リュシアきちゃ、無事ゲット。
真斗完凸したいけど、バイパーばっかり出てる…!
とりあえずビビアンの水着が欲しいのと、凸したいのでガチャを回しまくる所存。そしてたんたんも来ましたね、このつよつよ性能でほんまに無料配布で良いんか?
今日もお天道様が輝いていて良い昼寝日和です。
こんな素敵な日は全ての仕事などほっぽり出して陽の光でも浴びながら惰眠を貪ればとても有意義な1日になると思われるが、ところがどっこいそうもいかんのですよ。
つまりどういうことかと言うと、労働はクソってことですね。
一仕事終えて戻って来ました適当観。
道中、エーテリアスやなんか調査の邪魔をしに現れたとしか思えないホロウレイダーをバッタバッタと蹴散らして、無事に任務を完了できたようでございます。
やっぱ俺必要なかったね。
俺がどうこうする前に、殆どパンさんがそのふくよかな体型(褒め言葉)からは想像できない様な身のこなしとフットワークの軽い体捌きで迫り来る敵をノックアウトしていた。
……いや俺も活躍してたよ?
でも生身のホロウレイダー相手だと加減ミスった際に殺っちゃう可能性があるので、そういうの気にしないで済むエーテリアスの相手しかしてないが。
だってこのボディ色々とスペックが高すぎるんだって、軽いパンチ1発でホロウレイダーの防護マスクを粉砕出来る上に余りあるパワーで相手が吹っ飛んでいくとは思わないじゃん。
それを見て逃げ出すホロウレイダーたち、なんだか悲しきモンスターになりつつある気がするぞい…。
そんなこともありつつパンさんと共に別行動していた俺たちだが、一度リンちゃんたちと合流する事になった……が、ホロウ内での調査を彼女たちに任せて俺は一足先に適当観へ戻って来ていた。
べ、別にサボってるわけじゃないよ…?
「やあ、ファイノンさん。久しぶり…という程ではないけど元気そうでよかった」
「そういう君こそ変わりないようで何よりだ。何事もなく無事に衛非地区へ到着できたみたいで安心したよ」
「ああ、兄弟子の
「───おっと……よしてくれ。君が僕なんかに頭を下げる必要なんてどこにもないだろ? そういう堅苦しいのは儀玄先生にお願いするよ」
「いや、しかし……」
「僕はただ自分にできることをして友人を助けただけだ、だから困った時はお互い様ってやつかな? もし僕や知人に何かあって困ったりしたら、アキラくんが手を貸してくれると嬉しい」
「……ッ! ああ、もちろんだとも。プロキシとしても、貴方の友人としても必ず手を貸すと約束させてもらうよ」
「ははは、頼もしいな。その時が来たら君たち伝説のプロキシの力を期待してるよ───…そうだ、伝え忘れてた。ようこそ『適当観』へ……実は一度言ってみたかったんだよねこれ」
先日、衛非地区へ兄よりも先に前乗りしてきたリンちゃんとは別に六分街で待機していた彼を大兄弟子の
以前、飛行船を墜落させられたことを覚えているだろうか。あれは自分たちを狙った悪意ある攻撃であり、その懸念から六分街に単独で身を置いていたアキラくんの身を案じて予定よりも速くこちらへ迎える事になった。
そんな彼がこの『適当観』へ到着したのだが、顔を合わせるなり俺に対して頭を下げてこようとするもんだから驚愕するしかない。
そもそも、俺からしてみれば原作知識をしっかり覚えていれば未然に防げた事故でありこちらのミスと言ってもいいくらいの失態だ。なのでそんな必要はないと、内心慌てて彼が頭を下げる前に肩を掴んで止めに入った。
やめてくれアキラくん。
