パーフェクトイケメン救世主(偽)   作:七夕ナタ

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 オルペウスガチャ来ましたね。

 皆さんは引きましたか?
 私は手持ちの炎アタッカーがイヴリンだけという理由が1割とお尻に惹かれたという理由9割でガチャに挑みましたが、手持ちの執事が1凸してました……おめえいいケツしてんなぁ!

 そしてスタレも3.6が来ましたね。
 ストーリーは毎度涙腺をやられそうになってます。ネタバレになりそうなので詳細は伏せますが、今回もヤバかったすね。次の更新までまた1ヶ月近く待たされるのか…。

 長夜月ガチャも性能と圧倒的な顔の良さに惹かれて挑みましたが、今まで未入手だった胸元パッツパツな不死身の剣客をお迎えしました……モーディスと鏡流とでHP壊滅パで一緒に遊ぼうな。

 ガチャはクソ。






「雲霞の行き着く処」
03


 

 

 

 「それじゃあ、ここは僕が引き受けよう」

 

 「う、うん。お願いファイノンさん!」

 

 「ははっ、ファイノンさんだなんて今更そんな堅苦しい呼び方じゃなくて気軽にファイノンで構わないよ……よし、それじゃあさっさと片付けようか。店長さんはそれまで下がっていてくれ」

 

 

 ───どうしてこうなったんだっけ。

 クラクラと、まだ痛む頭を押さえながら私はファイノンの言葉に従い近くの物陰に息を潜めるように身を隠して様子を伺う。

 

 視線の先には大きな剣を持ちながら自然体で構えるファイノンの姿と、そんな彼を取り囲むように現れた多数のエーテリアスの姿があった。

 

 それでも焦る事なく余裕そうな表情を浮かべて立つ彼の姿には歴戦の風格とも言えるものが感じられて、不思議とこちらに安心感を与えてくれるものがあった。

 

 目立った外傷はないが鈍い痛み頭に顔を顰めてしまう。

 深呼吸をして、それからどうしてこんな状況に陥っているのか。混乱する記憶をゆっくりと掘り起こしながら整理していき思考の海に意識を沈めていく。

 

 お兄ちゃんと私はメイフラワー市長から『ラマニアンホロウ内部の観測データに異常な数値が出ている』ことを告げられその調査の協力を要請された。

 

 ラマニアンホロウは衛非(えいひ)地区の近くに存在する六大ホロウの一つ。そしてその内部には、エーテルの遮断に使われる特殊な材料『輝磁(こうじ)』の生産センターがあるという。

 

 そんなホロウ内部の輝磁生産エリアから、私たちの先生……カローレ・アルナの写真が流れてきたというのだ。

 

 それが偽造ではないことを確認した市長は、私たち兄妹に『雲嶽山』の十三代目宗主であり彼の要請を受けてホロウ調査協会に協力する特派調査員の儀玄師匠とその協力者となったファイノンと共に調査に同行するよう勧めて来たのだ。

 

 その時、ファイノンは市長と2人で何かを話しているようだったがその内容までは私にはわからない。

 

 そして今回私はお兄ちゃんより一足先に『雲嶽山』の門下生として衛非地区へ飛行船に乗って向かうこととなったのだが、その道中で予期せぬトラブルに見舞われた。

 

 飛行船内で壁に寄りかかり、窓から外の景色を眺めていたファイノンが突然何かに気づいたように声を張り上げる。

 

 

 『まずい、何か来る……っ!』

 

 『え、どうしたのファイノンさん?』

 

 『店長さん、儀玄先生! 何かに掴まっ───』

 

 

 聞こえたのはけたたましいアラートに耳を劈くような爆発音。息を吐く暇もないほどに激しく揺れる視界に上下左右の感覚がわからなくなってしまう程だった。

 

 酷い耳鳴りに襲われる。

 何が起きたのかわからないが、私たちが乗っている飛行船が墜落している事だけは理解できた。そして気がつけば体勢を崩した私の体は半壊した飛行船から青空の下に勢い良く()()()()()()()()

 

 味わった事のない妙な浮遊感と共に視界は上空から見下ろすラマニアンホロウで埋め尽くされる。

 

 

 『───え……?』

 

 『リン───!?』

 

 『くそ、儀玄先生は着地に備えて! 僕は彼女をッ!』

 

 

 放り出された私を追いかけて飛び出したファイノンの背には、()()()()()()()()()()()不揃いで非対称な特徴的な翼が浮かんでいた。

 

