泥門の2番手   作:実らない稲穂

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 皆さんお久しぶりです( ^ω^ )

 長らく休載してましたが更新を再開していこうかと思います。
 活動報告にもある通り、更新頻度は落ちてしまいますがなるべく長く空けずに更新していきますのでよろしくお願いします!(´▽`)


 それでは、どうぞ。




関東大会編スタート

 

 

 全国高校アメフト選手権、関東大会。

 各地区から勝ち上がってきた8校がトーナメント方式でぶつかり、優勝すればクリスマスボウルへ行ける超人の祭典。

 

 ・東京の3チーム…王城ホワイトナイツ、西部ワイルドガンマンズ、泥門デビルバッツ。

 ・神奈川の2チーム…神龍寺ナーガ、太陽スフィンクス。

 ・静岡の1チーム…茶土ストロングゴーレム。

 ・北海道の1チーム…岬ウルブス。

 ・SIC(埼玉・茨城・千葉)の1チーム…白秋ダイナソーズ。

 

 この中から1チームだけがクリスマスボウルに出られ、今度は敗者復活なんて優しい事は無く負ければ終わりのデスゲームだ。

 

 

 

 今日は関東大会の抽選会と月刊アメフトの撮影会も兼ねていて、全チームが一同に集まる。

 

「あっ!お、おおおはようございます双葉さん!」

「?」

 

 集合時間よりも早めに来てしまい、コーヒーを飲んで待っている俺の元へ来たのは熊袋さんだった。バイト記者だから今日の撮影会も見学を兼ねているのかもしれない。

 

「おはよう熊袋さん」

「く、熊袋さんだなんて…お父さんと被りますし、その…迷惑じゃなければリコって呼んでください」

「あー確かに…ならリコちゃんでいい?」

「ももももちろんです!」

 

 顔を赤くしながら激しく首を縦に振る熊袋さん改めリコちゃんと軽く会話をして過ごしていると、記者陣は先に会場入りしなきゃならないと言ったリコちゃんが先に会場へ入って行った。

 

 

 

「随分と仲良さそうだね蓮次君」

「前に取材で来たって言っただろ、それからの仲だ」

「リコちゃん、女の子を下の名前で呼ぶの珍しい」

「嫉妬か?じゃあこれから呼んでやるよ、妖一君」

「やめろ気持ちわりぃ」

「ならわざわざ姉崎の声真似して俺の後ろに立つなバーカ」

 

 無駄に洗礼された声真似されて一瞬心臓が跳ねたぞ…ヒル魔特有の妖気ですぐに分かったけど無けりゃ分からなかった。

 

「あの女使えるな、丸め込んで手駒にすりゃ全チームの情報を抜き取れるだろ。やれ」

「やらねーよ、人の弱味に付け込むやり方は好きじゃねぇ」

「ほほーう?ならテメェはあの女がテメェに惚れてるって分かっててあの態度か?」

「うっせぇ」

「人誑し」

「うっせぇな!」

 

 

 

 全員揃ったので会場へ入って間もなく抽選会が始まった。

 

「双葉さん、泥門はどこを狙ったら良いでしょうか」

「どこでも一緒だ、西部にリベンジしたきゃ1番でも良い」

 

 西部は既に引いていて2番の位置に決まっている。

 

 次に引いたのは白秋ダイナソーズの選手だが、引いてそのまま後ろへ下がってしまった。

 

 

 次は泥門、セナが抽選へ向かうも白秋の真似をしてしまって番号を伝えずに戻ってきてしまった。

 戻ってきたセナに番号を見せてもらうと5番で、西部とは逆のブロックだった。

 

「ねぇちょっと」

 

 白秋の選手が小声でセナへ話しかけてきた。

 

「俺の3番のボールと君らの5番のボール、コッソリ交換しない?」

 

 交換?その為にわざわざ何も言わずに下がったのか?

 

「ほら、今ならまだ係員は番号を見てない、誰にも分かりゃしないだろ?」

「え、えっと…」

「辞めとけセナ」

 

 迷ってるセナの肩に手を添えて係員の方へ向かわせた。

 

「何のつもりだ」

「い、いや〜あんたら西部と何か因縁?あるみたいだし?早めに対決したいのかなぁなんて、親切心で一応ね?だからそんなカリカリしないでよ」

「……」

 

 何が狙いだ?