パエトーン様に頭を下げさせたなんてビビアンに知られたら遠慮なしにぶん殴られる自信しかない、いやマジで。以前サクリファイスは使わないでくれとド突かれたくらいだ、普通に痛い。
なんであの華奢な腕で平手打ちとかじゃなくて
おっかしいな。
あの子少し前までは余所余所しいと言うか、距離を取られて話し掛ける事すらできなかったというのに。
あのランドン関連の一件の後から遠慮なしに、というか
バイト戦士、なんて恐ろしい子…! やめろ、あまりボッチの俺に優しくするんじゃあない。ちょろいから好きになっちゃうぞい♡
仕方ねえ、お礼として俺が愛しのパエトーン様との
「ファイノンさんたちはホロウで侵食事故の証拠を探していると葉さんから聞いたけど、そっちは何か進展はあったのかい?」
「ああ、それなら問題なく進んでいるよ。君の妹や儀玄先生たちが聞き込みや状況調査で証拠を見つけてくれたようで、大活躍してくれたようだからね」
「なるほど、それなら事態の解決までそう時間は掛からないと考えてもいいのかもしれないな……浮かない顔だな、どうかしたのかいファイノンさん?」
「いや…杞憂ならいいんだが、『解悩水』のことで少し気になることがあってね。どうにもそう簡単に終わる話でもないような気がするんだ。僕がこっちに戻って来たのもその為なんだ」
「っ!……なるほど、僕に手伝える事はあるかい?」
「いや、アキラくんの手を煩わせる程のことじゃないさ。僕の勘違いってだけかもしれない……それに、君は先に妹さんへ無事な姿を見せてあげることのほうが何よりも大切だ、彼女も不安そうにしていたから」
ただの勘違いという可能性がある俺の我儘に付き合わせるよりも、アキラくんにはリンちゃんに無事を知らせてやることの方が大切なことだろう。
飛行船の墜落の件もあり、手段を選ばない相手の悪意というものを身をもって体験する羽目になったのだ。それもあってリンちゃんは兄の身を心配していたのだ、いち早く無事な姿で兄妹たちが再開出来ることの方が先決だろう。
俺だって妹分の柚葉にもしものことがあったらすごい心配だからね! もしあの子が何か事件に巻き込まれて怪我なんてしたら、そりゃもう犯人をギッタンギッタンのケチョンケチョンにしてやるんだから。
問答無用で壊滅をくれてやる(真顔)
「……ふふっ」
「ん……どうかしたのかい? な、何か変なことでも言ったかな」
「いや、そういうわけじゃないんだ。ただファイノンさんは、やっぱり優しい人だなって思っただけさ。裏の顔とまでは言わないけれど、僕たちは常連客としての貴方の姿しか知らなかったから」
「───、……っ!」
「ホロウで活動していた事やサクリファイスという力を使っていたという事を知った時は、少しだけ不安だったけど……それでも貴方は僕たちの知ってるファイノンさんなんだなと思って安心してしまってね」
「……はは、なんだが照れるな。けど、君にそう言ってもらえるのは僕としても嬉しいよ。ありがとうアキラくん」
「礼を言うのは僕のほうだ。改めて、妹を助けてくれた事やそれから僕たちの調査にも協力してくれて本当にありがとうファイノンさん」
徐に真面目な顔つきとなったアキラくんから差し伸べられた手をしっかりと握り握手を交わす。
数秒ほど真っ直ぐに此方を見つめる瞳と視線が交差して、真面目な空気感に堪え切れなくなり笑いを噴き出すように、息を溢せば互いに表情を崩して笑みを浮かべる。
トゥンク…!
なんという事でしょう、彼の瞳からは俺を信頼してくれている熱い眼差しを感じます。おひょー!信頼度上昇の音が聞こえるぜー!お出かけのお誘い待ってるぜアキラくん!