 軌跡を残しながら舞う翼に綺麗だな、なんて呆然と現実逃避のようにそんな事を考えていた私の元へファイノンはあっという間に追いつくと、私を抱えてそのままホロウ内部へと突入したのだ。

 

 そして現在、私とファイノンはホロウのどこかへと落下してその場に引き寄せられるように現れたエーテリアスとのそのまま戦闘が始まった。不幸中の幸いというべきか、本当に彼が居てくれてよかったと感謝する。

 

 落下の瞬間、ファイノンが私を庇って下敷きになってくれたのだが当の本人にダメージはなくピンピンしていたことに驚いてしまったくらいだ。笑い話にする余裕すら見せる頑丈さにちょっと引きそうになったのは内緒にしておこう。

 

 それに考えたくもないが、あのまま私だけが落下していったらきっと地面に叩きつけられてペシャンコのお陀仏だ。運良く怪我だけで済んでも、エーテリアスたちと鬼ごっこをする羽目になっていた。

 

 意識が冴えてきたおかげか、周りを確認する余裕が出てきた。物影から戦闘音が響く方へと視線を向けてギョッとしてしまう。

 

 

 「数多の火種の怒りに、この身を───!

 

 「───って!ちょ、ストップストップ! ()()は使っちゃダメだからねファイノン!」

 

 「くべ……え?……これ、ダメ?」

 

 「ダメ! 絶対にダメだから!! そんなの使われたらここら辺消し飛んじゃうから! それに()()()()()()()()はなるべく使わないでってビビアンにも頼まれてたでしょ!?」

 

 「えぇ……じゃあ、仕方ない。これも剣術を磨くチャンスって事でヘリオスだけにしようか……別にサクリファイスじゃないんだけどな」ボソッ

 

 

 肌で感じ取れるほどのエーテルの高まりに慌てて止めに入ったが、当の本人はポカンとした顔していた。いやいや、そんな『いったいなぜ?』みたいな顔をされてもこっちが困っちゃうから、寧ろ私がその反応をするべきだよね!?

 

 私の言葉にどこか納得のいかない様子ではあったが、ファイノンはそのまま構えた剣でエーテリアスを切り裂きながらその数を減らしていく。

 

 本当に焦った。

 どうしてそんな躊躇いもなく、ほいほいとサクリファイスなんて危険な代物を使おうとするのか。見ているこちらがヒヤヒヤしてしまい気力が削られてどっと疲れてしまう。

 

 サクリファイスによるものと思われるファイノンのあの力は本人でも把握しきれてはいないと言っていた。その力は計り知れない程に強大なものだが、それに伴うように相応の負荷や代償があるのは明らかだろう。

 

 だというのに、なぜそんな簡単に自分の身を顧みずに彼はその力を行使して戦うのだろう。そんな疑問を抱いてしまうが。

 

 その時、以前ビビアンから聞いた言葉を思い出した。それはあの出来事の後に彼女がビデオ屋に訪れた際、ふと気になってファイノンの事をよく知るビビアンへ聞いたことがある。

 

 数秒の思案の後に悲しそうに、泣き出してしまいそうな表情を浮かべながらポツリと語る彼女の姿を今でも覚えている。

 

 

 『きっと彼は、ファイノンは自分を勘定に含めていません』

 

 『え、それってどういうこと……?』

 

 『……パエトーン様も知る通り、ファイノンは困っている人間がいれば躊躇する事なく手を差し伸べる事が出来る優しい人です。そんな彼の優しさに、災いを招く子供として疎まれていた私は何度も助けられたのです』

 

 『……ビビアン』

 

 『ですが、そんな彼の優しさに理由があるとすればそれは…ッ……以前、私は彼が呟いていた言葉を偶然聞いてしまったのです』

 

 

 ───元々…()()()()()()()()()()()()

 

 彼女は語った。周りの人々が亡くなったのに自分だけが助かったことに対して罪悪感を感じるように、出会ったばかりの頃のファイノンはまるで抜け殻のようだったと。

 

 ファイノンの家族は当の昔に失われてしまっており、そしてその原因となった災害や事件。存在そのものへの計り知れない憎悪が今の彼を突き動かす原動力となっているのかもしれない。

 

 その分け隔てない優しさや身を焦がすほどの憎しみの裏には、身を滅ぼすことへの期待が存在しているのかもしれないと、ビビアンは言っていた。もしそれが本当だとすれば、ビビアンの言う災害とはまさか……。

 

 そして彼女は、自分の所為でサクリファイスなどという人ならざる力を宿らせその身に余る程の業を背負わせてしまったと。

 

 

