〜双葉蓮次視点〜
「さーて、何とかファーストダウンを取れたが根本的な解決からして行かねぇとな」
ハドルの時にヒル魔がニヤニヤしながら俺を見て来た。
―4回目の攻撃はキャノンで突破する―
事前に作戦を決めていたがまさかこんな早くに使うとは思ってなかった。
つーか後半リードしてる場面ってもっと前に言ってたんだが無視かよ。
んでもって解決させるの俺かよ、面倒事俺に押し付けて来るなっての。
「小結、スイムをされた瞬間を狙え」
「ふご?」
「腕を上げるタイミングは胸元が空いている、その瞬間にお前の腕で押し込め。そうすりゃスイムを破れる」
「!」
「タイミングを外せば抜かれるギャンブルだ、お前ならやれるな?」
「ふごぉ!!」
これでよし、あとはプレイでやってみせるだけだ。
「次の攻撃はキャノンで行く」
「おい待てヒル魔」
「突破する所はファッキンデブJrだ!」
「……教えたならやってみせろってか?」
「あーそうだ!せっかく教えてくれたのにできなきゃ双葉師匠が死ぬぜファッキンデブJr!…やれ」
死にはしねぇんだが……試合前と比べて小結が更に熱を持ち始めた。
これなら行けるな。
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〜双葉煋治視点〜
『Set!Hut!』
ヒル魔さんの掛け声でプレイ再開。
蓮次兄ちゃんとセナさんが後ろにいるIフォーメーションで、ヒル魔さんから蓮次兄ちゃんへボールが手渡される。
「またキャノン!」
スイムで小結さんを突破しようとする水町さんが腕を上げた途端、小結さんが水町さんの胸を思いっきり押した!
そこへ蓮次兄ちゃんが抜けて一気に中央突破!
「抜かせない!」
「止める!」
「2度は通じない!」
筧さんを中心に、2m超えの選手3人が蓮次兄ちゃんを止めに集まる。
「高波の3人か」
「高見さん?」
「俺じゃないから…2m超えの守備トリオの事さ、ポセイドンにちなんでハイウェーブと呼ばれている」
「へー」
そんな3人が蓮次兄ちゃんへ集まって止めようとしているが、右サイドへ投げてセナさんへバックパス。
ボールをキャッチしたセナさんが3人を置き去りにした。
『タッチダウン!』
あっという間にタッチダウンを決めて、9対0。
ゴールラインではタッチダウンを決めたセナさんが喜んでいて、モン太さんもセナさんの所へ行って一緒に喜んでいた。
「まさかスイムを突破するとは…」
「スイムは腕を上げる動作の時になれば胴体が空いて隙になります、小結大吉はそのタイミングを狙ったのでしょう」
ずっと黙っていた進さんが話し始めた。
「長身だからといって完璧というものでもありません。長身を活かした動作も必ずどこかに穴があります、その穴をいかに早く正確に突けるかが勝機を見出すきっかけに繋がります」
「確かにそうかもな」
進さんの言葉を聴きながら試合を見ていると、キックを決めて10対0になっていた。
「ハイウェーブとか言われててもチームプレイでどうにかなるでしょ」
実際蓮次兄ちゃんとセナさんのコンビプレイでタッチダウン決めたし〜。
「それは相手にも言える事だ」
「え?」
泥門のキックオフ、今度は高く上げたボールが巨深陣地奥深くまで飛んでいく。
水町さんを先頭にボールを持っているランニングバックを守る盾となって陣地を取り戻しに進む。
泥門の先鋒はセナさんだったが片手で簡単に倒され、続いて蓮次兄ちゃんが止めに行くも、水町さんにブロックされてその間にランニングバックの人が先へ行ってしまう。
「ちっ…!」
「ふたばっちはここで食い止めるのが俺の役目!先へ行きたきゃ俺を倒してからにしな!」
十文字さんが止めてくれたおかげで残り50ヤードからのスタートになる。
『Set!Hut!』
巨深の攻撃、ライン同士がぶつかるも水町さんが小結さんを押し倒してラインが崩れる。
そこからランニングバックの人がボールを持って走ると、フォローに来た蓮次兄ちゃんを水町さんが止める。
「ンハッ!やっぱふたばっち来るよね!」
「あ?何舐めてんだ」
「!」
水町さんを押し倒す勢いで
『1ヤード前進!』
「やるじゃん!」
水町さんが体を起こして蓮次兄ちゃんに話しかける。
「……」
「あ、あれ?なんでそんな目で俺を見るわけ?」
どんな目をしているのか分からないけど水町さんを見下ろすだけで何も言わずに戻って行った。
『Set!Hut!』
2度目の攻撃。
水町さんが小結さんを突破しようとするが…そのタイミングで小結さんが水町さんをリップ!少しの間力勝負になるけど小結さんのパワーが水町さんを上回って倒した!!