基本的にぼっちで暇してるからいつでも誘ってくれてOKやで!……やべ自分で言ってて悲しくなってきちゃ。
もう少し我らが主人公くんと楽しくお喋りしていたいところだが、この後の予定というかもう一度ラマニアンに戻ってあのクソ怪しいロア先生とやらの動向を調べなくちゃならんのでお喋りはここまでだ。なーんかいやな予感するのよな〜。
そんなこんなでスピードワゴンはクールに去るぜ……あ、先にトイレ借りてこよ。
『ど、どういうことなんでしょう? まさかロア先生が嘘をついてたなんて、そんなことはあり得ませんよねっ?』
『……結論を急ぐべきじゃないね。とにかく、まずはダミアンのくれた資料を調べてみよう。あいつが嘘をついている可能性だって全然あるんだから』
『リン、この件は僕に任せてほしい。システムの調整が終わったらダミアンのくれた情報が信頼に足るか検証してみるよ』
『なら、こいつはアキラに任せるとしよう。その間、こちらは治療を受けている人間をあたるぞ。少なくとも、何かしらの収穫はあるだろうさ』
『はいお師匠さま! それなら福福は近所で聞き込みをしてきます!』
ラマニアンホロウでの労災の聞き込みや調査を終えて、『適当観』へ戻ってきて1日がたった。今までホロウ内に入る時はH.D.D.システムによりイアスと感覚をリンクさせて探索していたが、今では色々あって生身の肉体で師匠たちと共にホロウ内を歩き回っている。
そのおかげというか、運動不足なこの体ではどうしても疲労や限界というのをヒシヒシと感じ取れるようになってしまった。ううっ、つい最近まで引きこもり気味だった私にとってはホロウ内での全力疾走は結構キツいって……。
その為で昨日はしばらく休むだけのつもりが、ぐっすりと深い眠りについてしまった。
このままでは流石にダメだ。
私と同じく体力なんてないモヤシ状態であろうお兄ちゃんはもちろん道連……ゴホンゴホン、もとい強制参加で走り込みでもして体力をつけるべきだろうか。
師匠たちやファイノンにでも相談すればきっと快く手伝ってくれるはずだろう……スパルタ方式は勘弁してほしいけど。
───っと、いけないいけない。話が脱線してしまうところだった。
ホロウ内で調査を終えて戻って来たのはいいが、今度は別の問題が発生したというべきか。
つい先ほど、この適当観にダミアンがやって来たのだ。挨拶がわりに私たちがホロウに立ち入り調査をしたことをネチネチとつつかれたが、この際それはどうでもいいことか。
単刀直入に、ダミアンにポーセルメックスが事故の記録をもみ消して賠償を有耶無耶にしていることを問い詰めてみれば彼は分かりやすく態度を変えて慌てていた。
彼は今現在も賠償に関してはまさに手続き真っ最中であり、先延ばしの意図などないと強く弁明していた。責任者として最善を尽くしていると身の潔白を示すべく、侵蝕事故の関係者名簿と賠償の進捗が分かる資料を提供して来たのだ。
他にもロア先生は正式な医師免許を持っていないにも関わらず、違法とも言える治療が従業員に提供されている事や、ロア先生が支給している薬『解悩水』に問題があると言うのだ。
ロア先生の行動はポーセルメックスと従業員の対立を煽っているだけに見えると。そう言い残してダミアンは適当観に資料を残して去ったのだ。
そしてこの場にいたみんなは手当たり次第に、それぞれが調査に出かけたのだ。そして私もそれに続くように近所の人たちに、そして従業員のパロさんやロア先生に直接問いただす為に彼の診療所に向かったのだが。
「パロのやつ、どこ行きやがったんだ…。まさかホロウに入ったんじゃねえだろうな…っ!」
「あれ、真斗くん。こんなところで何してるの?」
「え……って、押忍!リンちゃんじゃないっスか! すんませんパロのやつ見なかったッスか? なんか、全然連絡取れえねえんだよな……」
「え、それなら実は私も探してるの。あの人とロア先生に『解悩水』のことを、はっきり聞きたくて」
ロア先生の診療所に向かう途中、見慣れた顔が向こうから歩いて来た為声を掛けた。
何やら酷く慌てた様子でキョロキョロと辺りを見回している真斗くんの様子にただ事ではないのかもしれない、と声を掛けただけのつもりだったがまさか彼も私と同じ人を探している最中とは思いもしなかった。
何があったのか彼に聞いてみると。
「あいつ…夫婦そろってロア先生の耐浸蝕治療を受ける為に、ホロウに行くって…それが最後のメッセージだったんスよ。まさかと思うけどもうホロウに入っちまったのか…それでそっちは? 『解悩水』の事って、何か問題があったんスか」
「ううん、そういうわけじゃなくて。調査の為にも『解悩水』のことを詳しく知りたいってだけなの。けど、パロさんが言ってたんでしょ? ロア先生がホロウでみんなを治療してるって、私どうにかして状況を聞いてくるね、とにかくありがとう!」
どうやらロア先生たちは衛非地区には居ないようだ。
ここで真斗くんから話を聞けたおかげで無駄足にならず、どこへ向かえばいいのかもハッキリとわかった。私は彼にお礼を言って足速に適当観へ戻ろうとしたが、そんな私を真斗くんが引き留めた。
いったいどうしたのだろうと振り返ってみれば、彼の言葉に驚き目を見開いてしまう。
「そういや、リンちゃんに頼まれてた
「…え、どうだった? 何かわかった?」
真斗くんの言う例写真とは、市長から渡されたホロウ内部の輝磁生産エリアから流れてきたという私たちの先生『カローレ・アルナ』の姿が写った一枚の写真のことだ。
情報源となる真斗くんの友達が言うには、最近ラマニアンホロウでミアズマが大量発生した時に輝磁の生産エリアでそれを写真に撮ってた人が結構いたらしい。
あの写真も、その時撮られた物らしいのだが背景の写りが悪くどの生産エリアかまでは絞り込めてはいないらしい。申し訳なさそうにそう伝えてくれた真斗くんだったが、私たちにとってはとても大きな情報である為ありがたいことこの上ないというやつだ。
それからホロウに行くのなら、パロさんに『娘さんに心配かけるな』と伝言を頼まれたので、その事をしっかりと記憶して私は今度こそ適当観へと向かった。
───適当観へ戻ると、既に師匠たちは聞き込みを終えて集合していた。どうやら私が一番最後のようだ……あれ、そういえば朝からファイノンの姿を見ないと思っていたが、あの人どこに行っちゃたんだろう?
