泥門の2番手   作:実らない稲穂

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 今回は実況風でお届けします!

 それではどうぞ。


盤戸スパイダーズ戦その4

 

 

「残り時間後5分!20対21で盤戸がリードした状況で泥門の攻撃から始まります!」

「タイムアウトが明けてから後半下がっていた瀧君が戻って来ました。変わりに石丸君が下がってベンチに居ますね」

 

 『Set!』

 

「おや?このフォーメーションは?」

「何やらこれまでとは違う陣形をしているぞ?熊袋さんこれは?」

「ラインから少し離れて左のライン上にモン太君、少し下がった所に雪光君。右のライン上には双葉君で離れた所には瀧君が……これってピストルフォーメーション?」

 

 

 『Hut!』

 

「さぁプレイ再開!ヒル魔君がボールを持つとパスの構えをとる!」

「中央の密集地帯へ双葉君、奥にはモン太君、その中間左サイドを走る雪光君がいます」

「三方に散らばるレシーバー達!ヒル魔君は一体誰にパスするのか!?」

 

『ケケケッ!いつ誰がパスをするって言った?』

 

「なんとパスを投げる振り!そのまま右サイドへ走るセナ君へヒッチ!」

「レシーバー達を囮に使った!」

 

「ボールを持ったセナ君が走る!盾になるのは残った瀧君だぁ!」

 

『今度こそちゃんとブロックするから任せてセナ君』

『うん!』

 

「赤羽君がセナ君を止める為に来た!」

 

『ムッシュ赤羽!僕の本気を出させてしまった罪な男だ、僕の力で君を止める!』

 

「瀧君が赤羽君をブロック!その間にセナ君が走る!」

 

『抜かせな…!!?』

『アハーハー!僕はもうムッシュ赤羽を倒そうと考えちゃいない!セナ君を走らせる立派な盾さ!』

 

「粘る粘る!押されようとも崩されずに粘る瀧君!」

「柔らかいからこそスパイダーポイズンを堪える事ができるんですね!」

 

『僕の武器はこの柔らかさ!蓮次君よりも柔らかいこの体で君をブロックする!』

『ハードロックタイプだったのがここまで…!』

 

「だが流石赤羽君!パワーで瀧君を倒す!」

「だけどもうセナ君が突破している!」

 

 

 

 

 『15ヤードゲイン!ファーストダウン獲得!!』

 

「追い詰められてしまったセナ君がサイドラインを超えてストップ!しかし大きくヤードを稼いだセナ君!これで泥門は80ヤードから65ヤードまで陣地を取り戻した!」

 

『瀧!それでいい!』

『さんきゅ蓮次君!』

 

「双葉君が瀧君と熱いハイタッチを交わした!」

 

 

 

 

 

 『Set!Hut!』

 

「さぁピストルフォーメーションでプレイ再開!」

「今度は普通にランを選んだのでしょうか、セナ君へボールを渡して右サイドへ走っていきます」

 

 

『双葉さん!瀧君!お願いします!』

『おう!』『いいとも!』

 

「セナ君の声に2人が盾になる!」

「プラチナロードが出る……!!」

 

 

『セナ君はフェイクだ!』

 

 

「えっフェイク?」

「あっ!!持っていない!今度は渡した振り!ボールは未だヒル魔君の手だ!!」

 

 

 『YA-HA-!!』

 

「でたァーッ!!風を切り裂くデビルレーザーバレット!!セナ君を囮に左サイドを走る雪光君目掛けてパス!!」

 

『雪先輩!』

『任せて!』

 

「雪光君がダッシュダッーシュ!ヒル魔君のスパルタパスを取るために走り、今飛んだ!」

 

 

 『パス成功!15ヤードゲイン!ファーストダウン獲得!!』

 

「とったぁ!!パス成功!」

 

『や、やった…今日1番長い距離で取れた』

 

 

 

「残り51ヤード!」

「試合終了まで後3分です。なるべく早くキック圏内まで進みたい泥門からすればこのフォーメーションは妙手かもしれません」

「と言いますと?」

 

「この風の中でもパスを出せるクォーターバックとキャッチできるレシーバーが4人(蓮次を含む)、そして光速の脚のセナ君とリードブロッカー(蓮次と瀧)が2人。盤戸はこの2択に迫られながら守らないと行けなくなりました」

 

「それなら後半始まってからでも良かったのではないでしょうか」

「恐らくリードブロッカーの役割をできるのは双葉君と瀧君ですが、瀧君のあの暴走っぷりじゃこのフォーメーションは機能しなかったのでしょう、そこで瀧君を1度下げて頭を冷やす必要があったと思います」

