泥門の2番手   作:実らない稲穂

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賊学カメレオンズ戦その2

 

 

 セナのタッチダウンを皮切りに泥門デビルバッツの動きが変わった。

 相手に合わせてディフェンスを変える賊学カメレオンズに対し、先読みで攻め手を変える泥門デビルバッツ。

 場合によっては後手に回れば有利な場面もあるだろうが、それじゃあうちの悪魔みたいなキャプテンを上回れない。

 

 

 

 『タッチダウン!!』

 

 

 第2クォーター終盤、モン太へのパスが成功しこれで12対14。

 後半からが鬼門だな、ラインが弱点だとバレてるし…攻め方を変えてやるか。

 

 

「おいそこの3人アップしておけ」

「ハ?」

「はあ?」

「はぁぁあああ?」

 

 栗田が偶然見つけて連れて来た背番号は51、52、53番に指示を出すと逆ギレされた。

 

 見た感じ喧嘩慣れしてそうだし、賊学のメンバーの喧嘩殺法で来てる。何となく賊学とは仲良し(意味深)になれそうな気がする。

 

「大体なんで俺らが出なきゃなんねぇんだよ」

「ユニフォーム着てるから」

「そんな理由かよ!」

「大方ヒル魔の餌食になったんだろ?やれ」

 

 一時期学校に貼られていたモザイクのポスターとか関係してそうだし、ヒル魔がなんかやって脅された可哀想な奴らだろ。

 

「んな面倒な事誰がやるか!」

「……」

 

 ここまでやる気がないって面倒だな。大体の奴らは諦めてヒル魔の奴隷になってんのに反抗してくる……あぁ、やる気出させればいいのか。

 

「お前ら3人がこの試合に出て活躍すれば俺からヒル魔に言って脅されてるネタを消してやるよ」

「「「!!」」」

「こう見えて俺はヒル魔よりも上、さっき俺が水かけてやったのに仕返しは蹴りだけだったの見てただろ?」

「た、確かに…!」

「そこでお前ら3人がヒル魔の度肝を抜かす活躍をしてやれば俺からヒル魔に言って助けてやる。どうだ?」

 

「作戦会議だ」

 

 金髪坊主が2人を集めて話し合いが始まった。

 

 

サングラス「嘘だろあれは」

タラコ「さっきヒル魔にやったの見たから嘘じゃねぇかも」

サングラス「つまりマジ?」

金髪坊主「だけどあのヒル魔だぞ?下につくような男か?」

サングラス「じゃあどっち?」

 

タラコ「もしかしてあいつがここを牛耳ってるボスか?」

金髪坊主「分からねぇが、脅されてる感じがねぇよな」

サングラス「ここであいつの言う通りにやっておくか?」

金髪坊主「活躍すりゃネガを消すって言ってるし…やるか?」

タラコ「やるっきゃねぇだろ!」

サングラス「もうコソコソする必要がねぇならやるか」

金髪坊主「やるぞ」

 

 

 どうやらやる気が出てきたみたいで体を動かし始めている。

 

 

 

「時々双葉君ってヒル魔君以上に危険人物なんじゃないかと思う」

「んな訳あるか、各々のやる気スイッチを押してるだけで全員自主的に行動をしてる。俺はヒル魔みたいに脅さねぇ」

「それが余計にタチが悪いんだけど…」

 

 消すようヒル魔に言うと言ったがあのヒル魔が消すわけねぇ。もちろん勝ったら活躍したに関わらず言うつもりだが、実行するか否かはヒル魔次第だ。

 つまり……俺の言葉に上手く乗せられた可哀想な3人ってオチ。

 

 

 

「体は温まったか?」

「おう、いつでもいけるぜ」

 

 軽く汗をかいている金髪坊主に聞くと頷いて答えてくれた。

 

「なら俺から指示を出す。あのでかい奴栗田の隣で相手をぶちのめせ。そうすりゃヒル魔はまさかお前らがこんな活躍するなんて!って感じで顔には出さねぇが喜ぶ、活躍したかどうかは俺が判断して結果次第でヒル魔に交渉をする」

「ちゃんと見ておけよ」

「当然だ、上からビデオに撮ってるから不正は出来ねぇ。逆にお前らがどれだけ後で活躍したと嘘ついてもビデオがあるから嘘は通じねぇぞ」

「それでいい、他には?」

「まだやる気か?……あー…なら出来ればでいい、ぶちのめした後アイシールド21のフォローをしてくれ。あいにくそれは俺でも無理だから無理にとは言わねぇ」

 

 本当は出来るんだが、ここは敢えて誰も出来ないと言ってアピールポイントを用意してやろう。

 

「……へぇ、例えばだがどうフォローすんだ?」

「フォローの仕方?アイシールド21を止めようと来るディフェンスから守る盾役、当然そいつらもぶちのめしてOKだ」

「分かりやすくていいな、やってやりゃあいいんだろ?」

「無茶すんな、やってくれれば最高だがそんな奴はほんのひと握り…俺は強制したくねぇ」

 

 自主的に動いてくれるならそれが楽だからな。

 

