今回新オリキャラ登場します。
それではどうぞ。
「ファッキンドレッドはファッキンセカンドよりも速い、奴と闘れんのはチビだけだ」
「…はい」
「つー訳で!いきなりバンプいけ」
「い、い、いぃ!?」
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〜双葉煋治視点〜
「足りんな」
「?」
客席で撮影をしていると後ろから声が聞こえた。
振り返れば長嗣兄さん程の背丈で家族の誰よりもムキムキボディ、そして仙人みたいな長い白ひげを肥やし髪の毛を絶やした老人(68歳)……僕達双葉兄弟の父だ。
「うげっ!なんで来たの!?」
「どちら様で?」
思わず反応すると隣にいる高見さんが僕を見て聞いてきた。
「父です」
「……うむ」
パワフル語って言うパワフルな人しか通じない(家族には普通に話すのに他人となればパワフル語になってしまう単なるコミュ障の)お父さんが髭を撫でながら僕の隣に座った。
「初めまして、王城の高見と申します」
「……うむ」
高見さんが挨拶するも目を合わせる事なく会釈するだけでじっとフィールドを見ていた。
「不躾で申し訳ございませんが足りないと言うのは一体…?」
「双葉が相手を壊す覚悟が足りんと言っている」
「大田原は分かるのか」
「パワフル語だぞ?」ブッー!
パワフル語を扱う人=バカ人になりそう…栗田さんと小結さんは違うけど。
「壊す覚悟か、双葉が金剛阿含を壊せると言うのですか?」
「…………可能」
「大田原通訳」
「可能」
「あっそのままだったのか…」
『Set!』
インターセプトされてしまい、攻守交替。
金剛雲水さんがフィールドに出てきてクォーターバックの位置で掛け声をかけている。
『Hut!』
ボールが雲水さんへ渡る。
「セナさんが阿含さんへバンプ!?」
腰が引けて徐々に後ろへ下がっていたセナさんが最高速で阿含さんへ突撃!右手を伸ばしてバンプを狙った!!
「何してんだお前?」
「!」
阿含さんの手刀がセナさんの腕に振り下ろされて倒れた!
そのまま真っ直ぐ走って雲水さんからボールを受け取った阿含さんが走る!
「止めて!蓮次兄ちゃん止めて!!」
「遅せぇなカス」
「くっ…!」
蓮次兄ちゃんの脚でも追いつけない!?
急いでプロフィールを纏めた書類を取り出して金剛阿含さんについてのページを開いた。
身長175cm、体重67kg、40ヤード走4秒6、ベンチプレス130kg。
身長も体重もパワーも蓮次兄ちゃんが勝ってるのに!足の速さだけが!ほんのコンマ1秒速いだけで…!!
「妖一兄!」
最後の砦であるヒル魔さんが阿含さんと対決!
「一対一で才能相手にテメーみたいな狡いだけのカスが何しようってんだ?」
ヒル魔さんが阿含さんへ手を伸ばした!だけどパァンとセナさんを倒したように手刀を落とし―
「ケケケッ教えてやるよファッキンドレッド、何で同じ駒22枚がカモりやすいか。同じ奴は同じシチュエーションで同じ事繰り返してくっからだ!」
―ヒル魔さんが阿含さんの足にしがみついた!
「あ゙ー?」
だけど阿含さんがヒル魔さんのヘルメットに手を置くとそのまま地面に叩きつけた。
「何か言ったかカス!」
「よくやったヒル魔!」
「!」
蓮次兄ちゃんが阿含さんの腰にタックル!
ヒル魔さんを相手にしたほんの少しの間で追いついたんだ!!
『30ヤードゲイン!ファーストダウン獲得!!』
ビッグゲインされたけどタッチダウンは阻止は出来た、その代わり残り16ヤード……一気に大ピンチだ。
「ヒル魔、口から血が出てるぞ」
ピィー!
『レフリータイムアウト!』
審判が時計を止めた。
ヒル魔さんの出血を処置する為で、一旦ベンチへと下がって行った。
「蓮次ィ!!」
「うるさっ…!」
「あ?」
お父さんが叫んで思わず耳を塞ぐと蓮次兄ちゃんがこっちを見た。
「こ……この、軟弱者!」
「……」
「……」「……」
それだけ言ったお父さんが縮んで隠れた……。
「何を言いたいのお父さん…?」
「…心が弱い、軟弱者、殺意が足りぬ優しい子よ、それじゃあ守りたくても守れないぞ」
「それをちゃんと言ってやりなよ…」
「……」
マジでダメな大人……略してマダオであるお父さんの精一杯の声援(笑)を聞いた蓮次兄ちゃんは不愉快な顔をした後、ヒル魔さんの出血が収まったのでフィールドへと歩いて行った。
『Set!』
雲水さんの掛け声で突然阿含さんが後ろへ下がった。
「来んぞドラゴンフライ!」
ヒル魔さんが叫んだ。
「ドラゴンフライって…?」
「神龍寺ナーガ最強の陣形、昔日本大学が使っていた陣形だ」
高見さんへ聞くと教えてくれて、フィールドを見ていると阿含さんが雲水さんの真横へ並んだ。
これがドラゴンフライ、これじゃあどっちにボールが出るか分からないよ。
『Hut!』
ライン同士がぶつかるもあっさりと通り抜け、そこから三兄弟揃って雲水さんへ向かう。
だけどボールは阿含さんの方へ投げられていて、三兄弟が阿含さんへと走る。
「あ・のバカ共!それが罠だっつってんだろ!!」
雲水さんがフリーで、阿含さんから雲水さんへとパスされる。
『8ヤードゲイン!』
セナさんが走っていた雲水さんを倒してファーストダウンは免れたがゴールラインまで後8ヤードだ。
『タイムアウト!』
ピィー!
