通常の概念や論理が通用しない久遠の闇。
霊気に満ちたその空間は通常の生命体がここへ至る様な事があれば、純粋な霊気とマナによって食い尽くされ、やがて死にゆく運命となる。
だが、その空間は様々な次元へつながる道であり、その道をわずかな時間の間渡り歩くことができるのはプレインズウォーカーというとある素質を持つ者のみ。
その空間の中を1隻の飛空艇が飛ぶ。
木製の洋風の屋敷というべき建造物を4つのプロペラで浮かべたような構造のそれはこの素質なき者を食らうこの空間を飛び続けていた。
飛空艇の中にあるとある部屋で、群青色の分厚いコートと帽子姿の男性が木製の椅子に座り、羽根ペンを使って書物に記録を取る。
その部屋には数多くの時計と地図がおかれ、左右のテーブルには数多くの地球儀が置かれている。
それらはすべて違う時間、違う地形が描かれており、同じものが何一つない。
コンコンとノックする音が聞こえ、男は羽ペンをテーブルに置く。
「船長、そろそろだよ」
「そうですか。では…いよいよですな」
椅子から降りた男の背丈は160センチほどで、彼は本棚にある地図帳を手にする。
顔は帽子で隠されおり、黄色い二つの瞳だけがかろうじて見える程度だ。
「本当にいるの?この次元に」
「いますよ、いなければ、この世界の終わりを受け入れるしかありません」
「痛、たた、た…」
公園で水道の蛇口から流れる水をハンカチで濡らし、痛みを感じる頬に当てる。
しみて両目を閉じる少年はほかにもある傷を水で洗っていく。
もう夕方の5時となっており、公園で先ほどまで遊んでいた子供たちは皆、帰路についている。
ようやく洗い終えた少年は立ち上がり、置いてある学生用カバンに手を取る。
空を飛ぶ鷺を模した校章が描かれ、自分の名前である『月山慧』が刺繍されている。
高校2年生としては平均的な背丈に太っているわけでも痩せているわけでもない体、特徴のない坊ちゃん刈り。
そんな毒にも薬にもない彼が傷を負い、制服も砂や泥で汚れているのは数十分前に起こったことのためだ。
公園で遊んでいた子供たちが投げたボールが偶然、帰り道にいた慧に当たり、それを拾った慧はそのことを攻めずにボールを投げ返した。
だが、ボールのコントロールを誤っていたことでボールは子供たちのそばではなく、反対方向から公園に入ろうとした不良のリーダーの頭に当たってしまった。
それで怒りを買ってしまった慧はこうして殴られ、蹴られの暴行をうけることになった。
それだけで、財布の金やプリペイドカード、学生証を取られなかったことが唯一の救いだろう。
「目立たないよね…これ…」
それを見て騒ぎになることを危惧しながら、フラフラと公園を出る慧。
そんな中でカタン、カタンと何か物音が聞こえた。
聞こえたのはそばにあるジャングルジム。
顔を向け、何かあるのかと歩いて中に入っていく。
そこにはデッキケースが落ちていて、ケースはよく見るとボロボロだ。
「忘れ物、かな…?」
何か持ち主の情報がわかる何かがないかとケースを見つめるが、名前もイニシャルもない。
ケースは古びた革製で、表面に細かな傷が無数に刻まれている。
慧はそれを拾い上げ、埃を払った。
一度手を止めてから、ケースの蓋を開けてみようとするが、どうやっても開く気配がない。
「なんだろう、これ…?」
誰かがうっかりここに置いて帰ってしまったのなら、明日もしかしたら探しにここに来るかもしれない。
「交番にもっていかないと…」
もしすごく大切なものなら、ネコババされたらまずい。
急いで公園を出た慧はスマホを開いて交番を探し始めた。
「うん…?どうやら、引っかかったみたいですね」
船長室にあるモニターで、船長は交番へ歩く慧の姿が映る。
ケースはカバンの前ポケットに入れられている様子だ。
「本当に…この人が、そうなの?」
船長の隣でモニターを見ているのはとんがり帽子に真っ黒な顔をした少年で、首をかしげて彼に尋ねる。
「ええ…間違いありませんよ。事実として、このケースの存在に気付いたのですから。御覧なさい」
「ええっと…公園で、見つけたんです」
「そうか、じゃあ見せてくれるか?」
「わかりました。ええっと…」
交番についた慧は警官の求めに従い、カードケースを出そうとカバンを開ける。
「あ、あれ…?あれれ…?」
確かに前ポケットにケースを入れたはずなのに、ケースが最初からなかったかのように消えている。
別のポケットに入れていたのかと思い、カバンをあさるが、どれだけ探しても見当たらない。
「すみませんでした、僕、間違えたみたいで…」
慧は顔を赤らめ、警官に頭を下げた。
カバンの中を何度も確認したが、ケースは跡形もなく消えている。
警官は怪訝な顔をしつつも、「まぁ、気をつけなよ」と軽く手を振って見ず知らずの少年を送り出した。
公園を出て家路を歩きながら、慧は頭を掻いた。
「変だな…確かに持ってたのに。まさか、落とした?」
夕暮れの白鷺市の街並みは静かで、遠くの街灯がオレンジ色の光を放ち始めている。
慧はもう一度カバンを確認しつつ、公園に戻るべきか迷った。
だが、疲れと痛む体がそれを拒否する。
「明日、探しに来ればいいか…」
そう呟きながら、慧は家路についた。
住宅街の中にある2階建ての民家。
何の変哲もない木造のそれが慧の家で、表札と一緒に看板がついている。
『カフェpause』
まだ営業時間であり、少し遅くなってしまったことを気にしながら慧は扉を開ける。
「た、ただいま…姉さん」