 『彼が何を想い考えているのか、その真意は私もわかりません。ですがあの時私に手を差し伸べてくれたように、今度は私がファイノンに手を差し伸べ続けたいのです』

 

 『ビビアン……うん、そうだね』

 

 『こ、こほん……そ、それはそうとパエトーン様、この後お時間がよろしければ……!』

 

 

 目尻に涙を溜めながらも、それを拭い揺るぎない決意を込めた綺麗な瞳を輝かせ微笑む彼女の姿は記憶に焼きつくくらいにとても印象的だった。

 

 

 「───こんなところかな。店長さん、周辺のエーテリアスは片付けたからもう大丈夫だよ」

 

 「え……あ、うん。ありがとうファイノン!」

 

 「いや、これくらいどうってことないさ。礼を言われるほどの事じゃない。だけど君からの感謝なら僕も素直に、ありがたく受け取らせてもらうよ」

 

 

 思っていたよりも思考の海に入り込んでしまっていたみたいだ。気がつけば周囲にいたエーテリアスの気配はなく、戦闘を終わらせたファイノンが物陰に隠れていた私を覗き込むように見つめていた。

 

 私の様子に彼は不思議そうに首を傾げていたが、怪我もないことを確認すると安心したように微笑んでいた。戦場のど真ん中で無防備に思考に耽ていたことを反省しながら、周囲を警戒しながら前を歩くファイノンについていく。

 

 

 「ひとまず、どうにかして師匠と合流しなきゃだよね。無事だといいんだけど」

 

 「ふっ、そんな顔しなくたって大丈夫さ。君の師匠になる人はこの程度のことで倒れるほどやわな人じゃない。気長に待ってれば向こうから飛んでくるかも、なんて」

 

 「気長にって、そんな悠長な……」

 

 「冗談さ。僕は大丈夫だとしても、このままホロウに長居し続けて店長さんの体に浸蝕の影響が出たらマズイからね。恐らく儀玄先生がラマニアンの『キャロット』を持ってるはずだ、彼女と合流できれば脱出も楽になる」

 

 「それじゃあ、なんとしてでも師匠と合流しなきゃだねっ」

 

 「───なんだお前さんたち、私を呼んだか?」

 

 

 噂をすればなんとやら、とはこの事か。

 その声に振り返ってみれば飛行船が墜落する直前までは私たちと行動を共にしていた師匠の姿がそこにあった。

 

 クールな印象でムッとした顔をしているが私たちの姿を確認すると安心したように息を吐いて、高台から飛び降りるとふわりと着地してみせた。

 

 師匠の無事が確認できた事と思っていたよりも速く、合流できたことに私も笑みを浮かべてしまう。

 

 

 「師匠! よかった、無事だったんだね!」

 

 「ああ。リンも怪我がないようでなによりだ」

 

 「おや、思っていたよりも速い到着だったね」

 

 「まあな。お前さんが傍に居ればリンの身に危険はないだろうと思ってはいたが、『キャロット』も無しにラマニアンを彷徨わせる訳にもいかんだろうよ」

 

 

 合流できたことにより、憂いもなくなり談笑を交えながら状況を確認していく。そしてその話題は自ずとラマニアンホロウに墜落した飛行船の話になったのだが、深刻そうな師匠の言葉に目を見開いてしまった。

 

 

 「どうやら、私たちの飛行船に向かって派手にぶっぱなした奴がいるようだな。墜落した飛行船を確認してきたが、外的な損傷があった」

 

 「え、外的な損傷って……!?」

 

 

 不自然な墜落だとは思っていたが、それが事故などではなく誰かが私たちの乗っていた飛行船を悪意のある攻撃によって撃ち落とそうとしていた事実に驚いてしまう。

 

 呆然とする私を尻目に師匠は言葉を続ける。

 

 

 「ここに来るまでに、このへんを遠巻きに見ているやつが何人かいた」

 

 「……なるほど、そいつらは?」

 

 「ひとめ面を拝んでやろうかと思ったが、それよりもお前さんたちの安否のほうが気掛かりだったからな。こうして墜落地点に近い裂け目を探し回ったわけだ……()()()()()()()()()()ファイノン、お前さんたちが無事だったなら今はそれでいい」

 

 「え?……いやだな儀玄先生、わざわざ犯人を探し回ったりなんてしないよ。それに、こういったやり方をする奴らには()()()()見当がついてるからね」

 

 

 渋い顔つきで何やら考え込んでいたファイノンに師匠はまるで釘を刺すかのように一言入れると、彼は驚いたような顔をして困惑したように頭を掻いていた。

 

