〜双葉煋治視点〜
「この後遊びに行こ〜!」
「最近出来た駅前の店行ってみようぜ!」
「いいね!行こう行こう!」
学校の放課後、クラスの友達に誘われて校門を出た。
〜♪
「あっ電話だ」
同時に携帯に電話が来た僕は、友達から離れて通話ボタンを押した。
「もしも〜し!泥門デビルバッツ専属撮影係のセイジでーす」
「指令だ、今から巨深高校へ行け。そこでファッキンチビーズと合流して潜入しろ」
「はーい!」
「ごめん!先輩の呼び出し食らっちゃった!また今度ね!」
「お前また呼び出しかよ、どんだけ呼ばれんだ?」
「ねー?僕無しじゃ居られない寂しがり屋だからしょうがないよ。それじゃまた明日!」
「おーうまた明日なー」
「じゃーなー!」
友達と別れ、巨深高校へ行くことにした。
1度潜入したんだけどちょうどその日は休み、校風とかを調べるだけで練習風景とか見れなかったんだよね。
電車に乗って数駅、巨深高校の最寄り駅に到着。
狭い土地に無理矢理建てた学校だから背が高くて駅から直ぐに校舎が見える。
1度行ったから迷うことなく巨深高校の校門まで行くと、セナさんとモン太さんと小結さんの3人が居た。
「ちーっす!遅れてごめんなさーい」
「ううん、僕達も今来たところだから大丈夫」
「デートの待ち合わせかな?」
「デ…!?」
「あはは〜冗談ですよ冗談!どんな感じで潜入するんですか?」
「俺と小結は顔が割れてるからセナとセイジの2人で行って来いってヒル魔先輩の伝言だ」
「りょりょ!」
箱を見ればキミドリスポーツと書かれている。
「んじゃあ僕は今黄緑セイジって名乗るのでよろしくお願いしまーす」
「え、黄緑?」
「偽名ですよ、双葉って名乗ればバレちゃうので。それにキミドリスポーツからのお届け物って体裁を作ればバレないんです」
「なるほど、凄いね」
「でしょ〜!」
箱の中身はなんじゃろな?……スパイクね。
「じゃあしゅっぱーつ!」
3箱手に持って堂々と校門を通り過ぎた。
「なんでそんな堂々としてるの…?スパイだってバレたら大変だよ?」
「大丈夫大丈夫!先ずは事務員さんか警備員さんがいる場所へ行きましょう!」
「なんで!?」
「アメフト部の場所を聞くついでに目的を事前に通達、勝手に入り込んだってなれば大事ですから保険をかけておくんですよ」
「なるほど」
バレたとしても僕の目的はこれを届けに来たって証言が出てくる。最悪セナさんを囮にすればそれでいいや。
生徒さんに事務室を聞いて向かい、挨拶をしてアメフト部の場所を聞いて目的を伝えた後、部室の前まで到着。
「ノックしてもしもーし!ちわーっす!三河屋でーす!」
「ちょっ!?色々混ざってるし違うよ!」
「キミドリスポーツでーす!スパイク届けに来ましたー」
巨深ポセイドンと書かれた看板を目印にドアをノックして開けた。
「あー人工芝用のスパイク!わざわざ届けて貰っちゃってどうも!」
「いえいえー大量の注文ですからね〜」
「あっ泥門」
「え?」
対応して来た人、この人は小判鮫さんか…その人がセナさんを見て呟いた。
なんでバレてんの?
「スパイ!スパイだぁ!!」
大騒ぎする小判鮫さんに釣られて周りが騒ぎ始めた。
「知り合いですか?」
聞いてみると首を光速で横に振って否定している。
……。
パターン1、アイシールドの中身がセナさんだと知っていた。
パターン2、小判鮫さんはわざと事を大きくしてキミドリスポーツからの届け物を拒否するつもり。
パターン3、泥門にスパイをした時セナさんを見たから。
2は確実におかしい。わざわざ届けに来てくれた事に感謝の言葉を伝えているから削除。
1か3、1もセナさんは知らない人だと否定した。つまりこの人はアイシールドの中身を知らないって訳。
残るは3。
「なんでセナさんが泥門だって嘘を言うのですか?」
「!」
「貴方は泥門にスパイに来たことあるから知っている、違いますか?」
「あ、あー……えーっと…その〜」
「そもそもセナさんが泥門だという証拠は?我々はキミドリスポーツの従業員です、それを何故泥門のスパイと嘘を言ったのですか?」
「う、嘘じゃねぇよ!俺は見たんだ!泥門のグラウンドで竹馬に乗ってる奴の下にいるのを見た!」
「スパイ、したんですね?」
「あっ…」
「キミドリスポーツの届け物を目的に来たのに僕とセナさんをスパイだって騒いで悪者扱い、ほんとひどい人です。傷付きました」
ダンボールを置いたけどまた持ち上げた。
「帰らせて「何の騒ぎだ?」…っ!」
僕の背中に手を置かれて動きを止められてしまった。
この人は筧さんか、中々出来る…!
