泥門の2番手   作:実らない稲穂

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NASAエイリアンズ戦

 

 

 『1人の人間には小さな1歩だがNASAエイリアンズには勝利の1歩だ!!』

 

 『We'll Kill Them!!(ぶっ殺す!!)

 『YEAHー!!』

 

 

 

 

 

 

「デビルバッツのキックからスタートしこれからエイリアンズの攻撃!長距離パス”シャトルパス”を止める手立てはあるのだろうか!?」

「長距離パスをするにはそれなりにタメが必要です。パスを投げるまでにラインを突破してクォーターバックを倒すサックを狙うか、レシーバーについていってパス失敗させるかの2択。セオリーは後者ですが、泥門デビルバッツはどうするつもりでしょうか」

 

 

 

 

 『Set!Hut!』

 

 

「さぁホーマー君の掛け声からボールが渡りライン同士がぶつかる!……あーっと!デビルバッツラインが押し返されたぁー!!」

「太陽ラインは不動のラインですがこれは少し違います。まるで跳ね返すようなバリア…強靭な上半身があってできる事ですね」

「つまり─ッ!正にマッスルでございマッスル!クォーターバックへの攻撃を全て跳ね返すマッスルバリアだぁー!!」

 

 

 

 『3…2…1…0!!』

 

 

 

「きたぁー!!シャトルパス!!夜空に打ち上げられた楕円球はまるでスペースシャトルの如し!このパスが通ればタッチダウンだぁー!!」

「ワット君とモン太君のマッチアップ、若干ワット君の方が速いですね」

「さぁスペースシャトルは無事に月面着陸(タッチダウン)に成功するのか!!?」

 

 

 

 

 

「ムキャー!追いつけねぇ!」

 

(着地点13ヤード先…流石にこれは…!)

 

 

 

「あぁーっとワット君懸命に手を伸ばしたが届かずパス失敗!」

「長距離パスをするのに全力なのかコントロールが上手く定まらないようですね」

 

 

 

 

 『Set!HutHut!』

 

 

「さぁ2度目の攻撃!あと2回攻撃権があるエイリアンズ!またシャトルパスが炸裂するのかー!?」

 

 

 『バンプMAX!!』

 『っ!!』

 

 

「これは…!」

「おおーっと!モン太君がワット君の胸を押したぞぉ!!」

「バンプですね、今みたいにワット君にアタックしてパスのタイミングをずらすテクニックです。太陽戦で受けた経験が活きたのでしょう」

「バンプ!こんなテクニックがあるなんてとんでもない隠し技だぁ!!」

 

 

「えっ!!?」

「更にデビルバッツのディフェンス3人が持ち場を離れてホーマー君へ突撃!この人数だとマッスルバリアも防ぎ切れない!!」

「バンプにブリッツなんて奇策のオンパレード!」

「流石のマッスルTheアメリカも突然の奇襲に為す術もなく!バリアを突破した小結君がホーマー君へタックル!!」

 

 

 

 

 

 

「なっ…!?」

 

 『タッチダウン!』

 

 

 

「な、ななななんと!タックルされながらもシャトルパス成功したーぁ!!?」

「倒されながらもパス…なんてパワーなんだ」

「タックルをも無効化する肉体!これぞ本場!!マッスルTheアメリカ!!」

 

 

 

 

 ■■■■■■■■■■

 

 〜双葉蓮次視点〜

 

 キックも入れられて7点。

 

 簡単に先制を許してしまった。それに…普通なら小結のタックルで倒せるのにあのホーマー、かなり体幹が鍛えられている。

 

「タックルするなら腕に飛びつくべきだったな」

「ふ、ふごっ…ごめっ!」

「次はちゃんとやれよ。全員ブリッツする時は腕を狙いに行こう」

「アイツもそこはちゃんと警戒してる、それでもパスの成功率を下げられる腕を狙いに行け」

 

 ワットだけがシャトルパスを取れると思ってモン太にバンプを指示したが…まさか取れる奴が他にもいたとは、読み間違えたのは痛いな。

 

「モン太はバンプを毎回じゃなくて好きなタイミングで狙うように、その上でワットに何とかついて行ってプレッシャーをかけろ」

「はいッス!」

 

「ここから泥門デビルバッツの攻撃だ、どんどん点を取ってくから気ぃ引き締めろ!」

 

 

 ヒル魔の発破でプレイが始まる。

 

 

「ヒル魔、3人で繋いで行くぞ」

「先ずはデビルバット・ウィングだ」

 

 

 

 ■■■■■■■■■■

 

 

 

 『Set!』

 

「さぁいきなりタッチダウンを取られたデビルバッツ、この攻撃で返したいところ!」

「攻撃的なチームの見せ場ですね。泥門はIフォーメーションと呼ばれるオーソドックスなフォーメーションです」

 

 『HutHutHut!』

 

「ヒル魔君にボールが渡りプレイが始まってすぐに右サイドへ走る!これは自分でランをするのか!?」

「すぐ隣にはタイトエンドの双葉君が居ます、リードブロックして進むつもりでしょう」

 

「そこへアイシールド21も加わり3人で右サイドを駆け上がる!だがエイリアンズのディフェンスもマッスル!デビルバッツラインを倒して止めに走る!!」

 

 

 『ふんぬ…っ!!!』

 

 