 そんなに彼に師匠は据わった目つきでジッと視線を送っていたが、ファイノンは『あはは』と困ったように視線を逸らしている。なんだかわからないが、師匠もファイノンという人間の“在り方”に気付いていて思う所があるのかもしれない。

 

 流石です師匠、どんどん言ってあげちゃってください。

 

 

 「ハァ、全くお前は……まあいい。連中の正体は遅かれ早かれこの手で明らかにするさ。だがまずはどうにかしてホロウを出るぞ、衛非地区に向かうんだ」

 

 「うん、そうだね!」

 

 「それじゃあ決まりだ、道中の殿は僕が務めよう。店長さんのことは儀玄先生にお願いするよ」

 

 「阿呆。先駆けも殿も私が務めるさ、そんなことは気にせず適当について来い。ここは年長者に任せておけばいい」

 

 「え、いやいやここは僕が……」

 

 

 殿とは退却する際に最後尾を担当し、追ってくる敵の攻撃を防いで味方を守る部隊やその役割を指す言葉だ。そんな役割をファイノンは買って出るが師匠はそれを一蹴する。

 

 どうやらお互いに譲る気はなく話は平行線だった。

 助けを求めファイノンがこっちに視線を向けてくるが、ごめんねファイノンこういう時の私は師匠の味方なんだ。そんなわけで師匠の後ろに隠れながら『そーだそーだ!』と声を上げてみればやがて彼は諦めたように息を吐いて、仕方ないと降参のポーズを見せていた。

 

 そんなやり取りを交えながらも、ラマニアンホロウに存在する『ミアズマ』のことや師匠が使う『術法』のことなど様々なことを話しながらホロウ内部を歩き回れば、やがてお目当てのホロウ外へ通じる『裂け目』を発見した。

 

 道中、エーテリアスと遭遇することもあったが師匠とファイノンのおかげもあってあっという間に撃退され、時間が掛かることはなかった。いや私のボディガードがちょっと強すぎる……途中からエーテリアスが可哀想になるくらい蹂躙されてたんだけど。

 

 トラブルに見舞われて始まったラマニアンホロウ探索だが、軽い散歩をしに来たくらいの感覚で終わってしまった。

 

 空間の裂け目に入った後、いつもの眩暈を感じつつ2人とホロウ周辺部の無人エリアへと到着した。私たちの視界には大きな青い海と快晴が広がり、そして海の向こうには小さな町並みが見えた。

 

 

 「やっと出れたよ2人とも! でもここって海辺だし、衛非地区の方までどうやって行こっか……?」

 

 「あっ、それなら僕が2人を抱えて向こうまですっ飛んで行こうか? 変身すればそれくらいは余裕───」

 

 「うん、それはなしだね」

 

 「ハア、やめておけ。そんなことしてみろ、到着した頃には向こうも大騒ぎになるだろうさ。お前さんはもう少し影響力と危機感を覚えるべきだな」

 

 

 ばっさりと切り捨てられてしょんぼりと、どこぞの電気ネズミのようなしわくちゃ顔を浮かべるファイノンを無視して私と師匠はどうするべきかを話し合う。

 

 どうするかと頭を悩ませていると、『この際だ、向こうまで泳ぐか?』なんて冗談混じりに言い出した師匠を本気で止めつつ、唸っているとタイミングよくホロウの近くを貨物船が通りがかり助けを求めるとすぐに船員が乗せてくれた。

 

 ここが航路の近くで本当によかった。

 このままではちょっとどころではない距離を泳いで、衛非地区へと向かうハメになってしまうところだった。尚1人だけ任せてくれと言わんばかりの表情をしていたが、そこは師匠と共に全力で無視する事にした。

 

 それからしばらく航行した後、貨物線が停泊場に止まり私たちは衛非地区へと辿り着いたのだった───。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 いや、なんか評価とお気に入りすごいことになってまたビビってます。思いつきの見切り発車を1、2話投稿しただけじゃないですか…どうしてっ。ありがたい事ですけど、餌を貰いすぎた猫みたいになってます。

 ここすき機能も大変嬉しいです。

 一応補足というか、この作品の主人公ニセノンもしくはニセライナくんですが憎しみ云々とか一切考えてないです。本人は『急に喧嘩売ってきたのそっちだから俺もやり返すね?』くらいです。

 単純に周りが勘違いしてるだけですね、はい。

 あと基本中身はアホなので『うおお!イケボだ!喉からCV 日○ 聡が生えてきてるぅ!!』的な感じでファイノンムーブかましたり1人の時こっそり聞き覚えのあるセリフを口にしてただけです。

 偶々そこにビビアンが居合わせただけです、はい。



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