まさかの昨晩投稿し忘れ( ˊᵕˋ ;)
今晩は投稿無しにして明日の夜にまた投稿しますのでよろしくお願いします(っ ॑꒳ ॑c)
それではどうぞ。
合宿が終わり、参加したメンバーの基礎もある程度身に付いた週明け。予定していた部室の増築工事を手伝うことになった。
今回作るのはシアタールーム、試合のビデオをここで流す為に作られる。
後2週間も無いうちにNASAエイリアンズと試合だが基礎鍛錬は大事、武蔵工務店を主体にライン組とバックス組で別れて練習と工事をすれば効率的に進むだろうな。
「「双葉さん!」」
工事の手伝いをしていると、セナとモン太が話しかけてきた。
「ムサシ先輩って誰ッスか!?」
ムサシ?ちょうど後ろでヒル魔と工事について話してるんだが……そうか、こいつら知らねぇのか。
というかこいつら、昨日盤戸スパイダーズのキッカー”佐々木コータロー”が道場破りに来たのがきっかけでムサシの存在を知ったんだな。
「なんでムサシを探してんだ?」
「ほら昨日盤戸スパイダーズのキッカーが来たじゃないッスか」
「あぁ、来てたな。ムサシを探してる佐々木コータローだろ」
来た目的は「60ヤードマグナム」の異名を持つムサシに勝負を挑む為。
あいにくムサシはコンクリートの材料を取りに行ってたので不在、空振りで終わっていたのを覚えている。
「うちにそんなすげーキッカーが居るなら戻って来てもらいましょうよ!」
「ふーん?それでムサシがどんな奴か教えろってことか」
「そうッスよ!」
ヒル魔が俺を見て小さく首を横に振っているのが見えた。どうやらムサシについては隠すつもりらしい。
とは言え知らないなんて言えねぇ。
「そうだなぁ…………大切なものを守る為に好きなアメフトを辞めて頑張る努力家って感じか。不器用な奴だがアメフトに対する姿勢は本物で、俺はそいつからアメフトでどうやれば強くなれるか教わった師匠的な奴だ」
「双葉さんの師匠ですか!?」
「あー絶対勘違いしてるな?見取り稽古で学ぶって方法を発案したのがムサシってだけ。技術的なものは一切教わってねぇ」
「そうですか」
「ムサシのキックがあれば余裕で勝てた試合もあっただろうな…それだけキッカーとしての才能はピカイチで誰もムサシみてぇにはなれねぇ、ほんとにすげぇ奴だよ。そんだけだ」
「なるほど、ありがとうございました」
「ちっがーう!!見た目どんな先輩なのか教えて欲しいって話ッスよ!!」
セナは誤魔化せたのにモン太は出来なかったか。
「どんな奴か教えろって言ったのそっちだろ?だから答えた、何か問題でも?」
「大ありッス!見た目!どんな先輩か分からねぇのに探しようがねぇッスよ!!」
「ちっ……はーめんど」
「めんどっ!?ひっでぇ!」
「落ち着いて考えてみろ、セナとモン太が探す前にムサシを知ってて真っ先に動く奴が1人いるだろ。そいつが動かねぇで何でお前らが動くんだ?好奇心に駆られて短慮になってんぞ」
「うぐっ…!」
「真っ先に動く人って誰ですか…?」
「ヒル魔」
「あぁ!」
「そいつが動かねぇならお前らが探しても意味ねーだろ。本音を言えば俺も戻ってきて欲しいんだがあいにくあいつは頑固でな…簡単には首を縦に振ってくれねぇ。どうしたもんか」
チラッとムサシが居る方を見ると、ヒル魔がニヤニヤとムサシを見ていて、ムサシはバツが悪そうに目線を逸らして空を見ていた。
「俺はヒル魔や栗田と比べて付き合いは短いが、アメフトが好きな奴だと直ぐに分かった。ムサシは凄くて良い奴なんだよ、ヒル魔と栗田とムサシが揃えば間違いなく日本一になれるんだよ……どうにか戻ってくれると、有難いんだがな」
「双葉さん…」
「双葉さんもムサシ先輩が戻って来て欲しいんスね」
「当たり前だろ、キッカー不在で王城戦負けたと言っても過言じゃねぇ。これから先キックの差で負ける可能性もある、お前ら1年は来年あるが俺ら2年は最後なんだ」
「あっ…」
「俺はずっと2番で終わってた、それが今1番を狙える環境にいる。最後の秋大会にクリスマスボウル、日本一……1番になってみてぇよな」
つい感傷的になってしまったな。
「さ、工事の続きやるぞ。今日のノルマが終われば練習。キツイがNASAエイリアンズに圧勝しねぇと日本からおさらばになっちまうから気合い入れていけよ」
「「はい!」」
「……結局ムサシ先輩って誰か教えてくれなかったな」
「あっそういえば……」
「こうなりゃ俺達だけで探そうぜ!」
「そうしよう」
誤魔化したが無理か。
後日、セナとモン太がムサシと勘違いしてサッカー部の室サトシと接触。
グラウンドの使用権とアメフト部に戻る約束を賭けにPK勝負をしていたそうだ。