「あれ、慧ちゃん。おかえりなさい。遅かったわね」
亜麻色の長い髪をした女性がコーヒーを入れながらふんわりとしたほほえみで弟を迎える。
茶色いエプロンをつけた彼女は月山天音。
大学を卒業したばかりの彼女によって、このカフェは切り盛りされている。
客席には当然のように顔見知りの男性客数人がうっとりとした表情で彼女を見つめていた。
「何か、手伝おうか?」
「大丈夫よ、そろそろ終わるから。それよりも、早く荷物を置いて着替えてきたら?」
「そうするよ、姉さん」
客たちに軽く頭を下げてから2階に上がった慧は自分の部屋に入る。
勉強机と本棚、ベッドとテレビ、ゲーム機にちょっとしたおもちゃがあるくらいの普通の高校生の部屋。
制服を脱ぎ、普段着である白いポロシャツと茶色のチノパン姿になった慧はもう1度カバンの中を見る。
「夢…だったのかな?あれって…。あれ…?」
再び開けたカバンの前ポケット。
その中には消えたはずのケースがなぜか再び存在した。
「え、え、ええええ???」
慧は目を疑った。
カバンの前ポケットに、確かに消えたはずのボロボロのデッキケースが収まっている。
触れてみると、さっき公園で拾った時のざらついた革の感触が手に伝わる。
間違いなく同じものだ。
「な、なんで…? 交番で確認した時はなかったのに…」
慧は恐る恐るケースを取り出し、ベッドの上に置いた。
もう一度開けてみようとするが、やはり蓋は固く閉じたまま。力を込めても、まるで魔法で封印されているかのようにびくともしない。
「これ、ほんとに何なんだよ…」
「やはり、彼ですね…。探していた者、プレインズウォーカーは…」
「でも、本当にそうなの?その…魔力を持ってる感じがしないけど…」
引き続きモニターを見る船長の断定する言葉に少年は疑問を抱く。
少なくとも、彼が船長から聞いたプレインズウォーカーと比較すると、彼はあまりにも彼らとは悪い意味でかけ離れている。
「プレインズウォーカーの資格は優れた魔力ではありません。以前にもお話ししたはずですよ」
「灯…だっけ?」
いかに優秀な魔法使いがたゆまぬ努力を積んで熟達の域に達しようとも、素質がなければプレインズウォーカーになることはできない。
プレインズウォーカーに求められるのはただ一つ、灯のみ。
それさえあって、それを覚醒させた者がプレインズウォーカーとなる。
「最も、彼はまだ覚醒させていませんがね。覚醒の時はまもなく訪れることになるでしょう。ビビ君」
「でも、本当に大丈夫なの?彼、全然戦えるって感じが…」
「問題ありません。力も必要な時に姿を見せます」
「力…?」
「中には、君がよく知っている者も存在するかもしれませんがね」
夜になり、勉強を終え、風呂と食事を終えた慧はパジャマ姿でベッドに転がりながらケースを見つめる。
交番では消えていたそれがまたカバンの中に現れて、手元にある。
「明日、戻そうか…」
少し怖くなったため、もうそれしか手立てが考えられない。
ひとまずベッドから起き上がると本棚の下部分にある引き出しを開ける。
そこには金髪で片刃の両手剣を手にした戦士のイラストが描かれたデッキケースと複数のカードケースが入ってきて、それらをベッドの上へもっていく。
「嫌なことがあったし、気晴らししよう…」
自分のデッキケースを開き、中にある60枚のカードを並べる。
デッキケースと同じイラストのカードである《星の勇者、クラウド》からもわかる通り、デッキやカードケースに入っているデッキの多くがファイナルファンタジーとのコラボカードになっている。
慧がMTGをプレイし始めたのは中学生になってからで、父親から教わった。
だが、慧が中学を卒業した翌週に両親は交通事故によって他界しており、それからは独学でMTGをやっている。
天音が切り盛りしている1階のカフェは元々、両親が経営していたもので、様々なゲームが料理と一緒に楽しめるコンセプトカフェになっている。
その中にはMTGもあるが、天音はそれについてあまり詳しくないため、慧が時折初心者にルールなどを教えることがある。
最も、慧本人はひとまずルールやカードについての知識はあるが、自分でMTGをプレイすること自体は少ない。
友人が少ないことや、大会に出ようと思うほどMTGのプレイに自信があるわけではないからだ。
慧はベッドに広げたカードを眺めながら、ため息をついた。
ファイナルファンタジーのキャラクターが描かれたカードたちは、どれも懐かしい思い出と結びついている。
父親と一緒にカードを並べ、ルールを学び、笑い合った日々。今ではその時間が遠い記憶となり、カードを手に取るたびに胸が締め付けられる。
「父さん…もし生きてたら、この変なケースのことを見たら、どう言ったかな…?」
冗談だろうと笑ったのか、それとも一緒に調べてくれたのか。
そんなことを創造しながら、1階から天音の声が聞こえてくる。
「慧ちゃん、ごはんよー」
「わかった、今行くよ」
翌朝、朝ごはんを食べ終えた慧は昨日の公園へ向かう。
今日は休日と言うこともあり、子供たちが元気に遊んでいる。
ケースを拾ったジャングルジムでも同じで、さすがにそこにこっそり置くというのはまずいと思った慧はその近くにあるベンチに腰掛ける。
「ひとまずここで…いなくなるのを待ったらいいのかな…?」
それで持ち主が来るという保証はないが、誰かが間違えって持って帰ってしまうよりはいいだろう。
そんな考えで座ったまま待ち続けた。
ウーーー!!ウーーーー!!
