「タッチダウンを取っては取られての一進一退の攻防!日米決戦はお互い激しい攻撃が続いています!!」
「第2クォーターの中盤、前半終了まで残り5分でデビルバッツは1度目のタイムアウトを要求。現在21対18の3点差、NASAエイリアンズがリードしている状況です」
「エイリアンズはシャトルパスで大きく進んでタッチダウン!加えてトライフォーポイントではキックを成功させて合計7点ずつの加点!対してデビルバッツはランとパスを織り交ぜて多彩な攻撃で進んでタッチダウン!しかしトライフォーポイントは全て失敗!6点ずつ加点してマッスル!」
「3点差と思われますが、このままタッチダウンの取り合いになればいずれ泥門デビルバッツはNASAエイリアンズに追いつけなくなります」
「同じタッチダウンでもわずか1点取るか否か!この1点の差で勝敗を決してしまう!アメリカンフットボールの奥深いところでございマッスル!!やはり熊袋さん!試合開始前にお話されていたキッカー不在が大きいのでしょうか!?」
「そうですね、キックで取れる点は3点か1点…タッチダウンと比べて少ないですがキック1つで状況を変えられる場合があります。それを話す時間はあまりないかと……」
「さぁ試合が再開します!今現在はデビルバッツの攻撃!残り5分でどれだけ点差を縮めて離せるのか!!」
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〜双葉蓮次視点〜
「残り5分、出来ればここでタッチダウンを取って逆転した状態で後半に入りたい」
「運良くファッキンチビのブリッツが決まってホーマーからボールを奪い取ったのは僥倖だな」
「そこからだ、あのゴンザレス弟…厄介だぞ」
ボールを確保した状態でタイムアウトを取ったものの…ここからの打開策が思い浮かばねぇ。
ラインの大便ゴンザレスとラインバッカーの小便ゴンザレス……大便は栗田が抑えて何とか踏ん張ってはいるが劣勢、そこへ小回りの効く小便が来たことでセナのランが厳しくなってしまった。
「この点差だったら後半まだ行けるんじゃねぇッスか?」
「このままタッチダウンの取り合いになれば分が悪い、今は3点差だが次取られれば4点、5点と徐々に広がっていくだろ?」
「あっ…そッスね」
「それに後半は俺達の攻撃から、ここでタッチダウンを取って後半を迎えれば3点リードのまま更にタッチダウンを取って行けば点差を広げられるって話だ」
「なるほど…!」
それでも2点、1点と直ぐに差を縮められるけどな…。
「ヒル魔、スプレッドフォーメーションで攻めよう。セナを後ろに下げてパスとランの2択を相手に迫って動揺を誘って行こう」
「パス壁が保ちゃあな、耐えきれねぇのにやったところでサックされるのがオチだ」
「頑張るよ!」
「栗田もそう言ってる。なるべく耐えてくれ、その間に俺達が走って距離を稼ぐ」
「ダッシュMAXでタッチダウン出来るようにするッスよ!!」
「ちっ…しゃーねー。ライン共!跳ね返されてばっかで簡単にやられんじゃねぇぞ!」
ヒル魔が栗田達に発破をかけると、タイムアウトが終わった。
「セナ」
「はい」
フィールドを歩きながらセナへ話しかけた。
「スプレッドフォーメーションはパスに目が行きがちだがランの対応も出来る、状況によって瞬時にランへ切り替えるから毎回ヒル魔の目をよく見ておけ」
「目、ですか?」
「ヒル魔の状況判断能力は高い、絶対にランで行くんだって気持ちを切らさず毎回貰いに動け。その時になれば必ずヒル魔はお前を見るから見逃すな」
「はい!」
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『Set!』
「おおっとこのフォーメーションは!?さっきと違うぞぉ!」
「スプレッドフォーメーション、パスとラン両方に対応したフォーメーションです。しかもヒル魔君の後ろにはアイシールド君がいますね」
「つまりデビルバッツはランかパスかの2択でエイリアンズに揺さぶりをかけてきた!そういうわけですね!」
「エイリアンズはどう対処するのでしょうか」
『HutHut!』
「ヒル魔君へとボールか渡り、左から順にモン太君、石丸君、双葉君、山岡君が走り出した!」
「エイリアンズもパスを通す訳には行かないので着いて行きました、こうなればラインを崩してサックを決めに行くしかありません」
「マッスルバリアがデビルバッツラインを突破するか!はたまたデビルバッツラインがマッスルバリアを耐え切れるのか!パワーとパワーのぶつかり合いでマッスル!」
『YA-HA-!』
「ギリギリ!マッスルバリアがデビルバッツラインを突破した瞬間にヒル魔君がボールを投げた!」
「ボールの方向はモン太君ですね、左サイドを走ってから中央へ入り込むフェード、パスルートの1つです」
「だけどエイリアンズディフェンスも黙っちゃいない!モン太君と競り合いが始まる!!」
『俺はキャッチじゃ誰にも負けねぇ!!』
『14ヤードゲイン!ファーストダウン獲得!!』
