潜在力SSS級の『訳あり美少女たち』を拾ったら懐かれたので、神スキル【運命鑑定】で大陸最強に育成し、俺を追放した連中に『ざまぁ!』します   作:月城 友麻

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95. 死の宝石の雨

 

「きゃぁぁぁ!」「ひぃぃぃ!」

 

 ルナとシエルが、思わず悲鳴を上げた。

 

 そのあまりの威力に、みんな圧倒される。障壁の中にいても伝わってくる、凄まじい衝撃。耳をつんざく轟音。止まらない攻撃。

 

 障壁が、激しく揺れる。

 

 パキッ。

 

 小さく、けれど明確な音がした。

 

 小さなひびが入った。障壁の表面に、糸のような細い亀裂が走る。

 

 パキパキパキッ。

 

 ひびが広がっていく。一本が二本に、二本が四本に。蜘蛛の巣のようにシールド全体に――。

 

「くっ……!」

 

 ミーシャが、歯を食いしばった。

 

 額に汗が浮かび、全身が震える。ロッドを握る手が、白熱するほど眩く輝き出す。膨大な魔力を、さらに、さらに注ぎ込む。全身の魔力を絞り出すように。

 

 けれど、攻撃は止まらない。

 

 ガガガガガッ!

 

 まだまだ降り注ぐ。終わりが見えない。

 

「もう……限界……!」

 

 ミーシャの声が、苦しげに絞り出される。

 

 シールドは今にも砕け散りそうにきしんでいた。

 

 レオンが叫ぶ。

 

「シエル! これで奴らを爆破してくれ!」

 

 リュックから特別な矢を取り出し、シエルに手渡した。

 

「え……? こ、これは……?」

 

 シエルが、驚いた表情で矢を見つめる。その矢尻には、赤く輝く魔法の結晶が取り付けられている。まるで宝石のように美しく、けれど危険な光を放っている。

 

「爆裂魔法の結晶の矢だ。当たれば大爆発を起こす」

 

 レオンの声は、切迫していた。手の内はなるべく明かしたくないが出し惜しんでる場合でもない。

 

「こ、こんな物が……どこで……」

 

「ギルドマスターから貰ったんだ。いいから、お願い! 今すぐに!」

 

「わ、わかった! 任せて!」

 

 シエルは、震える手で矢を弓につがえた。

 

 そして、狂信者たちの上空に狙いを定める。水晶の棘が降り注ぐ中、その隙間を縫うように。呼吸を整え、集中していった。心臓が激しく鼓動している。けれど、手は震えない。長年の訓練が、体に染み付いている――――。

 

 ヒュンッ!

 

 矢が、美しい弧を描いて飛んでいく。

 

 棘の攻撃を大きく避けながら、まるで意志を持つかのように軌道を変え、狂信者たちへと吸い込まれていった――――。

 

 ズン!と激しい爆発が遺跡を揺らす。

 

 赤い炎が、狂信者たちを飲み込み、衝撃波が広がり、石柱を揺らし、地面を震わせる。

 

 水晶の棘を生み出していた「歌」が、途切れた――。

 

 空中に残っていた棘も、力を失って地面に落ち、パリパリと音を立てて砕け散る。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 ミーシャが、膝をつきそうになる。障壁を解除し、ロッドにすがりつく。

 

「ミーシャ!」

 

 レオンが、慌てて支える。

 

「はぁ、もう……勘弁してほしいですわ……」

 

 ミーシャが、弱々しく笑う。

 

 爆発の煙が、ゆっくりと晴れていく――――。

 

 狂信者たちは、吹き飛ばされていた。ボロボロの法衣が焼け焦げ、体中に傷を負っている。普通の人間なら、確実に即死していただろう。あれだけの爆発に耐えられるはずがない。

 

 しかし――。

 

 彼らは、死ななかった。

 

 ズル……ズル……。

 

 不気味な音を立てながら、まるでゾンビのように、体を引きずって立ち上がってくる。

 

 焼けただれた皮膚。折れ曲がった骨。けれど、その真紅の瞳には、まだ狂気の光が宿っている。まるで、痛みを感じていないかのように。いや、痛みという概念すら、もう持っていないのかもしれない。もう人間ではないのだ。ただ、命令に従うだけの、生きた屍。

 

「「「アアアアア……」」」

 

 再び空間が歪み始める。

 

「させないわ!」

 

 すでに駆け出していたエリナが、叫んだ。

 

 瞬足を全開にし、風のように駆けていく――。

 

 一瞬で、狂信者たちの目の前に迫り、剣を抜く。

 

 剣がギラリと輝き、その刃に闘気が宿る。

 

 一閃。

 

 二閃。

 

 三閃――。

 

 剣の軌跡が、銀色の光の線となって空間に残る。それは美しく、芸術的で、そして――死を呼ぶ、完璧な太刀筋だった。

 

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