「わかったわかった、テメェが俺らを心配してる様だがやれるだけの事をやればいいんだろ」

「そうそう、頼んだぞ」

 

 

 

 フィールドを見ればもうすぐ前半が終わるまで1分も無い。

 スコアを見れば18対14、いつの間にかタッチダウン3本決めて逆転していた。

 

「お前らは後半からだ、堂々と行け」

「おう!」

「あぁそう言えば名前は?」

 

「俺は十文字一輝(じゅうもんじかずき)、こっちは黒木浩二(くろきこうじ)戸叶庄三(とがのうしょうぞう)だ」

 

 金髪坊主は十文字、タラコ唇は黒木、サングラスは戸叶か。

 

「俺は双葉蓮次だ、後半頼んだぞ」

 

 

 

 

 前半が終わり、ハーフタイム。

 試合に出ていたメンバーを休ませつつ、ヒル魔だけを離れた所へ呼んだ。

 

「俺が居なくてもやれるじゃん」

「ったりめぇだカス、何が負けたら俺を追い出して泥門デビルバッツを貰うだクソが」

「おー怖い怖い、おかげで目が覚めただろ」

「ケッ」

 

「んで後半からだ、あの3人をラインに入れろ。見るからに喧嘩慣れしてる、ラインが弱いとバレてる以上そこを補強しねぇとやられるぞ」

「あ?…あぁハァハァ三兄弟か、喧嘩慣れしてるだろうがやる気ねぇ連中だ」

「ヒル魔を喜ばせれば脅してるネタを消すよう説得すると取引してる。好きなだけ無茶ぶりしろ」

「ほーう?ケケケッそりゃいい、使い潰してやるぜ」

「ちなみに?」

「却下」

「知ってる」

 

 あーかわいそうな3人、一体誰のせいでこうなったんだろうなー(棒読み)

 

「後半頑張れよ」

「黙って見てろファッキンセカンド、テメェがいなくても泥門デビルバッツは勝てんだよ」

「そうだよな、そうじゃなきゃ困る」

「……ちっ」

 

 本来の調子を取り戻したヒル魔はヘルメットを被って後半戦へと向かった。

 

 

 後半からはハァハァ三兄弟を加えた事により栗田が大喜びしてライン陣が奮闘。俺の指示通りに賊学のラインをぶちのめし、顔には出さないがヒル魔は大喜びして次から次へとハァハァ三兄弟へ指示を出して行った。

 

 ラインがしっかりしたと言うのは栗田とヒル魔だけが喜ぶものじゃなく…パスをする時間が稼げる、ランのルートが大回りじゃなくなる、キックをする時にプレッシャーがかかりにくいと…オフェンス全体に良い効果をもたらす。

 オフェンスの土台であるライン、そこが出来上がれば勝利を掴むのは割と難しくない。

 

 

 後半を通して見れば、最後の1秒まで油断せずラインマンを鼓舞し続けた栗田と、セナとモン太をオフェンスの中心にしつつ石丸を使ったランを混ぜたり自分で持って走って撹乱と…ヒル魔の頭脳プレイが光ったいい試合になっただろう。

 

 

 『試合終了!!』

 

 スコアは46対28、18点差をつけて勝利。

 

 反省点は多い、後日ビデオを全員で見て反省会と今後の対策とやることはあるが……。

 

「全員よくやった」

 

 今はフィールドに出た選手達を労おう。

 ベンチに戻って来る選手達とハイタッチを交わし、特に奮闘してくれたハァハァ三兄弟には頭を撫でて褒めてやった。

 

 

 試合終わりに何やら葉柱がごねたみたいだが、ヒル魔が大量の銃を構えて脅し一件落着。賭けていた500万円は手に入れられなかったが代わりに奴隷を手に入れたヒル魔は勝利したのと奴隷を増やした事によりテンションは上がりに上がって楽しそうだ。

 

 

 

 

 さて、今日俺達泥門デビルバッツはただ賊学カメレオンズと練習試合をした訳では無い。

 本来の目的はこの試合を見た泥門生徒をアメフト部に入部させるきっかけを作る試合だ。試合する前日には校内放送でヒル魔が宣伝したし、ポスターを貼って宣伝もした。

 試合は快勝してこれでもかと宣伝できただろう。

 

 

 

 

 

 写真の件?後でもう1回ヒル魔に聞いたら「却下」って一蹴されたぞ?つまり無理だって話、あの3人はこれからも脅され続けるなんて可哀想(他人事)

 交渉は失敗したと伝えると3人は俺にキレて来たが、ヒル魔から借りていたハンドガンをチラつかせれば大人しくなってくれて何も言わずに解散してくれたのだった。

 

 






 という訳で賊学戦でした。
 

 点差は原作通り、原作との違いはヒル魔に脅されて渋々参加するハァハァ三兄弟と口車に乗せられてやる気を出して参加するハァハァ三兄弟って感じですかね。

 まぁどっちにしても脅されているネタはそのままですけど(笑)



 次回は新入部員編!多少カットしていきなり入部テストになります!!
 それではお楽しみに!!
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