泥門の2番手   作:実らない稲穂

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epilogue of Tokyo Stage

 

 

 

 『試合終了!!東京大会3位決定戦及び関東大会へのチケットを手にしたのは!泥門デビルバッツ!!!』

 

 

 

 試合が終わり、スコアは28対21。

 トライフォーポイントでキャノンでぶち抜いてタッチダウンを決めてから、残り1分間盤戸の攻撃を凌ぎきった俺達の勝利だ。

 

 

 

 

 

 

「セナ君」

 

 ベンチへ戻る前、赤羽がフラフラのセナへアイシールドを手渡していた。

 

「最強のランナーの称号”アイシールド21”はやはり君が付けて行くべきだ」

「えええ!?い、いやいやいや僕はそんな大した…それに双葉さんの方が最強ですし…」

 

 おいセナ俺を指名すんな…赤羽も確かにって顔をして俺を見るなこっち来んな。

 

「俺は要らねぇよ、最強のランナーって肩書きはセナが持て」

「で、ですが双葉さん…」

「俺は最強の何でも屋を目指してんだ、ランナーだけの称号は要らねぇって事。つー訳でそれはありがたく頂戴しとけ、そいつを持って今度は本物との勝負しろ」

「はい!……え、本物と…?」

 

「赤羽、お前も偽物だろ」

「フー…その通りさ」

「本物は西か?」

「それは分からないがきっとそうだろう」

 

「え、え…ふ、双葉さんどういう事ですか?」

「これは予想なんだが、帝黒学園にいる選手の誰かが本物のアイシールド21だと思っている」

「えええー!?」

 

「しまったなぁ、あの時確認しとけば良かった。ウザかったから早々に帰したのは失敗だった」

「……もしや君もスカウトを?」

「あぁ、速攻で断ったけどな。なんで西部戦の前にスカウトに来たのかは分からねぇが随分と偉そうな態度だった」

「そうか、道理で音楽性が合うと思っていた」

 

 その時の赤羽の顔は何となく嬉しそうだった。

 

 

 

 

 

 

 フィールドから出てロッカールームへ向かうと俺の前にセナが立ち塞がった。

 

「双葉さん、帝黒学園とはなんですか?スカウトってどういう事ですか?」

「もう済んだ話だけど……ってそうか、あの時お前居なかったから知らねぇんだよな」

「教えてください」

「わかったからそんな真剣な顔で見んなよ」

 

 西部戦の前、体育祭の日に突然帝黒学園のスカウトが来て日本一のアメフトチームに入らないかとスカウトを受けたこと、速攻で断りを入れて追い返したことを話した。

 

「知った所でつまんねぇ話だろ?」

「…どうして双葉さんは行かなかったのですか?」

「俺は泥門デビルバッツでやりたいから、それに泥門デビルバッツが日本一になるから、そんだけさ。ロッカールームへ行くぞ、今頃祝勝会してんだろうし俺達も混ざるぞ」

 

 セナを追い越して先へ進んだ。

 

「僕は…」

「?」

「双葉さんが泥門デビルバッツから居なくならなくて良かったと思ってます」

「不安にさせて悪かったな」

 

 

 

 セナを置いて先に行くと鈴音を発見し、セナを頼んだと一言伝えてからロッカールームへ入った。

 

 

 

 

「YA-HA-!!」

「おぶっ…!!」

 

 入って早々ヒル魔が持っている樽から水を噴射させ顔面に浴びた…。

 

「……シャンパンファイトじゃなくてウォーターファイトってか?」

「ケーケッケッケ!!こんな水遊びじゃ足りねぇぐらいだ!初めから消防車用意しときゃよかったぜ!」

「死人が出るわバーカ。でも、これじゃ足りねぇ…よな!」

 

 樽を担いで栓を抜き、思いっきりヒル魔の顔へ水をかけた。

 

「せっかくモバイルクォーターバックをやろうって話をしたのに俺をタイトエンドだけさせたなぁこのクソ野郎!!」

「やりやがったなファッキンセカンド!勝てるなら何でもいいって言ったのはテメェだ!!」

「おかげでスタミナ有り余ってんだよ!少しは発散させろ!!」

 

 

 ロッカールームで思いっきり騒いでから二次会は焼肉屋。そこでも飲んで食べては騒いだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから数日後…今日は秋季東京大会表彰式。

 東京スタジアムには全チームが並び、理事長の有難ーいお言葉を聞き流していた。

 

 

 『優勝、王城ホワイトナイツ』

 

 決勝戦で勝ったのは王城、ショットガンで攻め続けた西部だったが王城の連携ディフェンスを崩すまでには至らず守り勝ったとだけ言っておく。

 

 

 

 

 『続いてベストイレブンの発表をする』

 

