軍ヲタ高校生、異世界にて何を為す   作:カジエモン

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毎度カジエモンですわ!
2話目の投稿ですわよぉ!はいふりの2次小説を執筆するにあたって、久しぶりにはいふり原作を観ています。
原作本編に入るのに少し時間がかかりますが、気長にお待ち下さいませ。


はるな艦内で大ピンチ

陽人「嘘…だろ?」

 

谷垣「通信長、通信内容を読み上げて」

 

通信長「了解です。『コチラ海上安全整備局日本支部ブルーマーメイド第三管区隊所属、警備艦『みくら』デアル。貴艦隊ノ所属ト航行目的ヲ問ウ』」

 

陽人の予想が的中した瞬間だった。

 

陽人(ちくしょう!つくづく俺はついてねぇな。どうしてこうも嫌な予感ばかり当たるかな!?)

 

ブルーマーメイド___ハイスクール・フリートという漫画またはアニメに登場する治安維持組織。海上保安庁と海上自衛隊の中間的組織にあたる。

『海に生き、海を守りて、海を往く』のスローガンの下、世界中の海の平和を維持している女性主体の組織である。

ホワイトドルフィンという男性主体の海洋組織もあるが、平たく言ってしまえば、ミサイルを持たぬ海上自衛隊である。

 

谷垣「どうされますか?」

 

陽人「とりあえず所属と航行目的を言おう。通信長」

 

通信長「了解です」

 

 

 

一方、第五護衛隊群の右舷1kmを維持して単縦陣で航行しているブルーマーメイドの即応艦隊には尋常ではない緊張感が漂っていた。艦隊旗艦であるみくらの艦内では、艦長の福内典子(ふくうち のりこ)と副長の平賀倫子(ひらが りんこ)が対応に追われていた。

 

平賀「…15隻もの大艦隊………」

 

福内「装備もホワイトドルフィンの最新型にそっくり」

 

平賀「海上自衛隊とか言ってたけど、新手の海賊なんじゃ………」

 

福内「その可能性が捨てきれないし、臨検するしかないわね。向こうに停船及び投降を呼びかけて」

 

平賀「了解」

 

 

 

はるな 艦内

 

 

哨戒長「司令!当該艦隊より火器管制レーダーの照射を受けています!」

 

陽人「なんだと!CIC、状況報告!」

 

レーダー員「現在、当該艦隊は紡錘陣形をとっており、接近中!」

 

陽人(おいおい、冗談だろ?アメリカの沿岸警備隊でもこんな事しねぇのに)

 

通信長「当該艦隊の旗艦と思しき艦より通信です!」

 

陽人「内容は?」

 

通信長「『貴艦隊ニ告グ、直チニ停船シ投降セヨ。敵意アリト判断シタ場合、撃沈スル』と」

 

相手はこちらが敵対行動をしていないにも関わらず武器を向け、あろうことか投降を呼びかけてきた。

 

陽人「待ってくれ!投降も何も敵対する意思は無いぞ。通信長、敵意が無い事と対話がしたい旨伝えてくれ」

 

通信長「了解」

 

陽人「全艦に告ぐ。万が一を想定して主砲をいつでも撃てるようにしてくれ。但し、砲塔は旋回させるな。それこそ戦闘になりかねない。VLSはSSM(対艦ミサイル)の用意!」

 

 

 

みくら 艦内

 

通信員「対象艦隊より新たな通信です」

 

福内「読み上げて」

 

通信員「『我、敵対ノ意思ナシ。対話ヲ求厶』だそうです」

 

福内「………………」

 

福内は迷っていた。彼らが本当に対話をする意思があるのかどうか。相手がテロリストや海賊で取り逃がしたり、こちらに被害が出るのはまだ良い。問題は、相手が公的機関だった場合である。もし仮にこちらがそうとも知らずに臨検、攻撃をすればたちまち政治、果ては国際問題になりかねない。

 