「あーっと!リードブロックするはずの双葉君がマッスルバリアに負けて吹き飛ばされてしまった!!そのままヒル魔君に接近!!」

 

 

「あっ!アイシールド君に手渡しパス!」

「なんとヒル魔君、自分を囮にアイシールド21へパス!一気に駆け上がって行くぅ!!」

「アイシールド君の脚なら一気にゲインできる!」

「しかしアイシールド21を止める為にどんどんとディフェンスが集まって行く!このままじゃ押し出されてしまうぞー!!」

 

 

 

 『双葉さん!』

 『任された!』

 

 

「おぉーっと!ここでアイシールド21がバックパス!やられたはずの双葉君が追いつき、ボールを受け取ってから空いたスペースへ走って行く!」

「アイシールド君をも囮にして中央のスペースへ走る。そこなら左サイドを走っていたモン太君も追いつけてラテラルパスが出来る…上手い作戦だ!」

 

 

 『15ヤードゲイン!ファーストダウン獲得!!』

 

 

「モン太君へパスする前に囲まれて倒されてしまったがしかし!大きくゲインしてファーストダウン!連続攻撃ができるぞぉ!!」

「これがアイシールド君だけなら進めなかったかもしれない、1人じゃダメでも2人で、2人でもダメなら3人で、正しくチームスポーツの象徴ですね」

「オールフォーワン・ワンフォーオール!素晴らしい精神だ!」

 

 

 『Set!HutHut!』

 

 

「同じフォーメーション、またランでしょうか」

「今度はどのような攻撃に出るのかデビルバッツ!…おーっと!またヒル魔君と双葉君のコンビプレイか!?ヒル魔君がボールを持って右サイドへ走る!」

「その後ろにはアイシールド君、さっきと同じプレイで行くのでしょうか?」

「いや!双葉君が2人を守らずに真っ直ぐ上がっていく!これではヒル魔君を守る盾が無い!」

 

 

 『YA-HA-!』

 

「今度は左サイドへのパスだぁ!大きく横へズレたぶんラインを突破してパスを止めに来るまでの時間を稼ぎつつレシーバーのモン太君の走る時間を稼いだぞぉ!」

 

 

 『キャッチマーックス!』

 

 『8ヤードゲイン!!!』

 

「パス成功!」

「今回はショートパス狙いだったのでしょう。まだまだ攻撃するチャンスがあります。このままファーストダウンを取りたいところ」

 

 

 『Set!HutHut!』

 

 

「さぁデビルバッツの連続攻撃!」

「Iフォーメーション…太陽戦でやったスプレッドフォーメーションはしないですね」

「それでもデビルバッツの攻撃は止まらない!また右サイドへ走るヒル魔君!アイシールド君へボールを渡して胸元に入れたぞ!」

「今回30…石丸君ですね、この3人で行くようですが双葉君程の体格で負けるのならもっと細い彼なら厳しいのでは…?」

「あぁっと!石丸君が簡単に飛ばされてしまい、アイシールド21を止めようと腕を伸ばしたぁ!!」

 

 

 『ケケケッ一体いつからそいつにボールがあると錯覚していた?』

 

 

「「あっ!」」

「なんと!なんとアイシールド21の腕の中は空!」

「フェイクだ!全然気付かなかった!」

 

 『YA-HA-!!』

 

「我々もエイリアンズも欺くフェイク!ボールを持っているヒル魔君が右サイドから真っ直ぐに投げる!」

「モン太君は左サイドにいて取れない…そっちは…あっ!!」

「なんとそこには双葉君だぁ!双葉君が走る走る!着地点へ向けて全速力!エイリアンズは全員アイシールド21に釣られて誰も居ない!」

 

 

 

 

 

 

 『タッチダウン!!』

 

 

 

 

 

 

「悠々とキャッチして残りを走ってタッチダウーン!!双葉君へのパスでデビルバッツ6点!!」

「これまでフォローに回り続けていた双葉君は初めてのタッチダウン。キャッチした本人も凄く喜んでいるようですね」

「さぁこれで1点差!キックが入れば同点になります!!」

 

 

 

 

 

 

 ■■■■■■■■■■

 

 

 『デビルバッツのトライフォーポイントはキックを選択!キッカーのヒル魔君がポジションにつきます!』

 『これまでヒル魔君のキック成功率は5%、キッカー失格レベルです。このまま入らなければ1点差で試合が進んでしまいます』

 『やはりキッカー不在の穴はデカイ!蹴ったヒル魔!ボールがポストから大きく左へ逸れて観客に直撃だ!!』

 

「どこ蹴ってんだよ」

 

 痛む頬を摩りながら軽トラを走らせ、思わず呟いた。

 

 

 ―厳のやりてぇ事をやらせねぇ親父が何処にいる!アメフトやりてぇならさっさと行けクソガキ!!―

 

 久しぶりにぶん殴った親父がそう言って俺を叱り、病院を追い出され…外で待っていたのは玉八達。

 玉八の手には俺が捨てたはずの制服を持っていて……親父の事は心配するなと言われ、会場へ行くよう説得されて…。

 

 

 

 急いで着替えて軽トラを走らせた。

 

 

 

 もしかしたら間に合わねぇかもしれねぇ、それでもアメフトができるのなら、1度裏切った俺が戻って来ると信じ続けている奴らがいるのなら……。

 

 

 

 

「間に合ってくれ…!」

 

 アクセルを踏み込み、スピードを上げた。

 

 

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