の光そのものが、一人の女性を祝福しているかのようだった。
「はーい、皆さん!」
ヴィーナ――いや、美奈は、満面の笑みで会場に手を振った。
「お楽しみいただけましたでしょうか?」
その声は、スピーカーなど使わずとも、会場の隅々まで届いていた。神の声は、そういうものなのだ。
「神の使い
美奈は両手を広げ、高らかに宣言した。
「勝者は――大アルカナ王国! 皆さん、お疲れさまでしたーー!」
うぉぉぉぉ!
一体どうなったのか不安に沈んでいた会場が、一瞬で歓喜の渦に包まれた。
勝った。
自分たちは、勝ったのだ。
神族に、勝ったのだ。
数十万人の歓声が、夜空に響き渡った。
「えっ!? 僕の負け?」
ステージの袖で、シアンがムッとした顔で噛みついてきた。宇宙最強を自認するシアンとしてはこんなに大々的に負けをアナウンスされるのはプライドに関わる。
「負けたのは美奈ちゃんにじゃないか!」
「あら、私は大アルカナ王国チームですもの。ふふっ」
ヴィーナはシアンだけに聞こえる声で、嬉しそうに笑った。
「ズルいよそんなの!」
シアンはボウッと青く輝く闘気を身にまとう。
しかし、ヴィーナは微塵も動じなかった。
「あら……じゃあ本気……出してみる?」
琥珀色の瞳が、妖しく光った。その目には、挑発と、そして底知れぬ覚悟が宿っている。
「ふぅん、出しても……いいんだ?」
シアンの鋭い碧眼に輝きがともる。
二人の視線が、真正面からぶつかり合う。
空気が、凍りついた。
シアンは、ゆっくりと手のひらを目の前に掲げた。
シュォォォ……。
手のひらの上に、何かが生まれてくる。
それは、漆黒の球体だった。
黒いだけではなく、光を吸い込み始め、その周りの空間が――歪み始めた。
グググ……と、まるでレンズの向こう側のように、景色が曲がっていく。空間そのものが、その球体に引き寄せられているのだ。
それは、この世界を終わらせる力、宇宙最強の
「あら、物騒なもの……出すのねぇ……」
ヴィーナの声は、あくまで穏やかだった。
「試してみる?」
しかし、その目は笑っていなかった。
宇宙最強、対、創造神。いきなりこの宇宙の存亡をかけた駆け引きにヒートアップした二人は、視線で火花を散らした。
しかし――。
シアンはふぅと息をつくと首を傾げた。
「止めとくよ。僕もこの宇宙は気に入ってるんだ」
そう言いながら漆黒の球をあっさりと握りつぶす。
「ふふっ、あなたもたまには負けておいた方がいいわ」
「まぁ……そうかもね」
シアンは自嘲気味に肩をすくめると、仏頂面のまますうっと消えていった。青い光の粒子が舞い、夜空に溶けていく。
◇
ふぅ、と大きく息をついてから、ヴィーナは観客に向き直った。その顔には、ただ柔らかな微笑みだけがあった。
「さて、これで全てのプログラムは終了で~す♡」
声を弾ませながら大きく手を振ると、会場のあちこちから安堵の声が響いた。終わったのだ、本当に終わったのだ。
「皆さん、お疲れさまでした。スタッフの指示に従って、お家へお帰りください」
ヴィーナが指先を高く掲げ、会場のあちこちに配されているアリスたちに目配せをしたその時、観客席から声が飛んできた。
「みーなーちゃーーん!」「愛してるぅーー!」「最高だったー!」「アンコール!」
帰ろうとしていた観客たちが足を止め、もっと聴きたい、もっと見ていたい、この奇跡のような夜をまだ終わらせたくないという想いが会場全体にあふれていく。
「そうだ! アンコール!」「アンコール!」「アンコール!」
最初は散発的だったコールが徐々に揃い始め、やがて数十万人の声が一つになった。その声は湖面を揺らし、夜空に響き、星々にまで届きそうだった。
「お、アンコール? ふふっ、歌っちゃおうかなぁー」
ヴィーナが首を傾げて悪戯っぽく笑うと、
うぉぉぉぉ! みーなーちゃーーん!!
会場はさらにヒートアップしていく。もはや帰ろうとする者は誰もおらず、全員がステージを見つめている。
「しょうがないわねぇ。いいわよ? でも、♡入れるなら3以外はダメよ? ハゲる呪いがかかっちゃうって聞いたわ」
会場から笑いが起きた。
ヴィーナが楽しそうにクルッと回ると、白いワンピースが光の粒子となって舞い上がり、金をあしらった豪奢なドレスへと変わった。夜空に映える深い紺色を基調に、金の刺繍が星座のように輝いている。裾は長く、動くたびにきらきらと光を反射する、まさに女神にふさわしい衣装だった。
そして湖面から一斉に花火が噴き出すと、会場から歓声が上がった。赤、青、緑、金、銀と色とりどりの光が夜空を彩り、湖面に映り込んでまるで二つの世界があるかのようだった。
「ワン、ツー、ワンツースリーフォー!」
ヴィーナはノリノリで腕を振り上げ、歌い始めた。