「取った!モン太君が取ったぁ!」
「最後に飛びついたおかげで両手に収める事が出来ました!キャッチへの執念が生んだスーパープレイですね!」
『Set!Hut!』
「さぁデビルバッツの連続攻撃!」
「スプレッドフォーメーション、いよいよデビルバッツの本領発揮でしょうか」
「さぁ今度は誰に投げるのか!?」
「これまでの傾向ではロングパスならモン太君、ショートパスなら双葉君でした。今は2人共奥へ走っていますのでエイリアンズも中々絞りきれないと思いますよ」
「あぁーっと!しかしマッスルバリアがデビルバッツラインを突破!大便ゴンザレス君がヒル魔君へと向かう!!」
『ちっ…!』
「ヒル魔君がボールを投げてパス失敗!!」
「これがありますから中々パスは投げにくいでしょう」
「さぁ残り45ヤードで前半終了まで後2分!このまま3点差で前半を終えてしまうのか!?それともタッチダウンを決めて逆転を狙うのか!?注目の攻撃が始まります!!」
『Set!HutHut!!』
「ヒル魔君にボールが渡り、パスを投げる体勢を取った。やはりパスで一気に進むつもりでしょう」
「そこへアイシールド21が走り込む!パスと見せかけてランかランと見せかけてパスか!」
『小さいからって舐めるなよォ!』
『あぁっ!』
「あーっと!アイシールド21がボールを持って走るが小便ゴンザレス君に捕まってしまった!!0ヤード前進!進まず戻らずの状態だ!」
「ヒル魔君のフェイクに引っかかったのに素早い動きで追いつく、小柄であるが故の運動能力でしょうか」
「大きくて便利なゴンザレス君と小さくて便利なゴンザレス君!2人のゴンザレスにデビルバッツは為す術がないのか!?」
『タイムアウトォ!』
「ここでデビルバッツが2度目のタイムアウトですか、何か作戦会議をするつもりでしょう」
「何としても点を入れたいという意志をここでもひしひしと感じます!」
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〜双葉蓮次視点〜
「さっき頑張る!って言ったくせにやられやがったなこのファッキンデブ!!」
「ごめんよヒル魔〜!」
「テメェらもそうだ!パス壁は耐えろって何回言えば覚えんだハァハァ三兄弟とファッキンデブJr!!」
ヒル魔がライン組にブチ切れて蹴りをしている中セナが俺の方へ話しかけてきた。
「双葉さん、僕が走ります!」
セナがやる気を見せている。
「ランか……俺のリードブロックで守れるのは1人。お前が抜いて一気に上がるとフォローが間に合わねぇ、1人で行けるか?」
「行きます!」
……セナ1人に任せるのは俺の中では違うと思っている。かと言って今のセナの熱を冷ませるような事は避けたい。
こうなったらセナのランに期待するしかねぇのか?
「っ!……ケケケッ遅せぇぞ」
「?」
ヒル魔が一瞬驚いた顔をすると笑みを浮かべた。
「遅すぎて時間を数えんのも億劫になる程だ、あーほんとにクソみてぇに待たせやがって」
「ヒル魔…何を?………………っ!!!」
振り返ればそこに居たのは泥門の制服を着て、同じ歳なのに老け顔の男……。
「待たせたな」
「ムサシ!!」
間に合ってくれたか!
「パスもランも無しだ、ここでキックをする」
カバンからキックティを手に取ったヒル魔がムサシへ投げて作戦を伝えると栗田が号泣し始めた。
「後半は地獄絵図を描くとするか!さぁ温めに温めた作戦がようやくお披露目だ!」
悪魔の様な大笑いをするヒル魔の頭の中がどうなってるか分からねぇが今はそんなのどうでもいい。
「ムサシ、やっと戻ってきたか」
「あぁ、遅れて悪かった」
「許さねぇよ、どれだけ待ったと思ってんだクソが」
「遅れた分はキックで取り戻す」
「じゃねぇとこの試合が終わったら親父さんの隣に寝かせてやるよ」
「任せろ」
ムサシの目は闘志で燃えている。
全員揃った、初代泥門デビルバッツのメンバーが全員揃った!
「1度燃え尽きた俺だがお前の言葉で俺の心にまた火をつけてあれからずっと燃え続けて消えることは無かった。ありがとう蓮次」
「礼を言うならあの時蹴れなかった45ヤードを今入れろ、それを礼として受け取る」
「任せろ」
ピィー!
『プレイ再開!!』
タイムアウトが終わり、泥門デビルバッツが取る作戦はゴールキック。何がなんでもキックの邪魔をさせない陣形をとった。
『Hut!』
ムサシが戻って来た事で燃え始めた栗田からヒル魔へ、そしてキックを止めようとディフェンスが詰め寄るのを栗田が全力で阻止する。
「ふんぬらばっ!!」
栗田があれだけやってるんだ!絶対に邪魔させねぇ!マッスルバリアだか何だか知らねぇがこの瞬間だけは邪魔させねぇ…!!
ドガッ!!
後ろでボールを蹴る音が聞こえ、ボールの行く末を見届けると…………。
ピィー!!
『キック成功!』
21対21、同点。
そして前半が終了した。
ムサシ復帰!ムサシ復帰!
ここへ来て最強カード「キック」の追加!
劣勢ではありますが果たして後半どうなるでしょうか!!
次回をお楽しみに!!