キッカーは佐々木コータロー、ケルベロス、セナ、モン太、工事のおっちゃん(ムサシ)でとうとうセナとモン太にバレてしまったらしい。
「で、バレたけど戻る気はねぇってか?」
「…」
夜に試合を控えている今日。
部室でヒル魔と姉崎を入れた3人でムサシと話をすることにした。
「アメリカ戦に勝てば戻るって条件つけたぜこいつ」
「は?戻る気あんのに条件つけんなバカ、アメリカ戦から復帰しろ」
「お前も無茶言うよな。そんなすぐには戻れねぇよ」
「本音はやりたいって顔に出てんぞ」
「…」
「戻りたいって気持ちが少しでもあるなら親父さんに頭下げて筋を通して戻って来い。勝ったら戻る?今のお前はマジでダサすぎ」
少し離れた所で姉崎がコーヒーを飲んで苦そうにしているのが見え、シュガースティックを何本か投げながらムサシの顔にシュガースティックを突きつけた。
「お前はアメフトをやりてぇのかどうなのか、武蔵工務店棟梁の立場じゃなくて武蔵厳の心の声を出して答えろ」
「んなもんやりてぇに決まってんじゃねぇか」
「なら今日の夜アメリカ戦に戻って来い。一緒にアメフトをやってアメリカを倒すぞ」
「…………」
ムサシは返事をすること無く部室から出て行った。
外では巨大なバルーンが試合の宣伝をしていて、ムサシがバルーンを見ては立ち止まり…拳を強く握り締めて行くのが見えたのだった。
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〜武蔵厳視点〜
〜城下町病院〜
『さぁ始まりました!高校アメリカンフットボール日本対アメリカ!日本代表は泥門デビルバッツ!対するアメリカ代表はNASAエイリアンズ!』
夜、病院から呼び出された俺は急いで見舞いに来ると親父がテレビをつけていた。急変したかと思えば全然違いピンピンしている。
「このチーム、厳の学校じゃねぇか」
看護師長のイタズラかと疑う程ピンピンしていてほっとした俺は椅子に座ってテレビを見ることにした。
「……まぁな」
『実況は口から生まれたこの私!マシンガン真田!解説は主催の月刊アメフトで記者をされている熊袋さんでお送りします!本日はよろしくお願いします!』
『よろしくお願いします』
まだ試合が始まってねぇのに歓声がテレビから聞こえ、その声だけで胸が熱くなっている。
『早速ですがこの日米決戦はどう思われますでしょうか!』
『泥門デビルバッツは弱小校と言われながらも強豪校を倒しかねない攻撃的なチームですね。この日本代表を決める試合でも神奈川の強豪校太陽スフィンクスに勝利して代表の座を掴んでいます』
『なるほど!であればこの試合泥門デビルバッツが優勢ではないでしょうか!?』
……なんだ、俺が居なくても勝てるじゃねぇか。なのに1年の2人と蓮次が戻って来いなんてしつこく言ってきやがって。
『それは分かりません。何せ泥門デビルバッツはラインは今ひとつでキッカー不在、ライン勝負で拮抗したとしてもキックの差で負ける可能性は非常に高いです』
「!」
『むむむ!?では優勢なのは泥門デビルバッツではなくNASAエイリアンズということでしょうか!』
『恐らくは、都市伝説ではありまずが”60ヤードマグナム”の武蔵君が居れば状況は変わると思いますよ』
『60ヤード!?公式記録では58ヤードですがそこまで蹴る選手がいるのですか!?』
『噂ですけどね』
「…………」
まだそんな噂が残ってんのか、ありゃ嘘なんだがな。
『し・か・し!キックで入れても3点か1点!タッチダウン1本でひっくり返せるのにキッカーというのは必要でしょうか!?』
『必要ですね。タッチダウン後のトライフォーポイントでキックを入れて合計7点、外せば6点ですがこの1点が勝敗を分けます。他にも───』
「厳、臭いがしねぇぞ。いつからタバコ辞めた」
「……いつからだったかな」
『泥門デビルバッツの選手達がフィールドに出てきました!そしてNASAエイリアンズの選手達も今!フィールドに出てきました!』
「厳…アメフトやる気あんだろお前。だからタバコやめた、ちげぇか?」
「…」
「クソガキがいっちょ前に大人ぶりやがって、やりてぇことやらねぇでいつやるってんだ」
「死に損ないの老体は寝てろ」
「誰が…死に損ないの老体だって…?」
『さぁまもなくキックオフ!今夜限りの日米決戦!勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか!!』
「笑わせんなクソガキ!!」
ムサシ参戦フラグが建ちました!
Q:何故ムサシが夜に病院へ?
A:看護師長の怪しげな術が発動したから。
いよいよNASAエイリアンズ戦、果たしてどうなるでしょうか!?
NASAエイリアンズ戦の様子は実況風でお送りします。それでは!