船長室で警告音が響き、モニターが自動的に地図へと変化する。
「クリーチャー出現!クリーチャー出現クポ!!」
通信機からモーグリの声が聞こえ、ビビが表情を硬くする中、船長は動じる様子を見せない。
わずかに帽子を直すと、じっとモニターを見つめる。
「船長!今すぐ行かないと!」
「ええ…ですが、まずは彼に任せましょう」
「彼って…なんで!?あれを拾っただけで何も…!」
「プレインズウォーカーに覚醒した者に待つのは波乱。決して目を背けることはできません。この程度で死ぬのであれば、それはそれで慈悲というものでしょう」
「そんな…」
船長に拾われて一緒にここまできたビビだが、ここまで冷徹な発言をしてきたのは初めてだ。
船長は机にある古びた電話機を手に取る。
「次元踏破船プリマビスタ、発進。座標はこれから送付するデータと同じ」
「了解クポ!!」
白鷺市の公園は、休日の朝らしい賑わいを見せていた。
子供たちの笑い声やボールを蹴る音が響き合い、遠くでは犬の散歩をする老人の姿も見える。
慧はベンチに座り、膝の上に置いたボロボロのデッキケースをじっと見つめる。
「本当に、これ置いて帰っていいのかな…」
慧は呟きながら、周囲を見渡した。ジャングルジムで遊ぶ子供たちはまだ元気に走り回っている。ケースを置くタイミングを伺いつつ、慧の頭には昨夜の不思議な出来事がよぎる。
交番で消えたはずのケースが、なぜかカバンに戻っていたこと。
あの瞬間、確かに何か異常なことが起こった。
だが、普通の高校生である慧には、それが何なのか理解する術がない。
ふと、空気が変わった。
公園の喧騒が一瞬、遠ざかるような感覚。
風が止まり、子供たちの声がくぐもって聞こえる。
慧は顔を上げ、空を見た。朝の青空に、かすかな亀裂のような歪みが広がっている。まるでガラスにひびが入ったように。
「なんだ…?」
その時、ジャングルジムの近くで地面が揺れた。
子供たちが悲鳴を上げ、散り散りに逃げ出す。
慧は立ち上がり、ケースを握りしめた。
地面から黒い霧が立ち上り、その霧が逃げる子供の一人を覆いつくす。
「え、え、ええええ…!!」
霧が消えると、そこにいたのは子供ではなく、ほっそりとした大人くらいの身長で鋭い爪を両手に持つ怪人というべき存在。
それはMTGをする慧も知っている姿だ。
「《ファイレクシアの抹殺者》…」
「よこせ…灯を…!」
慧に視線を向けたクリーチャーが襲い掛かり、右手の爪を振るう。
思わずしりもちをついた慧の頬をかすめた爪で皮膚が傷つき、そこから流れる血が慧に目の前のことが現実だと教える。
「あ、あ、あああ…」
「よこせ…よこせ…」
ゆっくりと歩いてくるクリーチャーに何もできず、震えで足も動かない。
今度は心臓を狙うと言わんばかりに爪で貫こうとする彼に向けて、慧は叫びながらケースをかざす。
すると急に慧とクリーチャーを包むようにバリアが展開され、2人の体が宙に浮かぶ。
「な、なに!?何が起こっているの!?」
「ほぉ…ゲームか、都合がいい!!」
球体のようなバリアの中で、二人の前に出現する光でできたテーブル。
抹殺者の手からデッキが出現し、テーブルに置かれると同時にテーブル上でカードが飛び散っていく。
飛び散ったカードたちは円を描くような配置についた後でランダムに集結してシャッフルが終わる。
「ゲームだって!?でも、僕は…」
こんなことになるなんて想像しておらず、もちろん部屋にあるカードを持ってきているはずがない。
あるとしたら、このケースの中にあるであろうカードのみ。
手にしてからこれまで開くそぶりを見せなかったそれだが、相手に反応したのか勝手に開き、中にあったカードがすべて慧のテーブルに放出され、勝手にシャッフルされていく。
「この世界に来て、いきなり獲物を見つけるとは幸先がいい…!」
「獲物なんて…僕は…!」
「黙れ!獲物は獲物らしく狩られろ!ゲームスタート!!」
ファイレクシアの抹殺者
手札7
LP20
慧
手札7
LP20
「まずい…もう始まっちゃった!!」
モニターに映る慧と《ファイレクシアの抹殺者》のゲームの様子を見るビビに対して、船長は動揺することなくじっと見つめる。
「落ち着きなさい。あの程度は小物。彼が本当に私の探し求める者であれば、越えられない壁ではありませんよ」
先ほど、コックのモーグリが持ってきてくれた軽食のサンドイッチを口にしつつ、分厚い本をめくる。
あまりにものんきな様子にビビは頭を抱えるしかなかった。
5ターン目、ファイレクシアの抹殺者のターン
ファイレクシアの抹殺者
手札4
LP20
場 チフス鼠 1/1(クリーチャー・ネズミ)接死
ファイレクシアの闘技場(エンチャント・フィールド)
土地(白2 黒2)
慧
手札5
LP17
場 英雄(《「白魔導士」の杖》装備) 2/2(クリーチャー・人間・英雄・クレリック)
土地(白1 赤2 緑1)
「はあ、はあ、はあ…」
慧は前のターンに《チフス鼠》から受けた傷のある左手に目を向ける。
確かに手には噛まれた跡があり、痛みも生じている。