「……キミドリスポーツです、スパイクをお届けに来ました」
「スパイだと聞いたが?」
「セナさんは泥門高校の主務をしています。僕はキミドリスポーツの一人息子の黄緑セイジです。お店で偶然出会ったセナさんのご厚意で挨拶するついでに手伝ってくれてます」
「……嘘じゃねぇよな?」
「事務室へどうぞ、僕たちは事前にそこへ行って目的を話していますしそれでも気になるのであればキミドリスポーツへご連絡を」
「……」
スっと僕の背中から手を離してくれた。
「大西、事務室へ聞いてきてくれ」
「はい先生!」
背が高くてメガネをかけた大西さんが部室から出て行った。
「これで嘘だと分かれば覚悟してもらうぞ」
「逆に真実だった場合どうします?」
「謝罪とお茶を提供しよう」
「もう一声」
「お菓子もつけようか」
「賽は投げられましたよ」
大西さんが戻ってきて裏取りをされ、キミドリスポーツにも電話をされた。
ヨーイチ君って人が対応してくれて息子だと証言してくれたので嘘では無いと分かり、謝罪とお茶とお菓子を提供してくれた。
「お腹痛いのですか?」
「胃、胃が痛い…それに心臓バクバクして止まらないしどうしてこうなった…?」
「胃薬飲みます?」
「キツイので」
セナさんへ胃薬を手渡してからお茶を1口っと。
「本当に悪かった」
「泥門デビルバッツが相手ですから警戒するのは仕方ないですよ。でもそこの人がスパイしに来たのはちょっとアレですけど」
「胃薬俺も貰っていい?」
「小判鮫先輩…保健室へ行ってきてください」
「あはは…俺もそう思ってた」
騒ぎを起こした小判鮫さんは部室から消えた。
「そういえば聞きましたよ〜アイシールド21を凄く意識されてるそうですね?」
「あぁ、まぁな」
「何か理由でもあるんですか?」
「話すと長くなるが…」
筧さんが語ってくれたのはアメリカへ留学していた頃の話。
日本ではドヤってた筧さんがいざアメリカへ行けばフルボッコされてグレてしまった。
そこへノートルダム大附属中アメフト部に居たアイシールド21の存在を知り、活躍を目の当たりにした筧さんが再び火がついて猛練習。
そしてアイシールド21と試合した時に負けてしまい、それ以降試合で見ることはなく、ノートルダム大附属中のアメフト部員へ聞くも存在ごと抹消され行方不明。
アイシールド21の情報は背が高くてランの破壊力がある日本人。だから背番号21でアイシールドをしている人は殆ど目の敵にしているそうだ。
うーん聞けば聞くほど厄介ファン…完全にアイシールド21に脳を焼かれた人だ。
「お労しや…」
「何故憐れむ様な目で俺を見る」
「もしかしたらその人はアイシールドを外して背番号はもう21番じゃないかもしれないのに」
「!」
「チーム事情もあって背番号を譲ったとか、アイシールドを付ける必要がないから外して本名でやってるとか、色々可能性があるのに思考停止、もうこれはお労しい以外の何者でもないですよ」
「……確かに、その可能性は抜けていた」
「そうでしょそうでしょ」
「だとすれば、あの突破力……俺の記憶に1番近いのは……双葉蓮次か…!」
…………あるぇー?
「そうか!テレビで見たアメリカ戦!あのランと突破力はそうそういない、つまり双葉蓮次がアイシールド21である可能性が高い!」
いや蓮次兄ちゃん留学したことないし…すっごい明後日の方向へ行っちゃったよ?
おーい、帰っておいでー……。
「次の試合は泥門デビルバッツ!その時に問いただしてやる!」
「あの〜?」
「すまない!俺はこれから作戦を練る!好きなだけ寛いで行ってくれ!」
筧さんが出て行ってしまった…。蓮次兄ちゃんごめん、何か勘違いした厄介ファンの矛先が蓮次兄ちゃんに向いちゃった。
「……お暇させていただきます。お茶とお菓子ご馳走様でした」
「あ、ご、ご馳走様でした」
「ど、どうするのこれ…双葉さん怒るんじゃない?」
「うーん……ま!何とかなるっしょ!」
「えぇ…」
「よー!帰るなら校門まで送ってくぜー」
帰り道、後ろから声をかけられて振り返れば水町さんがいた。
「お気遣いありがとうございます。そしたらお願いします」
「おう!」
バカそうだし何か情報得られればいいな……ってそっちプールだよね?なんで服脱いで泳ごうとしてんの?
やっば、この人頭のネジ外れてる奴だ…逃げよ。
という訳で日常パートその2でした!
セイジが逃走した後原作通り水町との身長差に腰が引けてしまった小結がいます。
そして筧の矛先が蓮次へと……セイジ、やらかしちゃいました(笑)
まだ中一の子供ですし、バレた時にゲンコツ1発で許してくれるでしょう(多分)
次回は日常パートその3をお送りします……が、私用で2日ほど休ませて頂きます。
次回の投稿日は連休明けを予定しています。
それでは次回をお楽しみに!!