福内「………応じましょう。全艦、戦闘用具収め」

 

平賀「正気で言ってるの!?対話に応じるとしても、武器を下ろすのは危険だと思うわ」

 

福内「私は至って正気よ。相手が話をしようと言っているのに、こちらは武器を向けっぱなしというのは不躾だわ。それに、あっちがやる気なら通信を入れてこない筈よ」

 

平賀は不服そうな顔をしたが、何も言わなかった。

 

 

 

はるな 艦内

 

哨戒長「………!当該艦隊からの火器管制レーダー、反応消失」

 

通信長「当該艦隊より新たな通信!………………対話に応じるようです」

 

それを聞いた陽人はホッと胸を撫でおろした。

 

通信長「会話をする為に旗艦である我が艦に乗船したいみたいですが、どうされますか?」

 

陽人(やっべ!安心してる暇じゃねぇや。次の指示は___)

 

陽人「わかった。その申し入れを受け入れよう。副司令」

 

谷垣「はい」

 

陽人「乗員に武器の携帯を指示してくれ」

 

谷垣がとても張り詰めた顔をして応えた。

 

谷垣「………了解、通達します。司令、これを」

 

そう言って差し出してきたのは、9ミリ拳銃の入ったホルスターであった。

 

陽人「これは?」

 

谷垣「護身用です、お持ちください。司令に何かがあっては遅いのです。その時は___」

 

陽人「………その時は………………迷わず引き金を引くさ」

 

谷垣「そのような事態にならない事を祈ります」

 

陽人「まったく、その通りだ」

 

最悪の事態を想定しつつも、何事も起きないことを願う彼らであった。

 

 

 

 

 

数分後、みくらがはるなの左舷10メートルに接近、両艦の間にタラップが架かった。

福内含む数人のみくら乗員がタラップを渡ってはるなに乗船する。

 

福内「ブルーマーメイド即応艦隊司令兼みくら艦長の福内典子です」

 

谷垣「海上自衛隊第5護衛隊群首席幕僚の谷垣知佳です。来艦、歓迎します。司令共々お待ちしておりました」

 

福内「早速案内してもらえるかしら?」

 

谷垣「はい。勿論です」

 

案内される福内だったが、はるな艦内の異様な光景に困惑した。

 

福内(乗員が全員子どもじゃない!?しかも持っているのは自動小銃かしら?)

 

CICと機関室以外のはるな乗員は、全員89式小銃又は64式小銃で武装し、警備にあたっていた。

 

福内「彼らが持っているのって自動小銃よね?」

 

谷垣「はい。89式小銃です。外部の人間を入れるので、丸腰という訳には行きませんから。それに………貴方方も武器を所持なさっているではないですか。つまりはそういうことです」

 

谷垣の言う通り、福内たちはMP7と9ミリ拳銃を携帯して乗船していた。

 

紆余曲折ありながらも、艦橋にたどり着く。

 

谷垣「司令、当該艦隊の方をお連れしました」

 

陽人「入ってくれ」

 

返答があり、艦橋に通される福内らであったが、その時にとんでもない事が起こった。

 

チャキッ、ガチャッ!

 

なんと双方の隊員が相手に対し武器を向けたのだ。

 

ブルマー班長「!?どういうつもりですか!貴方方が対話をしようと言うからそれに応じたのに!」

 

激昂するブルーマーメイド突入班の班長に対し谷垣が反論する。

 

谷垣「それはこちらの台詞です!戦闘の意思は無いのに、先に武器を向けてきたのはそちらでしょう?警務隊、彼女達には対話するつもりが無いみたいです。拘束して!」

 

ブルマー班長「なんですって!こうなっては致し方ありません。総員、戦闘用_」

 

双方の隊員が銃のセレクターを回したその時であった。

 

陽人、福内「そこまで!!!」

 

陽人と福内の一喝が入る。

 

陽人「………………総員、武器を下ろせ。お前ら、何勝手にドンパチ始めようとしてんだ?俺はまだ何も指示を出していないぞ?」

 