「かはははは…まさか、こんなおびえた顔で弱っちい奴とはなあ!俺のターン!ここで俺は《ファイレクシアの闘技場》の効果発動!俺のアップキープ開始時、ライフを1支払い、カードを1枚引く!」
ファイレクシアの抹殺者
手札4→6
LP20→19
「キヒヒヒ…怖い?怖いだろう…?なら、もっと怖がらせてやるよ!土地カードを置き、更に召喚!!《チフス鼠》、そして《新ベナリアの騎士》!」
チフス鼠 1/1(クリーチャー・ネズミ)黒
新ベナリアの騎士 3/1(クリーチャー・人間・騎士)①・白
「そして、《チフス鼠》でてめえを攻撃!びびったてめえがブロックなんてできるわけねーだろー!!」
「うわああ!!《英雄》でブロック!!」
再び襲い掛かる《チフス鼠》を《「白魔導士」の杖》を手にした《英雄》がかばい、杖で殴る形で相手を消滅させる。
「ハハハハ!!ブロックしたか!だが、てめえのそのクリーチャーも道連れだぁ!」
「あ…!!」
《チフス鼠》が持つ病原菌を攻撃を受けたことで感染した《英雄》が苦しんだ後でその場にうつぶせに倒れた後で消滅する。
そして、主を失った杖だけがフィールドに残された。
ファイレクシアの抹殺者
手札6→3
LP19
場 チフス鼠 1/1(クリーチャー・ネズミ)接死
新ベナリアの騎士 3/1(クリーチャー・人間・騎士)
ファイレクシアの闘技場(エンチャント・フィールド)
土地(白3 黒2) 残り白1 黒1
慧
手札5
LP16
場 「白魔導士」の杖(アーティファクト・装備品)
土地(白1 赤2 緑1)
ライフは同じだが、フィールドに存在するクリーチャーを考えると慧の不利は明白だ。
今はクリーチャーを出して守りを固めなければ、慧のライフが一気になくなる。
「僕の…ターン!!」
慧
手札5→6
「よ、よし…!僕は土地カードを置いて、手札からインスタント《炎魔法》を発動!このカードはフィールドのすべてのクリーチャーに1のダメージを与える!」
「何ぃ!?俺のフィールドの3体のクリーチャーはすべてタフネスは1…ってことは!?」
《炎魔法》のカードから放たれる炎が慧と相手のフィールドを襲う。
炎は2体の《チフス鼠》を焼き、残った《新ベナリアの騎士》も炎に包まれていく。
「これで…」
「ふん!馬鹿な奴だ!インスタントは相手ターンでも即座に使えるカード、俺も持っているんだよ!インスタント《戦術的有利》!これで、《新ベナリアの騎士》は2/2の調整をターン終了時まで受け、生き延びる!」
新ベナリアの騎士 3/1→5/3→5/2(クリーチャー・人間・騎士)
「ひひひ、せっかくの全体攻撃呪文なのに、残念だったな」
「僕は…《盟友、トルガル》を召喚!」
盟友、トルガル 2/2(伝説のクリーチャー・狼)①・緑
慧によって召喚された《トルガル》が相手である《ファイレクシアの抹殺者》を威嚇するようにうなり声をあげる。
だが、ただの狼にしか見えない彼にとってはその程度は痛くもかゆくもない。
「そして、僕は手札の《プルート隊隊長、スタイナー》を召喚」
プルート隊隊長、スタイナー 2/1(伝説のクリーチャー・人間・騎士)①・白
「狼の次は騎士か?だが、その程度のクリーチャーでは…」
「《スタイナー》の効果発動!《スタイナー》は僕のコントロールしている装備品1つにつき、1/1の調整を受ける!今、僕のフィールドにある装備品は一つ!」
プルート隊隊長、スタイナー 2/1→3/2(伝説のクリーチャー・人間・騎士)
「ターン終了…」
ファイレクシアの抹殺者
手札3→2
LP19
場 新ベナリアの騎士 3/1(クリーチャー・人間・騎士)
ファイレクシアの闘技場(エンチャント・フィールド)
土地(白3 黒2) 残り 黒1
慧
手札6→2
LP16
場 盟友、トルガル 2/2(伝説のクリーチャー・狼)
プルート隊隊長、スタイナー 3/2(伝説のクリーチャー・人間・騎士)絆魂
「白魔導士」の杖(アーティファクト・装備品)
土地(白2 赤2 緑1) すべて使用済み
「俺のターン!アップキープ開始時に《ファイレクシアの闘技場》の効果でライフを1支払い、追加でカードを1枚引く!」
ファイレクシアの抹殺者
手札2→4
LP19→18
「ハハハハハ!キタキタキタ!!土地カードを1つ置き、俺はこいつを召喚する!これでお前は…終わりだぁ!!」
真紅の鎧と片刃の直刀を手にした、辮髪のような髪型の戦士がフィールドに現れると同時に鬨の声を上げる。
「《運命を笑う者、アリーシャ》だはははは!!」
運命を笑う者、アリーシャ 2/2(伝説のクリーチャー・人間・戦士)①・赤・黒
「このカードって…」
「更に手札からアーティファクト《速足のブーツ》をフィールドへ、更に《アリーシャ》に装備!これで《アリーシャ》は呪禁と速攻を手にする!」
オレンジ色の光を放つ靴を脚に装備した《運命を笑う者、アリーシャ》が風のような速さで走り出す。
「《アリーシャ》と《新ベナリアの騎士》で攻撃!攻撃時に《アリーシャ》は自らに1/1カウンターが1つ乗る!」
運命を笑う者、アリーシャ 2/2→3/3(伝説のクリーチャー・人間・戦士)1/1カウンター0→1
「くっ…僕は…」
「言っておくが、《アリーシャ》をブロックしても相討ちはできねえぜ!こいつには先制攻撃があるんだからよぉ!!」
