泥門の2番手   作:実らない稲穂

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 どうもお久しぶりです_(._.)_
 クリスマスという訳で(クリスマスと関係ない)秋大会後のお話です。


 それではどうぞ。




突撃取材!

 

 

 〜泥門高校前〜

 

 

 ―白銀さんについて知っていることを教えてください―

 

「白銀?誰それ」

 

 あれ?

 

 

 

 

 〜泥門高校サッカー部室前〜

 

 ―白銀さんについて知ってる事を教えてください―

 

「白銀?なんだそれ」

 

 あれれ?

 

 

 〜泥門高校グラウンド〜

 

 ―白銀さんについて知ってる事を……―

 

「……って誰もいない」

「いるよー」

 

 どこからか声が聞こえた。

 ここで陸上部が練習してるって聞いて助っ人の人へ話を聞こうと思ったのに…。

 

 

 

 〜泥門高校アメフト部室前〜

 

「今日休み…!?」

 

 部室のドアをノックしても返事がなくドアを開けようとしても鍵がかかってて入れず。

 アポは取っていたはずなのに…居ないなら仕方ないか。

 

「あれー?どちら様です?」

 

 帰ろうと振り返れば茶髪で美形の少年が話しかけてきた。

 泥門高校の生徒さんが着てる制服じゃないから別の学校の人かな?

 

「あ、あっあの!私月刊アメフトのバイト記者の熊袋リコと申しますです!白銀さんについて取材をって、今日お休みな感じです?」

「アポ無し取材ですか?」

「いえ!実はアポ取っていたんですが居なくて…」

「あれー?泥門デビルバッツは今日休みですよ。グラウンドは陸上部が使ってるでしょ?だから休み、中には誰もいませんよ」

「あははー…やっぱし」

 

 少年が呆れた顔で私を見た後、部室の隣にある小屋で寝ている恐ろしい犬の前へしゃがんだ。

 

「ケルベロスさんこんにちは、これ差し入れでーす。鍵貸してくーださい」

 『ガッフ』

 

 ジャーキーを口に咥え、奥へ入ると鍵が出てきた。

 

「どうも〜」

 

 少年が鍵を手に取り、部室の鍵穴へ差し込んでからドアを開けた。

 

「手ぶらで帰るのもアレでしょうし、中へどうぞ」

「え、え……え?」

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 あれよあれよと言う前に私の前には紅茶が置かれていて、正面には少年がサングラスをかけ両肘をテーブルにつけ、両手で口を隠す所謂ゲンドウポーズを取っていた。

 

「白銀さんになんの用で?」

「あの、取材を…」

「ほんとにちゃんと取りました?」

「取りました!10月28日で間違いないです!」

「それ明日」

「え?」

 

 部室内に飾ってあるカレンダーを見ると毎日バツ印を付けていて、今日は10月27日……。

 

「ないわ〜ジャーナリストが日付間違えるなんてないわ〜」

「……ごめんなさいです」

 

 大失態、明日改めて来よう。

 

「また明日伺います、失礼します」

「そもそも白銀さんって誰の事なのか知ってます?」

「双葉蓮次さんですよね、私ファンなんです!」

「!」

 

 少年のこめかみがピクっ!って動いた。

 

「初めはお父さんから聞いた程度でしたがアメリカ戦でテレビを見てかっこよくて!秋大会でも客席からずっと見てました!」

「イチオシのところは?」

「アメリカ戦で見せたキャノン!あの突進で勝利を引き寄せたと言っても過言じゃないです!」

「分かる!」

「え?」

「蓮次兄ちゃんが活躍したあの場面!みんなと協力して掴んだあの勝利!僕もあそこは名シーンだと思っています!」

 

 突っ込んだ方がいいのかな?蓮次兄ちゃんって言ったよね今…?

 

「で…ですよね!」

 

 やめておこう、何か嫌な予感がする。

 

「でも1番いい所って言われると…やっぱ独播戦、タイトエンドなのにアメフトの花形であるクォーターバックをずっとやり続けてチームの司令塔になった蓮次兄ちゃんも良かったです」

「分かる!めちゃくちゃ分かります!」

 

 この少年よく分かってる!白銀さんの良いところをちゃんと見てるって伝わる!!