 攻撃部門からの発表。

 ―ライン―

 ・栗田良寛

 ・安護田良則(王城)

 ・馬場山オグリ(西部)

 ・水町健悟

 ・山本鬼平

 

 栗田が呼ばれた時は大慌てで壇上に上がり、巨体を縦に揺らしながら何度もお辞儀していた。

 

 ―クォーターバック―

 ・キッド

 

 残念ながらヒル魔は落選か…西部戦で勝てていたら受賞してたかもな。

 

 ―レシーバー―

 ・鉄馬丈

 ・桜庭春人

 

 モン太も瀧も落選、確かに鉄馬と桜庭と比べられたら仕方ないか。

 

 

 ―ランニングバック―

 ・小早川瀬那

 ・甲斐谷陸

 

 セナの名前が呼ばれ、栗田みたいにペコペコしながら表彰されていた。

 

 ―タイトエンド―

 ・双葉蓮次

 

「おっ俺か」

 

 タイトエンド以外のポジションも兼任していたから候補から外れるかもな〜なんて思ってた。

 

 

「おめでとう」

「ありがとうございます」

 

 壇上に上がると理事長から記念品を貰い、頭を下げた。

 

 

 

 『続いて守備部門』

 

 ―ライン―

 ・大田原誠

 ・渡辺頼弘(王城)

 ・バッファロー牛島

 ・上村直樹(王城)

 

 十文字達も落選、まぁディフェンスはな…泥門デビルバッツは攻撃チームだしディフェンスはあんまりだから選ばれないか。

 

 ―ラインバッカー―

 ・進清十郎

 ・筧駿

 ・葉柱ルイ

 

 ―コーナーバック―

 ・艶島林太郎(王城)

 ・井口広之(王城)

 

 ―セーフティ―

 ・釣目忠士(王城)

 ・中脇爽太(王城)

 

「守備部門は王城一色だな…」

「そんな中筧君が選ばれるなんて凄いです」

 

 どぶろく先生とセナが驚いているけど葉柱とバッファロー牛島もいるぞ…。

 

 

 『秋季東京大会MVPは──』

 

 

 

 『進清十郎』

 

 

 

 

 

 

 表彰式が終わり、記念品をカバンに入れて帰る準備をしていると背中に硬いものを当てられた。

 

「よーファッキンセカンド、東京で1番のタイトエンドになってどんな気分だ?」

 

 振り返ればニヤニヤしているヒル魔で、硬いものはアサルトライフルだった。

 

「可能なら優勝した上で手に入れたかったな。それに、お前もベストイレブンに選ばれてたらもっと素直に喜べた」

「ケッ!くっだらねぇ事言うんじゃねぇクソが」

「今の俺がいるのはヒル魔が鍛えてくれたからだ、感謝してる」

 

 ベストイレブンの記念品を取り出してヒル魔へ渡そうとしたが、銃口を俺に向けて断られた。

 

「気持ちわりぃな!デレを見せんな気持ちわりぃ!!んなもん要らねぇよクソが!ぶっ殺すぞ!」

「はははっ!だと思った」

 

「俺らが手に入れんのは日本一の称号、それ以外はどうでもいい。帰るぞ」

「あいあいキャプテン」

 

 

 

 

 

 

 

「栗田先輩に双葉先輩にセナもベストイレブンかぁ〜俺も欲しかったぜ!」

「関東大会でもあればモン太も取れるよ」

「そうだな!そん時はセナも一緒だぜ!」

「うん!」

 

 

 

「ど、どどどうしよう蓮次、僕選ばれても良かったのかな」

「なーに今更オドオドしてんだ栗田、胸を張れって」

「で、でもぉ…」

「今度は日本一のラインマンの称号を手に入れに行くんだ、この程度でビビってる暇はねぇぞ」

「!…うん!」

 

 

 東京3位という結果で終わった秋大会。

 これから先は超人の集まる関東大会があり、その先にはクリスマスボウルがある。

 

 泥門デビルバッツの戦いはこれからも続く。

 

 

 

 

 

 

 

 






 という訳で秋大会編完結!

 次回からは関東大会編!……と言いたいのですが、ここで一旦更新を停止します。
 理由は……。

 『ストックがもうない』

 なので暫く書き溜めしてから更新しています!
 なるべく早めにいい所まで書き溜めてから随時更新していくので暫くお待ちください( *´꒳`*)
 

 更新再開は活動報告からしますのでよろしくお願いします!
 
 ー追記ー
 アンケートを実施していますので御協力お願いします!

試合の視点はどれが良かったでしょうか?

  • 実況風(マシンガン真田&熊袋記者)
  • ベンチ(まもりor雪光視点)
  • 客席(セイジ+王城)
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