彼の冷ややかな視線とドスを効かせた声はその場にいた者を萎縮させるには充分だった。

 

福内「うちの部下が申し訳ありません。対話に応じると言いながらこのような仕打ちを」

 

彼女が深々と頭を下げると、すかさず陽人が言った。

 

陽人「頭をお上げになってください。こちらこそ申し訳ありませんでした。自分の部下を抑えきる事ができず、お恥ずかしい限りです」

 

福内「こんな事にはなりましたが、ブルーマーメイド即応艦隊司令兼みくら艦長の福内典子です」

 

陽人「海上自衛隊第五護衛隊群司令兼はるな艦長の五十川陽人です」

 

自己紹介が終わり、そこからは双方の部隊の概要と日本の歴史について話し合った。

 

福内「………世界を巻き込んだ戦争が2回も」

 

明治時代辺りから歴史が分岐している双方の世界。はいふり世界では世界大戦は起きていない。

 

陽人「えぇ、蓋をしたくなりますが、実際に起きた事です。私達の世界は血塗られた歴史の上に成り立っています。それを忘れてはいけないし、繰り返してもいけない」

 

陽人の一言一句が艦橋の全員に重たく響く。

 

陽人「その悲劇を防ぐ為に発足されたのが自衛隊です。ブルーマーメイドと自衛隊、生まれた経緯は違えど、理由は同じです」

 

福内「そのようね。………そういえば、ずっと気になっていたのだけど」

 

陽人「はい、何でしょうか?」

 

福内「恐らく飛行船母艦なのでしょうけど、全通甲板式のあの艦は何かしら?」

 

陽人(あっ!………………完全に『あかぎ』の事忘れてた)

 

DDAC(Defense Destroyer Aircraft-Career)___航空機搭載型護衛艦一番艦あかぎ

つまるところ、航空母艦である。

全長300mの巨艦で、電磁カタパルトを装備している。自衛用に高性能20mm機関砲、SeaRAMを装備している。艦載機はF-2戦闘機の艦載型であるF-2C(架空)20機とF-35B20機を常時艦載している。これに加え、AH-1Z戦闘ヘリコプターとSH-60K哨戒ヘリコプターをそれぞれ15機ずつとE-2Cを2機配備できる。見た目はジェラルド・R・フォード級を小型化して、いずも型の艦橋を載せたような感じだ。

陽人が説明するのを躊躇っている理由は、この世界には航空機が存在しないからである。2度の大戦が起きなかったこの世界では、さほど航空技術が発達せず、気球や飛行船が未だに第一線で軍用として活躍している。そこにいきなり浮力ではなく、揚力で飛ぶ航空機が現れれば目を付けられない訳が無い。

 

陽人(戦争が技術を発達させると言うが、こんな事で実感したくなかったな。………複葉機でさえこの世界には劇物だということは明らか)

 

陽人「ご説明しましょう。見てもらう方が早い。移動しましょう。航海科、あかぎへ内火艇を」

 

航海科隊員「了解、どうぞこちらです」

 

福内達は内火艇まで案内されていった。

 

谷垣「本当によろしかったのですか?彼女達からすれば、未知であると同時にお宝でもあります。この世界の軍事バランスを変えるどころか、戦争の火種になりかねませんよ」

 

谷垣の言っている事はご尤もな意見であった。しかし、陽人はこう返した。

 

陽人「それは俺でも理解っているつもりだ。でも、いつまでも隠し通せると思うかい?」

 

谷垣は黙り込み、それに陽人が続けた。

 

陽人「はっきり言おう___無理だ。いずれはバレるし、話さないといけない時が来る。速いか遅いかだけの違いさ」

 

そう話した彼の目には決意と覚悟が見えたという。




読者の皆様は艦艇はお好きでしょうか?
あれば、感想までお願いします。兵器談義はミリヲタの特権ですわ〜
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