 

 

 次に引いたのは王城、7番を引いて泥門とは準決勝で当たる位置になった。

 

「あっぶね〜…!」

 

 横目で安心した顔をしている白秋の選手を見ていると、超小声で呟いたのが聞こえた。

 

 

 

 王城が引き終わり、次は神龍寺。

 金剛阿含と細川一休が俺と目が合い……クジであるボールを奪った阿含が俺の目に目掛けて飛ばしてきた。

 

「……」

 

 片手でボールを掴んで番号を見ると6番。

 

「はっ!こりゃいい、交換してやろうか白秋」

「い!?いやいや!遠慮しとくよ!」

「あっそ」

 

 泥門初戦の相手は神龍寺に決定。

 

「ほらよ!」

 

 クジはちゃんと返してやらねぇとな!

 

 俺へ投げてきた阿含の目へ向けて投げ返すも片手でキャッチされた。しばらく睨み合いが続き……理事長が何事かと場を鎮めに来た。

 

「宣戦布告にしちゃ上出来だ」

「喧嘩売って来たから買っただけだ」

「ケケケッ!半年前には勝てねぇってボヤいてた白銀様は今勝率どんなもんだ?」

「…………五分」

「……ケケケッ!ケケケケケケッ!!!」

 

 ヒル魔の悪魔の様な高笑いが会場に響き渡り、その姿をじっと阿含が見ていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 数日後。

 ヒル魔は取材だと言うので練習休みになり、シアタールームで1人ビデオを見ることにした。

 

 ビデオは神奈川大会決勝、神龍寺対太陽との試合…結果は61対6で神龍寺の圧勝。

 タッチダウンを入れた太陽は胸を張ってもいいと思う。その後のトライフォーポイントはタッチダウン狙いだったが失敗で終わっているのは少し焦り過ぎた結果かもしれねぇ、おかげで良い情報と悪い情報の両方を手に入れてしまったが……。

 

 

 試合全体を見て特筆すべき点は第4クォーター途中。

 それまでベンチでだらけていた阿含が出て来ると第4クォーターだけで27得点、阿含1人加わるだけで爆発的な攻撃力だ。

 

 その短時間ではあるが阿含のプレイスタイルを見ることができ、正にオールマイティと呼ぶべきプレイスタイル。

 完全に俺の上位互換、これまでの努力が霞む程圧倒的な才能の差を感じた。

 

「俺が目標にする選手が阿含か」

 

 何故ヒル魔が俺に色々と叩き込んで何でも出来るようにしたのか、そして酷使する理由も分かった。

 

 俺を阿含みたいに仕立て上げたかったんだ。

 ヒル魔はオールマイティでなんでも出来る最強のカードを手に入れたかった………………いや無理だわ!こんなにも協調性がなく暴力的で才能の塊みたいなのになれるかよ!

 

 

 

「やめだやめだ、目標にする選手には出来ねぇよ」

 

 馬鹿らしくなった俺はビデオを止めて元の位置へ戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大体勝てる確率が五分なんてハッタリ…甘く見て1%の確率だっての」

 

 独り言を呟きながら部室へ入ると、姉崎が掃除していた。

 

「あれ?今日休みなのにどうしたの?」

「そういう姉崎こそ、わざわざ休みなのに掃除だなんてご苦労様」

「休みだから掃除をしようって思ってね、練習は掃除よりもみんなのサポートをするから疎かになっちゃうのよ」

「いつもありがと」

 

 綺麗にしてくれる姉崎に感謝の言葉を伝えながらコーヒーを淹れた。

 

 

 

 

「いよいよ関東大会だね」

 

 掃除を終えた姉崎が紅茶を淹れて俺の前に座ると話しかけてきた。

 

「また蓮次君が無茶しないか見張るつもりだから」

「もうねぇよ、きっと、多分…」

「ハッキリ言ってくれないかなぁ…?」

 