そして小結さんがクォーターバックの小判鮫さんへサックを狙いに行く!
「ひっ!」
小判鮫さんが慌ててボールを投げ捨てた。判断はや〜…。
「タックルされて戻されるぐらいならボールを捨ててパス失敗した方が良い、小心者だと思われるだろうが立派な戦略だ」
「へー」
高見さんの解説分かりやすい!
『Set!Hut!』
3度目の攻撃。
小判鮫さんがボールを手に取るとランニングバックに手渡し、水町さん達ライン組が離れて走り出した。
「スイープ!」
「小結さんのところじゃ抜けないからスイープってやつですか?」
「かもしれん」
「でもそれって水町さんが小結さんとの勝負から逃げたって事ですよね?」
「そうは言っても勝負に拘っていては勝てるものも勝てない。水町もその辺を飲み込んだのだろうな」
「ふーん?」
まぁ確かに、蓮次兄ちゃんを2人のラインで抑え込んでその間に水町さんが後から来るセナさん達を倒しつつ進んで行ってる。
「水町があんな風に泥門のバックスと勝負することになれば水町の方が有利だ」
「なんか狡いです」
「それも作戦だよ」
『30ヤードゲイン!ファーストダウン獲得!!』
最終的にヒル魔さんが止めたけど結構進まれてしまった。
次も同じ作戦をされたらタッチダウンされちゃう。
『Set!Hut!』
またスイープが来る。
水町さんを先頭に3人でランニングバックを守る盾になって泥門陣地へ入って行く。
「来ると分かっていれば対策も取れるが、水町君が相手となれば話は変わる」
「バックスだと蓮次兄ちゃんぐらいだもんね」
「それをどうするかだと思う」
だけど対策出来ずに突破されてしまう。
『タッチダウン!!』
これで10対6。
トライフォーポイントはキックを決められてしまい10対7になってしまい、前半が終わった。
さっき進さんが言ってたことがようやく分かった。
泥門のチームプレイは巨深にも言える事で、いくら蓮次兄ちゃんが凄くても2人がかりじゃどうすることも出来ない。
もしこのままタッチダウンを取っては取られての取り合いになれば…………あっ。
「3点差で勝てるじゃん!」
最初に決めたキックがここで生きてくる!だから最初にゴールキックしたんだ!
ヒル魔さんの作戦勝ちになるじゃん!すごーい!!
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〜双葉蓮次視点〜
「後半どう攻めるかだが…ヒル魔何か考えは?」
「デビルボーンで行く」
新フォーメーションか、かなり難しいが良い手になるかもな。
「了解、そしたら今度はスイープ対策だな。2人がかりで来られちゃ流石にキツイ」
「1人ぐらいぶっ倒せ」
「最初の1人はな、次の奴となればなぁ…」
「あの、ちょっとやってみたい事がありまして」
セナが手を挙げて話に入ってきた。
「何をやってみたいんだ?」
「前にパンサー君にやられたみたいに抜いて止めに行ってみたいです」
「ほう…?」
ヒル魔が面白そうだと言う顔をしている。
「どうやって抜くつもりだ?」
「デビルバットゴーストで…出来ても1人しか抜けないと思いますが、双葉さんを2人で止めに来てるなら水町君を抜けばいいかなって…ダメ、ですか?」
「よしっ!それで行こう」
「えぇ!?ほんとにいいんですか!?」
「結局の所スイープは盾になってる奴を抜いて止めたらそれでいい、セナのデビルバットゴーストをやるスペースぐらい空けるからそれでやるぞ」
「はい!」
「相手の攻撃の芽を1つ1つぶっ殺す、スイムだろうがスイープだろうが丁寧にぶっ殺していけば自ずと追い詰められるのは向こうだ。ディフェンスでも攻めていくぞ」
「あーその通りだ、攻めの姿勢を崩すな。そうすりゃ相手よりも点が取れる」
「小結ももうやれるな?」
「ふごっ!」
「相手のクォーターバックは慎重派だ、サックを決めに行けば勝手に逃げるしパス失敗で攻撃回数を減らせる。十文字も不良殺法を狙えるなら狙っていけ」
「うっす!」
「ブリッツはスイープを封じてから使う。ファッキンセカンドがやれ」
「任せろ」
さぁ後半だ、優位ではあるが油断せずに行くぞ!!
という訳で巨深ポセイドン戦その2でした!
原作ではスイープをしませんでしたがここでは使うように変更しています。
水町をメインにスイープすればバックス勝負でかなり有利ですし、使わなかったらちょっとアレなもので…(笑)
そのスイープの突破方法、何やらセナが思いつき実践!果たして成功するのか!?
次回も巨深ポセイドン戦!
それではお楽しみに!!