キョロキョロと辺りを見渡すが、あの特徴的な白いコートに身を包んだ彼の姿はどこにも見当たらない。
「みんな、ダミアンから受け取った事故報告書を確認した。確かに彼は補償を申請していたよ。支払いは依然として確認中らしいけれど…市長さんがくれた特別なルートで検証したけれど、やはり彼は嘘をついていた様子はない」
「こうなると、ダミアンはシロという可能性が増してくる。まさかロア先生は本当に真実を話していなかったのだろうか……そちらは何か進展はあったかい?」
い、いつの間に市長さんに連絡をとったのか。
だがそこまで調べ上げているというのなら、情報に嘘はないのだろう。お兄ちゃんの言葉に思わず驚いていると、今度は姉弟子が聞き込み調査の結果を報告してくれた。
なんでも労働者の殆どが『解悩水』を飲んだことがあるらしい。だが、話を聞いていくと皆が同じように変な事を言っていたと姉弟子は報告する。
『解悩水』を飲むと痛みが和らぐだけではなく、凄く眠くなって変な夢を見るというのだ。それは昔の小さい頃の事ばかりが夢に出る、暖かくて楽しい懐かしい夢……とのことだ。
ロア先生は、それを
聞けば聞くほど怪しいというべきか、『解悩水』とはいったいどういう薬なんだと疑問ばかりが深まっていく。
───その時、姉弟子の報告に耳を傾けていた師匠の顔つきが目に見えて変わった。
「……まさかあの『解悩水』とやら、
「えぇ!? ミアズマを混ぜるって、どういうこと師匠!?」
師匠の言葉に、声を張り上げて驚声を上げてしまう。思っていたよりも大きな声が出てしまっていたようで、慌てて口元を押さえるが私だけではなくこの場にいる全員が同じ反応を示していた。
師匠は深刻そうな顔つきで静かに語る。
どうやらミアズマに触れた人間は感覚が麻痺して痛みを感じなくなり、幻覚を見るようになるらしい。師匠曰く、『解悩水』の治癒効果とミアズマに触れた際の症状は一致しているとのこと。
つまりロア先生の支給する薬は真っ赤な偽物であり、実際は薬に効果はなく労働者たちはプラシーボ効果に踊らされていただけに過ぎないというのだ。
ポーセルメックスと労働者たちの対立を煽り、売り込んだニセモノの薬はホロウのそこら中にある材料から提供して効能があると誤認させる。
突拍子もない話だが、可能性は十分にあり得る仮説だった。ロア先生の言っていた廃棄した生産エリアが稼働して薬が作れたという話も、今となってみれば随分と都合の良い話だった。
「ほ、ほんとうにそうだったら…酷すぎるにも程がありますっ! いったいどれだけの人が騙されてたんでしょう。薬にミアズマを混ぜるなんてしたら、労働者さんたちの浸蝕がたちまち広がっちゃいますよ!?」
「早く先生を止めないと! あの人はいま、どこに居るんですか!?」
隠しきれない怒りを露わにする姉弟子の言葉に、ハッとする。
そうだった、あの人はいまホロウの中にいるはず。
真斗くんから伝えられた情報通りなら、ロア先生はいまパロさんたち労働者に『定期診療』を受けさせている筈だ。
師匠の仮説が本当かどうか確かめる為にも急いでホロウ内に行かなければならない。その事を師匠たちへ伝えると、何やら先ほどから深く考え込んでいたお兄ちゃんが声を上げた。
「もしも今の仮説が本当だとすれば、急いだ方がいいかもしれない。労働者たちのこともそうだが、きっとファイノンさんも1人でその場に居るはずだ…っ!」
「え、それってどういうこと?」
「昨日、ファイノンさんと少し話した時に彼が『解悩水』について気になることがあると言っていたんだ。そして今も調査に行ったまま戻って来ていない、もしかすると既にロア先生と接触している可能性だってある」