 ヒル魔次第だ、それに余裕をもって勝てる相手なんてここから先ずっとねぇよ。

 

「…緊張してる?」

「あ?なんでそう思う」

「何となく、もしかしたら蓮次君が気付いてないだけで不安があるんじゃないのかなって」

「…どうだろうな」

 

「大丈夫、みんなで一緒に戦えば勝てる。私は神龍寺にも勝てるって信じてるから」

 

 優しく微笑んだ姉崎が俺の手を取った。

 

「この手のたこ、沢山練習して出来たんでしょ。ベンチプレスの記録上がってたもんね、今145kgだっけ?」

「誰から聞いた」

「帰りが遅いって心配してたセイジ君から聞いて、練習終わってからヒル魔君と雪光君の3人で居残りした後に筋トレしてるのを見つけてずっと見てたよ」

 

 バカセイジめ…余計な事を…!

 

「この手になるまで…私の想像以上に長い時間をかけて沢山努力した結果だよね。だから…凄く頑張ったねって褒めてあげる」

「お前どの目線から言ってんだよ、まだ終わってねぇわバカ」

「知ってる、これからだもんね」

 

 いつの間にか俺の手のひらと姉崎の手のひらを合わせて大きさを比べていた。

 

「私の手のひらなんか隠れてしまう程のこの大きな手で神龍寺から勝利を掴んで、その為のサポートを全力でするから」

「……」

 

 そっと姉崎の手を掴んだ。

 

「任せろ」

 

 それだけ言うと恥ずかしくなったので姉崎から手を離し、一気にコーヒーを飲み干した。

 まだ冷めてないコーヒーの熱が食道を通って胃に入ると全身に熱が広がる感覚があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前しれっと俺の手を握ったけど何をしたかったんだ?」

「っ!…言わないで」

「なーにが私の手のひらなんか隠れてしまう程のこの大きな手で神龍寺から勝利を掴んで、だ。恥ずかしくねぇのかよ」

「言わないで…!」

「あー恥ずかし、よくそんな事平気で言えるよな」

「もうこれ以上言わないで!!」

 

「うおおっ!?なんで火炎放射器なんか取り出してんだお前!」

「言いたいことを言ったのに揶揄って来る蓮次君が悪いのよ!!」

「ま、待て話をしよう姉崎、だからその火をつけた火炎放射器を止めろ!先ずは対話をしようじゃないか!!」

「じゃあさっきの事は忘れてー!!!」

「うおおおぉっ!!」

 

 

 ギリギリで部室のドアを開いて外へ逃げると、部室内から最大火力の炎が出てきて被害はゼロ、火事になる事も無かった。

 

「逃げないでよ!」

「だったら火炎放射器を置けぇ!物騒な物を持ちながら追いかけてくんな!」

「いつもヒル魔君とそうやって喧嘩してるのにどうして逃げるのよ!」

「扱う武器が違ぇんだよ!それは殺意高すぎだ!」

「ちゃんと当てないようにしてるから!」

「尚のことその火を消せバカ!」

 

 

 

 

 

 『ガッフ?(火?)……ブタまるやきくぅ!』

 『ブヒィ!(食べないで!)』

 

 

 

 




 
 ―改めてオリ主紹介―
 
 双葉蓮次
 ポジション:タイトエンド(クォーターバック・ランニングバック・ワイドレシーバー兼任、オフェンスライン&ディフェンスライン経験有り)
 身長185cm 体重73kg ベンチプレス140kg 40ヤード走5.6秒
 ▼(現在)
 身長185cm 体重78kg ベンチプレス145kg 40ヤード走4.7秒

 必殺技
 ・プラチナロード…ランニングバックのランルートを構築するリードブロック技
 ・デビルシルバーバレット…カットを狙いに来た相手を弾く程の力強いパス技
 ・キャノン…ラインを破壊して突破する力技
 ・デビルチャリオット…体重80kg以下の選手を引き摺りながらも走る技(カブの酢漬け様、パンピーナ様のご提案から頂きました!ありがとうございます!!)
 


 次回の更新は2026/01/24の0:00を予定しています。
 それでは次回をお楽しみに!!
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