 

 

 それからめちゃくちゃ白銀さんについて対話を交わした。

 

 

 

 

「あっマジで居た」

 

 ガラッとドアを開けて入ってきたのは紫っぽい黒髪でショートヘア、そして細めでしょうゆ顔をして高い背丈にアメフトで鍛えられた良い体格をしている……白銀さん!!

 

「あっ蓮次兄ちゃんお邪魔してま〜す」

「来るなら連絡入れろって何度言ったら分かるんだバカ」

「ごめんなさーい、今日は休みだけどビデオ見るのかな〜って思って来ちゃった」

「はぁ〜模部の言う通りだった…で?この人は?」

「熊袋リコさん、月刊アメフトのバイト記者で取材だって」

「取材?明日じゃなかったか?確か栗田とセナも一緒に受けるって話だろ」

「日付間違えたんだってさウケる!」

 

「は、初めまして!熊袋リコと申しますです!今日突然来てごめんなさい!」

 

 立ち上がって勢いよく頭を下げた。

 

「いやまぁ別にいいけど」

「ですが…その、アポ無しで来ちゃって、不法侵入ですし…」

「今更な話、弟のセイジも不法侵入だし泥門高校はその辺緩いから気にすんな」

「え?」

 

 思わず少年の方を見ると、舌を出してテヘペロって言ってる。

 

「えぇ…」

「なんかこいつがやったみたいだな、セイジ何をした?」

「えっと…ちょっとだけバカにしました」

「……」

 ガツン!!

「いっ…!」

 

 白銀さんのゲンコツが弟君の頭に落とされ、良い音が聞こえた。

 

「申し訳ございませんでした」

「……でした」

 

 2人揃って頭を下げて謝罪された。

 

「い、いいんですいいんです!」

「詫びと言っちゃ何だけど、今から取材を受ける。何を聞きたい?」

「あっ僕コーヒー淹れる」

 

 白銀さんが取材を受けてくれると言ってくれた!やった!じゃあ先ずは……。

 

「取材を始める前に1つ聞きたいのですが…お2人で髪色、違いますよね」

 

「僕染めてる、地毛は蓮次兄ちゃんと同じですよ」

「セイジは芸能人のたまごでな、見た目重視にする為に毎月美容院で髪型と髪色を整えるんだ」

「へ、へー!そういう事ですか!」

 

 それなら納得、本題へ行こう。

 

「じ、じゃあ…取材を始めさせて頂きましゅ。ベストイレブンのタイトエンド部門を獲得したお気持ちから教えてくだしゃい」

 

 思いっきり噛んだ…!恥ずかしい!!

 

「あーそうだな、過分な評価だと思っている。アメフトで試合中ポジションをコロコロと変えて試合に出てたから純粋なタイトエンドの選手と比べて評価は低いと思っていた」

 

 噛んだのを指摘せずにスラスラと答えてくれたが、かなり謙遜している印象を抱いた。

 

 お湯が湧き、コーヒーの良い香りをさせながら弟君が白銀さんの前へカップを置くと、白銀さんは1口飲んでから言葉を続けた。

 

「泥門デビルバッツは東京3位って結果に終わったが関東大会への切符を手に入れることが出来た。だったら謙遜して萎縮するよりも関東大会で優勝してベストイレブンの称号に恥じない活躍をするつもりだ」

「おー!」

 

「関東大会に出るどの強豪チームが相手でも勝つ作戦を用意してる、王城だろうが西部だろうが神龍寺だろうがぶっ倒せる」

「なるほど!」

 

「多くの選手は俺を意識するだろうが泥門デビルバッツは俺が率いてる訳でもエースでもねぇ。戦況を変えるだけの銀の弾丸ってだけだ」

 

 銀の弾丸…?