ここでヒル魔さんがタイムアウトを要求、全員がベンチへと下がった。
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〜双葉蓮次視点〜
「このクソクソクソクソバカ共がぁ!簡単に罠に引っかかりやがって!!」
ヒル魔が三兄弟へ怒鳴って蹴っている。
「落ち着けヒル魔、全員ドラゴンフライを止める方法はあるからよく聞け」
『!』
「ドラゴンフライは金剛兄弟のコンビプレイを軸にしたパスフォーメーション。つまり2人のクォーターバックにブリッツを仕掛ければ止められる。ライン組は安易に突っ込むな、わざと通してパスルートを作られる」
『おう!』
「ブリッツは誰が行くって話だぞ」
「俺とセナ」
「は、はい!」
「……それしかねぇか」
「ヒル魔」
「あーわかってる、ブリッツへの割り振りだろ」
「そうだ、2人揃って行けばスタミナの消耗が激しい。上手く使ってくれ」
「仕方ねぇな、その都度ブリッツへ行く相手も指示する、ビビんじゃねぇぞ」
タイムアウトが終わり全員がフィールドへ行く中、俺はヒル魔へ近寄った。
「割合は4:4:2で俺とフェイクに多く割り振ってくれ」
「あ?」
「セナの負担を軽くさせたい」
「…」
「大丈夫だ、全力で走って潰れるような事はしねぇ」
「……ちっ」
ヒル魔が返事すること無く先に行ってしまった。
「双葉さん、本当に大丈夫でしょうか」
ヒル魔が俺から離れたタイミングでセナが話しかけてきた。
「ハッキリ言う、俺の言ったやり方で止められるなら黄金世代の王城が既に止めてる筈だ」
「っ!」
「それでもやるしかねぇ。ブリッツへ来るか来ないかの揺さぶりと泥門で1、2番の脚がある俺達のプレッシャーで止めるしかねぇんだ」
「……はい!」
「安心しろ、お互い潰れる様な真似は絶対にしねぇ。もう2度と姉崎の辛そうな顔を見るのはごめんだ」
「双葉さん…」
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〜双葉煋治視点〜
『Set!』
タイムアウトが明けた。
残り8ヤード、ドラゴンフライで攻める神龍寺を止められるのか。
『Hut!』
さっきみたいに十文字さん達が突っ込まずに押し合いが始まる。
ボールは雲水さんへ渡り、セナさんがブリッツへ!
『パス成功!4ヤードゲイン!ファーストダウン獲得!』
だけどブリッツが間に合わず阿含さんへパスを通されてしまい、パス成功させてしまう。
後4ヤード、どうにか止めて欲しい!
『Set!HutHut!』
ドラゴンフライでプレイが始まり、阿含さんが中央突破!
「真ん中固めろぉ!」
蓮次兄ちゃんの指示でラインの押し合いが激しくなり、雲水さんが左サイドから上がっていくのが上から見える。
「チビはファッキン坊主をマークしろぉ!」
「はい!」
『タッチダウン!』
いつの間にかタッチダウンが決まっていた。
ボールを持ってるのは……一休さんだった。
「何が起こった…?」
「金剛阿含が細川一休へパスをした、それだけだ」
淡々と高見さんが答えてくれた。
6対0……トライフォーポイントはキックを選んで決め、7対0になった。
それからも泥門が一生懸命に攻撃をするが点には繋がらずに失敗ばかり。
セナさんのランで攻めようとするも阿含さんの神速のインパルスで対処され、パスで攻めようとするも蓮次兄ちゃんはバンプでタイミングをズラされてしまい、モン太さんは一休さんに阻まれてしまっている。
自陣近くの試合展開で攻めきれずにいた泥門はムサシさんのパントキックで陣地を大きく取り戻して攻守交替。
守備ではバシバシと蓮次兄ちゃんとセナさんの2人に手刀を叩き込む阿含さんの攻撃を見て、もう見てられないとフィールドから目を背けた僕だがお父さんが僕の顔を掴んで「男の戦いを最後まで見ろ」と言われた。
そして前半が終了した。
スコアは28対0。
4回のタッチダウンとキックを決められ、圧倒的な差に観客はどんどん会場から出ていくのを見送るしかできなかった。
「あ゙ーそういや何か言ってたな、クリスマスボウル?夢見ちゃったカスの4年間も、めでたくGAME OVERだ」
双葉父
身長195cm 体重100kg ベンチプレス200kg超
双葉流柔道の師範代。
家族相手には普通に話せる(たまにパワフル語になってしまう)が他人相手になるとパワフル語でしか話せないコミュ障な父親。子供達からは長嗣を除いて慕われない(だってこいつのせいで貧乏だもん)
茶土ストロングゴーレムの事情により出稼ぎで特別講師に呼ばれたがアメフトのルールは分かってない。
Q:阿含のプロフィールは創作?
A:身長体重はwikiに記載されてたが、40ヤード走とベンチプレスは某知恵袋から引用。
次回は2026/02/01の0:00です。
それでは!