魔女と○○   作:お餅な猫

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止まっていた針が、動き出す。
1-1 偶然の出会い


【所在地不明-魔物(拾われる魔物)視点】

 

……<トス、トス、トス>

無秩序に鳴り響く吹雪の下、雪原を歩く魔物がいた。

今のソレの目的はただ一つ、生き残ること。

しかし、ソレには生存する為の技量がなければ、知識もない。できることは……希望を求めて歩くのみ。

だが、ソレはそれすらも出来なくなろうとしていた。毒のように身体を蝕む冷気はみるみる体力を奪っていき、カラダの動きを鈍くしていく。

 

────いつかは、雪に足がもつれ、その身を力無く雪面に打付ける。

 

「……………」

 

ソレは、もがこうとしても力が入らぬ身体に激怒しながら、死を享受する事以外の選択肢はもう残されてないかった。

 

時は少し巻き戻り────

 

 

【所在地不明-魔女視点】

 

「──♪今日は何か目星いものはあるかなあ〜?」

 

彼女の名前は''レーネエイ・キルケ''本作のメインキャラクターの一人である。

彼女は魔女と呼ばれている人間なのだが、この世界では我々の世界で言い伝えられている魔女とは違って、悪魔との契約を交わしたりなんだりという、危険な行為を行っているものを魔女と呼んでいるわけではないのを、覚えておいて欲しい。そして、魔女であるとされて王国から追放されたことも。

 

「あ!あれは食べ物を長持ちさせることが出来る植物だね、早速採取していこうか」

 

彼女は今現在、生存するための必須素材や、生きる上での便利な素材を収集している。

 

「よい、しょ。……袋もパンパンになってきたし、今日はもう家にかえってのんびりしようかな」

 

そういって彼女が身体を起こし、周囲を軽く見回した時、雪面になにか黒い物が。

 

「ん?なんだろ、あれ。岩……かな?」

(……にしては、真っ黒すぎるか。そもそも、この世界で岩肌が外に出ることなんて、誰かが退かしたわけでもないなら有り得ないし)

(……)

 

ごくり、と喉を鳴らす。

 

(ちょっと、近付いてみよう。……気になるし)

 

なんて事だ、これも人の性なのだろう。

1歩、また1歩と近づくと、それが黒い塊ではなく人型のものである事が分かってきた。

 

「!もしかして────」

 

ソレは深い影のように全身が黒く、頭部は炎のようにメラメラと少し揺れ動いていた。

 

「人型の魔族────!?」*1

(だとしたら……)

「死ん……でるッ……!?」

 

もし仮に死んでるとしたら、頭部が炎のように揺れ動くことはないとは思うのだが、生憎それに気づきツッコミを入れれる人材はここにはいなかった。

 

「……あ、でも人型っていうことは……高い知性を持ってる可能性が高いってことだよね」

(もしかしたら……おしゃべりできるかも……!?)

(……)

(い、いや、巧妙な罠の可能性もあるし……)

(……)

 

<ツンツン>と頬かも分からない場所をつついてみるが、反応は無い。

 

(……)

「うん……うん。まだ生きてるかもしれないし……持ち帰っちゃおう!」

 

キルケはソレを背中に背負い、一目散に家に向かうのであった。

 

【レーネエイ・キルケの家】

 

「ふぅ……。この子が軽くてよかった。急いだからか少し疲れちゃったよ」

 

キルケの家は森の中にある木製の小屋のようで、外見こそこじんまりとはしているが、暖炉や小さな調理場、ロッキングチェアや机、本棚など生活に不可欠なものは取り揃えられており、かなり過ごしやすい小屋となっている。

 

「起きるまでベットに寝かせとこうかな。それまで私は椅子にでも座って、本を読んで待っとこっと。どうなるかな〜♪」

 

ルンルン気分で、キルケはソレが起きるのを待つことにした。

 

数時間後────────

 

 

【キルケの家-魔物(拾われた魔物)視点】

「……?」

 

見知らぬ天井に困惑しながらも、ソレに掛けられた布団(布1枚)を荒々しく退け、起き上がった。

 

「!やっと起きた。ねぇ、君の名前は?」

 

ソレが起きたことに気づいたキルケはそう言葉をかける

 

「……」

 

しかし、ソレは言葉を交わさなかった。

 

「うん……?」

 

キルケがあれれ?と思いながら凝視していたのも束の間

 

「コロス」

 

────どうやら、友好的な魔物ではなかったらしい。

 

「えっ?(・д・。)」

 

キルケは喋ったことに驚きつつも、その放たれた言葉に素っ頓狂な声を上げる。

 

ギギギギギギ

 

「えっええっ!まっ──────!?」

 

ドンガラガッシャーン!ソレによって、机は机の上に乗ってる物諸共ひっくり返されてしまった。

 

「あぁーーーー!!?私のコレクションー!バインド・ウェル!」

 

彼女がショックを受けながらもそう唱えると、ソレの身体はベットに引き寄せられ、身動きが取れなくなってしまった。

 

「!?ガ……ガガ……コロ……コ……ロ……!」

 

ソレは抵抗するが一向に動けるようになる様子はなく、次第に抵抗するのをやめて大人しくなった。

 

「はぁ……お話し相手にはなってくれなさそうだなあ……」

「………………」

 

キルケはソレを凝視する。そして──────

 

「──────<ピコ-ン>」

 

キルケは閃いた。この子……色々特殊だし……お世話したら何か変わるかも……!?と、そう思ってはもう彼女は止まらない。大急ぎで準備を始めていく………………

 

 

 

キルケは、大変獰猛な魔物を拾ってきてしまったようだ。だが、それを差し引いてもあまりにも珍しい魔物……興味を持ってしまった彼女は、ソレを育ててみることにした。

はてさて、この先どうなります事やら…………

*1
魔物をグループ分けした時魔族と呼ぶこともある。




まず、視聴してくれてありがとうございました。
ハーメルンに何かを投稿するのは初めてで、短いし拙いものですが、これからより良いものになるよう精進していきたいと思っています。
それでは

追記:ハーメルンって絵文字使えないの、初めて知った……
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