「……っ!」
その言葉に息を呑む。
確かにファイノンはロア先生と初めて顔を合わせた際になぜか彼を警戒しているような様子を見せていた。もしかすると何かを勘付いていたのかもしれないが、まだ彼は『解悩水』の真実に気づいていないはずだ。
そして今現在もファイノンとは連絡が取れていない。勘のいいガキはなんとやら、ファイノンがロア先生を警戒していたように相手も彼を警戒していたはずだ。
嫌な予感ばかりが脳裏を過って顔を青くしてしまう。
「い、急いでホロウに行って確かめなきゃッ!?」
「……それならさっさとホロウで先生を探して真実を暴くとするか。それに、もし仮説が当たり真実だとしたら……ファイノンもそれに気づいているはずだ。あいつがやりすぎる前に止めに行くぞ」
「え……それってどういう」
「なに、あの男は他者からの悪意に人一倍敏感って話さ」
師匠の言葉に何処か引っかかりを覚え首を傾げながらも、適当観の門を潜り急いでホロウへと向かう。
「……随分、陳腐で悪趣味な儀式だ」
「ガッ…! ぐぅぅ! は、離せ…!」
「なぁ、聞かせてくれないかロア先生。どうしてお前たち讃頌会は蛆虫のように蔓延り彼らの善意や弱みに漬け込んで、こうも容易く他者の幸福を踏み躙り奪うことができるんだ?」
「だ、黙れ! 始まりの主の『祝福』をその身に授けられながら、主に逆らい我らに仇なす背教者がっ! 踏み躙るだと、ははは! 彼らは選ばれたんだ!始まりの主に捧げられるべき『供物』として、寧ろ胸を張ってもらいたいものだよッ!」
「………つくづく、愚かで傲慢だな」
「我々は『
「───もういい、黙れ。
「え、えーっとファイノンさん? 私たちはこうして無事だったわけで、それ以上やったら本当にその人死んじゃいますから…! 私たちの為に怒ってくれるのは嬉しいですけど、それ以上はまずいですって…!?」
「ん? はははっ、大丈夫さ。こう見えて手加減するのは上手い方なんだ、それに人間の身体には骨が206本くらいあるって聞いた事があるからね。2、30本くらい無くなっても大丈夫さ軽傷で済むよ」
「いや十分重傷だと思いますけど!? 全然大丈夫そうじゃないですって!?」
ホロウ内へ突入して労働者たちの言っていた治療エリアへと辿り着いた私たちだったが、ミアズマだらけでとても治療に適した場所とは思えなかった。ポーセルメックスの目を避ける為、なんて言っていたがそれも怪しい話だ。
───そして探索目標としていた人物を見つけたのはいいが、想像だにしなかった状況にポカンと口を開けて固まってしまった私は悪くないと思う。
師匠たちを見てみれば、姉弟子や潘さんも似たような表情を浮かべている。ただ1人、師匠だけは頭を押さえて重いため息をついていた。
私たちの視線のその先、そこには件のロア先生と怪しい格好をした讃頌会の人間と思われる人たちの姿があった。なぜか全員が地に伏せ、頭から地面に突き刺さり奇妙なオブジェクトと化した状態で。
ロア先生はというと、なんというか痛ましいを通り越して面白いくらいに顔面をボコボコにされた様子で笑顔で拳を構えるファイノンに胸ぐらを掴まれて宙へ持ち上げられていた。そんな彼を周りにいた労働者たちは必死に止めていた。
……え、どういう状況?
あ、こっちに気がついたファイノンが手を振ってる……いや、普通に怖いよ?
感想、評価、ここ好き、お気に入り登録、誤字報告、いつもありがとうございます。
もうちょい早めに投稿できると思ってたんですが、思いっきり体調崩してました。嫌だね、季節の変わり目って怖いよ。