「うぐ…!」
《新ベナリアの騎士》もブロックの対象として残っているが、クリーチャーを失うことを恐れた慧がそれをためらう。
2つの刃を受けた慧は吹き飛ばされ、バリアに背中から激突する。
「うわあああ!!」
慧
LP16→13→10
「カハハハハ!ごっそりライフが減ったな!終了ステップ時に《アリーシャ》の強襲を発動!このターンに攻撃を行った場合、墓地からマナの合計が《アリーシャ》のパワー以下のクリーチャーを復活させる!《チフス鼠》をフィールドへ!」
ファイレクシアの抹殺者
手札4→2
LP18
場 新ベナリアの騎士 3/1(クリーチャー・人間・騎士)タップ
運命を笑う者、アリーシャ(《速足のブーツ》装備) 3/3(伝説のクリーチャー・人間・戦士)1/1カウンター1・呪禁・タップ
チフス鼠 1/1(クリーチャー・ネズミ)接死
ファイレクシアの闘技場(エンチャント・フィールド)
土地(白3 黒2 赤1) すべて使用済み
慧
手札2
LP10
場 盟友、トルガル 2/2(伝説のクリーチャー・狼)
プルート隊隊長、スタイナー 3/2(伝説のクリーチャー・人間・騎士)絆魂
「白魔導士」の杖(アーティファクト・装備品)
土地(白2 赤2 緑1) すべて使用済み
「痛…い…」
斬られた痛みで涙が出てきて、体が震える。
そんな慧を振り向く様子のない2体のクリーチャーを恨めしいと感じてしまいかける自分に情けなさを覚える。
(おいおい、大丈夫かよ?傷だらけじゃねえか)
「え…?」
急に頭の中に直接響くように聞こえてきた快活な少年の声。
その声はデッキケースから聞こえてきて、ケースからは黄色い光が発生していた。
「誰!?君は…」
(今はそんなことどうでもいいだろ、死にたくねえだろ、俺が戦ってやるよ)
「戦う!?戦うって、どうやって…」
(こうやるんだよ!ちょっと我慢してくれ、よ!!)
デッキケースから飛び出した黄色い光の球体が慧の胸に飛び込んでいく。
体中が光に包まれ、慧の髪が金色に染まっていく。
瞳の色も青く染まり、ズボンを貫いてしっぽが生えてくる。
伸びてきた髪が後ろに束ねられ、光が収まる。
「ふうう…うっし、悪いな、待たせてよ!」
「なんだ、てめえ…?妙な姿なうえにしっぽまで生やしやがって!」
(どうなってるの?これ…それに、この姿って…!)
「へえ…お前に憑くと、こうなるのか。ま、俺に任せとけ!ええっと…」
(慧…月山、慧)
「へえ…ケイか。変わった名前だな、俺はジタン。ジタン・トライバル」
(ジタンって…それって!)
「さあ、行くぜ!俺のターン!」
慧→ジタン
手札2→3
「うっし…まずは土地カードを置いて、俺は俺自身を召喚!《陽気な義賊、ジタン》を召喚!」
召喚と同時に、ジタンの分身と言えるクリーチャーがクルクルと回転しながらフィールドに着地すると、愛用の盗賊刀を手に取る。
「そして、召喚と同時に《盟友、トルガル》の効果発動!自分のターンに最初に召喚された人間のクリーチャー1体に、俺のフィールドの犬または狼と同じ数だけ1/1カウンターを置く!」
陽気な義賊、ジタン 3/3→4/4(伝説のクリーチャー・人間・ミュータント・スカウト)③・白・赤 1/1カウンター0→1
「俺自身の効果発動!こいつが場に出たとき、相手のコントロールしているクリーチャー1体のコントロールをターン終了時まで得る!俺は《新ベナリアの騎士》のコントロールを得る!」
相手フィールドにいた《新ベナリアの騎士》がフィールドから消え、ジタンのフィールドに瞬間移動する。
「ケッ!コントロールを奪ったとしても、俺のフィールドには《チフス鼠》がいる。そして、そのコントロールを奪う効果も1ターンに1度!ブロックせずにコントロールが戻るのを待てば…」
「へへ…バトル!俺は《新ベナリアの騎士》で攻撃だ!」
一時的に敵となった《新ベナリアの騎士》の刃が相手を襲う。
「キヒヒ、たとえ死んでも《アリーシャ》がいれば、すぐに復活できる!《チフス鼠》でブロック!」
「俺は手札からインスタンド《秘技:めいわくをかける》を発動!元々の持ち主が相手である俺のクリーチャーが攻撃する時、攻撃をブロックされた場合に発動でき、相手クリーチャーすべてのタフネスを攻撃クリーチャー1体のパワーと同じ数値だけダウンさせる!」
「何!?」
フィールドにいるジタンが相手フィールドに次々と投げつけた爆弾が炸裂し、その爆発の中で2体のクリーチャーが消滅する。
「くそ…俺のクリーチャーが全滅!?」
「へへ…どうだぁ!これで流れを変えてやる!ターンエンド。ターン終了と同時に、《新ベナリアの騎士》のコントロールを返すぜ。そして、俺自身の効果。相手が俺のコントロールしているパーマメント1つのコントロールを得るたびに、俺のフィールドに《宝物トークン》が1体出る!」
ファイレクシアの抹殺者
手札2
LP18
場 新ベナリアの騎士 3/1(クリーチャー・人間・騎士)タップ
速足のブーツ(アーティファクト・装備品)
ファイレクシアの闘技場(エンチャント・フィールド)
土地(白3 黒2 赤1) すべて使用済み
ジタン
手札3→0
