泥門の2番手   作:実らない稲穂

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インタビュー8

 

 

 

 ―お名前とチーム名、そして長所を教えてください―

 

「狼谷大牙、岬ウルブス、長所なんか見りゃー分かるっしょ?この長い脚だよ脚!」

 

「進清十郎、王城ホワイトナイツ…自ら長所を上げられる程完成された選手ではありません」

 

「原尾王成、太陽スフィンクス、長所か…強いてあげるなら心静かにレシーバーを探す悠然とした精神力か」

 

「マルコ、白秋ダイナソーズ、んー自分の情報を漏らすような勿体ねぇマネはしねーよねっちゅう話」

 

「岩重ガンジョー!茶土ストロングゴーレム!!長所?あははっ!そりゃこの岩っぽいボディだよ!」

 

「西部ワイルドガンマンズ、キッドってみんな呼んでるよ。長所ねぇ…分不相応な夢見ないとこ…かなぁ」

 

 これまで6チームのエースに取材をして、今目の前には神龍寺ナーガの”金剛阿含さん”と泥門デビルバッツの”蛭魔妖一さん”のお2人に同時取材をしているが……めちゃくちゃ険悪な空気でミスったと今更後悔している。

 

「長所、無敵なところ」

「長所勝つところ」

 

 阿含さんとヒル魔さんが答えてくれたけど……あまりの回答に引いてしまった。

 

 

 ―この関東大会で注目している選手は?―

 

狼谷「俺!!ってダメそれ?はははっ!んーやっぱ阿含かね、前回優勝だしねでも俺の方が強いけどね!」

 

進「アイシールド21、小早川セナ、双葉蓮次」

 

原尾「金剛阿含、細川一休」

 

マルコ「阿含に進にキッド…いやヤバいのはいっぱい居るっつうの」

 

岩重「決まってんじゃん、番場!!」

 

キッド「進氏、あとは…セナ君とヒル魔氏と双葉氏かねぇ」

 

 

「注目選手?…………あ゙ー双葉蓮次ってカスだな。大方テメェの差し金だろうが春もこの前も俺に喧嘩売ってきたしな」

「ケケケッ!双葉は自分からテメェに喧嘩売ってんだよ」

「それと、別の意味で注目してんのは蛭魔妖一だな。爆笑モンだったわあん時わ、テメェみてぇな狡いだけのカスがいきなりアメフト部作るんだもんなぁ」

「テメェこそいきなり始めんじゃねぇか」

 

 空気重いなぁ…質問進めちゃお。

 

 

 ―貴方がアメフトをする理由は?―

 

「プチッと踏み潰してやりてぇからだよ。凡才は頑張っちゃった挙句、才能にひれ伏す現実を体で教えてやろうと思ってさ」

 

 こわぁ……。

 

「ヒ、ヒル魔さんは…?」

 

 

「面白ぇから」

「……」

 

 阿含さんがヒル魔さんを睨んでる……。

 

 

 

「ええええっと、ちょっと空気重いのでここで軽い質問を…」

 

 

 ―ズバリ!好きな女の子のタイプは!?―

 

狼谷「優しくて従順な子」

 

進「チームの一員としての誇りを持って動けることです」(マネージャーの条件では…?)

 

原尾「何よりも気品」

 

マルコ「愛があればいいよね」

 

岩重「おっパイ大きい子!!」

 

キッド「んータイプとかそういうのはあんまねぇ…まぁ一般的にはお互い心が広けりゃ上手く行くんじゃないかねぇ」

 

 

 

「顔がいい女、ブスはいらねーや」

 

「使える女」

 

 進さんの時も思ったけどヒル魔さんの回答もマネージャーの条件でしょ…!!

 

 

 

 

 ―アメフト選手にとって重要なものは何だと思いますか?―

 

 恐ろしい空気に耐えきれずに最後の質問をぶつけると阿含さんが静まり…フォークを手に取った。

 

「才能」

 

 クルクルとフォークで遊びながら教えてくれた。

 

「それも完っ璧な才能。スピードも、テクニックも、パワーも」

 

 遊んでいたフォークを指の力で丸め、続きを教えてくれる。

 

「才能ねぇ奴はいるだけで邪魔なんだよ。まぁせいぜい一休ぐらいだな使ってやってもいいのは」

 

 丸めたフォークを空いたグラスに投げるとカランといい音を鳴らして入った。

 

「俺が22人いりゃそれがドリームチームだ」

 

 天才阿含さんが22人……とんでもないチームになると簡単に想像が出来る。

 

 

 

「ケケケケケ!同じコマ22枚なんてチーム程、ぶっ殺しやすいカモはいねぇわなぁ」

 

 なんでこの人煽りに行くのぉ〜!?