「なるほど!」

 

 

 『Set!HutHut!』

 

「泥門の連続攻撃!風なんて関係ないと言わんばかりに後半からパスを投げるヒル魔君の奇策に盤戸のチューニングが狂う!」

「今度こそセナ君にボールが渡った!」

 

「右サイドへ走るセナ君にディフェンスが集まる!」

 

『行けっセナ!』

『ムッシュ赤羽を抜いちゃいなよ!』

『はいっ!』

 

「赤羽君以外をブロックする双葉君と瀧君!セナ君と赤羽君の一対一!」

「これまで一度も抜けていないのに懲りずに勝負…!」

 

『抜かせない!』

『超える…!!』

 

(このままだと簡単に捕まってしまう、だから…先ずはチェンジオブペースで…!)

 

「なんとセナ君が急加速!」

「逃げるどころか立ち向かった!」

 

『速くなるのも想定内だ!』

 

「突然のスピードアップにも動じない!これが昨年の東京MVPの貫禄なのか!?」

 

(それだけじゃない!赤羽さんの心臓目掛けて!)

『!』

 

「セナ君の左手が赤羽君の心臓へ向けて伸び!突然の奇襲に赤羽君も驚愕!」

 

『う、うおおぉぉ!!』

『ぐっ…!!』

 

「光速で心臓を突かれた赤羽君の動きが止まる!!その隙に右へ避けて走り出したぁ!!」

「抜けた…!!」

 

 

 

 

『!』

 

「だがセナ君の前にディフェンスが集まっている!」

「ランフォースだ!」

 

『フー…セナ君が僕を抜いたとしても盤戸スパイダーズは負けない』

『これじゃあ…!』

 

 

 

『スピードを緩めるなぁ!!』

『!!』

(双葉さん…!)

 

『最後まで気を抜くんじゃねぇ!!』

 

(そうだ!赤羽さんを抜いただけ!このディフェンスも抜いてようやく勝てるんだ!)

 

「ディフェンスが3人!上手く連携してセナ君を止めに入った!」

 

 

(勝つんだ!ここで足が折れたっていい!みんなでクリスマスボウルへ行くんだ!!)

 

「これは…!」

「デビルバットゴーストにハリケーン!連続技で抜き去った!!」

「怒涛の連続技の後も光速の脚を維持したまま!盤戸スパイダーズ全員を抜き去り!…………今、ゴールラインを超えたぁ!!」

 

 

 『タッチダウン!!』

 

 

 

「決めたぁー!!タッチダウン!セナ君の黄金の脚で26対21!」

「残り時間は後1分!この時間でタッチダウンは大きいですよ!」

 

 

 

 ■■■■■■■■■■

 

 

 

「よくやったセナ!!」

 

 

 ゴールラインでフラフラになっているセナへ駆け寄って背中を叩いて褒めた。

 

「ありがとうございます」

「あとは休んでろ」

「いえ…最後まで、せっかくみんなで勝ち上がってきた東京大会、最後までフィールドに立っていたいなぁ〜って…」

 

 まだセナの顔は死んでないか。

 

「そうか、なら試合終了の笛がなるまで気を抜くなよ」

「はい!」

 

 

 

「ヒル魔」

「あー言いてぇ事は分かる。キャノンでトドメを差すって言いてぇんだろ?」

「そうだ、ずっとボールに触ってねぇからいい加減触らせろ」

「ケッ!これでタッチダウン取れなきゃ2度と試合に出さねぇからな」

「任せろ。ずっとお守りばっかでスタミナは有り余ってんだ、全力疾走のキャノンで味方諸共吹き飛ばしてやる」

「ケケケッ!デビルシルバーキャノン!ぶちかましてこい白銀!」

 

 俺とヒル魔の言葉にライン組がドン引きしているが関係ねぇ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『試合終了!!』

 

 

 

 

 

YA-HA-!!





 という訳で盤戸スパイダーズ戦でした!
 試合結果は……YA-HA-!!

 

 セナの新技”デビルスタンガン”の亜種が登場!(果たしてこれがデビルスタンガンなのかと問われるとちょっと疑問が出ます)
 これまで積み重ねたトレーニングと心臓バンプの経験、そして蓮次がやっているのを見て赤羽に特攻して突破!!とうとう1人で抜く事が出来ました!

 そして新フォーメーション「ピストルフォーメーション」前話で匂わせて見ました(笑)

 
 それでは次回もお楽しみに!!
 
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