LP10
場 盟友、トルガル 2/2(伝説のクリーチャー・狼)タップ
プルート隊隊長、スタイナー 3/2(伝説のクリーチャー・人間・騎士)絆魂
陽気な義賊、ジタン 4/4(伝説のクリーチャー・人間・ミュータント・スカウト)1/1カウンター1・タップ
「白魔導士」の杖(アーティファクト・装備品)
宝者トークン(宝物・アーティファクト・トークン)
土地(白2 赤2 緑2) すべて使用済み
「くうう…くそぉ!クソクソクソクソクソ!!よくも切り札を!!」
「ヘヘッ!悪いな!」
悔しがる《ファイレクシアの抹殺者》にジタンがヘラッとした笑いを見せつつ、鼻を人差し指でさする。
(ジタン…ジタンって、本当に、ファイナルファンタジーの…)
ゲームを託している慧は今起こっていることをいまだに信じられずにいた。
ゲームの登場人物である彼がなんでここにいて、自分に憑依して戦っているのか?
目の前の《ファイレクシアの抹殺者》も、MTGのゲームのクリーチャーであり、あくまでも実在しないはず。
昨日から、自分は夢を見ているのか。
「くっ…だが、《速足のブーツ》は1マナあれば装備できるカード。5マナ以下のクリーチャーを出せば、すぐに装備してまた攻撃できる!まだ俺にツキがある!!」
ファイレクシアの抹殺者
手札2→4
LP18→17
「来た!!俺は土地カードを置き、手札からこいつを召喚する!現れろ、《墜ちたる者ヴォルラス》!!」
ドロドロと怪しい液体がしたたる触手を体のいたるところから生やした青い騎士が現れる。
人間の身体に触手が生えているいびつなクリーチャーにジタンへ顔をしかめた。
墜ちたる者ヴォルラス 6/4(伝説のクリーチャー・ファイレクシアン・多相の戦士)③・黒・黒・黒
「俺は1マナを使い、《ヴォルラス》に《速足のブーツ》を装備。これで、ターンエンド」
ファイレクシアの抹殺者
手札4→2
LP17
場 新ベナリアの騎士 3/1(クリーチャー・人間・騎士)
墜ちたる者ヴォルラス(《速足のブーツ》装備) 6/4(伝説のクリーチャー・ファイレクシアン・多相の戦士)呪禁
ファイレクシアの闘技場(エンチャント・フィールド)
土地(白3 黒3 赤1) すべて使用済み
ジタン
手札0
LP10
場 盟友、トルガル 2/2(伝説のクリーチャー・狼)タップ
プルート隊隊長、スタイナー 3/2(伝説のクリーチャー・人間・騎士)絆魂
陽気な義賊、ジタン 4/4(伝説のクリーチャー・人間・ミュータント・スカウト)1/1カウンター1・タップ
「白魔導士」の杖(アーティファクト・装備品)
宝者トークン(宝物・アーティファクト・トークン)
土地(白2 赤2 緑2) すべて使用済み
「でかい図体だな! だが、ただの化け物じゃ俺には勝てねえぜ!」
ジタンの軽快な声がバリア内で響く。
本体に呼応するかのように《陽気な義賊、ジタン》は、目の前に立つ《墜ちたる者ヴォルラス》を睨みつけ、盗賊刀を軽く振る。
触手を蠢かせ、禍々しいオーラを放つクリーチャーは、明らかにこれまでの敵とは一線を画す存在感だ。
(ジタン、これ…本当に勝てるの? あの《ヴォルラス》、強いよ…)
目の前のクリーチャーが放つ圧倒的な威圧感に、慧の心は縮こまる。
「心配すんなよ、ケイ!俺のターン!!」
ジタン
手札0→1
「いくぜ!俺はフィールドの《「白魔導士」の杖》をおっさんに装備!」
(お、おっさん??ああ、《スタイナー》か…」
「こいつを装備したおっさんのパワーとタフネスは1アップして、クレリックを追加だ!」
愛用の剣が消え、騎士である自分には不釣り合いな杖を手にした《プルート隊隊長、スタイナー》はひとまずそれをいつも通りに両手剣のように構える。
ただ、重量も耐久性も違うそれに対して違和感を感じずにはいられない。
プルート隊隊長、スタイナー 3/2→4/3(伝説のクリーチャー・人間・騎士・クレリック)
「いくぜ!おっさんと俺でバトル!!」
杖を持つ《スタイナー》と盗賊刀の《ジタン》が相手に向けて突撃し、道を阻むように《新ベナリアの騎士》が立ちはだかる。
「…《スタイナー》の攻撃を《新ベナリアの騎士》でブロック」
杖と剣がぶつかり合い、それぞれの攻撃に耐えきれずに両者が消滅する。
「悪い、おっさん…だが、おっさんの絆魂と《「白魔導士」の杖》の効果で俺のライフは回復!そして、俺の攻撃は届く!」
《ファイレクシアの抹殺者》の前に到達した《ジタン》の盗賊刀が胴体を切りつけ、ダメージを受けた相手が後ろにのけぞる。
「ちぃ!!!!」
ファイレクシアの抹殺者
LP17→13
ジタン
LP10→14→15
(やった…ライフが逆転した。けど…)
「俺はこれでターンエンド」
ファイレクシアの抹殺者
手札2
LP13
場 墜ちたる者ヴォルラス(《速足のブーツ》装備) 6/4(伝説のクリーチャー・ファイレクシアン・多相の戦士)呪禁
ファイレクシアの闘技場(エンチャント・フィールド)
土地(白3 黒3 赤1) すべて使用済み
ジタン
手札1
LP15
場 盟友、トルガル 2/2(伝説のクリーチャー・狼)タップ