 

「つーかテメェラインしたことねぇだろ、やってから言えってんだ」

「あ゙?」

「どっかの誰かは両面で全ポジションを経験してっからなぁ、そいつがもし22人いりゃ手がつけらんねぇ超人チームだったかもなぁ?テメェは攻撃だけしか出てこねぇ癖に俺が22人入ればドリームチームだ〜なんていきがってるだけだろ」

「……同じコマ22枚はカモだって言ったくせに手のひら返すのが早えなぁ。流石狡いだけのカスだって褒めてやるよ、中途半端な雑魚がそんな大事か?」

「ケケケッ」

「雑魚いタイトエンド頼りの雑魚チームで雑魚同士死ぬまで遊んでな」

 

 阿含さんが帰ってしまった……ま、まぁ?必要なインタビューは聞き終えたし?これ以上怖〜い雰囲気を味合わなくて良いならそれに越したことはないし?べ、べべべつに怖くてもう帰りたいって思ったわけじゃないですよ?

 

 

「そ、それじゃあ失礼します〜」

 

 

 帰ろう、帰りたい、帰って休みたい。

 

 

 

 

 

 

 ■■■■■■■■■■

 

 〜泥門高校〜

 

「おう帰ったぞファッキンセカンド……何隠れてんだ?」

「しー!今姉崎がブチ切れて火炎放射器で俺を焼こうとしてんだ」

「痴話喧嘩か?」

「ちげーよバカ!揶揄い過ぎただけだ!」

「痴話喧嘩か」

 

 ヒル魔と話してると姉崎が遠くへ行ったのが見えた。

 

 

「ふぅ〜……で、インタビューはどうだった」

 

 後ろにいるヒル魔に聞くと悪い笑みを浮かべている。

 

「ちゃーんと煽っといたぜ、確実にテメェを潰す為に出てくるだろうな」

「お前インタビューに行ったんだよな?煽っといたって何してんだお前」

「ケケケッ!」

 

 笑うだけで答えようとせず、いつもの事かと聞くのを諦めた。

 

「アメフト選手に重要なものって何だ」

「あ?変な質問だな」

「言ってみろよ」

 

「……心、アメフト選手に重要なのは優れた肉体や技量や才能でもなく心だと俺は思う」

「テメェらしい回答だな」

「そういうお前はなんだよ」

「ケッ!」

 

 聞いたのに答えずヒル魔は1人部室へ向かって歩き出した。

 

「クソマネー!ファッキンセカンドはここで隠れてっぞ!」

「!……見つけたー!!」

 

 なんでバラしたんだよお前ー!!?

 

「テメェと似たようなもんだ」

 

 姉崎から逃亡する直前にヒル魔がボソッと答えたが返事をする暇もなく姉崎と鬼ごっこを再開……隙を見て荷物を持って学校から逃げ出したのだった。

 

 

 

 

 

 

 翌日からはもう何もしてこなくなり、関東大会初戦に向けての猛練習の日々を過ごした。

 

 

 





 ―熊袋リコ外伝!あの人に突撃取材!!―

 ・長所を教えてください

 双葉「……特には、強いて言えばバランスが良い?」

 ・注目している選手は?

「王城は進、桜庭。西部はキッドと鉄馬と甲斐谷。神龍寺は阿含と細川。後は……茶土ストロングゴーレム全員、父親が何故か特別顧問に呼ばれてるから…ぶっ壊されてないか心配的な意味で注目はしてる」

 ・アメフトをする理由は?

「俺1人じゃ無理でもチーム全員でなら1番になれるから」

 ・ズバリ!好きな女の子のタイプは!?

「……………………サポートしてくれる人…?」
 
 ─以上!熊袋リコ外伝でした!!─




【次回は2026/01/26の0:00を予定しています】
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