 

「どういう意味でしょうか?」

「比喩表現だ、暇があれば調べてみな」

「あっはい」

 

 

 

 

 

 

 

 取材を終え、最寄り駅まで送ってくれると言ってくれたので甘えることにした。

 

「今度来る時はちゃんと日付確認しておけよ?」

「こ、この度は本当に申し訳ございませんでした…白銀さんに会えると思ったら思わず…ファン失格です」

「そこまで言うか…ファンとか言われたの初めてだ」

 

 困った顔をしてる白銀さんが頬をかきながら車道側をずっとキープして一緒に歩いてくれる。

 

「白銀さんって実はモテます?」

「そんな訳ねぇだろ、この話し方が好みな奴なんているのか?」

「え?私は良いと思ってますよ?」

「うっそマジか…」

「マジです、私は話し方も良いなと思いますがこう…所作と言いますか、無意識でやってる行動の方が良いなって思います」

 

「例えば?」

「白銀さんが車道側をずっと歩いてくれてるとかです」

「流石記者、よく見てるな」

「えへへ…ありがとうございます」

 

 褒められて嬉しい!

 

「ですが記者としてまだまだ半人前です、コラムを書かせて貰ってますが話題半分ですし実力で評価して欲しいなぁって…だから今話題の白銀さんを独占取材!って意気込んだのですが…」

 

 今回思いっきり空回りしてしまって大失敗…ちゃんと反省しないと……。

 

「コラム?あぁ月刊アメフトで書いてる熊袋って熊袋さんの事か、中々面白いコラムを書いてるよな」

「え…?」

「毎回興味を惹かれるしよく調べてるって伝わる内容で、次はどんな内容なのかワクワクしてる」

「ほんと…ですか?」

「あぁ、自信持てよ。俺は毎回楽しみにしてる」

 

 白銀さんの言葉に胸が熱くなる感覚があり…面白いって、楽しみにしてるって、バイト記者でまだまだ実力が足りない私のコラムを喜んでくれてる人がいるって知れて……ポロッと涙が出てしまった。

 

「泣くほど嬉しいのか?」

「だ、だって…私の記事が…!」

「せっかくの可愛い顔が台無しじゃねぇか…ほら、これで涙拭けよ」

 

 白銀さんからハンカチを貰い、目元を拭って何とか涙を止めた。

 

「あの…これ…」

「やるよ、安物だから捨てても良い」

 

 アメフトボールが描かれたハンカチを貰い、改札口で別れた。

 

 

 

 電車に乗って、家の最寄り駅に着くまでの間ずっとハンカチを握り締め、白銀さんに褒められた事と応援してくれた言葉を何度も思い出し……口元がニヤけてしまいそうになったのでハンカチで隠した。

 

「…」

 

 不思議とこのハンカチを嗅ぐと胸の高鳴りが強まって来る。

 

「……」

 

 そしてまた取材と称して会いたいなぁと、双葉さんと話をしたいなぁと………元々ファンだった私は簡単に恋に落ちた。

 

 

 

 そして翌日、本来予定していた泥門デビルバッツの栗田さんと小早川さんの取材を忘れてしまったのだった。






 という訳で秋大会が終わってからの日常パートでした!

 熊袋リコが登場!日付を1日間違えるポンコツなリコちゃん、見事に蓮次に片思いをしました(笑)
 自分がファンの人に1人の記者として見てくれて、尚且つ自分の記事を楽しみにしてくれているファンだと言われてハンカチも貰い簡単に落ちました!
 そりゃこんなイケメンムーブされたらねぇ(*^^*)

 最初のインタビュー(笑)ですが、最初は模部太郎、次は室サトシ、最後は石丸()でした。
 石丸、お前影が薄いよほんと……。



 次回からは関東大会のお話になりますが、もう少しだけお待ちください。
 後、アンケートも実施しておりますので良ければ投票の方よろしくお願いします!

試合の視点はどれが良かったでしょうか?

  • 実況風(マシンガン真田&熊袋記者)
  • ベンチ(まもりor雪光視点)
  • 客席(セイジ+王城)
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