陽気な義賊、ジタン 4/4(伝説のクリーチャー・人間・ミュータント・スカウト)1/1カウンター1・タップ
「白魔導士」の杖(アーティファクト・装備品)
宝者トークン(宝物・アーティファクト・トークン)
土地(白2 赤2 緑2) 白1 赤1 緑1 使用済み
「ヒ、ヒヒ!ヒヒヒヒ!無駄無駄、この《ヴォルラス》がいることで、お前の敗北は決まったのだ!俺のターン!!」
ファイレクシアの抹殺者
手札2→4
LP13→12
「黒1マナを含む2マナを使い、《ヴォルラス》の効果を発動!!手札からクリーチャーを1枚捨てることで、ターン終了時まで《ヴォルラス》のパワーとタフネスを墓地へ送ったクリーチャーのマナ総量と同じ数値分アップする」
「何!?」
「ただの化け物にやられる屈辱を与えてやるよぉ!!ガキィ!!」
手札から捨てられた全身から石油を滲み出しているゾンビ化した黒いドラゴン、《ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド》が体のすべてを石油に変えて《墜ちたる者ヴォルラス》に吸収される。
力を得た《墜ちたる者ヴォルラス》は狂ったような叫びをあげながら巨大化する。
墜ちたる者ヴォルラス(《速足のブーツ》装備) 6/4→14/12(伝説のクリーチャー・ファイレクシアン・多相の戦士)呪禁
「パワー14だってぇ!?」
「ヒヒヒ…それだけではない。俺は更にソーサリー《ゾンビ化》を発動。墓地のクリーチャー1体を復活させる。現れよ、《ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド》!!」
《ゾンビ化》発動と同時に地面から噴き出す大量の石油。
それとともに腐った肉体を取り戻した《ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド》がフィールドへと帰還する。
ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド 7/7(クリーチャー・ファイレクシアン・ゾンビ・ドラゴン)⑥・黒・赤
「捨てたクリーチャーを復活させただって!?」
「はははははは!!《ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド》が存在する限り、俺のフィールドのすべてのファイレクシアンはトランブルと速攻を得る!!」
墜ちたる者ヴォルラス(《速足のブーツ》装備) 6/4→14/12(伝説のクリーチャー・ファイレクシアン・多相の戦士)呪禁→呪禁・トランプル・速攻
ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド 7/7(クリーチャー・ファイレクシアン・ゾンビ・ドラゴン)なし→トランプル・速攻
(そ、そんな…パワー14と、パワー7の…速攻と、トランプル…)
トランプルの持つクリーチャーはたとえブロックしたとしても、超過ダメージがプレイヤーを襲うことになる。
これではフィールドの《ジタン》と《トルガル》でブロックしたとしても、ライフをすべて失うことになる。
「キハハハハハハハハ!!俺の、俺の勝ちだぁ!!」
2体のファイレクシアンによる石油の匂いのこもった炎と触手が襲い掛かる。
「馬鹿めがああああ!!ブロックも何もできない今じゃあ、素直に…」
「俺の秘技はこれだけじゃねえんだよ!俺は手札からインスタント《秘技:とんずら》を発動!俺のフィールドのクリーチャーを追放する!」
《墜ちたる者ヴォルラス》の触手の一撃を受けたジタンだが、急に《ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド》が放ったはずの炎が消え、フィールドにいたはずの《陽気な義賊、ジタン》も消えていた。
「そして、相手クリーチャー1体はこのターン、攻撃もブロックもできなくする!」
ジタン
LP15→1
「そして、この効果で追放したクリーチャーは次の俺のターンの終了時までプレイしてもよく、コストが2少なくなる」
「ぐぬぬぬ…だが、もうライフは8!俺の勝利は決まっている!ターン終了!!」
ファイレクシアの抹殺者
手札2
LP13
場 墜ちたる者ヴォルラス(《速足のブーツ》装備) 6/4(伝説のクリーチャー・ファイレクシアン・多相の戦士)呪禁・トランプル・速攻 タップ
ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド 7/7(クリーチャー・ファイレクシアン・ゾンビ・ドラゴン)トランプル・速攻 タップ
ファイレクシアの闘技場(エンチャント・フィールド)
土地(白3 黒3 赤1) 白3 黒2 赤1 使用済み
ジタン
手札1→0
LP1
場 盟友、トルガル 2/2(伝説のクリーチャー・狼)タップ
「白魔導士」の杖(アーティファクト・装備品)
宝者トークン(宝物・アーティファクト・トークン)
土地(白2 赤2 緑2) 白2 赤2 緑1 使用済み
「ふううう…なんとか、生き延びたぜ…!!」
(生き延びたって、でも…もうライフがたったの1しか…!)
「いいんだよ、ケイ!これで勝てる!もう、あいつに次のターンはねえ!俺のターン!」
ジタン
手札0→1
「追放されている俺自身を召喚!《トルガル》の効果でパワーアップだ!」
陽気な義賊、ジタン 3/3→4/4(伝説のクリーチャー・人間・ミュータント・スカウト)③・白・赤 1/1カウンター0→1
「更に、召喚した俺の能力を発動!相手のクリーチャー1体のコントロールを得る!俺はお前の《ジェネレイド》のコントロールを得る!」
再び《陽気な義賊、ジタン》の手によって奪われるクリーチャーのコントロール。
だが、《ファイレクシアの抹殺者》は余裕の態度を崩さない。
「それがどうした!?次のターンでコントロールが戻るうえに、いくら2体で攻撃しても俺のライフは残る!そして…」
「いいや、お前にライフはもう残らねえ!俺自身が戦場に出たことで、墓地の《秘技:とんずら》の効果発動!こいつを墓地から追放することで《裏技:フリーエナジー》が発動し、赤と白のマナを追加する!更に、墓地の《秘技:めいわくをかける》は俺自身がフィールドにいるとき、赤2マナを含む5マナを支払うことで追放し、ソーサリー《裏技:ストラサークル5》として発動!俺自身に1/1カウンターを3つ置き、更にターン終了時まで破壊不能と速攻を得る!」
5マナをその身に宿した《ジタン》がトランス状態となり、体毛がピンク色に染まるとともに盗賊刀が光を宿す。
陽気な義賊、ジタン 4/4→7/7(伝説のクリーチャー・人間・ミュータント・スカウト)③・白・赤 1/1カウンター1→4 なし→速攻・破壊不能
「な、なにぃ!?」
「いけえええええ!!」
主を裏切った《ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド》のブレスが《ジタン》の盗賊刀に吸収され、紅蓮の刃となったそれが《ファイレクシアの抹殺者》に襲い掛かる。
切り裂かれたと同時に炎上する彼はあまりに熱にのたうち回る。
「ギエエエエエエ!!だ、だが…俺が、来たということは…もう、この世界は、ギヤアアアアアアアア!!」
ファイレクシアの抹殺者
LP13→6→0
ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド ⑥・黒・赤
クリーチャー-ファイレクシアン・ドラゴン・ゾンビ
「ファイレクシアの邪龍、ジェネレイド」が戦場に出続けている限り、あなたの戦場に存在するファイレクシアンのクリーチャーは速攻とトランプルを得る。
7/7
『中身は機械だが、外見のみ完全に生身の人間と同じ見た目をしているファイレクシア人がいるのだ。外見をドラゴンとした存在がいても、おかしくなかろう?』
秘技:とんずら 赤・白
インスタント
バトルステップ中、自分がコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、そのカードを追放する。その後、相手クリーチャー1体はこのターン、攻撃とブロックができない。この効果で追放したカードは次の自分のターン終了時までプレイしてもよく、その場合に唱えるコストは2少なくなる。
●裏技:フリーエナジー:あなたの墓地にこのカードが墓地に存在し、自分が「陽気な義賊、ジタン」を戦場に出したとき、墓地のこのカードを追放する。その後、白・赤を加える。「秘技:とんずら」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。
『逃げろーーーーーー!!』(《陽気な義賊、ジタン》)
秘技:めいわくをかける ①・赤
インスタント
元々のコントロールが対戦相手である自分のクリーチャーが攻撃し、その攻撃が相手のクリーチャーにブロックされているときに発動できる。そのクリーチャーをコントロールしている対戦相手のすべてのクリーチャーはターン終了時まで-X/-Xの調整を受ける。Xは攻撃している元々のコントロールが対戦相手である自分のクリーチャーのパワーと同じになる。
裏技:ストラサークル5 ③・赤・赤(あなたの墓地にこのカードが存在し、自分が「陽気な義賊、ジタン」をコントロールしているとき、墓地のこのカードをソーサリーとして唱えてもよい。その後、それを追放する。その場合は以下の効果となる。)
●自分がコントロールしている伝説のクリーチャーであり、スカウトであるクリーチャー1体に1/1カウンターを3つ置き、ターン終了時まで速攻・破壊不能を得る。
『へへ…これをこうして、そこを動くなよ?』(《陽気な義賊、ジタン》)
ゲームが終わり、バリアが消えたことでジタンが地上の公園に降りる。
そして、憑依されていた子供については無傷の状態で気を失っていた。
「うっし…」
(よ、よかったぁ…)
「ああ…って、あれ…どうなってんだよ、これ!?」
気が抜けたジタンが慧の身体から出てしまい、同時に慧は急激に感じた疲労と怪我によってその場に倒れてしまう。
「おいおいおい!ケイ、おいケイ!ああ…どうしたらいいんだよ…!?」
もう1度憑依しようにも、今の慧に憑依しても気絶したままでは意味がない。
途方に暮れる中、慧が持つカードケースが光り、同時に上級に虹色のゲートが出現する。
「なんだよ、まだ何かって、こいつは!?」
警戒するジタンだが、ゲートからやってくる存在に目を丸くする。
それはジタンにとっては見知った存在の飛空艇だった。
「なんで…プリマビスタが…!?」